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鬼頭先生まで……?!

未成年淫行は地雷

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「な、渚さん……?!」
「渚くん、大丈夫大丈夫。オレは君一筋だから……!」
 穂高くんがシーツの上から俺の頭を撫でてきた。
「一途……確かに」
 今までの穂高くんの振る舞いを思い出す。確かに彼は俺なんかに夢中で、仕事でも手伝ってくれて、ネット上でも支えてくれていた。しかもイケメンだ。
 あれ?もしかしてすごくイイ男じゃない?分かってたはずなのに、分かってなかった……?
 シーツから顔を出すと、彼の綺麗な瞳が近くにあった。色素の薄い、異国の彩りにときめかないわけがない。
「オレの本気、分かってくれた?」
「――うん、今まで……ごめんね」
 くしゃっと笑った穂高くんが俺をシーツごと抱きしめて、キスをした。
 唇が触れあうと、心臓がドキドキとし始めた。ときめき、とでもいうのだろうか。
「じゃあ、オレと付き合ってくれる?」
「えっと……あの……」
 照れながら、イエスと答えようと迷い始めたのだけれど。
「ちょっと待ってください、そんなの許されません」
 割って入ったのは玲央さんだ。
「いやいや、お前はフラれたの。他の人たくさん抱いといて、今は渚くんだけとか言われても信用ならないでしょ」
「確かにそれはそうかもしれませんが、渚さんと会ってからは本当に誰ともそういう事してないのも事実です。あと、すごく訂正したい事があります」
 ベッドの上で正座した玲央さんは、生徒のように挙手をした。
 おろおろする俺の横で、穂高くんがため息を付く。
「遺恨は残したくない。よし発言を許そう」
「ありがとうございます」
 いつも三人でいても主導権を握るのは玲央さんだったのに、今は逆転してしまっている。自信満々で、誰にも物怖じしない彼の握られた拳は僅かに力が入っているように見えた。
「あの、自分うずら先生とセックスしてません」
「――え?で、でもうずら先生が……」
「渚さんはうずら先生がセックスしたって言ったの聞いたんですか」
「――えっと、正確には一夜を過ごした……だったような」
 うずら先生の発言を頭の中で思い出す。
「いや、男女が一夜を過ごすって表現入ったらセックスに決まってるじゃないか」
 穂高くんのもっともなツッコミに、うんうんと俺は頷く。
「第一うずら先生とオフ会した時俺未成年です」
「――え?」
「ぶっちゃけますけど、正直自分は抱く気満々でした。年上の文学系お姉さんなんてエロいじゃないですか?」
「あ、はあ……?」
 謎の勢いに、同意するしかできない。
「でもうずら先生かなりコンプラ重視なんです。未成年とはしませんとか言われて、確かにホテルには行ったけど、ずっと創作談義したり自分の絵の感想くれたりで終わりました。彼女の作品も未成年が出てもエロいことされたりの実害はないでしょ?未成年への淫行が彼女の地雷だとも教わりました」
「確かに、どっちかというとイケオジ×イケオジとかの作品が多いし、二次創作もオジサンキャラばっかだなあの人……」
 玲央さんの発言を聞いた穂高くんが、納得したように呟いた。
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