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第ニ章「アヤメちゃん、奮闘中」
第四話「一緒にお出かけしましょう ①」
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翌日の日曜日、櫻子は数仁と共に自家用車に乗って、新年会のパーティー会場へと向かっていた。
昨夜は雪が降り続いていたが早朝には止み、お昼の時刻が近づいている今は晴れた街並みに、陽射しが注ぎ込む。
午前中に眺めた滉月家の庭園は、ささやかな積雪ながらも樹木の自然色に清らかな白が色付けされ、相応には楽しめる風景であったが、移動中の窓から見えるのは道の端々に追いやられている溶けかけた雪の固まりばかりで、あまり見映えが良いものではない。
自家用車の助手席には数仁、後部座席には櫻子とアヤメが座っている。
アヤメと一緒に滉月家の敷地から外へ、お出かけするのは今日が初めてだ。
櫻子は通り過ぎる街並みの所々を指差して、看板に描かれた商品や気になった店について、アヤメと会話を弾ませている。
バックミラー越しに男性運転手の杉崎が、「チラチラ」と物珍しそうな視線を向ける。
杉崎は、滉月家のお抱え運転手の一人だ。
両親と妻、そして四人の幼い子供達と暮らす長屋から、通いで働きに来ており、主に数仁が仕事で移動するための車を運転する。
もう一人、成島という同じく通いの男性運転手がいる。
櫻子の女学校や濱子の病院への送り迎え、屋敷で必要な物の買い出しや濱子からの頼まれごとで女性使用人が遠出する時など、こちらは主に屋敷の女性達が乗車する。
勿論、濱子や櫻子が乗車する時には、女性使用人が一人付き添う。
休日に自家用車での移動が必要な時は、交替で運転手が出勤する。
だが今日は荷物が多いため、後ろには成島の運転する車も付いて来ている。
屋敷の使用人達は毎日、アヤメと接しているため、話したり動いたりしていることにも慣れてきた。
ところが以前に櫻子から紹介はされたものの、杉崎がアヤメと接するのは今回が二度目だ。
先ほど車に乗せた時、アヤメと挨拶は交わしたのだが未だ、この状況に慣れないでいる。
赤信号で車を停めると、櫻子と人形のアヤメが普通に会話している様子を、「ジッ」と見入ってしまうので青信号に切り替わっても、つい発進が遅れてしまう。
一度目は穏やかに注意していた数仁も、二度目は口調が厳しくなる。
そこからは一切、杉崎もアヤメを見ないようにして運転に集中していた。
「櫻子」
そろそろ会場への到着が近づいたころ、数仁が後ろを振り返って声を掛けてきた。
「なあに?お父様」
杉崎の後ろに座っている櫻子が、数仁に顔を近づける。
「朝食でした約束は、忘れてないだろうねえ?」
「ええ、もちろんよ」
櫻子は自信ありげに答える。
「新年会にいらしてる皆様の前では絶対に、『お母様』を『おはあさま』と言わないこと。アヤメちゃんも『お父様』を『旦那様』、『おはあさま』を『奥様』と呼ぶこと。ほらぁ、ちゃんと覚えてるでしょ?」
「それだけじゃないだろう?櫻子のことも『姉様』じゃなくて、『お嬢様』と呼ぶんだろう?櫻子だけが覚えていても、意味が無いんだ。アヤメはその辺のこと、ちゃんと理解しているんだろうねえ?」
「もぉう、そんなに言わなくっても解ってるわ。ね?アヤメちゃん?」
「ハイ」
アヤメは数仁の後ろに座っているため、少しでも数仁と顔を合わせようと身体を右横に傾ける。
今日のアヤメは着物姿だが、エプロンは着けていない。
「外出先デハ決シテ、『御父様』、『オハアサマ』、『櫻、子姉様』、ト、御呼ビシナイ事、アヤメハ重々、肝ニ、銘ジテオリマス」
「そうかい?その割りには、ここで櫻子のことを『櫻子姉様』と呼んでるじゃないか?」
「あらぁ。だって、ここはまだ車の中よ?だから、アヤメちゃんにも『櫻子姉様』って呼んでもらってるだけ。心配しないで、お父様」
「う~ん…。まあ、それなら良いんだが…」
「それに、これから私達とアヤメちゃんが一緒に車でお出かけする機会だって、きっと増えてくるはずよ。杉崎さんにも、ちゃんとアヤメちゃんのこと知って頂いた方が良いと思うわ。ねぇねぇ、杉崎さん?」
「あ、はい。何でしょう、お嬢様?」
杉崎が前方を見ながら、少しだけ首を後ろに傾ける。
「アヤメちゃんが私のこと、『櫻子姉様』って呼んでいるのって可笑しいかしら?」
「はぁ…。ちょっと、よく判りかねますが…。どうでしょう?」
「ふ~ん…。でもでもぉ、アヤメちゃんがここで、『櫻子姉様』や『おはあさま』って、呼んだりするのは構わないでしょ?ね?杉崎さん?」
「ああ…、そうですね…。構わないと思いますが…。どうなんでしょう?」
杉崎は、数仁に気を使うかのように優柔不断に答える。
「ほら、櫻子。もう到着するよ」
ハンドルを回して、杉崎は門扉が開放された通路を進んで行く。
「わぁ~。見て、アヤメちゃん。素敵な建物ねぇ」
「此方ハ、新シキ、建物ナノデスネ」
新年会のパーティーは、當間 定之介の邸宅で開かれている。
當間 定之介は代々続く當間財閥の現社長であり、数仁の学生時代からの親友だ。
東京の高級住宅街に広大な土地を持ち、オフィス街にもビルを何軒も所有している。
昔から住居としていた屋敷も、かなり広い日本家屋であった。去年、その屋敷の建て替えが行われ、同年の十一月に工事が終了して完全な洋館に生まれ変わった。
今回の新年会は、その洋館のお披露目パーティーも兼ねているのだ。
當間家の男性使用人に誘導されて、杉崎は建物の正面玄関の扉前に停車した。成島の車も少し遅れて、門扉を抜けて来たところだ。
「杉崎。荷物を頼むよ」
「はい、社長」
扉前で待機していた別の男性使用人が助手席のドアを開け、数仁が降りて行く。誘導していた男性使用人は機敏な身のこなしで車を回り込み、櫻子側のドアを開けた。
「さっ、アヤメちゃん。降りるわよ」
「ハイ。櫻子御嬢様」
先に櫻子が降りる。
「ありがとうございます」
車から出て来た櫻子は、ドアを押さえている男性使用人に対して、「ニッコリ」と微笑む。男性使用人の方も思わず、必要以上の笑顔になって会釈する。
「アヤメちゃん、一人で降りられる?」
櫻子が屈んで、アヤメに声をかける。
「ハイ。問題、無イノデス」
車内から黒髪おかっぱの後頭部が出て来たので、ドアを押さえている男性使用人は「少女」が降りてくるのを、上から見守る。
車を降りてドアから離れて行く、おかっぱ頭の後ろ姿を見届けると、男性使用人はドアを閉めて櫻子達の方を振り返った。
「わあぁぁっ!」
途端に、男性使用人が驚きの声を上げて後退りする。
櫻子と同じ「少女」だと思い込んでいたのが、実際は着物を着た白塗りの大きな人形で、それが自力で動いて喋っている。そんな物を初めて見た男性使用人は口を「あんぐり」と開けたまま、固まった。
「あ、吃驚しちゃった?」
櫻子が、動かない男性使用人に声をかける。
「あっ!た、たた大変、失礼致しましたっ!」
我に返った男性使用人が、慌てて櫻子とアヤメに頭を下げる。
その声で数仁側のドアを開けた男性使用人も、「後輩が不手際でもやらかしたか」と思い、慌てて車の前を回り込む。
「お嬢様っ、山辺が何か失礼なことを…おっ!?」
だが頭を下げた山辺の先にいる、アヤメが目に飛び込んで釘づけになる。
「イエイエ。ドウゾ、御気ニ為サラズ。ドウカ頭ヲ、御上ゲ下サイマセ。此方コソ、驚カセテ仕舞イマシテ、申シ訳アリマセヌ」
アヤメは、山辺よりも深く頭を下げた。
「ハッハッハッ、驚いたかい?」
そこに数仁が高らかに笑いながら、やって来た。
アヤメと山辺が頭を上げて、数仁に顔を向ける。
「恐れ入りますが…」
「何だね?」
「あちらの…人形?のような方は、どなたか…中に入ってらっしゃるんでしょうか?」
先輩の使用人が恐縮しながら、数仁に尋ねる。
「うん?『中に人が入ってるか』だって?ハッハッハッ。さあ~、どうだろうねえ~?君は、どっちだと思う?」
「え?あ、あの…」
質問が質問で返され、どう答えて良いものか判らずに、先輩の使用人は困惑した表情を見せる。
「なあに、特に危険は無い物だから安心してくれたまえ。せっかく完成したばかりの親友の大豪邸に、傷を付けるようなことはしないさ」
「は、はあ…」
数仁に「ポンポン」と軽く肩を叩かれ、先輩の使用人は苦笑いする。
「それより、今日は『定』達に土産を沢山、用意していてね。うちの運転手達だけじゃ手が余るから、君も協力してやってくれたまえ。ああ。くれぐれも扱いは、丁寧に頼むよ」
「は、はい」
「さあ、おいで。櫻子」
先輩の使用人が返事をした後、すぐに頭を下げて「畏まりました」と答えているのには目もくれず、数仁は櫻子を手招きしてから「スタスタ」と、女性使用人が開けた玄関扉の中を通って行く。
「はい、お父様」
櫻子は返事をして、アヤメと手を繋いだ。
「行きましょう、アヤメちゃん」
「ハイ、櫻子御嬢様」
櫻子とアヤメは顔を見合わせてから歩き出し、正面玄関を入って行った。
(続)
昨夜は雪が降り続いていたが早朝には止み、お昼の時刻が近づいている今は晴れた街並みに、陽射しが注ぎ込む。
午前中に眺めた滉月家の庭園は、ささやかな積雪ながらも樹木の自然色に清らかな白が色付けされ、相応には楽しめる風景であったが、移動中の窓から見えるのは道の端々に追いやられている溶けかけた雪の固まりばかりで、あまり見映えが良いものではない。
自家用車の助手席には数仁、後部座席には櫻子とアヤメが座っている。
アヤメと一緒に滉月家の敷地から外へ、お出かけするのは今日が初めてだ。
櫻子は通り過ぎる街並みの所々を指差して、看板に描かれた商品や気になった店について、アヤメと会話を弾ませている。
バックミラー越しに男性運転手の杉崎が、「チラチラ」と物珍しそうな視線を向ける。
杉崎は、滉月家のお抱え運転手の一人だ。
両親と妻、そして四人の幼い子供達と暮らす長屋から、通いで働きに来ており、主に数仁が仕事で移動するための車を運転する。
もう一人、成島という同じく通いの男性運転手がいる。
櫻子の女学校や濱子の病院への送り迎え、屋敷で必要な物の買い出しや濱子からの頼まれごとで女性使用人が遠出する時など、こちらは主に屋敷の女性達が乗車する。
勿論、濱子や櫻子が乗車する時には、女性使用人が一人付き添う。
休日に自家用車での移動が必要な時は、交替で運転手が出勤する。
だが今日は荷物が多いため、後ろには成島の運転する車も付いて来ている。
屋敷の使用人達は毎日、アヤメと接しているため、話したり動いたりしていることにも慣れてきた。
ところが以前に櫻子から紹介はされたものの、杉崎がアヤメと接するのは今回が二度目だ。
先ほど車に乗せた時、アヤメと挨拶は交わしたのだが未だ、この状況に慣れないでいる。
赤信号で車を停めると、櫻子と人形のアヤメが普通に会話している様子を、「ジッ」と見入ってしまうので青信号に切り替わっても、つい発進が遅れてしまう。
一度目は穏やかに注意していた数仁も、二度目は口調が厳しくなる。
そこからは一切、杉崎もアヤメを見ないようにして運転に集中していた。
「櫻子」
そろそろ会場への到着が近づいたころ、数仁が後ろを振り返って声を掛けてきた。
「なあに?お父様」
杉崎の後ろに座っている櫻子が、数仁に顔を近づける。
「朝食でした約束は、忘れてないだろうねえ?」
「ええ、もちろんよ」
櫻子は自信ありげに答える。
「新年会にいらしてる皆様の前では絶対に、『お母様』を『おはあさま』と言わないこと。アヤメちゃんも『お父様』を『旦那様』、『おはあさま』を『奥様』と呼ぶこと。ほらぁ、ちゃんと覚えてるでしょ?」
「それだけじゃないだろう?櫻子のことも『姉様』じゃなくて、『お嬢様』と呼ぶんだろう?櫻子だけが覚えていても、意味が無いんだ。アヤメはその辺のこと、ちゃんと理解しているんだろうねえ?」
「もぉう、そんなに言わなくっても解ってるわ。ね?アヤメちゃん?」
「ハイ」
アヤメは数仁の後ろに座っているため、少しでも数仁と顔を合わせようと身体を右横に傾ける。
今日のアヤメは着物姿だが、エプロンは着けていない。
「外出先デハ決シテ、『御父様』、『オハアサマ』、『櫻、子姉様』、ト、御呼ビシナイ事、アヤメハ重々、肝ニ、銘ジテオリマス」
「そうかい?その割りには、ここで櫻子のことを『櫻子姉様』と呼んでるじゃないか?」
「あらぁ。だって、ここはまだ車の中よ?だから、アヤメちゃんにも『櫻子姉様』って呼んでもらってるだけ。心配しないで、お父様」
「う~ん…。まあ、それなら良いんだが…」
「それに、これから私達とアヤメちゃんが一緒に車でお出かけする機会だって、きっと増えてくるはずよ。杉崎さんにも、ちゃんとアヤメちゃんのこと知って頂いた方が良いと思うわ。ねぇねぇ、杉崎さん?」
「あ、はい。何でしょう、お嬢様?」
杉崎が前方を見ながら、少しだけ首を後ろに傾ける。
「アヤメちゃんが私のこと、『櫻子姉様』って呼んでいるのって可笑しいかしら?」
「はぁ…。ちょっと、よく判りかねますが…。どうでしょう?」
「ふ~ん…。でもでもぉ、アヤメちゃんがここで、『櫻子姉様』や『おはあさま』って、呼んだりするのは構わないでしょ?ね?杉崎さん?」
「ああ…、そうですね…。構わないと思いますが…。どうなんでしょう?」
杉崎は、数仁に気を使うかのように優柔不断に答える。
「ほら、櫻子。もう到着するよ」
ハンドルを回して、杉崎は門扉が開放された通路を進んで行く。
「わぁ~。見て、アヤメちゃん。素敵な建物ねぇ」
「此方ハ、新シキ、建物ナノデスネ」
新年会のパーティーは、當間 定之介の邸宅で開かれている。
當間 定之介は代々続く當間財閥の現社長であり、数仁の学生時代からの親友だ。
東京の高級住宅街に広大な土地を持ち、オフィス街にもビルを何軒も所有している。
昔から住居としていた屋敷も、かなり広い日本家屋であった。去年、その屋敷の建て替えが行われ、同年の十一月に工事が終了して完全な洋館に生まれ変わった。
今回の新年会は、その洋館のお披露目パーティーも兼ねているのだ。
當間家の男性使用人に誘導されて、杉崎は建物の正面玄関の扉前に停車した。成島の車も少し遅れて、門扉を抜けて来たところだ。
「杉崎。荷物を頼むよ」
「はい、社長」
扉前で待機していた別の男性使用人が助手席のドアを開け、数仁が降りて行く。誘導していた男性使用人は機敏な身のこなしで車を回り込み、櫻子側のドアを開けた。
「さっ、アヤメちゃん。降りるわよ」
「ハイ。櫻子御嬢様」
先に櫻子が降りる。
「ありがとうございます」
車から出て来た櫻子は、ドアを押さえている男性使用人に対して、「ニッコリ」と微笑む。男性使用人の方も思わず、必要以上の笑顔になって会釈する。
「アヤメちゃん、一人で降りられる?」
櫻子が屈んで、アヤメに声をかける。
「ハイ。問題、無イノデス」
車内から黒髪おかっぱの後頭部が出て来たので、ドアを押さえている男性使用人は「少女」が降りてくるのを、上から見守る。
車を降りてドアから離れて行く、おかっぱ頭の後ろ姿を見届けると、男性使用人はドアを閉めて櫻子達の方を振り返った。
「わあぁぁっ!」
途端に、男性使用人が驚きの声を上げて後退りする。
櫻子と同じ「少女」だと思い込んでいたのが、実際は着物を着た白塗りの大きな人形で、それが自力で動いて喋っている。そんな物を初めて見た男性使用人は口を「あんぐり」と開けたまま、固まった。
「あ、吃驚しちゃった?」
櫻子が、動かない男性使用人に声をかける。
「あっ!た、たた大変、失礼致しましたっ!」
我に返った男性使用人が、慌てて櫻子とアヤメに頭を下げる。
その声で数仁側のドアを開けた男性使用人も、「後輩が不手際でもやらかしたか」と思い、慌てて車の前を回り込む。
「お嬢様っ、山辺が何か失礼なことを…おっ!?」
だが頭を下げた山辺の先にいる、アヤメが目に飛び込んで釘づけになる。
「イエイエ。ドウゾ、御気ニ為サラズ。ドウカ頭ヲ、御上ゲ下サイマセ。此方コソ、驚カセテ仕舞イマシテ、申シ訳アリマセヌ」
アヤメは、山辺よりも深く頭を下げた。
「ハッハッハッ、驚いたかい?」
そこに数仁が高らかに笑いながら、やって来た。
アヤメと山辺が頭を上げて、数仁に顔を向ける。
「恐れ入りますが…」
「何だね?」
「あちらの…人形?のような方は、どなたか…中に入ってらっしゃるんでしょうか?」
先輩の使用人が恐縮しながら、数仁に尋ねる。
「うん?『中に人が入ってるか』だって?ハッハッハッ。さあ~、どうだろうねえ~?君は、どっちだと思う?」
「え?あ、あの…」
質問が質問で返され、どう答えて良いものか判らずに、先輩の使用人は困惑した表情を見せる。
「なあに、特に危険は無い物だから安心してくれたまえ。せっかく完成したばかりの親友の大豪邸に、傷を付けるようなことはしないさ」
「は、はあ…」
数仁に「ポンポン」と軽く肩を叩かれ、先輩の使用人は苦笑いする。
「それより、今日は『定』達に土産を沢山、用意していてね。うちの運転手達だけじゃ手が余るから、君も協力してやってくれたまえ。ああ。くれぐれも扱いは、丁寧に頼むよ」
「は、はい」
「さあ、おいで。櫻子」
先輩の使用人が返事をした後、すぐに頭を下げて「畏まりました」と答えているのには目もくれず、数仁は櫻子を手招きしてから「スタスタ」と、女性使用人が開けた玄関扉の中を通って行く。
「はい、お父様」
櫻子は返事をして、アヤメと手を繋いだ。
「行きましょう、アヤメちゃん」
「ハイ、櫻子御嬢様」
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