婚約破棄されたので、もう私が支えるのはやめます

ふわふわ

文字の大きさ
5 / 35

第五話 支援停止

しおりを挟む
第五話 支援停止

クラウゼン公爵との面会を終えて侯爵邸へ戻った頃には、陽が少し傾き始めていた。

春の午後特有のやわらかな光が、玄関ホールの大理石を薄金色に染めている。だがその穏やかさとは裏腹に、屋敷の中の空気は妙にざわついていた。使用人たちは表向き平静を装っているものの、足音がいつもより速く、ささやきは低く、視線はせわしない。

何かが起きている。

エレノアは馬車を降りた瞬間にそう察した。

「お帰りなさいませ、お嬢様」

執事が出迎える。

いつも通りの一礼。いつも通りの落ち着いた声。けれど、その奥にある緊張は隠しきれていなかった。

「ただいま戻りました」

「お疲れでございましょう。……旦那様が、お戻りになり次第、応接間へ来るようにとのことです」

「お父様が?」

「はい」

エレノアはわずかに首を傾げた。

侯爵は今日は午後、王宮へ上がる予定だったはずだ。昨夜の騒ぎを受けて、さっそく根回しと状況確認に走ったのだろうと思っていた。

その父が、戻り次第応接間へ。

しかも執事がこんな顔をしている。

「何かございましたの」

問いかけると、執事は一瞬だけ迷ったようだったが、やがて慎重に答えた。

「……本日、予定されていたいくつかの調整が、うまく進まなかったようでございます」

「調整」

「王宮の宴席、寄付金の振り分け、春季交易祭の来賓席順、あとは南方伯家との面会時刻の件など」

エレノアはまばたきをした。

どれも聞き覚えがある。

というより、どれも本来なら自分が前もって整えておくはずだった案件だ。

王宮の宴席は、表向きはただの季節の祝いだが、実際には次の人事を見据えた顔合わせの色が濃い。寄付金の振り分けも、ただ善意で配るのではない。どの施設にいくら回せばどの派閥が喜び、逆にどこを削ると誰が不満を抱くか、細かな配慮がいる。

春季交易祭の来賓席順など、なおさらだ。誰を上座へ置き、誰をひとつ後ろへ回すかで、次の商談の空気すら変わる。

南方伯家との面会も同じ。遅刻は論外だが、早すぎても失礼、しかも相手方は時間そのものより“どの名目で待たせたか”に敏感な家だった。

ひとつひとつは小さい。

だが小さいからこそ、舐めてかかると後で大きく響く。

エレノアは、胸の奥にひどく静かな感覚が広がるのを覚えた。

もう始まったのだ。

「……そうですか」

それだけ返すと、執事はほんのわずかに目を伏せた。

「お部屋へお茶をご用意いたしますか」

「いいえ。その前に少しだけ、書庫へ寄ります」

「かしこまりました」

エレノアはそのまま廊下を進んだ。

本当は少し疲れていた。レオンハルトとの面会は不快ではなかったし、むしろ救われる部分も多かったが、それでも心の奥を触られるような会話だったぶん、思った以上に神経を使っていたらしい。

けれど今は、自室でぼんやり休む気にはなれない。

書庫の鍵は、まだ自分の手元にあった。

侯爵家の社交記録、招待状の控え、寄付の一覧、贈答品の記録、行事予定、取引先の癖、誰と誰の仲が悪いか、逆に誰と誰が裏で手を組みつつあるか。そういう表に出ない情報の整理を任されていたのは、長らくエレノアだった。

任されていた、というより、いつの間にかそうなっていた。

最初は王太子妃教育の一環のつもりだった。

家のためにもなるし、先を見据えて覚えておいて損はないと考えていたのだ。

だがいつしか、それは当然の役目になった。

誰も褒めない。誰も感謝しない。できて当たり前。滞れば“どうして”と責められるだけ。

書庫へ入ると、革と紙の乾いた匂いがした。

静かな空間に足を踏み入れた瞬間、エレノアはゆっくりと息を吐く。ここは好きだった。感情より記録が優先される場所は、少なくとも人の顔色をうかがい続ける場所よりずっと楽だ。

棚の一角には、自分用に作った整理箱がいくつも並んでいる。

王宮関係。

侯爵家主催行事。

有力貴族一覧。

寄付・後援先。

王太子関連。

その最後の箱に目をやって、エレノアはほんの少しだけ立ち止まった。

そして、静かに蓋を開ける。

中には、整然とまとめられた書類があった。

アルヴィスの好み。苦手な話題。過去の失言と、その火消しの経緯。近づけてよい人物と遠ざけるべき人物。機嫌を損ねた際に、何を差し出せば収まるか。どの相手に対しては、あえて先に謝罪文を送っておくべきか。

……我ながら、よくここまで作ったものだと思う。

しかも以前の自分は、これを愛情や責任の延長だと本気で思っていたのだから、少し笑いたくなる。

「終わりですわね……」

誰に聞かせるでもなく、そう呟く。

レオンハルトの言葉が、胸の奥でよみがえる。

他人の失態を背負う役目も、です。

エレノアは箱を閉じた。

もうこれを更新する必要はない。

その瞬間、書庫の扉が乱暴に開いた。

「エレノア!」

父の声だった。

振り返ると、フェルベルク侯爵が荒い足取りで入ってくる。その後ろにはヴィオラも続いていた。二人とも明らかに余裕を失っている。父は額にうっすら汗までにじませていた。

これは相当だ、とエレノアは思った。

「お父様」

「こんなところにいたのか」

「少し、考えをまとめたくて」

「そんなことはどうでもいい!」

珍しく、侯爵は最初から声を荒げた。

ヴィオラも興奮を抑えきれない顔で言う。

「王宮でとんでもないことになっているのよ!」

エレノアは何も言わず、二人を見た。

言いたいなら、言わせればいい。

「まず、春季交易祭の席順表が、王宮で差し戻された」

侯爵が吐き捨てるように言う。

「南方伯家が、なぜ自分たちが東部侯家より下なのかと難色を示したのだ。しかも東部侯家は東部侯家で、南方伯家と隣席にするなら欠席すると言い出す始末だ!」

エレノアは胸の中で静かに数を数えた。

一、二、三。

やはり。

南方伯家と東部侯家は、昨年の鉱山権を巡るもめごと以来、表向きこそ和解しているが、実際にはまだ遺恨が残っている。隣席どころか、視線が交わりやすい配置にするだけでもまずい。

以前のエレノアなら、そこに別の名家を挟み、双方に“配慮した配置”として納得させていた。

「それから、聖女院への寄付額だ」

侯爵はさらに続ける。

「例年通りで通すはずが、今年は北部修道院への配分が少ないと抗議が入った。王妃殿下のご実家が重んじている先だぞ!」

それも知っている。

北部修道院は王妃の実家が表向き後援している場所で、額面の多寡より“去年より減らさないこと”が重要だった。金額そのものではなく、姿勢の問題だからだ。

「さらに南方伯家との面会だが、時間調整を任せた書記官が勝手に別件を入れていてな……待たせた」

待たせた。

それはまずい。あの家は形式に厳しい。

というより、形式を口実に貸しを作るのがうまい。

すでに今日一日で、いくつ火種を抱えたのだろう。

ヴィオラが苛立ったように口を挟む。

「こんなこと、今までなかったわ! どうして急に全部ずれるの!」

エレノアはその言葉に、ほんの少しだけ目を伏せた。

今までなかったのではない。

今までは、表に出る前に潰していただけだ。

けれど、もちろんそんな言い方をしてやる義理はない。

侯爵はエレノアを睨むように見た。

「お前、何か知っているのではないか」

それを言うか、と内心で少し感心した。

自分で支えを手放しておいて、崩れ始めたら支えていた側を疑う。ずいぶんと見事な思考だ。

「知っているも何も」

エレノアは静かに答える。

「その三件は、いずれも以前から注意が必要な案件でした」

侯爵の顔色が変わる。

「なら、なぜ先に言わん!」

「申し上げておりました」

「何だと」

「交易祭の席順については、先月の時点で“南方伯家と東部侯家は距離を取るべき”と。寄付金については“北部修道院は前年割れを避けるべき”と。南方伯家との面会時刻については“前後に別件を入れないように”と」

一つずつ、淡々と告げる。

それらはすべて、実際に口にした助言だった。

けれど侯爵も王太子も、そういう細部は“エレノアがうるさく口を出していること”くらいにしか受け取っていなかった。覚えていないのも当然だろう。自分たちは考えなくても、最後にはきちんと整っていたのだから。

「……そんなことを言った覚えはない」

父は苦々しく言った。

「覚えておられないだけかと」

その一言に、侯爵のこめかみに青筋が立つ。

ヴィオラは苛立ちと焦りを隠せないまま言う。

「だったら、今からでも整えなさいな! あなた、そういうのが得意なのでしょう!」

あまりにも自然な命令だった。

まるで、婚約破棄された娘が翌日に家の火消しに駆り出されるのが当然であるかのように。

エレノアは、しばし無言で継母を見た。

ヴィオラはその視線に、ほんの少したじろいだ。

「……何ですの」

「いいえ。ただ、よくそんなことをおっしゃると思いまして」

「家が困っているのよ!」

「ええ、そうでしょうね」

「なら助けるべきでしょう!」

エレノアはそこで、ゆっくりと息を吸った。

怒ってはいない。

呆れはしたが、今さら怒るほどの熱も残っていなかった。

その代わり、妙に澄んだものが胸にある。

もう譲らない、という感覚だった。

「お断りいたします」

書庫が静まり返った。

侯爵もヴィオラも、一瞬、意味が分からなかったらしい。

先に反応したのはヴィオラだった。

「……は?」

「お断りすると申し上げました」

「何を言っているの、あなた」

「聞こえなかったわけではないでしょう」

侯爵の声が低くなる。

「エレノア」

「私と殿下の婚約は、昨夜、正式に破棄されました」

「それが何だ」

「王太子殿下に関わる調整も、私が担う理由はなくなったということです」

侯爵は顔を強張らせる。

「これは王太子だけの問題ではない。侯爵家にも関わる!」

「では、侯爵家の方々で対処なさればよろしいかと」

「貴様……!」

さすがに父の声音が変わった。

だが、以前のエレノアならそこで怯んだ圧も、今はもう身体の表面を滑るだけだ。

「これまで私が整えてきたものは、誰からも必要とされていないのだと思っておりました」

エレノアは言う。

「昨夜も今朝も、皆様そうおっしゃっていたではありませんか。私は冷たく、可愛げがなく、ただ理屈ばかりで、殿下にふさわしくない女だと」

「それとこれとは……!」

「同じですわ」

エレノアは初めて父の言葉を遮った。

そのことに、自分でも少し驚く。

だが一度線を越えてしまえば、案外容易かった。

「私が余計な口を出し、勝手に場を整え、差し出がましく動いていたのだと皆様がお考えなら、今後はその“差し出がましい行為”をやめるだけです」

侯爵の口元が引きつる。

反論したいのだろう。だが彼自身、これまでエレノアの働きにきちんと礼を言ったことも、必要性を認めたこともない。今さら都合よく必要だと言い換えるには、少々遅すぎた。

「あなた……家がどうなってもいいとおっしゃるの?」

ヴィオラが信じられないものを見るような目で言った。

「家がどうなるかは、お父様が決めることでしょう」

「無責任よ!」

「責任の所在を、ようやく正しい場所へ戻しただけです」

そのとき、廊下の向こうから軽い足音がした。

ミレイユだった。

どうやら騒ぎを聞きつけたらしい。薄桃色の室内着の裾を揺らしながら、扉口で足を止める。

「……まあ、どうなさいましたの?」

いかにも心配そうな声。

けれどその目は、明らかに状況を面白がっていた。

侯爵は苛立ったように眉を寄せたが、ヴィオラは娘の姿を見た途端、声の調子を変えた。

「何でもないのよ、ミレイユ。あなたは休んでいなさい」

「でも……お姉様に何かあったのでは……」

それを聞いて、エレノアは義妹を見た。

昨日までなら、この子のこういう声音に周囲がどう反応するかを先回りして考えていた。

今は、考える必要がない。

「何もありませんわ、ミレイユ」

「本当に?」

「ええ。ただ、お父様とお義母様が、これまで私がしていたことを少しだけ理解なさったようですの」

ミレイユの表情が、ほんのわずかに固まった。

“これまで私がしていたこと”。

その言い方に、何か含みを感じたのだろう。

「……お姉様は昔から、そうやって何でもご自分が一番働いていたみたいにおっしゃいますのね」

ついに来た。

可憐な仮面の端が少しだけめくれた瞬間だった。

侯爵とヴィオラがぎょっとしてミレイユを見る。

だが彼女はすぐに、はっとしたように口元を押さえた。

「ご、ごめんなさい……そんなつもりでは……」

エレノアはそこで、ふっと笑った。

初めて、はっきりと。

「そうね。あなたには分からないでしょう」

「お姉様……」

「分からなくて結構よ。これからご自分で知ることになるのですもの」

ミレイユの頬から血の気が引く。

侯爵も、その言葉の意味に気づいたらしい。

義妹が王太子の隣に立つということは、つまり今までエレノアが引き受けていた見えない仕事のいくらかが、いずれミレイユにも向かうということだ。

そして彼女に、その重みを支えられるとはとても思えない。

空気が変わった。

侯爵は口を開いたが、何も言えない。

ヴィオラは娘を抱き寄せるように立ち位置を変えたが、その顔には初めてはっきりとした不安が浮かんでいた。

今までなら、エレノアが黙って全部整えてくれていた。

けれど、もうそれはない。

「私は失礼いたします」

エレノアはそう告げ、一礼した。

父は止めなかった。

止められなかった、というほうが正しいだろう。

書庫を出て廊下へ戻ると、肺の奥にたまっていた空気がようやく抜ける。

少しだけ手が冷えていた。

緊張していたのだと、ようやく気づく。

あれだけはっきり断ったのは初めてだった。

家のために。

婚約者のために。

将来のために。

そう言われ続けてきたものを、真正面から切り捨てた。

なのに不思議と、後悔はなかった。

むしろ身体が軽い。

まるで長年抱えていた重い帳簿を、ようやく机の上に 내려ろしたような感覚だった。

廊下の途中で、執事が静かに待っていた。

「お嬢様」

「聞こえていたかしら」

「少しだけ」

さすがに全部ではなかったらしい。だが十分だろう。

執事は慎重に言葉を選ぶようにして口を開いた。

「本日は、王宮からの使いが三度参りました」

「三度も?」

「はい。旦那様はそのたびに応接されましたが、どうにも……思うようには進まなかったようで」

エレノアは小さく頷く。

「そうでしょうね」

「……差し出がましいことを申しますが」

執事がわずかに声を落とす。

「今まで、屋敷の者どもは皆、お嬢様に助けられておりました」

エレノアは足を止めた。

執事はまっすぐ頭を下げる。

「本来なら、もっと早く申し上げるべきでした」

胸の奥に、温かくも少し痛いものが広がる。

誰も見ていないわけではなかった。

少なくとも、ちゃんと見ていた人はいたのだ。

ただ、その声が表へ出ることはなかっただけで。

「……ありがとう」

それだけ言うのが精一杯だった。

執事は再び静かに礼をする。

「お茶をお部屋へお持ちいたします」

「お願いするわ」

自室へ戻ったエレノアは、窓辺に立って庭を見下ろした。

夕方の光が長く影を落としている。

昨夜までは、この屋敷も王宮も、自分が少し手を伸ばせばどうにかなると思っていた。整え、繕い、先回りし、誰かの失敗をなかったことにする。それができる限り、表面は平穏でいられると。

けれど今、その平穏は早くも崩れ始めている。

たった一日で。

たった自分一人が手を引いただけで。

「そんなものだったのね……」

つぶやきは、驚き半分、呆れ半分だった。

あれほど大きく、強く、揺るがないように見えた王宮も侯爵家も、実際にはずいぶん脆いところへ立っていたらしい。そしてその継ぎ目を埋めていたのが、他でもない自分だったのだ。

ようやく、その事実を自分でも実感し始めていた。

ノックのあと、侍女がお茶を運んでくる。

湯気の立つカップから、穏やかな花の香りがした。

エレノアは椅子に腰を下ろし、その温もりを両手で包む。

もう助けない。

もう整えない。

もう、あの人たちのために疲れ果てることはしない。

その決意は冷たくもあったが、同時にひどく穏やかでもあった。

窓の外では、侯爵家の馬車が再び慌ただしく門を出ていくのが見えた。

きっとまた、火消しに走るのだろう。

けれど火は、ようやく上がり始めたばかりだ。

エレノアは静かにカップを口元へ運んだ。

支援停止。

言葉にしてしまえば、たったそれだけ。

だがそのたったそれだけで、今まで当然のように回っていたものが、音を立てて軋み始めている。

ならば、これからもっとはっきりするだろう。

誰が支えていたのか。

誰が奪ったつもりでいたのか。

そして誰が、本当は何ひとつ自分では立てていなかったのかを。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

愚か者たちの婚約破棄

あんど もあ
ファンタジー
ライラは、父と後妻と妹だけが家族のような侯爵家で居候のように生きてきた。そして、卒業パーティーでライラの婚約者までライラでは無く妹と婚約すると宣言する。侯爵家の本当の姿に気づいているのがライラだけだと知らずに……。

私の婚約者を奪った義妹は、幸せになるはずでした

しおしお
恋愛
侯爵令嬢フィオレッタ・ランベールは、公爵令息ギルベルトとの婚約が決まっていた。 けれど、他国へ嫁ぐのが嫌だと訴える義妹カトリーヌは、可憐でか弱い姿を武器に、少しずつ周囲の心を動かしていく。 そしてついに起こる、婚約者交換。 婚約を奪われたフィオレッタは、義妹が拒んだ相手――他国アルディシア公国の公爵フェリクスのもとへ向かうことになる。 突然変えられ「他国へ嫁ぐなんて嫌ですわ」 そう泣いた義妹は、姉の婚約者を奪った。 侯爵令嬢フィオレッタ・ランベールは、公爵令息との婚約を義妹カトリーヌに奪われ、代わりに義妹が拒んだ他国の公爵へ嫁ぐことになる。 傷つきながらも静かに運命を受け入れるフィオレッタと、愛される幸せを手に入れたと信じるカトリーヌ。 だが、婚約交換から始まった二人の人生は、やがて思いもよらぬ形で分かれていく。 奪われた姉が辿り着く未来と、奪った妹が手にする結末とは――。 婚約交換から始まる、姉妹の明暗を描いた恋愛ざまぁ物語。

幼馴染以上、婚約者未満の王子と侯爵令嬢の関係

紫月 由良
恋愛
第二王子エインの婚約者は、貴族には珍しい赤茶色の髪を持つ侯爵令嬢のディアドラ。だが彼女の冷たい瞳と無口な性格が気に入らず、エインは婚約者の義兄フィオンとともに彼女を疎んじていた。そんな中、ディアドラが学院内で留学してきた男子学生たちと親しくしているという噂が広まる。注意しに行ったエインは彼女の見知らぬ一面に心を乱された。しかし婚約者の異母兄妹たちの思惑が問題を引き起こして……。 顔と頭が良く性格が悪い男の失恋ストーリー。 ※流血シーンがあります。(各話の前書きに注意書き+次話前書きにあらすじがあるので、飛ばし読み可能です)

【完結】私の望み通り婚約を解消しようと言うけど、そもそも半年間も嫌だと言い続けたのは貴方でしょう?〜初恋は終わりました。

るんた
恋愛
「君の望み通り、君との婚約解消を受け入れるよ」  色とりどりの春の花が咲き誇る我が伯爵家の庭園で、沈痛な面持ちで目の前に座る男の言葉を、私は内心冷ややかに受け止める。  ……ほんとに屑だわ。 結果はうまくいかないけど、初恋と学園生活をそれなりに真面目にがんばる主人公のお話です。 彼はイケメンだけど、あれ?何か残念だな……。という感じを目指してます。そう思っていただけたら嬉しいです。 彼女視点(side A)と彼視点(side J)を交互にあげていきます。

婚約者と義妹に裏切られたので、ざまぁして逃げてみた

せいめ
恋愛
 伯爵令嬢のフローラは、夜会で婚約者のレイモンドと義妹のリリアンが抱き合う姿を見てしまった。  大好きだったレイモンドの裏切りを知りショックを受けるフローラ。  三ヶ月後には結婚式なのに、このままあの方と結婚していいの?  深く傷付いたフローラは散々悩んだ挙句、その場に偶然居合わせた公爵令息や親友の力を借り、ざまぁして逃げ出すことにしたのであった。  ご都合主義です。  誤字脱字、申し訳ありません。

真実の愛がどうなろうと関係ありません。

希猫 ゆうみ
恋愛
伯爵令息サディアスはメイドのリディと恋に落ちた。 婚約者であった伯爵令嬢フェルネは無残にも婚約を解消されてしまう。 「僕はリディと真実の愛を貫く。誰にも邪魔はさせない!」 サディアスの両親エヴァンズ伯爵夫妻は激怒し、息子を勘当、追放する。 それもそのはずで、フェルネは王家の血を引く名門貴族パートランド伯爵家の一人娘だった。 サディアスからの一方的な婚約解消は決して許されない裏切りだったのだ。 一ヶ月後、愛を信じないフェルネに新たな求婚者が現れる。 若きバラクロフ侯爵レジナルド。 「あら、あなたも真実の愛を実らせようって仰いますの?」 フェルネの曾祖母シャーリンとレジナルドの祖父アルフォンス卿には悲恋の歴史がある。 「子孫の我々が結婚しようと関係ない。聡明な妻が欲しいだけだ」 互いに塩対応だったはずが、気づくとクーデレ夫婦になっていたフェルネとレジナルド。 その頃、真実の愛を貫いたはずのサディアスは…… (予定より長くなってしまった為、完結に伴い短編→長編に変更しました)

【完結】婚約破棄はしたいけれど傍にいてほしいなんて言われましても、私は貴方の母親ではありません

すだもみぢ
恋愛
「彼女は私のことを好きなんだって。だから君とは婚約解消しようと思う」 他の女性に言い寄られて舞い上がり、10年続いた婚約を一方的に解消してきた王太子。 今まで婚約者だと思うからこそ、彼のフォローもアドバイスもしていたけれど、まだそれを当たり前のように求めてくる彼に驚けば。 「君とは結婚しないけれど、ずっと私の側にいて助けてくれるんだろう?」 貴方は私を母親だとでも思っているのでしょうか。正直気持ち悪いんですけれど。 王妃様も「あの子のためを思って我慢して」としか言わないし。 あんな男となんてもう結婚したくないから我慢するのも嫌だし、非難されるのもイヤ。なんとかうまいこと立ち回って幸せになるんだから!

結婚式の前日に婚約者が「他に愛する人がいる」と言いに来ました

四折 柊
恋愛
セリーナは結婚式の前日に婚約者に「他に愛する人がいる」と告げられた。うすうす気づいていたがその言葉に深く傷つく。それでも彼が好きで結婚を止めたいとは思わなかった。(身勝手な言い分が出てきます。不快な気持ちになりそうでしたらブラウザバックでお願いします。)矛盾や違和感はスルーしてお読みいただけると助かります。

処理中です...