婚約破棄された公爵令嬢は、禁断の魔導書で華麗に復讐する ~王太子の後悔と新たな恋の始まり~

ふわふわ

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第18話 黒幕の手がかりと、深まる

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第18話 黒幕の手がかりと、深まる

討伐隊のキャンプは、初戦の勝利で一時的に活気づいていたが、ルクシオの指摘した「意図的な封印破壊」の言葉が、重い影を落としていた。

翌朝、隊はさらに森の奥へ偵察を進めた。

ルクシオを先頭に、アリーナ、ライル、リア、そして選抜された上級生数名。

木々が密集し、日光がほとんど届かない暗い区域。

空気自体が、黒い魔力の残滓で淀んでいる。

アリーナは、魔導書の知識を頼りに周囲を観察した。

「……ここ、古代の祭壇の跡ですね。  
封印を強化するための場所だったはずなのに、逆に破壊されています」

地面に刻まれた魔法陣は、意図的に逆向きに削られ、黒い染みが広がっている。

ライルが、土を調べながら呟く。

「これは……人間の仕事だ。  
魔物じゃ、こんな精密な破壊はできない」

ルクシオが、焦げた石を拾い上げる。

石には、微かな紋章の跡。

「……隣国ガルディアの魔導師団の印」

全員が、息を呑んだ。

隣国ガルディア王国は、近年領土拡大を狙い、王国エルドリアとの関係が悪化していた。

「戦争の、布石か」

ルクシオの声が、低く響く。

アリーナの胸に、怒りが湧く。

もしこれが本当なら、ミランの背後にもガルディアの影があるのかもしれない。

平民の娘が急に王宮に出入りし、レコルトを操った――すべて、計画的だった?

「証拠を、持ち帰る。  
王宮に、正式に報告だ」

ルクシオの指示で、紋章の石と魔法陣のスケッチを採取。

引き返す道中、突然――魔物の襲撃。

今度は、大群。

オーガ十体、トロール二体、ゴブリン五十体以上。

「罠だ!」

ルクシオが叫ぶ。

誰かが、魔物を誘導している。

隊は、即座に戦闘態勢。

アリーナは、ルクシオの隣に立つ。

「教授、私が広範囲を」

ルクシオが頷く。

「頼む」

アリーナは、魔導書のページを思い浮かべる。

まだ完全に解禁していない、大規模魔法。

「アクア・テンペスト!」

巨大な水の嵐が、森全体を覆う。

雨と風が魔物を叩き、動きを封じる。

リアの風が、援護。

ライルの土壁が、防御。

上級生の火と雷が、攻撃。

ルクシオは、単身オーガ群に飛び込む。

「サンダー・ストーム」

雷の嵐が、オーガを次々と炭化。

だが、トロール二体が、ルクシオを挟撃。

再生能力で、傷がすぐに癒える。

ルクシオが、魔力を集中。

しかし、連続戦闘で、少し疲労が見える。

アリーナが、駆け寄る。

「教授!」

指輪が、光る。

ルクシオの魔力が、アリーナに流れ込む。

二人の共鳴が、最大に。

「一緒に!」

アリーナの水と、ルクシオの雷が、融合。

「ハイドロ・サンダー!」

水の嵐に雷が走り、電撃の雨となる。

トロールが、内部から破壊され、崩れ落ちる。

残りの魔物も、隊の連携で殲滅。

戦闘終了。

隊員たちが、息を切らしながら歓声を上げる。

「また、首席と教授の連携……神業だ」  
「これなら、大群でも勝てる!」

アリーナは、ルクシオに駆け寄る。

「教授、怪我は?」

ルクシオが、息を整えながら笑う。

珍しい、本気の笑み。

「君のおかげだ」

二人は、自然と手を握る。

魔力が、まだ余韻で共鳴している。

リアが、遠くからニヤニヤ見ている。

キャンプに戻り、報告。

ルクシオが、結論。

「これは、戦争の前触れ。  
ガルディアの魔導師が、関与している可能性が高い」

証拠を、王宮へ緊急伝令。

隊は、さらなる大群に備え、キャンプを強化。

夜、ルクシオとアリーナは、キャンプの外れで二人きり。

焚き火の光が、二人の顔を照らす。

アリーナが、静かに口を開く。

「教授……ミランが、ガルディアと繋がっていたら?」

ルクシオが、頷く。

「可能性は高い。  
平民の娘が、急に王宮に入り込んだのは不自然だ」

アリーナの瞳に、怒りと悲しみが混じる。

「レコルトは、騙されていたのかもしれないけど……  
それでも、私を捨てた事実は変わらない」

ルクシオが、アリーナの肩を抱く。

「君は、もう十分に強くなった。  
あんな男に、縛られる必要はない」

アリーナが、ルクシオの胸に顔を埋める。

「……教授が、いてくれるから」

ルクシオの腕が、強く抱きしめる。

「アリーナ」

初めて、戦場で名前を呼ばれた。

「私も、君がいなければ……ここまで来られなかった」

二人の魔力が、優しく共鳴する。

ペンダント、髪飾り、指輪が、柔らかく光る。

アリーナが、顔を上げる。

ルクシオの金色の瞳が、すぐ近く。

「教授……」

ルクシオが、ゆっくりと顔を近づける。

唇が、触れそうになった瞬間――。

遠くから、警報の魔法。

「敵襲! 大群です!」

二人が、慌てて離れる。

ルクシオが、厳しい顔で立つ。

「来るぞ。  
今度は、本物の大群だ」

アリーナが、魔力を集中。

「一緒に、迎え撃ちましょう」

隊員たちが、結界内に集結。

森の奥から、無数の咆哮。

数百体の魔物。

そして――人間の影。

黒いローブの魔導師数名。

ガルディアの刺客。

「討伐隊を、全滅させろ」

冷たい声。

戦いの火蓋が、切られた。

アリーナとルクシオは、並んで立つ。

「アリーナ、君の力を、すべて出せ」

「……はい」

魔導書の、最後のページ。

禁断の大魔法。

今、解禁の時。

アリーナの瞳が、輝く。

私の戦いが、ここから本当の意味で始まる。

王国を、守る。

仲間を、守る。

ルクシオを、守る。

そして――過去を、清算する。

大群が、雪崩のように押し寄せる。

アリーナは、両手を広げた。

「古の水よ、万象を浄化せよ――」

大魔法の詠唱が、始まる。

ルクシオの雷が、援護。

二人の絆が、最強の武器。

戦場は、魔法の光に包まれる。

アリーナの華麗なる反撃が、王国史に刻まれる夜。

レコルトよ、見ていなさい。

あなたが捨てた女が、今、王国を救う。

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