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第二次ミッドウェー海戦
第31話 新生太平洋艦隊
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七月四日は米国それに米国民にとっては特別な日だ。
その日は至る所で花火が打ち上げられるなど、国中が祝賀ムードに満たされる。
しかし、米政府をはじめとした国家の指導層たちはそれどころではなかった。
日本が七月四日を期して、ミッドウェー島に再侵攻すると通告してきたからだ。
おそらく、この日にミッドウェー島それに太平洋艦隊を叩くことで、米政府それに米軍に恥をかかせようというのだろう。
嫌味なことこの上なかった。
もちろん、米軍にはミッドウェー島を放棄するというオプションもあった。
現状を考えれば、あるいはそれが最善手かもしれない。
しかし、それは出来なかった。
ルーズベルト大統領が海軍上層部に対して徹底抗戦を厳命してきたからだ。
そのルーズベルト大統領は一昨年のマーシャル沖海戦とそれに昨年のミッドウェー海戦の敗北の責任を問われ、野党から厳しい突き上げを食らっている。
一方、ルーズベルト大統領のほうは当時の太平洋艦隊司令長官を更迭するなどして責任を回避しようとしたものの、しかしそれもあまりうまくいっていない。
だが、その追及を終わらせる、これまでの汚名を注ぐ好機が訪れたのだ。
ただ、タイミングとしてははっきり言って悪い。
太平洋艦隊は再建途上であり、投入できる戦力に限りがあったからだ。
もちろん、日本側のほうもこれを見越しての動きだろう。
米海軍は戦前に「エセックス」級空母を大量発注していた。
そして、このうちの六隻が今年中に完成することになっている。
その「エセックス」級空母だが、初期の計画では五個飛行隊、合わせて九〇機の運用を基本としていた。
しかし、飛行甲板の運用が窮屈になるのを忍べば、一〇〇機以上を搭載することが可能だった。
ただ、六隻が完成するとはいっても、それは一九四三年中の話だ。
七月四日の戦闘に投入可能なものは「レキシントン2」と「ヨークタウン2」それに「バンカー・ヒル」の半数に限られる。
残る半数は夏以降にならなければ完成しないからだ。
だから、これに昨年末に就役した「エセックス」を加えても、大型正規空母は四隻のみだった。
高性能の新型正規空母といえども、しかしそれがわずかに四隻ではさすがに連合艦隊を相手取るには苦しい。
しかし、米海軍には他にも空母戦力があった。
巡洋艦を改造した「インディペンデンス」級空母だ。
搭載機数は「エセックス」級の三分の一程度にとどまるが、しかし巡洋艦改造空母ゆえに脚が速く、機動部隊に組み込むことに関しては何の問題も無かった。
そして、同空母は「インディペンデンス」と「プリンストン」それに「ベロー・ウッド」と「カウペンス」の四隻が投入可能だった。
また、他に「モンテレー」が就役しているはずだったが、しかし、こちらは完成して間が無く、慣熟訓練を終えていないことから実戦に送り出すには無理があった。
さらに、戦前からの唯一の生き残りである「レンジャー」がこれに加わる。
「レンジャー」は防御力に難があるものの、しかし七〇機程度であれば余裕で搭載できるなど、航空機運用能力は十分だった。
これら空母に搭載される戦闘機だが、こちらはF4Fワイルドキャットに代わって最新鋭のF6Fヘルキャットが新たに配備されることになる。
本来、F6Fについては機体が十分に熟成されるであろう夏以降に実戦デビューさせるはずだった。
しかし、日本軍の侵攻が現実の危機として迫ってきている以上、仮に不具合が多少残っていたとしても、その配備をためらうわけにはいかなかった。
急降下爆撃機のほうは従来のSBDドーントレスのままとなっている。
これは、後継機体の開発が難航しているためで、他に代替手段が無いこともあってこれを使い続ける以外に方法は無かった。
一方、雷撃機のほうは旧式のTBDデバステーターから、昨年デビューしたTBFアベンジャーに置き換わっている。
TBFはTBDに比べて速度性能や航続性能が大きく向上。
防御力に関してはTBDとは比べ物にならないくらいタフなものになっている。
不安が残る空母戦力に対して、水上打撃艦艇のほうは充実している。
戦艦は「サウスダコタ」級が四隻に「ノースカロライナ」級が二隻の合わせて六隻。
そのいずれもが四〇センチ砲を九門装備する新型で、防御力や機動力も旧式戦艦のそれとは一線を画している。
これら六隻が力を合わせれば、ミッドウェー海戦において友軍巡洋艦を蹂躙した「ヤマト」と呼ばれる大型戦艦を仕留めることも夢ではない。
また、巡洋艦も「アトランタ」級や「クリーブランド」級といった開戦後に就役を開始した最新鋭のものが配備されている。
さらに、駆逐艦もそのすべてを高性能の「フレッチャー」級で固めていた。
ミッドウェー島も以前とは比べ物にならないくらい軍事施設が強化され、特に飛行場の航空機運用能力はそれが顕著だ。
そして、九隻の空母の艦上機と、それにミッドウェー基地の陸上機を合わせたその総数は、予備機を含めれば八〇〇機を大きく上回る。
これら戦力をフル活用して戦いに臨めば、連合艦隊を撃退することが十分に可能なはずだった。
第一任務群
「エセックス」(F6F四八機、SBD三六機、TBF二四機)
「レキシントン2」(F6F四八機、SBD三六機、TBF二四機)
「インディペンデンス」(F6F二四機、TBF九機)
軽巡二、駆逐艦一二
第二任務群
「バンカー・ヒル」(F6F四八機、SBD三六機、TBF二四機)
「ヨークタウン2」(F6F四八機、SBD三六機、TBF二四機)
「プリンストン」(F6F二四機、TBF九機)
軽巡二、駆逐艦一二
第三任務群
「レンジャー」(F6F三六機、SBD三六機)
「ベロー・ウッド」(F6F二四機、TBF九機)
「カウペンス」(F6F二四機、TBF九機)
軽巡二、駆逐艦一二
第七任務群
戦艦「サウスダコタ」「インディアナ」「マサチューセッツ」「アラバマ」「ワシントン」「ノースカロライナ」
軽巡四、駆逐艦一六
ミッドウェー基地
F4Uコルセア七二機
TBFアベンジャー二四機
B24リベレーター四八機
PBYカタリナ三六機
PV-1一二機
その日は至る所で花火が打ち上げられるなど、国中が祝賀ムードに満たされる。
しかし、米政府をはじめとした国家の指導層たちはそれどころではなかった。
日本が七月四日を期して、ミッドウェー島に再侵攻すると通告してきたからだ。
おそらく、この日にミッドウェー島それに太平洋艦隊を叩くことで、米政府それに米軍に恥をかかせようというのだろう。
嫌味なことこの上なかった。
もちろん、米軍にはミッドウェー島を放棄するというオプションもあった。
現状を考えれば、あるいはそれが最善手かもしれない。
しかし、それは出来なかった。
ルーズベルト大統領が海軍上層部に対して徹底抗戦を厳命してきたからだ。
そのルーズベルト大統領は一昨年のマーシャル沖海戦とそれに昨年のミッドウェー海戦の敗北の責任を問われ、野党から厳しい突き上げを食らっている。
一方、ルーズベルト大統領のほうは当時の太平洋艦隊司令長官を更迭するなどして責任を回避しようとしたものの、しかしそれもあまりうまくいっていない。
だが、その追及を終わらせる、これまでの汚名を注ぐ好機が訪れたのだ。
ただ、タイミングとしてははっきり言って悪い。
太平洋艦隊は再建途上であり、投入できる戦力に限りがあったからだ。
もちろん、日本側のほうもこれを見越しての動きだろう。
米海軍は戦前に「エセックス」級空母を大量発注していた。
そして、このうちの六隻が今年中に完成することになっている。
その「エセックス」級空母だが、初期の計画では五個飛行隊、合わせて九〇機の運用を基本としていた。
しかし、飛行甲板の運用が窮屈になるのを忍べば、一〇〇機以上を搭載することが可能だった。
ただ、六隻が完成するとはいっても、それは一九四三年中の話だ。
七月四日の戦闘に投入可能なものは「レキシントン2」と「ヨークタウン2」それに「バンカー・ヒル」の半数に限られる。
残る半数は夏以降にならなければ完成しないからだ。
だから、これに昨年末に就役した「エセックス」を加えても、大型正規空母は四隻のみだった。
高性能の新型正規空母といえども、しかしそれがわずかに四隻ではさすがに連合艦隊を相手取るには苦しい。
しかし、米海軍には他にも空母戦力があった。
巡洋艦を改造した「インディペンデンス」級空母だ。
搭載機数は「エセックス」級の三分の一程度にとどまるが、しかし巡洋艦改造空母ゆえに脚が速く、機動部隊に組み込むことに関しては何の問題も無かった。
そして、同空母は「インディペンデンス」と「プリンストン」それに「ベロー・ウッド」と「カウペンス」の四隻が投入可能だった。
また、他に「モンテレー」が就役しているはずだったが、しかし、こちらは完成して間が無く、慣熟訓練を終えていないことから実戦に送り出すには無理があった。
さらに、戦前からの唯一の生き残りである「レンジャー」がこれに加わる。
「レンジャー」は防御力に難があるものの、しかし七〇機程度であれば余裕で搭載できるなど、航空機運用能力は十分だった。
これら空母に搭載される戦闘機だが、こちらはF4Fワイルドキャットに代わって最新鋭のF6Fヘルキャットが新たに配備されることになる。
本来、F6Fについては機体が十分に熟成されるであろう夏以降に実戦デビューさせるはずだった。
しかし、日本軍の侵攻が現実の危機として迫ってきている以上、仮に不具合が多少残っていたとしても、その配備をためらうわけにはいかなかった。
急降下爆撃機のほうは従来のSBDドーントレスのままとなっている。
これは、後継機体の開発が難航しているためで、他に代替手段が無いこともあってこれを使い続ける以外に方法は無かった。
一方、雷撃機のほうは旧式のTBDデバステーターから、昨年デビューしたTBFアベンジャーに置き換わっている。
TBFはTBDに比べて速度性能や航続性能が大きく向上。
防御力に関してはTBDとは比べ物にならないくらいタフなものになっている。
不安が残る空母戦力に対して、水上打撃艦艇のほうは充実している。
戦艦は「サウスダコタ」級が四隻に「ノースカロライナ」級が二隻の合わせて六隻。
そのいずれもが四〇センチ砲を九門装備する新型で、防御力や機動力も旧式戦艦のそれとは一線を画している。
これら六隻が力を合わせれば、ミッドウェー海戦において友軍巡洋艦を蹂躙した「ヤマト」と呼ばれる大型戦艦を仕留めることも夢ではない。
また、巡洋艦も「アトランタ」級や「クリーブランド」級といった開戦後に就役を開始した最新鋭のものが配備されている。
さらに、駆逐艦もそのすべてを高性能の「フレッチャー」級で固めていた。
ミッドウェー島も以前とは比べ物にならないくらい軍事施設が強化され、特に飛行場の航空機運用能力はそれが顕著だ。
そして、九隻の空母の艦上機と、それにミッドウェー基地の陸上機を合わせたその総数は、予備機を含めれば八〇〇機を大きく上回る。
これら戦力をフル活用して戦いに臨めば、連合艦隊を撃退することが十分に可能なはずだった。
第一任務群
「エセックス」(F6F四八機、SBD三六機、TBF二四機)
「レキシントン2」(F6F四八機、SBD三六機、TBF二四機)
「インディペンデンス」(F6F二四機、TBF九機)
軽巡二、駆逐艦一二
第二任務群
「バンカー・ヒル」(F6F四八機、SBD三六機、TBF二四機)
「ヨークタウン2」(F6F四八機、SBD三六機、TBF二四機)
「プリンストン」(F6F二四機、TBF九機)
軽巡二、駆逐艦一二
第三任務群
「レンジャー」(F6F三六機、SBD三六機)
「ベロー・ウッド」(F6F二四機、TBF九機)
「カウペンス」(F6F二四機、TBF九機)
軽巡二、駆逐艦一二
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