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ハワイ最終決戦
第64話 大物食い
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第五次攻撃隊総指揮官の嶋崎中佐からは四隻の大型艦を叩けと命じられた。
これを受け、第六艦隊攻撃隊隊長兼「比叡」飛行隊長の阿部少佐は配下の四個飛行隊に目標を指示する。
「『金剛』隊は左前方、『榛名』隊は左後方、『霧島』隊は右前方、『比叡』隊は右後方の大型艦を狙え。攻撃順もまた『金剛』隊、『榛名』隊、『霧島』隊とし、最後に『比叡』隊とする」
阿部少佐の命令一下、第六艦隊攻撃隊の七二機の天山が四方へと散開する。
それら天山の腹の下にはイ号一型丙無線誘導弾が懸吊されている。
マリアナ沖海戦でその姿を見せたイ号一型丙無線誘導弾と呼ばれるそれは、ドイツのHs293の技術情報をもとに開発された空対艦誘導弾だった。
そのイ号一型丙無線誘導弾には五〇〇キロ爆弾が収められ、全体重量は九五〇キロにも及ぶ。
それと、イ号一型丙無線誘導弾は無線によって誘導されることから周波数チャンネルの制限を受けた。
そのことで、同時発射が可能な数は一八にとどまる。
本来であれば、イ号一型丙無線誘導弾のような兵器は多数機による同時発射が望ましいのだが、しかしそれは出来ない。
このため母艦ごとに順次発射とせざるを得なかったのだ。
それと、帝国海軍の空母の多くが天山の定数を一八機としているのもまた、このことと関係があった。
攻撃位置につくと同時、「金剛」隊が左前方を行く大型艦に向けてイ号一型丙無線誘導弾を発射する。
この時点で彼我の距離は一〇〇〇〇メートル離れている。
しかし、無線誘導のために最終的には四〇〇〇メートルまで近づかなければならなかった。
その間は直線飛行を強いられるから、母機の天山は満足な回避機動を行なうことができない。
このため、被弾する確率が上がってしまうが、しかしそこは割り切るしかなかった。
それでも、機関砲や機銃の射撃精度が上る前に離脱することが出来るから、従来の急降下爆撃や雷撃よりも遥かに生存率は高かった。
一方、迎え撃つ側の米艦からは驟雨のような高角砲弾が撃ち上げられてくる。
イ号一型丙無線誘導弾を指向する高角砲は一基もなく、そのすべてが天山を狙っている。
高角砲弾炸裂によって生じる爆風に機体を揺さぶられながらも、「金剛」隊の一八機の天山は左前方の大型艦に向けて飛行を続ける。
ただ、VT信管を内蔵する高角砲弾の命中率、つまりは相手をその危害半径に捉える能力は一般のそれに比べて遥かに高い。
当然、すべての機体が無事に済むはずもなく、三機の天山が撃墜される。
さらに、イ号一型丙無線誘導弾についてもそのうちの二発が初期不良によって脱落する。
しかし、残る一三発のうちの一一発までが左前方の大型艦を捉えた。
命中弾は煙突周辺に集中していた。
これはもちろん、狙ってのことだ。
煙突の下にはボイラーがある。
だから、煙突の根元にイ号一型丙無線誘導弾が着弾すれば、その炸裂の際に生じる炎や爆風が煙路を通じてボイラーに流れ込むことが期待できた。
実際、マリアナ沖海戦ではこのやり方で「アイオワ」と「ニュージャージー」の二隻の最新鋭戦艦を討ち取っている。
「金剛」隊に狙われたのは「アイオワ級」三番艦の「ミズーリ」だった。
基準排水量が四八〇〇〇トンを超える巨艦も、しかし一一本ものイ号一型丙無線誘導弾を、しかも同時に突き込まれてはさすがにたまったものではなかった。
煙突周辺部に相次いで爆煙がわき立ち、次いで火柱が立ち上る。
その際に生じた熱や炎は煙路を伝ってボイラーを痛めつける。
煙突を囲むように配されていた高角砲をはじめとした対空火器も、熱と煙にあぶられあるいは燻されて、そのほとんどが機能不全に陥っている。
艦の心臓部に甚大なダメージを被った「ミズーリ」は、その自慢の脚を完全に奪われてしまった。
「ミズーリ」の次に狙われたのは左後方をいく「アラスカ」級大型巡洋艦のネームシップである「アラスカ」だった。
「アラスカ」は巡洋艦に類別されてはいるものの、しかしその排水量は三〇〇〇〇トンに迫ることから、実際には巡洋戦艦と言ってもいい存在だった。
そのうえ、全長は二四〇メートルを大きく超えている。
だから、「アラスカ」を攻撃する「榛名」の搭乗員らは同艦が「アイオワ」級と違って一本煙突だったこともあり、あらたに出現した未知の戦艦だと誤認していた。
それでも、やることに変わりはない。
「榛名」隊の搭乗員らは「金剛」隊と同じく彼我の距離が一〇〇〇〇メートルを切った時点でイ号一型丙無線誘導弾を発射する。
「アラスカ」が撃ち出す嵐のような弾幕の中を「榛名」攻撃隊はイ号一型丙無線誘導弾を制御しつつ突き進む。
途中、「榛名」四番機が高角砲弾炸裂の危害半径に捉えられて火を噴き、さらに七番機が直撃に近い至近弾を食らって爆散する。
イ号一型丙無線誘導弾のほうも二発がトラブルで脱落する。
しかし、残る一四発のうちの一二発が「アラスカ」に着弾する。
煙突周辺部に立て続けにイ号一型丙無線誘導弾を被弾した「アラスカ」は這うように進むだけとなり、やがて洋上停止する。
「アイオワ」級に比べてその排水量の限界から「アラスカ」級はそれほど打たれ強い艦ではなかった。
イ号一型丙無線誘導弾の爆発に伴って生じた熱や炎は煙路を伝ってボイラーに逆流するとともに、艦上にも煉獄を現出させる。
艦の中央部に火柱が立ち上り、艦の前部と後部を分断する。
「金剛」隊それに「榛名」隊に続いて攻撃を開始した「霧島」隊と「比叡」隊も戦果を挙げている。
「霧島」隊と「比叡」隊は、そのいずれもが「金剛」隊それに「榛名」隊と同様に一〇本を超えるイ号一型丙無線誘導弾をそれぞれ目標とした艦に叩き込んだ。
この結界、「アイオワ」級戦艦の「ミズーリ」と「ウィスコンシン」は極低速しか出せなくない、「アラスカ」級大型巡洋艦の「アラスカ」と「グアム」に至っては完全に航行能力を喪失していた。
これを受け、第六艦隊攻撃隊隊長兼「比叡」飛行隊長の阿部少佐は配下の四個飛行隊に目標を指示する。
「『金剛』隊は左前方、『榛名』隊は左後方、『霧島』隊は右前方、『比叡』隊は右後方の大型艦を狙え。攻撃順もまた『金剛』隊、『榛名』隊、『霧島』隊とし、最後に『比叡』隊とする」
阿部少佐の命令一下、第六艦隊攻撃隊の七二機の天山が四方へと散開する。
それら天山の腹の下にはイ号一型丙無線誘導弾が懸吊されている。
マリアナ沖海戦でその姿を見せたイ号一型丙無線誘導弾と呼ばれるそれは、ドイツのHs293の技術情報をもとに開発された空対艦誘導弾だった。
そのイ号一型丙無線誘導弾には五〇〇キロ爆弾が収められ、全体重量は九五〇キロにも及ぶ。
それと、イ号一型丙無線誘導弾は無線によって誘導されることから周波数チャンネルの制限を受けた。
そのことで、同時発射が可能な数は一八にとどまる。
本来であれば、イ号一型丙無線誘導弾のような兵器は多数機による同時発射が望ましいのだが、しかしそれは出来ない。
このため母艦ごとに順次発射とせざるを得なかったのだ。
それと、帝国海軍の空母の多くが天山の定数を一八機としているのもまた、このことと関係があった。
攻撃位置につくと同時、「金剛」隊が左前方を行く大型艦に向けてイ号一型丙無線誘導弾を発射する。
この時点で彼我の距離は一〇〇〇〇メートル離れている。
しかし、無線誘導のために最終的には四〇〇〇メートルまで近づかなければならなかった。
その間は直線飛行を強いられるから、母機の天山は満足な回避機動を行なうことができない。
このため、被弾する確率が上がってしまうが、しかしそこは割り切るしかなかった。
それでも、機関砲や機銃の射撃精度が上る前に離脱することが出来るから、従来の急降下爆撃や雷撃よりも遥かに生存率は高かった。
一方、迎え撃つ側の米艦からは驟雨のような高角砲弾が撃ち上げられてくる。
イ号一型丙無線誘導弾を指向する高角砲は一基もなく、そのすべてが天山を狙っている。
高角砲弾炸裂によって生じる爆風に機体を揺さぶられながらも、「金剛」隊の一八機の天山は左前方の大型艦に向けて飛行を続ける。
ただ、VT信管を内蔵する高角砲弾の命中率、つまりは相手をその危害半径に捉える能力は一般のそれに比べて遥かに高い。
当然、すべての機体が無事に済むはずもなく、三機の天山が撃墜される。
さらに、イ号一型丙無線誘導弾についてもそのうちの二発が初期不良によって脱落する。
しかし、残る一三発のうちの一一発までが左前方の大型艦を捉えた。
命中弾は煙突周辺に集中していた。
これはもちろん、狙ってのことだ。
煙突の下にはボイラーがある。
だから、煙突の根元にイ号一型丙無線誘導弾が着弾すれば、その炸裂の際に生じる炎や爆風が煙路を通じてボイラーに流れ込むことが期待できた。
実際、マリアナ沖海戦ではこのやり方で「アイオワ」と「ニュージャージー」の二隻の最新鋭戦艦を討ち取っている。
「金剛」隊に狙われたのは「アイオワ級」三番艦の「ミズーリ」だった。
基準排水量が四八〇〇〇トンを超える巨艦も、しかし一一本ものイ号一型丙無線誘導弾を、しかも同時に突き込まれてはさすがにたまったものではなかった。
煙突周辺部に相次いで爆煙がわき立ち、次いで火柱が立ち上る。
その際に生じた熱や炎は煙路を伝ってボイラーを痛めつける。
煙突を囲むように配されていた高角砲をはじめとした対空火器も、熱と煙にあぶられあるいは燻されて、そのほとんどが機能不全に陥っている。
艦の心臓部に甚大なダメージを被った「ミズーリ」は、その自慢の脚を完全に奪われてしまった。
「ミズーリ」の次に狙われたのは左後方をいく「アラスカ」級大型巡洋艦のネームシップである「アラスカ」だった。
「アラスカ」は巡洋艦に類別されてはいるものの、しかしその排水量は三〇〇〇〇トンに迫ることから、実際には巡洋戦艦と言ってもいい存在だった。
そのうえ、全長は二四〇メートルを大きく超えている。
だから、「アラスカ」を攻撃する「榛名」の搭乗員らは同艦が「アイオワ」級と違って一本煙突だったこともあり、あらたに出現した未知の戦艦だと誤認していた。
それでも、やることに変わりはない。
「榛名」隊の搭乗員らは「金剛」隊と同じく彼我の距離が一〇〇〇〇メートルを切った時点でイ号一型丙無線誘導弾を発射する。
「アラスカ」が撃ち出す嵐のような弾幕の中を「榛名」攻撃隊はイ号一型丙無線誘導弾を制御しつつ突き進む。
途中、「榛名」四番機が高角砲弾炸裂の危害半径に捉えられて火を噴き、さらに七番機が直撃に近い至近弾を食らって爆散する。
イ号一型丙無線誘導弾のほうも二発がトラブルで脱落する。
しかし、残る一四発のうちの一二発が「アラスカ」に着弾する。
煙突周辺部に立て続けにイ号一型丙無線誘導弾を被弾した「アラスカ」は這うように進むだけとなり、やがて洋上停止する。
「アイオワ」級に比べてその排水量の限界から「アラスカ」級はそれほど打たれ強い艦ではなかった。
イ号一型丙無線誘導弾の爆発に伴って生じた熱や炎は煙路を伝ってボイラーに逆流するとともに、艦上にも煉獄を現出させる。
艦の中央部に火柱が立ち上り、艦の前部と後部を分断する。
「金剛」隊それに「榛名」隊に続いて攻撃を開始した「霧島」隊と「比叡」隊も戦果を挙げている。
「霧島」隊と「比叡」隊は、そのいずれもが「金剛」隊それに「榛名」隊と同様に一〇本を超えるイ号一型丙無線誘導弾をそれぞれ目標とした艦に叩き込んだ。
この結界、「アイオワ」級戦艦の「ミズーリ」と「ウィスコンシン」は極低速しか出せなくない、「アラスカ」級大型巡洋艦の「アラスカ」と「グアム」に至っては完全に航行能力を喪失していた。
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