Bad luck

ごわす系美少女イカスミパスタ風

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第一話 死にたがり屋

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ハァハァハァ

ゆらゆらと揺れる影。陽炎による目の錯覚か、はたまた影を作っている本人が揺れているのかは分からないが。次第に揺れは大きくなり、大きく円を描くように倒れていった。
ハァハァハァ
荒い息の中を切り裂くようにバサッと倒れた音が響く

影の先には一人の女がいた。

キャラメル部分多めのプリンと化した髪を無造作に結び。ゴーグルをつけ。タートルネックの黒い服を着た女が。今にも白目を剥きそうな状態で倒れていた。


「(地面がこんなに近い……あぁ今私倒れてんのか……)」

意識が朦朧とした中で体に力を入れてみるが全く動かない体にため息を一つついた。
ノソノソと芋虫のように動きながら0に近い体力を振り絞って仰向けの状態になった。


「(あれから食べて無いんだろう…。オムライス。カレーライス。カツ丼。牛丼。ラーメン。…………腹減ってきたからやめよ。)」

女は半目になりながら空を見上げた。

「広いなぁ~…やっといけるのかなぁ……」

一人だったため喋ることもほぼ無い現状で久しぶりに出した声は自分だとは思えないほど掠れて裏返って醜い声に女は失笑した。

少し目を瞑り女は物思いに耽る

「(…やっと死ねる。長かったなぁ……

きっと人から見たら私の人生はどうしようもなく不運で同情するような人生だっただろう。やり直したくなる人生だろう。

でも、私はこの人生に悔いはないし、もう二度と生きるという行為をしたくない。

……迂闊にやり直したいとか思ったらどっかの転生系みたいにまたやり直すとかになる。そんなフラグは絶対にたてない。

またこの世界で生きるくらいだったら地獄で鬼の前で永遠とタップダンスしてた方がマシ。)」


真顔で彼女は思考を放棄していた。


「くそっったれな人生だった。」


そう呟き荒い息の中に包まれながらそっと目を瞑った。


安らかな永眠につけた筈だった


ハァハァハァ


「(……………………)」



ハァハァハァ



「(………………?)」



ハァハァハァ



「(………あれ?死んだら息って止まるんだよね??いや息が止まるから死ぬのか???なんで??私息してない筈じゃない???てかなんか後ろから聞こえるし。)」

ダラダラと冷や汗が止まらなかった

ギギギギッと壊れたロボットの様に後ろを振り返った


「ハァハァハァハァハァハァ」

「………」

「フゥンスゥフゥンスゥ


ブァァァァァァァアアア!!!!」


顔一面に広がったムキムキで爛れた皮膚で骨とかが見えかかり肉が抉れて眼球が飛び出た牛が鼻息荒く女に襲いかかってきた。

女はすぐさま体勢を直し腰にあった銃を構えて頭にピントを合わせると発砲した。

慣れた様なその動きは軍人やスパイにも負けないほどの無駄や隙がない。

急所に弾が命中した牛はバタッと大きな音を立てて死んだ

彼女は立ち上がり前髪をかき上げた。


「チッッ今回も邪魔されたッッ!!そろそろ死なせてくれッッ!!邪魔ばっかりしやがってッッ!!!死ね!!!」

荒ぶった様子で叫びながら牛を蹴飛ばす

「こいつらに殺される死にかただけは絶対に無理!!!!」

彼女の名はアメリ。

ちなみにこの流れはもう数十回目だ

アメリは元研究員で大学で研究室に入っていた。

しかしこの女、癖の強いことに、協調性皆無で自由奔放に突っ走り自分の気になること以外は何もしない。研究室で一人で独自の世界を広げている曲者だ。大学内でも問題児として有名で誰もが彼女を知っていた。

一匹狼彼女にぴったりな言葉だった。


そして今そんな彼女は政府から追われる身。しかも濡れ衣。

彼女は凶暴化した犬を研究していた。

それが例のウイルスに感染していると知らずに。
政府はウイルスの研究に力を入れずにいたため誰もウイルスに感染した時症状を知らなかったため。アメリも例のウイルスだとは知らず研究をしていた。


そしてある日政府は、ここまで事が大きくなるとは考えていなかったので、なぜもっと早く対策を考えなかったのか!と国民から非難されまくり。

そしてアメリの研究室からウイルスに感染した犬が見つかり、ウイルスを作ったのはアメリだと濡れ衣を着させられて世界から狙われる大悪党となり、一人で逃亡生活を送っているのである。

「はぁぁぁ………」

でっかいため息をつきながら胸ポケットから出したタバコに火をつけた。

彼女はヘビースモーカーでそこら辺に転がってるタバコの販売機を見つけてはある分だけバックに詰めている

「スーーふぅぅぅぅ」

最初の一口は肺一杯に煙を回らせて吐き出す。
そのまま咥えた状態で立ち上がりさっきの銃声で寄ってきた"悪魔"達を一瞥し銃を構えた


「だっるいから一気に来てくんない??

その方が楽だわって、ごめん言葉分かんないんだったね?ごめんね。でも私あんた達みたいなバカが使う言語とかわっかんないからさ、

さっさと死んでくれる??」

バァンとなった銃声が戦いの合図だった。

ケケケケケケという女の笑い声と悪魔達の断末魔。

どっちが悪魔かわからない光景に誰もツッコむものはいなかった



アメリは一通り戦闘が終わり悪魔達が積み上がった頂上に座りタバコをふかしていた。


空を見上げながら何か物思いに耽ってそうな真剣な顔をしながら。

「(何食べよっかなー。てかこの近くにスーパーとかあんのかな?一年以上要冷蔵無しで食べれるもんってあんのかな?)」


この女飯のことしか考えていなかったのであった。



フゥーーーーーーー



「(まっここで考えてんのも時間の無駄だしスーパーでも探しにいくか)」

立ち上がり悪魔の山から飛び降りると街中であっただろう場所に目掛けて歩いて行った

さっきまでの死にかけの状態はなんだったのか。戦ったことにより変なフェロモンが分泌して彼女は少々ハイになっていた。


もちろんこんな世界にやっているスーパーなんてない。廃墟と化したスーパーでまだ食べれそうな食料品を盗って生活している。

もちろん誰もいないため咎める人はいないし彼女も最初は躊躇していたもののもう慣れて普通に盗んでいる。寧ろ食品ロスを減らしてやってんだから感謝しろとまで思っている。


運良く歩いて行った先に店があったのかスーパーに入り物を物色した。

カレー食べてーなー

彼女はレトルトカレーのコーナーに行き色々物色した。しかしカレー全ては加熱調理が必要だった、そのまま食べてもいいが冷たいカレーなんてカレーじゃ無いと思い、鍋とかいろんなものも買ってついでにマッチとライターも買ったタバコには火が必須だからだ。

今はもう夜で火をつけてカレー食う手間がだるかったしすぐ寝たかった為すぐ食べれる様にとカ○リーメイトをあるだけ取っておいた

「(カレーは明日食うか。)」


そう思い変なキャラとコラボしていたであろうエコバックを勝手に取ってそこに荷物を入れ彼女はスーパーから出た。

近くに高い建物があった為そこで今日は寝ることにしたのか。建物を気をつけながら登り屋上に着くと使い古された小さなバスタオルを下に引いて寝っ転がった。

袋からカ○リーメイトを出して寝ながら食べた。
彼女の行儀の悪さを咎めるものは誰もいなかった。

慣れたものだ。静かな夜。星が見える夜。
一人で寝る夜。いつも一人だったので寂しいなんて感情は彼女には存在しなかった。

目を閉じて明日食べるカレーを考えながら眠りについた。

明日食べるカレーが人生を変えるなんて知る由もなく。






カチャ

構えていた銃を肩に付けた

「……なんだこりゃ……?」


そこには積み上げられた悪魔たち


「(ここの駆除を任されたのは俺一人だった筈。おかしい誰かがいる!)」


見つけないと殺さないと



一人の男が暗闇の中呟いた。




















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