明治物語

プロローグ

  「暑っついなー」
愚痴を漏らしながら真島龍弥は歩いていた。

 大学3年の彼は大学の講義が終わり、帰路についていた。

   そんな中気温が40度近い日本はあまりにも暑すぎたのだ。

少し日陰に入り日差しを避けようとした龍弥は路地裏に入っていく。
すると、そこにはどこから見ても怪しげな占い師がいた。

 深いベージュのフードをかぶり顔は確認出来ない。

いかにも怪しそうな占い師だな。てか、俺占いなんか信じてないけどね。

龍弥はそこを素通りしようと思い、少し足を、早めた。
が、


   「そこの若いの。ちと止まりな。ヒヒヒヒ」


  くそ、声かけてくんなよ。そう思いながらも断る理由がなく振り向く。

   「なんだよ、ばぁーさん、俺占いとな興味ないよ」

龍弥はその占い師の目の前まで近づき少し強めに言った。

「ほぉー、信じんかね？じゃあ、あんたに少し面白いものを見せてあげようかね」

何が面白いのか、占い師は包装紙に包んである飴を渡してきた。

「なにこれ？飴？俺、親に怪しい人から食べ物を貰ってはいけません。って教わってるから無理だわ」

そんな言葉にも臆せず占い師は笑いながら言ってきた。

「なに、お前さんがちと退屈そうでな。だから、刺激を与えてやろうとおもったまでよ。この飴玉を舐めれば刺激な事が待ってるぞ」


んー、これは新手の詐欺か？いや、しかしこんな方法で金なんかとるかな？
まぁー、貰うだけ貰っとくか

龍弥は刺激という言葉に興味を惹かれつつ貰うだけ貰った。

「わかった、じゃあ、ありがたくもらうよ」


これ以上絡まれても面倒なのでもらったらそそくさと立ち退いた。