婚約破棄された公爵令嬢は、禁断の魔導書で華麗に復讐する ~王太子の後悔と新たな恋の始まり~

ふわふわ

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第19話 禁断の大魔法、解禁の瞬間

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 第19話 禁断の大魔法、解禁の瞬間

森の闇が、咆哮と魔物の足音で満たされていた。

数百体の魔物大群が、キャンプに向かって雪崩れ込むように押し寄せる。  
その先頭に、黒いローブの魔導師たち――ガルディアの刺客五名。

彼らの手から、黒い魔力が放たれ、魔物をさらに狂暴化させる。

討伐隊の結界が、衝撃で揺らぐ。

ルクシオが、隊員たちに叫ぶ。

「前衛は防御を固めろ! 後衛は支援魔法を!  
アリーナ――君の番だ!」

アリーナは、キャンプ中央に立ち、両手を広げた。

銀色の髪が、魔力の風ではためく。

青い瞳に、強い炎が灯る。

今まで、抑えていた。

魔導書の最深部――禁断の大魔法。

祖母の警告があった。

『代償は大きい。命を削る』

でも、今は。

みんなを守るため。

ルクシオを守るため。

王国を守るため。

解禁する。

アリーナの声が、森全体に響く。

「古の水よ、万象を浄化せよ――  
アビス・アクア・レクイエム!」

瞬間、地面が震えた。

キャンプ周辺の空気が、重く湿り気を帯びる。

森の川や湿地から、水が逆流するように集まり始める。

巨大な水の柱が、何本も立ち上る。

魔物たちが、動きを止めて見上げる。

ガルディアの魔導師の一人が、青ざめて叫ぶ。

「そんな魔法……禁忌の古代魔法だ!  
撤退――」

だが、遅い。

水の柱が、一つに融合。

天を覆うほどの巨大な水の球体――直径数百メートルの水球が、空中に浮かぶ。

アリーナの魔力が、限界を超えて放出される。

体が、熱く痛む。

命を削っている感覚。

だが、止まらない。

ルクシオが、アリーナの背後に立ち、手を重ねる。

「私も、力を貸す!」

ルクシオの雷が、水球に流れ込む。

青い水が、金色の雷に染まる。

電撃を帯びた浄化の水。

「今だ!」

アリーナの最後の詠唱。

水球が、ゆっくりと落下を始める。

魔物大群を、覆い尽くすように。

ガルディアの魔導師たちが、黒い結界を張る。

だが、無駄。

水が触れた瞬間、黒い魔力が浄化され、結界が崩壊。

魔物たちが、水に飲み込まれる。

オーガは一瞬で凍結・粉砕。

トロールは内部から破壊。

ゴブリンは、水圧だけで押し潰される。

刺客の一人が、水に触れ、悲鳴を上げて消滅。

残りの四人は、必死に逃げようとするが、水の渦に巻き込まれる。

水球が地面に着地した瞬間――爆発的な衝撃波。

森が、浄化の光に包まれる。

魔物の死骸が、次々と蒸発。

黒い魔力が、きれいに消え去る。

戦闘終了。

森が、静寂に包まれた。

討伐隊の隊員たちが、呆然と立ち尽くす。

「一撃で……数百体を?」  
「首席……いや、アリーナ様は、神か……」

リアが、涙を浮かべて駆け寄る。

「アリーナ! すごい……すごすぎるよ!」

ライルも、頭を下げる。

「王国を、救った……」

アリーナは、膝をついた。

体が、重い。

魔力が、極端に減っている。

命を、削った代償。

ルクシオが、慌てて抱き支える。

「アリーナ! 大丈夫か!?」

アリーナは、弱々しく微笑んだ。

「……勝ちましたね」

ルクシオの目が、潤む。

珍しい、感情を露わにした表情。

「馬鹿……無茶しすぎだ」

アリーナが、ルクシオの手を握る。

「みんなが、無事でよかった……  
教授も」

ルクシオが、アリーナを抱きしめる。

隊員たちが、遠慮がちに距離を取る。

リアが、ニヤニヤしながらリアを引っ張る。

「みんな、離れようね~」

二人きりになった空間。

ルクシオが、アリーナの額に、そっと唇を寄せる。

「……ありがとう。  
君が、いてくれたから」

アリーナの頰が、赤くなる。

「……教授」

ルクシオが、顔を近づける。

今度こそ、誰も邪魔しない。

唇が、触れた。

優しく、温かく。

魔力が、美しく共鳴する。

ペンダント、髪飾り、指輪が、最大の光を放つ。

キスが、終わった後。

アリーナが、囁く。

「教授……好きです」

ルクシオが、微笑む。

「私もだ、アリーナ」

二人の恋が、ついに成就した。

戦場の余韻の中で、最も甘い瞬間。

隊は、証拠と戦果をまとめ、王宮へ急報。

ガルディアの刺客は一人を捕縛、残りは消滅。

陰謀の全貌が、明らかになりつつある。

王宮では、レコルトが報告を受けた。

『討伐隊大勝利。  
アリーナ・フォン・エルドリアの禁断魔法により、魔物大群を一掃。  
ガルディアの陰謀証拠入手』

レコルトが、椅子に崩れ落ちる。

「……アリーナが、王国を救った?」

側近が、続ける。

「彼女の活躍は、王都中に伝わっています。  
国民は、英雄と呼んでいます」

レコルトの胸に、激しい後悔。

あの破棄がなければ。

アリーナは、今も自分のそばにいたのに。

ミランは、部屋で震えていた。

ガルディアの連絡が、途絶えた。

計画が、失敗した。

「……殿下に、バレたら……」

レコルトが、ミランの部屋を訪れる。

冷たい目で。

「お前……ガルディアと、繋がっていたな」

ミランの顔が、青ざめる。

「ち、違います! 殿下!」

レコルトが、静かに言う。

「もう、終わりだ」

ミランの転落が、始まる。

一方、森のキャンプ。

アリーナは、回復ポーションで体を癒やしつつ、ルクシオと並んで座る。

手をつなぎ、星空を見上げる。

「これから、どうなるんだろう」

ルクシオが、優しく答える。

「戦争になるかもしれない。  
だが、私たちがいる」

アリーナが、頷く。

「一緒に、守りましょう」

二人の絆は、最強。

アリーナの力は、王国を変える。

英雄の誕生。

そして、真実の愛。

物語は、クライマックスへ。

ガルディアとの決戦。

レコルトとミランの完全なザマア。

すべてが、待っている。

アリーナは、ルクシオの肩に頭を預けた。

幸せで、強い。

もう、誰も私を傷つけられない。

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