4 / 11
0日目 プロローグ HELLO UNDERWORLD
アンダーワールド
しおりを挟む
【コフィン】を起動した麗奈は、初回接続のために
契約書に電子印とサインをしゲーム内設定をする。
《誓約書への同意を確認》
《これより精神保護システムを開始》
《精神保護システムは仮想空間内と現実の
感覚の解離及びそれに関する
生活の障害についての機能を持っています》
どうやら仮想空間内と現実では感覚の解離が
激しく、そのために仮想空間内と現実の操作感を、システムサポートを用いて遮断するらしい。
麗奈からしてみればずば抜けた運動能力に恵まれているため、特に必要のない機能であるためか
聞き流している。
だが、これは普通の人間には必須の機能であり
多くの人が知っている知識だ。
この機能を体感したことの無い麗奈にとっては
あってもなくても変わらない、そんな感想だ。
《視覚テストを開始》
《身体を動かさずに視覚のみを動かしてください》
ガイダンスが流れると、急に視界が開き明るくなる。
麗奈はは急に開けた視界に驚愕しながらも、周囲を見渡す。
白い床や、天井が見える。他にはなにもない。
《可視範囲が規定範囲以内に収まったことを確認》
《可視光域の設定に異常無し》
《続いて聴覚テストを開始》
《感覚を聴覚に集中してください》
高い音、低い音、雨音、土の音、石の音、銃声や
悲鳴など、様々な音が聞こえる。
しばらくすると、それらの音は止んだ。
《可聴領域に異常無し》
《続いて、触覚テストを開始》
《簡易仮想身体の適応を開始》
《簡略化触覚のフィードバックを開始》
するとマネキンのような生気の無い身体が出現する。
それは麗奈に床や大気の圧力、熱や振動の感覚を伝えてくれる。
《簡易仮想身体の適応を確認》
《簡略化触覚のフィードバックを開始》
《触覚感度は規定により50%、痛覚は35%に設定》
《触覚感度が規定値内に収まったことを確認》
《ELLOR》
《有機天然神経総量の規定値の突破を確認》
《仮想身体全手動制動オプションが利用可能》
《ヘルプより誓約書及び解説表示》
―――――――――――――――――――――――――――――――
ヘルプ:全手動制動オプション
………………………………………………………………………………………………
このオプションは天然有機神経が規定値を突破し、
誓約書に同意した方のみ利用可能なオプションです
適応すると、現実と同等のレベルで身体の制動を、
自在にコントロールすることができます。
―――――――――――――――――――――――――――――――
どうやらある程度現実で運動神経のいい人が、
システムサポートを無効化し、現実と同じ感覚で
身体を動かす為のオプションらしい。
私にとってはうってつけの機能だと、麗奈は直ぐ様この機能を起動するためにヘルプに記された通りに設定をする。
すると、オプションメニュー欄にショートカットが現れる。
《オプションはオプションメニューから選択可能》
《続いて嗅覚テストを開始》
《嗅覚オプションには標準設が用意されています》
《標準設定1を設定》
大気の匂いに加え、普段感じることが
出来ない自分の体臭も感じることができる。
生まれたてのこのマネキンのような身体は、
卵のような匂いがした。何故たまご?と麗奈は疑問顔になる。
《続いて味覚のフィードバックを開始》
大気の雑味が訴え掛けてくるように絡み付く。
興味を引かれて自分の指を加えてみると、
ゴーヤとマヨネーズの味がした。
意味がわからない。何で開発者は匂いや味を
こんなにしてしまったたんだろうか?麗奈は開発者の考えが分からず、更に疑問を深くする。
《味覚の再限度及びフィードバックは
規定により50%未満に抑えられています》
《全感覚のフィードバックを完了》
《Welcome to the UNDERWORLD》
《これより業務をシステムサポートに移行》
《Lording》
【お待たせしました】
【これよりこれより精神保護システムより
業務を引き継ぐシステムサポートと申します】
【これまでの行程で何か質問などございますが?】
麗奈は今までの説明を反芻し、何か聞くべき事を考え始める。
どうだろう?何かあったっけ?大体の仕様などは塁ちゃんなら調べてるだろうし、今ここで聞きたいこともない。
そうだ、その類ちゃんと会わないと。
知人と待ち合わせしている、どうしたら会える?
そう聞こうとして麗奈は、はたと気づく。
この姿で声は出せるのか、ということだ。
困っていると、システムサポートが音声を発する。
【当機は思念により対話を可能としますが、
生命体とのコミュニケーションツールとして
発声が実装されています。しかし、簡易仮想
身体では慣れるまで細かな動作が困難です
引き続き、思念による意志疎通を推奨します】
なるほど、考えてみればこの機械は脆弱な意識を仮想空間に送る機械だ。意識を読み取る事など、それに比べれば容易く行えるのだろう。
お金持ちのガジェットにはイヤリング型の思念会話装置もあるそうだしね?と麗奈は塁に聞いた事を思い出す。
そして、この間に麗奈にはもう一つ疑問ができた。
その疑問は、この疑問自体が疑問だということだ。
分かりやすく纏めると、興味が強くなり、疑問に思うことが多くなるような気がする。ということだ。何故だろう?と麗奈は疑問を露に首を傾げる。
麗奈はあまり関心が強い性格ではなく、仮に評価するなら五段階ならば三程度だと自分を評価する。
そんな自分が何故か些細な事を気にするのだ。
麗奈には普段の自分ならばこの疑問にすら到達しなかったと自身の普段との差違について思考する。
【好奇心の肥大と探求欲の増大が認められるか、
という質問ですが、確かにその傾向を確認】
【第一及び第二演算装置が初期稼働のために、
情報を収集、蓄積する過程で、共有すべき
情報を使用者の意識を構成する脳に送付】
【送付された情報を処理する過程で、
意識に思考が疑問として表出したと考えます】
【必要と判断された記憶は蓄積されていき、
記憶は不必要なものから脳が忘却します】
【また、演算装置はあくまでも使用者が感じた
感覚として定義される情報のみを処理し、
ゲームシステムとは一切の情報の共有及び
相互干渉を行わずに、独立して演算します】
なるほど、聞き逃したり見逃したりしたら勝手に処理して教えてくれるよって事なのかな?
昔のVRの代替感覚による察知みたいなものかな?
と麗奈は考察する。
何せ、自分は知っていても感じていないことを
教えてくれるだけなんだから。
それはすなわち思考に干渉している訳ではない。
ただの第六感なのだと。
【質問は以上ですか?】
そうだね?もう聞きたいことはないかな?
そして麗奈は質問を終えると、すでに中で待っているだろう親友に会うために次の設定に進む。
【了解しました】
【これより、仮想身体の製作に移行します】
【仮想身体は、リアルスキャン、マニュアル、
オート、ハイブリッドモードで製作します】
【リアルスキャンでは現実を元にした、
現実と同等同等のレベルで使用できる
リアルに準拠したモデルを製作します】
【オートモードはバイタルデータ等を元に、
仮想空間内に最も適したモデルを製作します】
【マニュアルでは手動で製作されたモデルを、
私が骨格や筋肉を定義しモデルを製作します】
【また、この工程も手動で行うことが出来ます】
【ハイブリッドはリアル、マニュアル、
オートの組み合わせて、モデルを製作します】
ハイブリッドの具体例は?
【はい、ハイブリッドには種類があります】
【リアルオート、リアルマニュアル、
オートマニュアル、マニュアルオートです】
【リアルオートは、リアルモデルを元に自動で
仮想空間内に最も適したモデルを製作します】
【リアルマニュアルはリアルモデルを元に、
手動で手直しを加えモデルを製作します】
【また、リアルスキャンでは外見の色情報以外の
髪型や骨格等の編集を行うことは出来ません】
【オートマニュアルでは自動製作モデルを、
さらに手直しを加えてモデルを製作します】
【マニュアルオートでは手動でモデルを製作し
自動で最も仮想空間に適した形に修正します】
色々方法が用意されているんだね?
どれを選べば良いかわからない位だ。
なら、先に作りたいアバターを決めてみようか?どんなモデルが良いだろう?心情や悪童心など、
麗奈は様々な事を加味してモデルを製作する。
もともとの容姿が中性的な外観に近い彼女は、
やっぱり、可愛い方がいいよね?
現実ではいつも色っぽいとか、かっこいいとかしか言われたことないし、今より小さかった頃も大体おとなしい子供って評価だったから少しだけだけどそういうの言われてみたいな。
そう考えると、背は小さい方がいいよね?
リアルでは176cmあるし、こっちでは150cm位に
してみようか、そうなると髪型は長めが可愛いかな。
小さい子が大きなものを持ってるのは可愛いし。ただ、胸は現実のままでね
その方がなんか楽しそうだし、塁ちゃんなら
絶対おっきくするから、からかったら愉しいしね?
髪色は日本人らしく黒にしようかな?
少し色の混ざった黒も良いけど、墨のような
つやつやした黒にしようかな?
肌色は天然の褐色っぽく、虹彩はオレンジと黄色の昆色にしようかな?と、大まかな容姿を決める。
そして次に麗奈は製作方法を決める。
この容姿を作るとなると、リアルマニュアルで作ればいいかな?と考えた麗奈は、
リアルマニュアルで作製で。と念じる。
【了解しました】
【リアルマニュアルで製作を開始します】
【リアルスキャンの準備が出来ました】
【リアルスキャンを実行しますか?】
はい。
【リアルスキャンを開始します】
【完了まで約二分】
想像よりも結構早く終わりそうだね?
二分ぐらいなら待てないって人も少ないだろうし。
【リアルスキャンを完了しました】
【マニュアル編集を開始します】
スキャンが終わると編集画面が麗奈の周囲に展開される。
どうやら、身体の各部位ごとに整合性がとれるよう
大まかに決定し、細かな調整、質感の選択をして、
最後に特徴をつけるようだ。事前の要望通りにするには、これらのメニューから編集する方法と、
完全に手動で造形することもできるようだ。
麗奈は最後に細かな仕上げに掛かる。
アバターの造形にてを加えようとしたところで、麗奈はこう思った。
しかし、私にはデザインセンスが全くない、と。
ので、顔を子供っぽくしたり、体型などはメニューから編集する。これだけだとありがちなので、
肌の色や髪色などは手動で塗り、特徴的な肌の斑模様をつける。
髪の長さを編集し、腰まである長さに。
仕上げに、ボイスを自分の声で合成する。
するとどうだろう、褐色の肌に白の斑の不思議な
肌を持つロングヘアの発育の良い少女が現れる。
【以上でモデル作製を終了しますか?】
【一度仮想身体の作製をすると、精神の安定の
観点から幾つもの身体を動かす事は危険と
されている為一ヶ月間再作製は禁止されます】
【本当によろしいですか?】
最後の確認に麗奈は、素直な気持ちで答えた。
特に不満な点もないし、気に入っている。
どうしても合わなければ、また作り直すし、
これで良いよ、と。
【了解しました】
『おめでとうございます。オンラインが解放』
『仮想空間内で他のプレイヤーと交流が可能です』
仮想身体の作製を終えると、音声が流れる。
ロビー接続とフレンド機能が追加されたとある。
麗奈がメニューの通知の項目を開くと、フレンド申請のメッセージが塁から送られてきていた。
麗奈は塁からの申請を承認する。
フレンドの項目から塁…ヒメハナバチを選択すると、フレンドチャットやメッセージがあった。
メッセージだと集中している塁は見逃すと麗奈は考えたのでフレンドチャットをコールすると、少しのコール音の後に、塁ちゃんが出る。
〈もしもし、麗奈?〉
返事をしようとすると、まだ声を確認していないと気づく。
麗奈は咄嗟に現実のように発声すると、現実の麗奈ととほぼ同じような声が出た。
〈もしもし、塁?〉
〈モデル作製終わったみたいだね?〉
〈そうだけど、分かるの?〉
〈うん、簡易モデルでは発声難しいからね〉
〈そっか、それでね〉
〈うん、どうしたの?〉
〈キャラネームの設定がなかったんだけど〉
〈あー、それは向こうでつけるんだよ〉
〈どういう風に?〉
〈向こうでは生存者は避難所で名前を登録するの〉
〈ヒメハナバチって明らかに人名じゃないけど?〉
〈識別のためだから、何でも良いのよ〉
〈なるほどね〉
〈それで麗奈はすぐこっちに来る?〉
〈いや、少しやることがあるよ〉
〈じゃあそれが終わったら、オープン記念イベント
ワールドって言うところに来て、待ってる〉
〈オッケー、終わったらすぐ行くね〉
〈それじゃあ切るよ?〉
〈じゃあね〉
契約書に電子印とサインをしゲーム内設定をする。
《誓約書への同意を確認》
《これより精神保護システムを開始》
《精神保護システムは仮想空間内と現実の
感覚の解離及びそれに関する
生活の障害についての機能を持っています》
どうやら仮想空間内と現実では感覚の解離が
激しく、そのために仮想空間内と現実の操作感を、システムサポートを用いて遮断するらしい。
麗奈からしてみればずば抜けた運動能力に恵まれているため、特に必要のない機能であるためか
聞き流している。
だが、これは普通の人間には必須の機能であり
多くの人が知っている知識だ。
この機能を体感したことの無い麗奈にとっては
あってもなくても変わらない、そんな感想だ。
《視覚テストを開始》
《身体を動かさずに視覚のみを動かしてください》
ガイダンスが流れると、急に視界が開き明るくなる。
麗奈はは急に開けた視界に驚愕しながらも、周囲を見渡す。
白い床や、天井が見える。他にはなにもない。
《可視範囲が規定範囲以内に収まったことを確認》
《可視光域の設定に異常無し》
《続いて聴覚テストを開始》
《感覚を聴覚に集中してください》
高い音、低い音、雨音、土の音、石の音、銃声や
悲鳴など、様々な音が聞こえる。
しばらくすると、それらの音は止んだ。
《可聴領域に異常無し》
《続いて、触覚テストを開始》
《簡易仮想身体の適応を開始》
《簡略化触覚のフィードバックを開始》
するとマネキンのような生気の無い身体が出現する。
それは麗奈に床や大気の圧力、熱や振動の感覚を伝えてくれる。
《簡易仮想身体の適応を確認》
《簡略化触覚のフィードバックを開始》
《触覚感度は規定により50%、痛覚は35%に設定》
《触覚感度が規定値内に収まったことを確認》
《ELLOR》
《有機天然神経総量の規定値の突破を確認》
《仮想身体全手動制動オプションが利用可能》
《ヘルプより誓約書及び解説表示》
―――――――――――――――――――――――――――――――
ヘルプ:全手動制動オプション
………………………………………………………………………………………………
このオプションは天然有機神経が規定値を突破し、
誓約書に同意した方のみ利用可能なオプションです
適応すると、現実と同等のレベルで身体の制動を、
自在にコントロールすることができます。
―――――――――――――――――――――――――――――――
どうやらある程度現実で運動神経のいい人が、
システムサポートを無効化し、現実と同じ感覚で
身体を動かす為のオプションらしい。
私にとってはうってつけの機能だと、麗奈は直ぐ様この機能を起動するためにヘルプに記された通りに設定をする。
すると、オプションメニュー欄にショートカットが現れる。
《オプションはオプションメニューから選択可能》
《続いて嗅覚テストを開始》
《嗅覚オプションには標準設が用意されています》
《標準設定1を設定》
大気の匂いに加え、普段感じることが
出来ない自分の体臭も感じることができる。
生まれたてのこのマネキンのような身体は、
卵のような匂いがした。何故たまご?と麗奈は疑問顔になる。
《続いて味覚のフィードバックを開始》
大気の雑味が訴え掛けてくるように絡み付く。
興味を引かれて自分の指を加えてみると、
ゴーヤとマヨネーズの味がした。
意味がわからない。何で開発者は匂いや味を
こんなにしてしまったたんだろうか?麗奈は開発者の考えが分からず、更に疑問を深くする。
《味覚の再限度及びフィードバックは
規定により50%未満に抑えられています》
《全感覚のフィードバックを完了》
《Welcome to the UNDERWORLD》
《これより業務をシステムサポートに移行》
《Lording》
【お待たせしました】
【これよりこれより精神保護システムより
業務を引き継ぐシステムサポートと申します】
【これまでの行程で何か質問などございますが?】
麗奈は今までの説明を反芻し、何か聞くべき事を考え始める。
どうだろう?何かあったっけ?大体の仕様などは塁ちゃんなら調べてるだろうし、今ここで聞きたいこともない。
そうだ、その類ちゃんと会わないと。
知人と待ち合わせしている、どうしたら会える?
そう聞こうとして麗奈は、はたと気づく。
この姿で声は出せるのか、ということだ。
困っていると、システムサポートが音声を発する。
【当機は思念により対話を可能としますが、
生命体とのコミュニケーションツールとして
発声が実装されています。しかし、簡易仮想
身体では慣れるまで細かな動作が困難です
引き続き、思念による意志疎通を推奨します】
なるほど、考えてみればこの機械は脆弱な意識を仮想空間に送る機械だ。意識を読み取る事など、それに比べれば容易く行えるのだろう。
お金持ちのガジェットにはイヤリング型の思念会話装置もあるそうだしね?と麗奈は塁に聞いた事を思い出す。
そして、この間に麗奈にはもう一つ疑問ができた。
その疑問は、この疑問自体が疑問だということだ。
分かりやすく纏めると、興味が強くなり、疑問に思うことが多くなるような気がする。ということだ。何故だろう?と麗奈は疑問を露に首を傾げる。
麗奈はあまり関心が強い性格ではなく、仮に評価するなら五段階ならば三程度だと自分を評価する。
そんな自分が何故か些細な事を気にするのだ。
麗奈には普段の自分ならばこの疑問にすら到達しなかったと自身の普段との差違について思考する。
【好奇心の肥大と探求欲の増大が認められるか、
という質問ですが、確かにその傾向を確認】
【第一及び第二演算装置が初期稼働のために、
情報を収集、蓄積する過程で、共有すべき
情報を使用者の意識を構成する脳に送付】
【送付された情報を処理する過程で、
意識に思考が疑問として表出したと考えます】
【必要と判断された記憶は蓄積されていき、
記憶は不必要なものから脳が忘却します】
【また、演算装置はあくまでも使用者が感じた
感覚として定義される情報のみを処理し、
ゲームシステムとは一切の情報の共有及び
相互干渉を行わずに、独立して演算します】
なるほど、聞き逃したり見逃したりしたら勝手に処理して教えてくれるよって事なのかな?
昔のVRの代替感覚による察知みたいなものかな?
と麗奈は考察する。
何せ、自分は知っていても感じていないことを
教えてくれるだけなんだから。
それはすなわち思考に干渉している訳ではない。
ただの第六感なのだと。
【質問は以上ですか?】
そうだね?もう聞きたいことはないかな?
そして麗奈は質問を終えると、すでに中で待っているだろう親友に会うために次の設定に進む。
【了解しました】
【これより、仮想身体の製作に移行します】
【仮想身体は、リアルスキャン、マニュアル、
オート、ハイブリッドモードで製作します】
【リアルスキャンでは現実を元にした、
現実と同等同等のレベルで使用できる
リアルに準拠したモデルを製作します】
【オートモードはバイタルデータ等を元に、
仮想空間内に最も適したモデルを製作します】
【マニュアルでは手動で製作されたモデルを、
私が骨格や筋肉を定義しモデルを製作します】
【また、この工程も手動で行うことが出来ます】
【ハイブリッドはリアル、マニュアル、
オートの組み合わせて、モデルを製作します】
ハイブリッドの具体例は?
【はい、ハイブリッドには種類があります】
【リアルオート、リアルマニュアル、
オートマニュアル、マニュアルオートです】
【リアルオートは、リアルモデルを元に自動で
仮想空間内に最も適したモデルを製作します】
【リアルマニュアルはリアルモデルを元に、
手動で手直しを加えモデルを製作します】
【また、リアルスキャンでは外見の色情報以外の
髪型や骨格等の編集を行うことは出来ません】
【オートマニュアルでは自動製作モデルを、
さらに手直しを加えてモデルを製作します】
【マニュアルオートでは手動でモデルを製作し
自動で最も仮想空間に適した形に修正します】
色々方法が用意されているんだね?
どれを選べば良いかわからない位だ。
なら、先に作りたいアバターを決めてみようか?どんなモデルが良いだろう?心情や悪童心など、
麗奈は様々な事を加味してモデルを製作する。
もともとの容姿が中性的な外観に近い彼女は、
やっぱり、可愛い方がいいよね?
現実ではいつも色っぽいとか、かっこいいとかしか言われたことないし、今より小さかった頃も大体おとなしい子供って評価だったから少しだけだけどそういうの言われてみたいな。
そう考えると、背は小さい方がいいよね?
リアルでは176cmあるし、こっちでは150cm位に
してみようか、そうなると髪型は長めが可愛いかな。
小さい子が大きなものを持ってるのは可愛いし。ただ、胸は現実のままでね
その方がなんか楽しそうだし、塁ちゃんなら
絶対おっきくするから、からかったら愉しいしね?
髪色は日本人らしく黒にしようかな?
少し色の混ざった黒も良いけど、墨のような
つやつやした黒にしようかな?
肌色は天然の褐色っぽく、虹彩はオレンジと黄色の昆色にしようかな?と、大まかな容姿を決める。
そして次に麗奈は製作方法を決める。
この容姿を作るとなると、リアルマニュアルで作ればいいかな?と考えた麗奈は、
リアルマニュアルで作製で。と念じる。
【了解しました】
【リアルマニュアルで製作を開始します】
【リアルスキャンの準備が出来ました】
【リアルスキャンを実行しますか?】
はい。
【リアルスキャンを開始します】
【完了まで約二分】
想像よりも結構早く終わりそうだね?
二分ぐらいなら待てないって人も少ないだろうし。
【リアルスキャンを完了しました】
【マニュアル編集を開始します】
スキャンが終わると編集画面が麗奈の周囲に展開される。
どうやら、身体の各部位ごとに整合性がとれるよう
大まかに決定し、細かな調整、質感の選択をして、
最後に特徴をつけるようだ。事前の要望通りにするには、これらのメニューから編集する方法と、
完全に手動で造形することもできるようだ。
麗奈は最後に細かな仕上げに掛かる。
アバターの造形にてを加えようとしたところで、麗奈はこう思った。
しかし、私にはデザインセンスが全くない、と。
ので、顔を子供っぽくしたり、体型などはメニューから編集する。これだけだとありがちなので、
肌の色や髪色などは手動で塗り、特徴的な肌の斑模様をつける。
髪の長さを編集し、腰まである長さに。
仕上げに、ボイスを自分の声で合成する。
するとどうだろう、褐色の肌に白の斑の不思議な
肌を持つロングヘアの発育の良い少女が現れる。
【以上でモデル作製を終了しますか?】
【一度仮想身体の作製をすると、精神の安定の
観点から幾つもの身体を動かす事は危険と
されている為一ヶ月間再作製は禁止されます】
【本当によろしいですか?】
最後の確認に麗奈は、素直な気持ちで答えた。
特に不満な点もないし、気に入っている。
どうしても合わなければ、また作り直すし、
これで良いよ、と。
【了解しました】
『おめでとうございます。オンラインが解放』
『仮想空間内で他のプレイヤーと交流が可能です』
仮想身体の作製を終えると、音声が流れる。
ロビー接続とフレンド機能が追加されたとある。
麗奈がメニューの通知の項目を開くと、フレンド申請のメッセージが塁から送られてきていた。
麗奈は塁からの申請を承認する。
フレンドの項目から塁…ヒメハナバチを選択すると、フレンドチャットやメッセージがあった。
メッセージだと集中している塁は見逃すと麗奈は考えたのでフレンドチャットをコールすると、少しのコール音の後に、塁ちゃんが出る。
〈もしもし、麗奈?〉
返事をしようとすると、まだ声を確認していないと気づく。
麗奈は咄嗟に現実のように発声すると、現実の麗奈ととほぼ同じような声が出た。
〈もしもし、塁?〉
〈モデル作製終わったみたいだね?〉
〈そうだけど、分かるの?〉
〈うん、簡易モデルでは発声難しいからね〉
〈そっか、それでね〉
〈うん、どうしたの?〉
〈キャラネームの設定がなかったんだけど〉
〈あー、それは向こうでつけるんだよ〉
〈どういう風に?〉
〈向こうでは生存者は避難所で名前を登録するの〉
〈ヒメハナバチって明らかに人名じゃないけど?〉
〈識別のためだから、何でも良いのよ〉
〈なるほどね〉
〈それで麗奈はすぐこっちに来る?〉
〈いや、少しやることがあるよ〉
〈じゃあそれが終わったら、オープン記念イベント
ワールドって言うところに来て、待ってる〉
〈オッケー、終わったらすぐ行くね〉
〈それじゃあ切るよ?〉
〈じゃあね〉
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
この世界、イケメンが迫害されてるってマジ!?〜アホの子による無自覚救済物語〜
具なっしー
恋愛
※この表紙は前世基準。本編では美醜逆転してます。AIです
転生先は──美醜逆転、男女比20:1の世界!?
肌は真っ白、顔のパーツは小さければ小さいほど美しい!?
その結果、地球基準の超絶イケメンたちは “醜男(キメオ)” と呼ばれ、迫害されていた。
そんな世界に爆誕したのは、脳みそふわふわアホの子・ミーミ。
前世で「喋らなければ可愛い」と言われ続けた彼女に同情した神様は、
「この子は救済が必要だ…!」と世界一の美少女に転生させてしまった。
「ひきわり納豆顔じゃん!これが美しいの??」
己の欲望のために押せ押せ行動するアホの子が、
結果的にイケメン達を救い、世界を変えていく──!
「すきーー♡結婚してください!私が幸せにしますぅ〜♡♡♡」
でも、気づけば彼らが全方向から迫ってくる逆ハーレム状態に……!
アホの子が無自覚に世界を救う、
価値観バグりまくりご都合主義100%ファンタジーラブコメ!
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる