5 / 5
五.物語の中の小さな恋
しおりを挟む
「……女王さまのために、新しいレンゲ畑を見つけたミツバチのブン太、すてきだった」
千沙ちゃんは、ついに最後の物語の感想を言ってくれた。僕は、とびきりの笑顔で千沙ちゃんの感想を聞いていた。
すると、何かを思い出したように、千沙ちゃんの顔がだんだんと赤くなっていった。
「どうしたの?」
千沙ちゃんの様子をふしぎに思って聞いてみた。
「うん……亮太くんの物語を読んでみて、私も物語を書きたくなってこのノートの続きのページに書いてしまったの。よかったら……読んでみて」
千沙ちゃんは、赤くなったまま僕にノートを返した。僕はワクワクして、とてもうれしくなった。
「ありがとう。すごく楽しみ!」
僕がノートを受け取ると、千沙ちゃんはさらに真っ赤になって、自分の席へ帰って行った。
僕は、家に帰るとすぐにノートをひらいた。僕の最後に書いた物語の続きのページ……千沙ちゃんの物語を見た。
題名は『物語の中の小さな恋』だった。
◆ ◆ ◆
【物語の中の小さな恋】
ある森に、クマの子供たちが住んでいました。その森では、いろんな動物たちが木にキズをつけて書いた物語がたくさんありました。
クマの女の子のファンディは、その物語が大好きでした。クマの子供たちはみんな、ハチミツをさがしに行ったりして遊んでいる中で、一人だけ、ずっと物語を読んでいました。
そんなある日のこと。となりの森からトムという男の子が引っ越してきました。トムは友達をつくろうとせずに、木に書いてある物語ばかりを読んでいました。
「ねえ。物語、好きなの?」
「うん、大好き」
「私も。すごく、おもしろいわよね」
思い切って話しかけてみると、やっぱり自分と同じで、物語が大好きだったのです。
それから二人は仲良くなり、毎日のように一緒に物語を読みました。
ある日、トムが木に物語を書きました。
「僕、木に書いてあるような物語が書きたくなって書いてみたんだ。読んでくれる?」
トムは、物語を一番先にファンディに読んでもらいました。
それは、家をなくしたキツネの子供のお話。でも、そのキツネは、ぼうけんして新しい家を見つけて、はなればなれになったお母さんとくらすことができたのです。
「トムの物語、おもしろい。最後にお母さんと会えたところ、すごく感動した」
その物語を読んで感動したファンディは、トムに感想を言いました。
すると、トムはすごくよろこんでくれて次々に物語を書いてくれるようになりました。そしてファンディは、トムが物語を書いてくれるたびに感想を言うようになりました。
最初は気がつかなかったけれど、トムの物語の中には、たしかにトムがいました。
そのうちに、物語の中にはファンディも……自分自身もどこかに出てくるようになって、おもしろくて毎日ワクワクしながら物語を読んでいました。
そのうちに、ファンディはトムと会うたびに心がドキドキするようになりました。トムのことが頭からはなれなくなっていったのです。
その気持ちが『恋』だと気付いたファンディは、自分の気持ちを物語にして木に書きました。そして、トムに読んでもらうことにしました。
◆ ◆ ◆
物語の中で『恋』という言葉を見たとたんに、僕の胸の中で、ドックンという音がした。
これは、物語の中のファンディの気持ち。千沙ちゃんの気持ちかどうか、分からない。
でも……僕は、自分が物語を書く時を思い出してみた。最初は、物語の中で、動物たちや子供たちが泣いたり笑ったりしているんだけど、だんだんと僕も物語の中にいるようになっていって。だとすると……ファンディの気持ちって、千沙ちゃんの気持ち?
そんなことを考えると、僕の中にはじめての気持ちがわいてきた。
うれしいんでもない。
おもしろいんでもない。
苦しくなるようで、涙が出そうになるようで……だけど、つらいんでも、悲しいんでもない。僕は、自分の気持ちをうまく言い表すことができなかった。
ただ……千沙ちゃんの物語の続きを書かずにはいられなくなって、書きはじめたんだ。
◆ ◆ ◆
ファンディの物語を読んだトムの中に、はじめての気持ちがわいてきた。
うれしいんでもない。
おもしろいんでもない。
苦しくなるようで、涙が出そうになるようで……だけど、つらいんでも、悲しいんでもない。
トムは、自分の気持ちをうまく言い表すことができなかった。だけど、ファンディの物語の続きを書かずにはいられなくなって、トムはその木に書きはじめた。
そして、書いているうちにトムは気付いた。
トムは、はじめてひっこしてきて、心細かった時に話しかけてくれてきた時からずっと、ファンディのことが好きだったんだ。
◆ ◆ ◆
「好き……だった?」
僕はそう書いている。これが……僕の気持ち。
その時、やっと分かった。僕が夏休みからずっと書きたかったお話……それは、僕が千沙ちゃんのことが好きでたまらないっていう、この気持ちだったんだ。
僕はじっとしていられなくなって、ノートを持って家を飛びだした。
うっすらとさしはじめた夕陽が川にてらされる中、図書館へ向かった。千沙ちゃんは、学校が終わったらいつも図書館で本を読んでいる。
僕が図書館に入ると、はっと本から目を上げた千沙ちゃんと目が合った。千沙ちゃんは、トマトみたいに赤くなって下を向いた。僕も、自分の顔がかぁっとあつくなっていくのが分かった。
僕は千沙ちゃんの席へ行って、ノートをわたした。
「物語の続きを書いてみたんだ。まだとちゅうなんだけど……読んでくれる?」
千沙ちゃんは、すきとおった瞳で僕を見て、小さくうなずいた。そして、ふるえる手でページをめくって、自分の物語の続きを読んだ。
ドックン、ドックン。
僕の胸の中では、さっきよりもっと大きな音がなっていた。千沙ちゃんも左手で胸をおさえていて……もしかしたら、僕と同じだったのかもしれない。
読み終わった千沙ちゃんは、きれいな瞳をまるくして……そして、少しうるませて僕を見つめた。 僕はそんな千沙ちゃんを見ると、自分の気持ちをおさえることができなくなった。
「ちょっと、一緒に来て」
千沙ちゃんの手を引いて図書館を出た。
図書館のうら、少し赤くなりはじめた木の葉っぱに、夕陽がさしている。その誰もいない場所で、二人きりになった。
「僕、千沙ちゃんの書いた物語を読んで何かこう……変だったんだ。うれしいんでも、悲しいんでもない。はじめての、言葉にできない気持ち。ただ、物語の続きを書かずにいられなくて書いたら……その気持ちが分かったんだ」
「私も。亮太くんのような物語が書きたいと思って書いたら……自分の気持ちが分かったの」
桃色のほっぺをした僕達はにっこりと笑いあう。
「千沙ちゃん、これからもずっと一緒に……物語を書いてくれる?」
「ええ……もちろん」
物語でつながる、僕たちの気持ち。それを想うと、胸の中がじんわりとあたたかくなった。
「これから一緒に……『物語の中の小さな恋』、完成させようか」
「ええ……そうね」
物語の中でしか『好き』って言えない、ちょっぴり不器用な僕と千沙ちゃん。オレンジ色の夕陽に明るくてらされた僕たちは、手をつないで図書館へもどって行った。
◆ ◆ ◆
自分の気持ちに気付いたトムは、じっとしていられなくなってファンディを呼びに行きました。 森のかたすみでドキドキしながら、ちがう木に書かれた物語をながめていたファンディは、トムを見るとトマトのように真っ赤になりました。
トムもかぁっと顔があつくなっていくのが分かりました。
「僕……あの木に、ファンディの物語の続きを書いてみたんだ。読んでみてくれる?」
自分の気持ちをおさえきれないトムは、ファンディをあの木に連れて行きました。
ふるえながら物語を読んだファンディは、目をまるくして……そして、少しうるませてトムを見ました。トムは、そんなファンディに言いました。
「僕、ファンディの書いた物語を読んで何かこう……変だったんだ。うれしいんでも、悲しいんでもない。はじめての、言葉にできない気持ち。ただ、物語の続きを書かずにいられなくて書いたら……その気持ちが分かったんだ」
ファンディも、目を涙でにじませて言いました。
「私も。トムのような物語が書きたいと思って書いたら……自分の気持ちが分かったの」
桃色のほっぺをしたトムとファンディは、にっこりと笑い合います。
「ファンディ、これからもずっと一緒に……物語を書いてくれる?」
「ええ……もちろん」
物語の中でしか『好き』って言えない、ちょっぴり不器用なトムとファンディを、夕方の満月の白い明かりが、うっすらとてらしました。
【物語の中の小さな恋・完】
◆ ◆ ◆
千沙ちゃんは、ついに最後の物語の感想を言ってくれた。僕は、とびきりの笑顔で千沙ちゃんの感想を聞いていた。
すると、何かを思い出したように、千沙ちゃんの顔がだんだんと赤くなっていった。
「どうしたの?」
千沙ちゃんの様子をふしぎに思って聞いてみた。
「うん……亮太くんの物語を読んでみて、私も物語を書きたくなってこのノートの続きのページに書いてしまったの。よかったら……読んでみて」
千沙ちゃんは、赤くなったまま僕にノートを返した。僕はワクワクして、とてもうれしくなった。
「ありがとう。すごく楽しみ!」
僕がノートを受け取ると、千沙ちゃんはさらに真っ赤になって、自分の席へ帰って行った。
僕は、家に帰るとすぐにノートをひらいた。僕の最後に書いた物語の続きのページ……千沙ちゃんの物語を見た。
題名は『物語の中の小さな恋』だった。
◆ ◆ ◆
【物語の中の小さな恋】
ある森に、クマの子供たちが住んでいました。その森では、いろんな動物たちが木にキズをつけて書いた物語がたくさんありました。
クマの女の子のファンディは、その物語が大好きでした。クマの子供たちはみんな、ハチミツをさがしに行ったりして遊んでいる中で、一人だけ、ずっと物語を読んでいました。
そんなある日のこと。となりの森からトムという男の子が引っ越してきました。トムは友達をつくろうとせずに、木に書いてある物語ばかりを読んでいました。
「ねえ。物語、好きなの?」
「うん、大好き」
「私も。すごく、おもしろいわよね」
思い切って話しかけてみると、やっぱり自分と同じで、物語が大好きだったのです。
それから二人は仲良くなり、毎日のように一緒に物語を読みました。
ある日、トムが木に物語を書きました。
「僕、木に書いてあるような物語が書きたくなって書いてみたんだ。読んでくれる?」
トムは、物語を一番先にファンディに読んでもらいました。
それは、家をなくしたキツネの子供のお話。でも、そのキツネは、ぼうけんして新しい家を見つけて、はなればなれになったお母さんとくらすことができたのです。
「トムの物語、おもしろい。最後にお母さんと会えたところ、すごく感動した」
その物語を読んで感動したファンディは、トムに感想を言いました。
すると、トムはすごくよろこんでくれて次々に物語を書いてくれるようになりました。そしてファンディは、トムが物語を書いてくれるたびに感想を言うようになりました。
最初は気がつかなかったけれど、トムの物語の中には、たしかにトムがいました。
そのうちに、物語の中にはファンディも……自分自身もどこかに出てくるようになって、おもしろくて毎日ワクワクしながら物語を読んでいました。
そのうちに、ファンディはトムと会うたびに心がドキドキするようになりました。トムのことが頭からはなれなくなっていったのです。
その気持ちが『恋』だと気付いたファンディは、自分の気持ちを物語にして木に書きました。そして、トムに読んでもらうことにしました。
◆ ◆ ◆
物語の中で『恋』という言葉を見たとたんに、僕の胸の中で、ドックンという音がした。
これは、物語の中のファンディの気持ち。千沙ちゃんの気持ちかどうか、分からない。
でも……僕は、自分が物語を書く時を思い出してみた。最初は、物語の中で、動物たちや子供たちが泣いたり笑ったりしているんだけど、だんだんと僕も物語の中にいるようになっていって。だとすると……ファンディの気持ちって、千沙ちゃんの気持ち?
そんなことを考えると、僕の中にはじめての気持ちがわいてきた。
うれしいんでもない。
おもしろいんでもない。
苦しくなるようで、涙が出そうになるようで……だけど、つらいんでも、悲しいんでもない。僕は、自分の気持ちをうまく言い表すことができなかった。
ただ……千沙ちゃんの物語の続きを書かずにはいられなくなって、書きはじめたんだ。
◆ ◆ ◆
ファンディの物語を読んだトムの中に、はじめての気持ちがわいてきた。
うれしいんでもない。
おもしろいんでもない。
苦しくなるようで、涙が出そうになるようで……だけど、つらいんでも、悲しいんでもない。
トムは、自分の気持ちをうまく言い表すことができなかった。だけど、ファンディの物語の続きを書かずにはいられなくなって、トムはその木に書きはじめた。
そして、書いているうちにトムは気付いた。
トムは、はじめてひっこしてきて、心細かった時に話しかけてくれてきた時からずっと、ファンディのことが好きだったんだ。
◆ ◆ ◆
「好き……だった?」
僕はそう書いている。これが……僕の気持ち。
その時、やっと分かった。僕が夏休みからずっと書きたかったお話……それは、僕が千沙ちゃんのことが好きでたまらないっていう、この気持ちだったんだ。
僕はじっとしていられなくなって、ノートを持って家を飛びだした。
うっすらとさしはじめた夕陽が川にてらされる中、図書館へ向かった。千沙ちゃんは、学校が終わったらいつも図書館で本を読んでいる。
僕が図書館に入ると、はっと本から目を上げた千沙ちゃんと目が合った。千沙ちゃんは、トマトみたいに赤くなって下を向いた。僕も、自分の顔がかぁっとあつくなっていくのが分かった。
僕は千沙ちゃんの席へ行って、ノートをわたした。
「物語の続きを書いてみたんだ。まだとちゅうなんだけど……読んでくれる?」
千沙ちゃんは、すきとおった瞳で僕を見て、小さくうなずいた。そして、ふるえる手でページをめくって、自分の物語の続きを読んだ。
ドックン、ドックン。
僕の胸の中では、さっきよりもっと大きな音がなっていた。千沙ちゃんも左手で胸をおさえていて……もしかしたら、僕と同じだったのかもしれない。
読み終わった千沙ちゃんは、きれいな瞳をまるくして……そして、少しうるませて僕を見つめた。 僕はそんな千沙ちゃんを見ると、自分の気持ちをおさえることができなくなった。
「ちょっと、一緒に来て」
千沙ちゃんの手を引いて図書館を出た。
図書館のうら、少し赤くなりはじめた木の葉っぱに、夕陽がさしている。その誰もいない場所で、二人きりになった。
「僕、千沙ちゃんの書いた物語を読んで何かこう……変だったんだ。うれしいんでも、悲しいんでもない。はじめての、言葉にできない気持ち。ただ、物語の続きを書かずにいられなくて書いたら……その気持ちが分かったんだ」
「私も。亮太くんのような物語が書きたいと思って書いたら……自分の気持ちが分かったの」
桃色のほっぺをした僕達はにっこりと笑いあう。
「千沙ちゃん、これからもずっと一緒に……物語を書いてくれる?」
「ええ……もちろん」
物語でつながる、僕たちの気持ち。それを想うと、胸の中がじんわりとあたたかくなった。
「これから一緒に……『物語の中の小さな恋』、完成させようか」
「ええ……そうね」
物語の中でしか『好き』って言えない、ちょっぴり不器用な僕と千沙ちゃん。オレンジ色の夕陽に明るくてらされた僕たちは、手をつないで図書館へもどって行った。
◆ ◆ ◆
自分の気持ちに気付いたトムは、じっとしていられなくなってファンディを呼びに行きました。 森のかたすみでドキドキしながら、ちがう木に書かれた物語をながめていたファンディは、トムを見るとトマトのように真っ赤になりました。
トムもかぁっと顔があつくなっていくのが分かりました。
「僕……あの木に、ファンディの物語の続きを書いてみたんだ。読んでみてくれる?」
自分の気持ちをおさえきれないトムは、ファンディをあの木に連れて行きました。
ふるえながら物語を読んだファンディは、目をまるくして……そして、少しうるませてトムを見ました。トムは、そんなファンディに言いました。
「僕、ファンディの書いた物語を読んで何かこう……変だったんだ。うれしいんでも、悲しいんでもない。はじめての、言葉にできない気持ち。ただ、物語の続きを書かずにいられなくて書いたら……その気持ちが分かったんだ」
ファンディも、目を涙でにじませて言いました。
「私も。トムのような物語が書きたいと思って書いたら……自分の気持ちが分かったの」
桃色のほっぺをしたトムとファンディは、にっこりと笑い合います。
「ファンディ、これからもずっと一緒に……物語を書いてくれる?」
「ええ……もちろん」
物語の中でしか『好き』って言えない、ちょっぴり不器用なトムとファンディを、夕方の満月の白い明かりが、うっすらとてらしました。
【物語の中の小さな恋・完】
◆ ◆ ◆
0
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
生贄姫の末路 【完結】
松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。
それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。
水の豊かな国には双子のお姫様がいます。
ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。
もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。
王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。
独占欲強めの最強な不良さん、溺愛は盲目なほど。
猫菜こん
児童書・童話
小さな頃から、巻き込まれで絡まれ体質の私。
中学生になって、もう巻き込まれないようにひっそり暮らそう!
そう意気込んでいたのに……。
「可愛すぎる。もっと抱きしめさせてくれ。」
私、最強の不良さんに見初められちゃったみたいです。
巻き込まれ体質の不憫な中学生
ふわふわしているけど、しっかりした芯の持ち主
咲城和凜(さきしろかりん)
×
圧倒的な力とセンスを持つ、負け知らずの最強不良
和凜以外に容赦がない
天狼絆那(てんろうきずな)
些細な事だったのに、どうしてか私にくっつくイケメンさん。
彼曰く、私に一目惚れしたらしく……?
「おい、俺の和凜に何しやがる。」
「お前が無事なら、もうそれでいい……っ。」
「この世に存在している言葉だけじゃ表せないくらい、愛している。」
王道で溺愛、甘すぎる恋物語。
最強不良さんの溺愛は、独占的で盲目的。
極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。
猫菜こん
児童書・童話
私は人より目立たずに、ひっそりと生きていたい。
だから大きな伊達眼鏡で、毎日を静かに過ごしていたのに――……。
「それじゃあこの子は、俺がもらうよ。」
優しく引き寄せられ、“王子様”の腕の中に閉じ込められ。
……これは一体どういう状況なんですか!?
静かな場所が好きで大人しめな地味子ちゃん
できるだけ目立たないように過ごしたい
湖宮結衣(こみやゆい)
×
文武両道な学園の王子様
実は、好きな子を誰よりも独り占めしたがり……?
氷堂秦斗(ひょうどうかなと)
最初は【仮】のはずだった。
「結衣さん……って呼んでもいい?
だから、俺のことも名前で呼んでほしいな。」
「さっきので嫉妬したから、ちょっとだけ抱きしめられてて。」
「俺は前から結衣さんのことが好きだったし、
今もどうしようもないくらい好きなんだ。」
……でもいつの間にか、どうしようもないくらい溺れていた。
クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました
藤永ゆいか
児童書・童話
中学2年生になったある日、澄野星奈に許嫁がいることが判明する。
相手は、頭が良くて運動神経抜群のイケメン御曹司で、訳あって現在絶交中の幼なじみ・一之瀬陽向。
さらに、週末限定で星奈は陽向とふたり暮らしをすることになって!?
「俺と許嫁だってこと、絶対誰にも言うなよ」
星奈には、いつも冷たくてそっけない陽向だったが……。
「星奈ちゃんって、ほんと可愛いよね」
「僕、せーちゃんの彼氏に立候補しても良い?」
ある時から星奈は、バスケ部エースの水上虹輝や
帰国子女の秋川想良に甘く迫られるようになり、徐々に陽向にも変化が……?
「星奈は可愛いんだから、もっと自覚しろよ」
「お前のこと、誰にも渡したくない」
クールな幼なじみとの、逆ハーラブストーリー。
仔猫の想い
みちのあかり
児童書・童話
仔猫は自分を拾ってくれた男の子が好きだった。
男の子も仔猫が好きだった。
小学生の時代は男の子も猫も幸せだった。
男の子は中学生になってからいじめられるようになった。
そんな姿を見て仔猫は、男の子と話がしたい、慰めたいと願った。
いつの間にか、仔猫は男の子に恋をしてしまったのだ。
仔猫が、男の子と話ができるように、願いをかなえるために、
山の奥の魔法使いに会いに行った。
はたして、仔猫の願いはかなうのでしょうか。
笑いの授業
ひろみ透夏
児童書・童話
大好きだった先先が別人のように変わってしまった。
文化祭前夜に突如始まった『笑いの授業』――。
それは身の毛もよだつほどに怖ろしく凄惨な課外授業だった。
伏線となる【神楽坂の章】から急展開する【高城の章】。
追い詰められた《神楽坂先生》が起こした教師としてありえない行動と、その真意とは……。
忘れられたぬいぐるみの旅
菊池まりな
児童書・童話
うさぎのぬいぐるみ「モモ」は、大切にされていた女の子・ナナに忘れられ、ゴミとして捨てられてしまう。さまざまな人の手を渡りながら旅を続けたモモは、やがて展示された博物館で大人になったナナと再会する。長い旅の果てに、ふたりは再び心を通わせる──そんな再会とぬくもりの物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
亮太くんの書くいろいろな物語にワクワクさせられます。
千沙ちゃんと仲良くなり、恋心を抱いていく様子が、とても微笑ましかったです。
最後まで楽しく読ませていただきました。
村崎けい子様
拙作をお読み下さり、素敵な感想を下さりましてありがとうございます!
幼い恋心を描くのはとても楽しかったので、その楽しさが少しでも伝わったならとても嬉しいです。