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第一章「わが家にアヤメちゃんがやってきた!」
第ニ十一話「充電箱を移動してみましょう」
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女性達とアヤメはカートで運んできた物を台所で洗い、所定の位置に片付け終えた。
その後、蕗とアヤメは屋敷内の戸締まり確認を始め、櫻子と濱子は風呂を入りに、浴室へと向かった。
それから一時間ほど過ぎて、寝巻きの着物を纏い、頭にタオルを巻いた風呂上がりの濱子が、居間に戻ってみる。
ダイニングテーブルには誰の姿もなく、暖炉の近くに設置されたローテーブルの方に日本酒数本と、幾つか小料理の器が移されていた。
一人掛けソファには、背凭れに体を預けた数仁が、うつらうつらと首を揺らしている。
鉉造は出窓を開けて、立ち姿で煙管を吸いながら、月夜の庭景色を眺めているようだ。
濱子は静静と、数仁のそばまで歩いて行く。
「数仁さん?…眠ってしまったのね?」
「いや、寝てないよ。濱子」
「ヒョコッ」と、数仁が頭を上げる。が、その目蓋は半開きだ。
「数仁さん、明日からお仕事なんですから。ちゃんと、ベッドで横になりましょうね?」
濱子が数仁の肩に手を置いて、優しく声を掛ける。
「うぅ~ん…、もう少ししたら行くよ…」
数仁は「ボン」と、背凭れに頭を落とす。
「あなた」
濱子が数仁の肩を軽く叩いてみるが、すっかり目蓋は閉じてしまい、それとは対極に「ぽっかり」と口が開いている。
鉉造は竹筒に「トン」と煙管の灰を落とし、腰に巻いた角帯から煙管筒を抜いて、中に仕舞う。そして出窓を閉め、鍵を掛けた。
「しょうがねぇな」
煙管筒と竹筒を角帯に差しながら、鉉造が歩いて来る。
「ほれ、数仁。乗れ」
鉉造は数仁の腕を引っ張って体を背凭れから離し、絨毯に立て膝の体勢になって、自分の背中に乗せようとしている。
「お父さん、腰はもう大丈夫なの?無理しないで良いのよ?」
「ああ、問題無え。数仁が腕の良い鍼灸師を、探してくれたからな。痛みもだいぶ以前から治まっとるんだが、数仁が纏めて前払いしちまったもんだから、現在も遠方から定期的に来てくれとるわい。…よいこらせっ」
鉉造が立ち上がり、数仁を負んぶする。
数仁は眼を覚ますことも無く、鉉造の背中の上で、「ス~ス~」と寝息を立てている。
「あちらの寝室は遠いから、こちらの方で」
「おう」
濱子は先に行って、居間と隣室の引き分け戸を開け、部屋の灯りを点ける。
濱子がベッドの掛け布団を捲ったところに、鉉造が背負っている数仁を下ろして寝かせる。
「う~ん…」
小さな鼾と唸り声が入り混じったような音を出している数仁の体に布団を掛けて、灯りを消す。二人は濱子の部屋を出て、引き分け戸を閉めた。
「ありがとう、お父さん。まだ、ご飯が残っているし、お茶漬けでもどうかしら?」
鉉造はお腹を擦って、減り具合を確認する。
「…そうだな。食っとくか」
「ふふ。すぐに用意するわね」
三人掛けソファの真ん中に「ドッカリ」と座り、真正面で燃え続ける暖炉の炎を睨みながら、鉉造は日本酒を呑む。
程無くして、濱子がお盆を持って現れた。
「お父さん。お待たせ」
「おう」
濱子はローテーブルにお盆を置いて、鉉造の斜向かいの一人掛けソファに腰掛けた。
お盆には急須とご飯茶碗が載っている。冷飯の上には大きな紫蘇漬け梅干しが一つ、霰や刻み海苔や三つ葉も散りばめられている。
濱子は急須を持ち上げ、円を描くように茶碗に緑茶を注いでゆく。
「…ふふふ」
小さく、濱子が笑う。
「何だ?」
「え?ふふ…。前にもね、数仁さんが酔い潰れてしまったのを何度か、お父さんが負んぶしてあげたことがあったでしょ?」
「ああ」
濱子が急須を置いた。
鉉造は箸を取って、梅干しの果肉を崩す。
「初めはね、覚えていないだけで自分の足でちゃんと、ベッドまで辿り着いて寝ているのだと思っていたらしいの。でも、そのことを数仁さんに聞かせたら、感激して喜んでいたわ。だって…、数仁さんは幼い頃もお義父様に、負んぶや肩車をしてもらった経験が無かったんですって。そうゆうことは全部、乳母や執事がしてくれたそうだけれど、外で同じ年頃の子が父親に、負んぶや肩車をしてもらって甘えているのを見て、とっても羨ましかったらしいの」
鉉造は相槌を打たず、茶碗を片手に持ち、黙々とご飯を掻き込んでいる。
「若い頃なら…呑み過ぎた時にも、先輩や友人が介抱してくれたりもしたけれど、現在は年齢的にも立場的にも酔っ払った、みっともない姿を部下の前や外では見せられない。それに付け込んでくる人間もいるから…。でも、お父さんは同居してからも贅沢なんてしないし、昔から数仁さんへの態度も変わらないでしょ?だから数仁さんも、お父さんとお酒を呑む時だけは、安心して酔えるのよ」
濱子が鉉造に話しているところに、濱子と同じようにタオルを頭に巻いた、寝巻きの着物姿の櫻子が入ってきた。
「ふふ…、数仁さんったらね。『子供ならいざ知らず、大人になった息子が年配の父親におんぶしてもらえるなんて…。世界中探したって、きっと僕ぐらいじゃないか?息子の僕への愛を感じるよ!』…ですって」
櫻子が居間の片扉を開けたまま、部屋の隅にある充電箱の方まで歩いて行き、電源プラグを抜く。
「…ふん。あいつはいちいち、言うことが大袈裟なんだ」
鉉造は嗄れた声で答え、お盆に茶碗を置いた。茶碗の中は梅干しの種だけ。米粒一つ残さず、綺麗に食べられている。
櫻子は体を屈め、充電箱を壁に沿わせるようにして運んでいる。濱子と鉉造の会話を邪魔しないよう自分では気配を消し、静かに充電箱を押しているつもりだが、「ガラガラ」と車輪の回る音が漏れ、充電プラグと電源プラグの長いコードを「ズルズル」と引き摺っている。
「お父さんが腰を痛めた時、もちろん体の心配もあったでしょうけれど…内心は、『もう二度と、負んぶをしてもらえなかっなら困るじゃないか!』…なんて、考えていたのかもしれないわね?」
濱子が冗談交じりに言う。
「おい…、勘弁しろ」
鉉造が眉間に皺を寄せ、腕を組む。
「ふふふ。…櫻子」
開いた片扉から出て行こうとする櫻子を、濱子が振り向いて呼び止める。
「こちらへいらっしゃい」
「…はい。お母様」
櫻子が体を起こし、濱子と鉉造の座るソファのそばまで歩いてきた。
「何をしているの?」
「えっと…、充電箱を二階に運ぼうと思って…」
「二階に?」
「ええ」
「アヤメちゃんの充電は、お夕飯の時に済ませたでしょう?」
「ええ…、そうなんだけど…」
櫻子は落ち着かない表情で、「キョロキョロ」と辺りを見渡す。
「…お父様は?」
「隣のお部屋よ。今はぐっすり眠っているわ」
隣室の方を見てから、櫻子は濱子に視線を戻した。
「うんと…、アヤメちゃんと寝る前にお部屋でお話したいから…」
「…アヤメちゃんの電気が減っていくのが心配?」
櫻子が小さく頷いた。
「昨夜も寝る前…アヤメちゃんといっぱい、お話したから…。あの時に、ちゃんと充電して電気満タンにしていれば、アヤメちゃんが『お母様』の言葉を練習していたとしても、途中で充電が切れたりしなかったと思うの。だから…私のお部屋で充電箱に座ってもらえれば、一緒にお話しながら充電もできるって…そう、思って…」
「櫻子…」
* * *
普段の数仁は明るく社交的であり、特に家族には甘いところもある穏和な人柄だ。しかし、自分の認めない人間や物に対しては厳しい性格なのを、櫻子は知っている。
濱子が病気になる前、よく共に数仁の会社を訪れたのだが、何度か部下を激しく叱責する場面に遭遇したことがある。
明るく優しい顔しか知らない父親の違う一面を初めて知った時、まだ幼かった櫻子はとても驚愕した。勿論、その場合は濱子が櫻子をすぐに別の場所に連れて、全てを見せないようにするのだが。
* * *
徐に鉉造が立ち上がった。
「お父さん?」
鉉造は開いた片扉のそばに放置された充電箱まで歩いて行き、絨毯に「フニャフニャ」に伸びた二本のコードを引き寄せ、一本ずつ充電箱に巻き付けている。
それを見た櫻子が、鉉造のそばに行く。
「こりゃあ、お前には無理だぞ」
そう言って、鉉造は充電箱を肩に担ぎ上げた。
「鉉さん…」
鉉造は居間を出て「スタスタ」と廊下を大股で歩き、階段を早足で上って行く。櫻子はその後を、「パタパタ」と小走りでついて行く。
二階に上がり、そのまま櫻子の部屋まで行って扉を開けると、そこに充電箱を下ろした。
櫻子が鉉造に追いつき、「ギュッ」と抱きつく。
「ありがとう、鉉さん」
櫻子は鉉造の体に「ピトッ」とくっついたまま、上を向いて満面の笑みを浮かべる。
「おう」
鉉造は大きな手で、櫻子の頭を包んでいるタオルごと「ガッ」と掴み、ぶっきらぼうに返事をした。
(続)
その後、蕗とアヤメは屋敷内の戸締まり確認を始め、櫻子と濱子は風呂を入りに、浴室へと向かった。
それから一時間ほど過ぎて、寝巻きの着物を纏い、頭にタオルを巻いた風呂上がりの濱子が、居間に戻ってみる。
ダイニングテーブルには誰の姿もなく、暖炉の近くに設置されたローテーブルの方に日本酒数本と、幾つか小料理の器が移されていた。
一人掛けソファには、背凭れに体を預けた数仁が、うつらうつらと首を揺らしている。
鉉造は出窓を開けて、立ち姿で煙管を吸いながら、月夜の庭景色を眺めているようだ。
濱子は静静と、数仁のそばまで歩いて行く。
「数仁さん?…眠ってしまったのね?」
「いや、寝てないよ。濱子」
「ヒョコッ」と、数仁が頭を上げる。が、その目蓋は半開きだ。
「数仁さん、明日からお仕事なんですから。ちゃんと、ベッドで横になりましょうね?」
濱子が数仁の肩に手を置いて、優しく声を掛ける。
「うぅ~ん…、もう少ししたら行くよ…」
数仁は「ボン」と、背凭れに頭を落とす。
「あなた」
濱子が数仁の肩を軽く叩いてみるが、すっかり目蓋は閉じてしまい、それとは対極に「ぽっかり」と口が開いている。
鉉造は竹筒に「トン」と煙管の灰を落とし、腰に巻いた角帯から煙管筒を抜いて、中に仕舞う。そして出窓を閉め、鍵を掛けた。
「しょうがねぇな」
煙管筒と竹筒を角帯に差しながら、鉉造が歩いて来る。
「ほれ、数仁。乗れ」
鉉造は数仁の腕を引っ張って体を背凭れから離し、絨毯に立て膝の体勢になって、自分の背中に乗せようとしている。
「お父さん、腰はもう大丈夫なの?無理しないで良いのよ?」
「ああ、問題無え。数仁が腕の良い鍼灸師を、探してくれたからな。痛みもだいぶ以前から治まっとるんだが、数仁が纏めて前払いしちまったもんだから、現在も遠方から定期的に来てくれとるわい。…よいこらせっ」
鉉造が立ち上がり、数仁を負んぶする。
数仁は眼を覚ますことも無く、鉉造の背中の上で、「ス~ス~」と寝息を立てている。
「あちらの寝室は遠いから、こちらの方で」
「おう」
濱子は先に行って、居間と隣室の引き分け戸を開け、部屋の灯りを点ける。
濱子がベッドの掛け布団を捲ったところに、鉉造が背負っている数仁を下ろして寝かせる。
「う~ん…」
小さな鼾と唸り声が入り混じったような音を出している数仁の体に布団を掛けて、灯りを消す。二人は濱子の部屋を出て、引き分け戸を閉めた。
「ありがとう、お父さん。まだ、ご飯が残っているし、お茶漬けでもどうかしら?」
鉉造はお腹を擦って、減り具合を確認する。
「…そうだな。食っとくか」
「ふふ。すぐに用意するわね」
三人掛けソファの真ん中に「ドッカリ」と座り、真正面で燃え続ける暖炉の炎を睨みながら、鉉造は日本酒を呑む。
程無くして、濱子がお盆を持って現れた。
「お父さん。お待たせ」
「おう」
濱子はローテーブルにお盆を置いて、鉉造の斜向かいの一人掛けソファに腰掛けた。
お盆には急須とご飯茶碗が載っている。冷飯の上には大きな紫蘇漬け梅干しが一つ、霰や刻み海苔や三つ葉も散りばめられている。
濱子は急須を持ち上げ、円を描くように茶碗に緑茶を注いでゆく。
「…ふふふ」
小さく、濱子が笑う。
「何だ?」
「え?ふふ…。前にもね、数仁さんが酔い潰れてしまったのを何度か、お父さんが負んぶしてあげたことがあったでしょ?」
「ああ」
濱子が急須を置いた。
鉉造は箸を取って、梅干しの果肉を崩す。
「初めはね、覚えていないだけで自分の足でちゃんと、ベッドまで辿り着いて寝ているのだと思っていたらしいの。でも、そのことを数仁さんに聞かせたら、感激して喜んでいたわ。だって…、数仁さんは幼い頃もお義父様に、負んぶや肩車をしてもらった経験が無かったんですって。そうゆうことは全部、乳母や執事がしてくれたそうだけれど、外で同じ年頃の子が父親に、負んぶや肩車をしてもらって甘えているのを見て、とっても羨ましかったらしいの」
鉉造は相槌を打たず、茶碗を片手に持ち、黙々とご飯を掻き込んでいる。
「若い頃なら…呑み過ぎた時にも、先輩や友人が介抱してくれたりもしたけれど、現在は年齢的にも立場的にも酔っ払った、みっともない姿を部下の前や外では見せられない。それに付け込んでくる人間もいるから…。でも、お父さんは同居してからも贅沢なんてしないし、昔から数仁さんへの態度も変わらないでしょ?だから数仁さんも、お父さんとお酒を呑む時だけは、安心して酔えるのよ」
濱子が鉉造に話しているところに、濱子と同じようにタオルを頭に巻いた、寝巻きの着物姿の櫻子が入ってきた。
「ふふ…、数仁さんったらね。『子供ならいざ知らず、大人になった息子が年配の父親におんぶしてもらえるなんて…。世界中探したって、きっと僕ぐらいじゃないか?息子の僕への愛を感じるよ!』…ですって」
櫻子が居間の片扉を開けたまま、部屋の隅にある充電箱の方まで歩いて行き、電源プラグを抜く。
「…ふん。あいつはいちいち、言うことが大袈裟なんだ」
鉉造は嗄れた声で答え、お盆に茶碗を置いた。茶碗の中は梅干しの種だけ。米粒一つ残さず、綺麗に食べられている。
櫻子は体を屈め、充電箱を壁に沿わせるようにして運んでいる。濱子と鉉造の会話を邪魔しないよう自分では気配を消し、静かに充電箱を押しているつもりだが、「ガラガラ」と車輪の回る音が漏れ、充電プラグと電源プラグの長いコードを「ズルズル」と引き摺っている。
「お父さんが腰を痛めた時、もちろん体の心配もあったでしょうけれど…内心は、『もう二度と、負んぶをしてもらえなかっなら困るじゃないか!』…なんて、考えていたのかもしれないわね?」
濱子が冗談交じりに言う。
「おい…、勘弁しろ」
鉉造が眉間に皺を寄せ、腕を組む。
「ふふふ。…櫻子」
開いた片扉から出て行こうとする櫻子を、濱子が振り向いて呼び止める。
「こちらへいらっしゃい」
「…はい。お母様」
櫻子が体を起こし、濱子と鉉造の座るソファのそばまで歩いてきた。
「何をしているの?」
「えっと…、充電箱を二階に運ぼうと思って…」
「二階に?」
「ええ」
「アヤメちゃんの充電は、お夕飯の時に済ませたでしょう?」
「ええ…、そうなんだけど…」
櫻子は落ち着かない表情で、「キョロキョロ」と辺りを見渡す。
「…お父様は?」
「隣のお部屋よ。今はぐっすり眠っているわ」
隣室の方を見てから、櫻子は濱子に視線を戻した。
「うんと…、アヤメちゃんと寝る前にお部屋でお話したいから…」
「…アヤメちゃんの電気が減っていくのが心配?」
櫻子が小さく頷いた。
「昨夜も寝る前…アヤメちゃんといっぱい、お話したから…。あの時に、ちゃんと充電して電気満タンにしていれば、アヤメちゃんが『お母様』の言葉を練習していたとしても、途中で充電が切れたりしなかったと思うの。だから…私のお部屋で充電箱に座ってもらえれば、一緒にお話しながら充電もできるって…そう、思って…」
「櫻子…」
* * *
普段の数仁は明るく社交的であり、特に家族には甘いところもある穏和な人柄だ。しかし、自分の認めない人間や物に対しては厳しい性格なのを、櫻子は知っている。
濱子が病気になる前、よく共に数仁の会社を訪れたのだが、何度か部下を激しく叱責する場面に遭遇したことがある。
明るく優しい顔しか知らない父親の違う一面を初めて知った時、まだ幼かった櫻子はとても驚愕した。勿論、その場合は濱子が櫻子をすぐに別の場所に連れて、全てを見せないようにするのだが。
* * *
徐に鉉造が立ち上がった。
「お父さん?」
鉉造は開いた片扉のそばに放置された充電箱まで歩いて行き、絨毯に「フニャフニャ」に伸びた二本のコードを引き寄せ、一本ずつ充電箱に巻き付けている。
それを見た櫻子が、鉉造のそばに行く。
「こりゃあ、お前には無理だぞ」
そう言って、鉉造は充電箱を肩に担ぎ上げた。
「鉉さん…」
鉉造は居間を出て「スタスタ」と廊下を大股で歩き、階段を早足で上って行く。櫻子はその後を、「パタパタ」と小走りでついて行く。
二階に上がり、そのまま櫻子の部屋まで行って扉を開けると、そこに充電箱を下ろした。
櫻子が鉉造に追いつき、「ギュッ」と抱きつく。
「ありがとう、鉉さん」
櫻子は鉉造の体に「ピトッ」とくっついたまま、上を向いて満面の笑みを浮かべる。
「おう」
鉉造は大きな手で、櫻子の頭を包んでいるタオルごと「ガッ」と掴み、ぶっきらぼうに返事をした。
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