3 / 12
第3話 去り際の微笑み
しおりを挟む
ヴェルディアの首都、レーヴェルに着いたのは、灰色の雲が空を覆う午後だった。
王国の中央を走る白石の街道は整然としており、人々の表情にも張りつめた静けさがあった。
王都とは違う――どこまでも整然と、強い秩序に支えられた国。そんな印象を受けた。
「お嬢様、まるで別の世界みたいですね」
セリーヌが馬車の窓から外を覗き込む。高い石壁に囲まれた街並みは、どの屋根も規律正しく並び、風の流れすら計算されているように見えた。
「ええ。ここでは、感情よりも理性が重んじられるのでしょうね」
「王太子殿下とは真逆の国というわけですね」
「ふふ……そうかもしれないわ」
セリーヌの言葉に、自然と笑みがこぼれた。
馬車は宰相府の前で止まった。
鋭い角度の塔と白銀の紋章。その正面扉の前に、黒衣の兵士たちが整列している。
威圧的な雰囲気を放ちながらも、無駄のない所作に美しさがある。まさに、理の国の象徴だった。
「リリアナ・フォン・エルディン様でいらっしゃいますね」
迎えに来た青年が一礼する。鋭い青の瞳と、淡く整った笑み。その冷静な佇まいは、記憶に残る姿と一致していた。
「……アルヴェン・クロスフォード様」
「お久しぶりです。お会いできて嬉しい。ここまでの道のりは順調でしたか?」
「はい。ご丁寧にお迎えいただき、ありがとうございます」
「宰相閣下も、貴女にお会いするのを楽しみにしておられます。こちらへどうぞ」
彼は私の荷を受け取ろうとしたが、軽く首を振って辞退した。
「自分で持てますので」
「なるほど。では無理に取り上げはしません。公爵令嬢であっても、独りで立てる方なのですね」
「……褒め言葉として受け取ってよろしいですか?」
「もちろん」
彼の笑みは淡く柔らかい――だが、その奥に冷たい光が潜んでいた。
広間に通されると、宰相府の荘厳さに一瞬息をのむ。
壁には古代ヴェルディアの歴史と法を描いた壁画が並び、床の白大理石には精緻な文様が刻まれている。
空気全体が静謐で、私語ひとつ漏れない。まるで、感情さえ慎むことが礼儀だと教えているようだった。
「アルヴェン様、誰かお見えですか?」
低い声が響いた。
奥の書斎から現れたのは、銀髪混じりの壮年の男性――ヴェルディア宰相レオニード・クロスフォード。アルヴェンの父であり、この国の実質的な統治者だった。
「リリアナ・フォン・エルディンでございます。お招きいただき、光栄に存じます」
私が淑女の礼を取ると、宰相は細めた眼差しでしばし私を見つめた。
「静かな娘だな……まるで氷のごとく」
「……そう見えてしまうのですね」
「それは悪い意味ではない。氷は、熱でしか溶けぬ。だが容易に形を崩さない。堅牢で美しい」
その言葉に、わずかに胸が熱くなった。
王都では「冷たい」「傲慢」と嘲られた私の性格を、この男は“堅牢”と評したのだ。
「君の噂はヴェルディアにも届いている。王太子の一方的な破棄、そしてそれを泣きもせず受け入れた令嬢――。何より、学会での君の提案は見事だった。弱い立場の農民にも利益を分配する財政法案。あれを理論化した娘など、そういない」
「恐縮です」
「アルヴェンが強く推薦した理由も理解できる。私の右腕として力を貸してもらいたい。まずは顧問の立場から始め、成果しだいで正式な官職を授けよう」
「……身に余るお言葉です」
宰相は深く頷き、息子に視線を向けた。
「案内を頼む、アルヴェン」
書斎を辞してから、彼が先に歩き出した。
「この城で働くことになる者の大半は男です。女性の官職者はほとんどいません。貴女が初めてです」
「初めて……」
「偏見を持つ者もいるでしょう。けれど、気にする必要はありません。こちらでは結果が全てです」
「結果、ですか。……それなら得意分野ですわ」
思わず口元に笑みを浮かべると、アルヴェンの横顔がわずかに揺れた。
「……そうですね。貴女のようなタイプは、この国でこそ力を発揮する」
案内された部屋は、簡素ながら整えられていた。
香木の匂いが漂い、窓から差し込む光が静かな温度を保っている。
王都の屋敷よりもずっと質素なのに、不思議と心が安らぐ場所だった。
部屋に入るなり、セリーヌが小声で囁いた。
「お嬢様、アルヴェン様という方……何だか気になりますね」
「ええ。……まるで全部を見透かしているような眼をしているわ」
「ですが、悪い方には見えませんでした」
「それは同感。でも、“良い人”という言葉でまとめてしまうのも、違う気がする……」
しばらく黙っていたが、ふと窓の外を見ると、広場では淡い霧雨が降り始めていた。
この国の空気には、どこか清冽な冷たさがある。
けれどそれは、心地よかった。
◆
午後の報告会が始まる前、私はひとり文書室にいた。
壁一面に法令集と統計資料が並ぶ壮観な空間。
頁を開くたびに、整然とした数字が並び、この国の合理性がどれほど徹底しているかがわかる。
すると、背後から穏やかな声が響いた。
「早速分析に取りかかっているとは……勤勉ですね」
振り向けば、アルヴェンだった。
シャツの袖を折り上げ、手には資料束を抱えている。
「この国の財政運用を理解するには、数字から始めるのが早いと思いまして」
「正しい判断です」
「この国では“情”の影響が少ないぶん、制度が機能しているように見えます。でも、同時に柔軟さを欠いている……そう感じました」
「貴女は鋭い。……リリアナ嬢、この宰相府に足を踏み入れた理由は何です?」
一瞬、返答に迷った。だが、視線を逸らさずに答える。
「理不尽に傷つけられたからです。もう二度と誰にも支配されない自分になるために」
「……なるほど」
低く呟くと、彼はほんのわずかに微笑んだ。
「覚えておきましょう。貴女が望むのは“自由”だ」
「そう、ちゃんと自分の足で立つ自由を」
「それなら、この国は悪くない。……少なくとも、力ある者が努力によって認められる時代です」
窓の外の雨音が静かに響いた。
その音を聞きながら、私は思う。
きっとこれは――新しい人生の幕開けなのだ。
涙ではなく、冷静な微笑みで幕を開ける人生。
◆
その夜、与えられた部屋で日記を開く。
インクを落とすたびに、思考が整理されていくのを感じた。
“王都の誰も、私が再び立ち上がるとは思っていないでしょう。
それでいい。驚かせればいい。
私はここで、もう一度始める。”
ペンを置いた瞬間、扉が軽く叩かれた。
「失礼、こんな時間に」
アルヴェンの声だった。
「もうお休みのところかもしれませんが、一つだけ伝えたいことがある」
私は扉を開けた。廊下の光が彼の肩を照らしている。
「宰相閣下が明日の議会で貴女に発言の機会を与えるそうだ」
「私に、ですか?」
「そう。外部顧問として初めての発表になる。例の財政再編案をベースに、新しい提案を期待しているとのこと」
「突然ですね」
「貴女ならできる、と閣下がおっしゃった」
ふいに、アルヴェンの目が柔らかく光る。
「それと……今日、貴女が笑った時、宰相府の空気が変わった。皆が注目していた」
「笑った、なんて。そんなつもりはなかったのに」
「だが、確かに微笑んでいた。
“氷の令嬢”と呼ばれた貴女が見せたあの一瞬――あれは、強さを知る者の笑みだった」
その言葉に、胸の奥が不意に熱を帯びた。
誰もが私を冷たいと罵った。けれどこの国では、冷たさすらひとつの力として扱われるらしい。
「……光栄です」
私がそう答えると、アルヴェンは軽く頭を下げた。
「お休みなさい、リリアナ嬢。明日は、貴女の出番です」
扉が閉じる音がしたあと、私は月明かりの差し込む窓辺に立った。
遠くの空で雨雲が切れ、星がひとつだけ顔を出す。
去り際のあの微笑み――王都で見せた最後の笑みは、決して終わりの笑顔ではなかった。
それは、新しい未来を切り開くための決意の証。
今度こそ、笑うのは私の番。
あの夜の涙を置き去りにして、この地で自由と誇りを手に入れるのだ。
続く
王国の中央を走る白石の街道は整然としており、人々の表情にも張りつめた静けさがあった。
王都とは違う――どこまでも整然と、強い秩序に支えられた国。そんな印象を受けた。
「お嬢様、まるで別の世界みたいですね」
セリーヌが馬車の窓から外を覗き込む。高い石壁に囲まれた街並みは、どの屋根も規律正しく並び、風の流れすら計算されているように見えた。
「ええ。ここでは、感情よりも理性が重んじられるのでしょうね」
「王太子殿下とは真逆の国というわけですね」
「ふふ……そうかもしれないわ」
セリーヌの言葉に、自然と笑みがこぼれた。
馬車は宰相府の前で止まった。
鋭い角度の塔と白銀の紋章。その正面扉の前に、黒衣の兵士たちが整列している。
威圧的な雰囲気を放ちながらも、無駄のない所作に美しさがある。まさに、理の国の象徴だった。
「リリアナ・フォン・エルディン様でいらっしゃいますね」
迎えに来た青年が一礼する。鋭い青の瞳と、淡く整った笑み。その冷静な佇まいは、記憶に残る姿と一致していた。
「……アルヴェン・クロスフォード様」
「お久しぶりです。お会いできて嬉しい。ここまでの道のりは順調でしたか?」
「はい。ご丁寧にお迎えいただき、ありがとうございます」
「宰相閣下も、貴女にお会いするのを楽しみにしておられます。こちらへどうぞ」
彼は私の荷を受け取ろうとしたが、軽く首を振って辞退した。
「自分で持てますので」
「なるほど。では無理に取り上げはしません。公爵令嬢であっても、独りで立てる方なのですね」
「……褒め言葉として受け取ってよろしいですか?」
「もちろん」
彼の笑みは淡く柔らかい――だが、その奥に冷たい光が潜んでいた。
広間に通されると、宰相府の荘厳さに一瞬息をのむ。
壁には古代ヴェルディアの歴史と法を描いた壁画が並び、床の白大理石には精緻な文様が刻まれている。
空気全体が静謐で、私語ひとつ漏れない。まるで、感情さえ慎むことが礼儀だと教えているようだった。
「アルヴェン様、誰かお見えですか?」
低い声が響いた。
奥の書斎から現れたのは、銀髪混じりの壮年の男性――ヴェルディア宰相レオニード・クロスフォード。アルヴェンの父であり、この国の実質的な統治者だった。
「リリアナ・フォン・エルディンでございます。お招きいただき、光栄に存じます」
私が淑女の礼を取ると、宰相は細めた眼差しでしばし私を見つめた。
「静かな娘だな……まるで氷のごとく」
「……そう見えてしまうのですね」
「それは悪い意味ではない。氷は、熱でしか溶けぬ。だが容易に形を崩さない。堅牢で美しい」
その言葉に、わずかに胸が熱くなった。
王都では「冷たい」「傲慢」と嘲られた私の性格を、この男は“堅牢”と評したのだ。
「君の噂はヴェルディアにも届いている。王太子の一方的な破棄、そしてそれを泣きもせず受け入れた令嬢――。何より、学会での君の提案は見事だった。弱い立場の農民にも利益を分配する財政法案。あれを理論化した娘など、そういない」
「恐縮です」
「アルヴェンが強く推薦した理由も理解できる。私の右腕として力を貸してもらいたい。まずは顧問の立場から始め、成果しだいで正式な官職を授けよう」
「……身に余るお言葉です」
宰相は深く頷き、息子に視線を向けた。
「案内を頼む、アルヴェン」
書斎を辞してから、彼が先に歩き出した。
「この城で働くことになる者の大半は男です。女性の官職者はほとんどいません。貴女が初めてです」
「初めて……」
「偏見を持つ者もいるでしょう。けれど、気にする必要はありません。こちらでは結果が全てです」
「結果、ですか。……それなら得意分野ですわ」
思わず口元に笑みを浮かべると、アルヴェンの横顔がわずかに揺れた。
「……そうですね。貴女のようなタイプは、この国でこそ力を発揮する」
案内された部屋は、簡素ながら整えられていた。
香木の匂いが漂い、窓から差し込む光が静かな温度を保っている。
王都の屋敷よりもずっと質素なのに、不思議と心が安らぐ場所だった。
部屋に入るなり、セリーヌが小声で囁いた。
「お嬢様、アルヴェン様という方……何だか気になりますね」
「ええ。……まるで全部を見透かしているような眼をしているわ」
「ですが、悪い方には見えませんでした」
「それは同感。でも、“良い人”という言葉でまとめてしまうのも、違う気がする……」
しばらく黙っていたが、ふと窓の外を見ると、広場では淡い霧雨が降り始めていた。
この国の空気には、どこか清冽な冷たさがある。
けれどそれは、心地よかった。
◆
午後の報告会が始まる前、私はひとり文書室にいた。
壁一面に法令集と統計資料が並ぶ壮観な空間。
頁を開くたびに、整然とした数字が並び、この国の合理性がどれほど徹底しているかがわかる。
すると、背後から穏やかな声が響いた。
「早速分析に取りかかっているとは……勤勉ですね」
振り向けば、アルヴェンだった。
シャツの袖を折り上げ、手には資料束を抱えている。
「この国の財政運用を理解するには、数字から始めるのが早いと思いまして」
「正しい判断です」
「この国では“情”の影響が少ないぶん、制度が機能しているように見えます。でも、同時に柔軟さを欠いている……そう感じました」
「貴女は鋭い。……リリアナ嬢、この宰相府に足を踏み入れた理由は何です?」
一瞬、返答に迷った。だが、視線を逸らさずに答える。
「理不尽に傷つけられたからです。もう二度と誰にも支配されない自分になるために」
「……なるほど」
低く呟くと、彼はほんのわずかに微笑んだ。
「覚えておきましょう。貴女が望むのは“自由”だ」
「そう、ちゃんと自分の足で立つ自由を」
「それなら、この国は悪くない。……少なくとも、力ある者が努力によって認められる時代です」
窓の外の雨音が静かに響いた。
その音を聞きながら、私は思う。
きっとこれは――新しい人生の幕開けなのだ。
涙ではなく、冷静な微笑みで幕を開ける人生。
◆
その夜、与えられた部屋で日記を開く。
インクを落とすたびに、思考が整理されていくのを感じた。
“王都の誰も、私が再び立ち上がるとは思っていないでしょう。
それでいい。驚かせればいい。
私はここで、もう一度始める。”
ペンを置いた瞬間、扉が軽く叩かれた。
「失礼、こんな時間に」
アルヴェンの声だった。
「もうお休みのところかもしれませんが、一つだけ伝えたいことがある」
私は扉を開けた。廊下の光が彼の肩を照らしている。
「宰相閣下が明日の議会で貴女に発言の機会を与えるそうだ」
「私に、ですか?」
「そう。外部顧問として初めての発表になる。例の財政再編案をベースに、新しい提案を期待しているとのこと」
「突然ですね」
「貴女ならできる、と閣下がおっしゃった」
ふいに、アルヴェンの目が柔らかく光る。
「それと……今日、貴女が笑った時、宰相府の空気が変わった。皆が注目していた」
「笑った、なんて。そんなつもりはなかったのに」
「だが、確かに微笑んでいた。
“氷の令嬢”と呼ばれた貴女が見せたあの一瞬――あれは、強さを知る者の笑みだった」
その言葉に、胸の奥が不意に熱を帯びた。
誰もが私を冷たいと罵った。けれどこの国では、冷たさすらひとつの力として扱われるらしい。
「……光栄です」
私がそう答えると、アルヴェンは軽く頭を下げた。
「お休みなさい、リリアナ嬢。明日は、貴女の出番です」
扉が閉じる音がしたあと、私は月明かりの差し込む窓辺に立った。
遠くの空で雨雲が切れ、星がひとつだけ顔を出す。
去り際のあの微笑み――王都で見せた最後の笑みは、決して終わりの笑顔ではなかった。
それは、新しい未来を切り開くための決意の証。
今度こそ、笑うのは私の番。
あの夜の涙を置き去りにして、この地で自由と誇りを手に入れるのだ。
続く
2
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢は永眠しました
詩海猫(8/29書籍発売)
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」
長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。
だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。
ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」
*思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
彼女の離縁とその波紋
豆狸
恋愛
夫にとって魅力的なのは、今も昔も恋人のあの女性なのでしょう。こうして私が悩んでいる間もふたりは楽しく笑い合っているのかと思うと、胸にぽっかりと穴が開いたような気持ちになりました。
※子どもに関するセンシティブな内容があります。
【改稿版】光を忘れたあなたに、永遠の後悔を
桜野なつみ
恋愛
幼き日より、王と王妃は固く結ばれていた。
政略ではなく、互いに慈しみ育んだ、真実の愛。
二人の間に生まれた双子は王国の希望であり、光だった。
だが国に流行病が蔓延したある日、ひとりの“聖女”が現れる。
聖女が癒やしの奇跡を見せたとされ、国中がその姿に熱狂する。
その熱狂の中、王は次第に聖女に惹かれていく。
やがて王は心を奪われ、王妃を遠ざけてゆく……
ーーーーーーーー
初作品です。
自分の読みたい要素をギュッと詰め込みました。
なぜ、私に関係あるのかしら?
シエル
ファンタジー
「初めまして、アシュフォード公爵家一女、セシリア・アシュフォードと申します」
彼女は、つい先日までこの国の王太子殿下の婚約者だった。
そして今日、このトレヴァント辺境伯家へと嫁いできた。
「…レオンハルト・トレヴァントだ」
非道にも自らの実妹を長年にわたり虐げ、婚約者以外の男との不適切な関係を理由に、王太子妃に不適格とされ、貴族学院の卒業式で婚約破棄を宣告された。
そして、新たな婚約者として、その妹が王太子本人から指名されたのだった。
「私は君と夫婦になるつもりはないし、辺境伯夫人として扱うこともない」
この判断によって、どうなるかなども考えずに…
※ 中世ヨーロッパ風の世界観です。
※ ご都合主義ですので、ご了承下さい、
※ 画像はAIにて作成しております
誓いを忘れた騎士へ ―私は誰かの花嫁になる
吉乃
恋愛
「帰ってきたら、結婚してくれる?」
――あの日の誓いを胸に、私は待ち続けた。
最初の三年間は幸せだった。
けれど、騎士の務めに赴いた彼は、やがて音信不通となり――
気づけば七年の歳月が流れていた。
二十七歳になった私は、もう結婚をしなければならない。
未来を選ぶ年齢。
だから、別の男性との婚姻を受け入れると決めたのに……。
結婚式を目前にした夜。
失われたはずの声が、突然私の心を打ち砕く。
「……リリアナ。迎えに来た」
七年の沈黙を破って現れた騎士。
赦せるのか、それとも拒むのか。
揺れる心が最後に選ぶのは――
かつての誓いか、それとも新しい愛か。
お知らせ
※すみません、PCの不調で更新が出来なくなってしまいました。
直り次第すぐに更新を再開しますので、少しだけお待ちいただければ幸いです。
【完結】王子は聖女と結婚するらしい。私が聖女であることは一生知らないままで
雪野原よる
恋愛
「聖女と結婚するんだ」──私の婚約者だった王子は、そう言って私を追い払った。でも、その「聖女」、私のことなのだけど。
※王国は滅びます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる