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巻き戻し
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*
「イモリの目玉に、マムシの抜け殻に……よし、これで全部のはず!」
真っ暗な森の闇の中。サラは魔術に必要な物を揃えた。
あとは、魔法陣の中でこれらを煮て、念を込めながら禁断の呪文を唱えるだけ。
ここにきて、若干の躊躇はあった。この禁断の魔法を実行してしまったら、自分の家族……リラお母さんにもお父さんにも、会えなくなってしまうかも知れない。
だけれども、彼女はもう、後戻りはできなかった。
(絶対に、自分はマキちゃんに会うんだ。たとえ、この身がなくなったとしても……!)
魔術の装備をした彼女は意を決して、森の中の広場に魔法陣を描いて。その中心で、集めた物をゴトゴトと煮立てて呪文を唱え始めた。
(時間よ、戻れ! あの日……ドラゴンレースの、その日まで!)
サラが強く念を込めて呪文を唱えると……真っ黒な空がパックリと割れて。その裂け目から、眩いばかりの光が差し込んで。
「キャアァー!」
サラはまるで天と地がひっくり返ったかのような感覚に捉われ……身体に凄まじいほどの衝撃が走った。
*
「あれ……? 私、どうしたの?」
顔に穏やかな陽射しがそっと射し込んで、サラは目を覚ました。
空は透き通るほどに晴れ渡っていて、まるであの日……ドラゴンレースのあった日のような晴空だった。
だけれども、サラは何だか、体中が軋むように痛くて、自分の体全体がまるで自分のものではないように重く感じて。
自分の力では起き上がることができなかった。
「誰か……誰かぁ!」
サラは力の限り声を振り絞った。だけれども、どういう訳かそれは、しわがれた声にしかならなくて。
(あれ……私、喉、どうしちゃったんだろう)
不思議に思うも、サラは声を出し続けるしかなかった。
そんなサラの横……森の広場の芝生の上に、フワッと軽やかに何者かが着地した。
そして……
「大丈夫ですか、おばあさん?」
サラの体を優しく腕で包んで抱き上げて、ゆっくりと起こしてくれた。
(おばあさん……?)
サラはその言葉に若干の違和感を覚えたけれど……自分を起こしてくれた彼女を見た途端。その目からは大粒の涙が溢れ出した。
「マキちゃん……」
そう。自分を優しく抱き上げてくれたのはマキだった。
サラは信じられない……という想いよりも先に、胸の奥からどうしようもなく熱いものが込み上げて。
「マキちゃん……マキちゃん」
呆気に取られるマキをギュッと抱きしめて、熱い涙を流し続けたのだった。
「おばあさん、大丈夫?」
マキはサラが落ち着くのを待って、心配そうに尋ねた。
すると、ひとしきりの涙を流してやっと泣き止んだサラは、マキの言葉に違和感を持って……彼女の胸に押し付けていた顔を上げた。
「おばあさん? マキちゃん、何言ってるの。私よ、私」
「え……」
するとマキは訝しげに眉間に皺を寄せてサラの顔を覗き込んで。途端に目を見開いた。
「サラ!? サラなの? あんた、一体、どうしたの!?」
「えっ、どうしたって?」
「だってあんた、どっからどう見てもおばあさんじゃん!」
「おばあさん……!?」
そして、サラはやっと気がついた。
自分の手は皺くちゃになっていて。声もしわがれたガラガラ声しか出ない。顔を手で触っても、以前のような素肌ではなく、皺だらけで固くなっていて……。
「うそ! 私、もしかして……」
サラは青ざめた。
自分は本当に歳を取って、おばあさんになっている。
何故……その理由は、一つしか考えられない。きっと、時間を巻き戻す魔法。自分はその反動で……。
「あんた、本当にどうしたの? 何があった?」
眉をひそめて尋ねるマキの顔を見つめて、サラは涙目になった。
「マキちゃん、どうしよう? 私……」
サラはまたも泣きベソをかきながら、マキに経緯を説明し始めた。
「時間を巻き戻す魔法!? このバカ! 何てムチャするの!」
事情を聞いたマキはおばあさんになったサラに呆れるやら、怒るやら……傍目に見ると、かなり異様な光景だった。
「でも……もうこうするしか、マキちゃんに会う方法は……」
「だからって、あんた……」
マキは溜息を吐いておばあさんになったサラを見つめた。
老婆になった親友は、それでもやはり、サラには違いなくて。マキは彼女がどうしても、愛おしくて堪らなくなった。
だから、マキはサラをギュッと抱きしめた。
「マキちゃん?」
「このバカ! 私、あんたに何かあるのが一番ツラいんだからね。でも……」
マキは顔を上げて、涙で滲ませた瞳でサラを見つめた。
「ありがとう、サラ。あんた……私のために、無茶をしたんだよね。こんな姿になってまで……」
そしてマキは、皺だらけになったサラの顔に手をそっと重ねた。
「だから……これから二人で考えよう。あんたが元通りになって……また、私達、楽しく暮らしていけるように」
「えっ、でも……そんなこと、できるかな?」
老婆になっても頼りなさげな顔をするサラに、マキはニッと片目を瞑った。
「当たり前じゃん! 私を誰だと思ってんの!」
「マキちゃん……」
サラも瞳を涙で滲ませて頼もしい親友を見つめた。
「嬉しい……やっぱり私、マキちゃんがいないと全然ダメなんだ」
「これ、もう泣くな! まずはどういう経緯でこんなことになったか、もう一回、私に詳しく教えな!」
マキは老いた顔を皺くちゃにしてまた泣き出したサラに呆れながらも、今までよりも一層愛しさを感じたのだった。
「へぇ……それで、シルバーが暴走して私が振り落とされたって?」
学校の始業時刻になりそうなのも気にせずに、サラから『時間を巻き戻す前』のことを聞いたマキは首を傾げた。
「有り得ないなぁ。こいつ、シルバーが私を振り落とすほどに暴走するなんて」
「でも、本当にドラゴン・レースの日、帰り道でシルバーが暴走して……」
「ドラゴン・レースといったら、今日か」
マキは腕を組んで、暫く考えた。
「だったら、きっと……私が帰路につく前に、誰かが細工をしたのね」
「細工?」
「そう」
マキは頷いた。
「だって、シルバーが私を振り落とすくらいに暴走するなんて考えられない。余程のことがない限り、この子は人には……特に私には絶対に危害を加えたりしないんだもの」
マキは険しい顔をして考え込んだ。
そんなマキを見て、サラは皺だらけになった顔をそっと緩めた。
「何? どうしたの?」
「いや、マキちゃんは本当にシルバーを可愛がっていて。深い信頼関係で結ばれているんだなって思って」
すると、マキは少し顔を赤らめた。
「まぁね。こいつとは、幼い時からずっといたし、お互いに全てを知り尽くしているわよ。まぁ……あんたの次くらいには大切に思ってる」
「え、本当に……?」
その「本当に……?」は恐らく、サラがマキに、シルバーよりも大切に思われていることへの感嘆符で。だからマキは、照れ隠しにぶっきらぼうに、これからのことを話した。
「サラ、いいこと? 私はいっつも通り、ドラゴンレースに出るから。あんたは何か変わったことが起きないか、私達の周りをチェックすること」
「変わったこと?」
「そう」
マキは頷いた。
「私の直感では、『今日』、突然シルバーが暴走するのと、あんたのもとに時間を巻き戻す魔法の方法が送られてきたのは全くの無関係ではない。きっと、何らかの繋がりがあると思うの」
「繋がり……」
「ええ。私の考えでは今日、私が帰るより前に何らかの怪しい動きをする奴が出てくる。あんたは無茶をしない程度に、そういう奴がいないか、見ていなさい」
サラはこくりと頷いて、マキを見た。
彼女はやはりしっかりしていて、サラの憧れで……だからこそ、自らの命に替えてでも彼女を守りたい。
サラはそう、思ったのだった。
「イモリの目玉に、マムシの抜け殻に……よし、これで全部のはず!」
真っ暗な森の闇の中。サラは魔術に必要な物を揃えた。
あとは、魔法陣の中でこれらを煮て、念を込めながら禁断の呪文を唱えるだけ。
ここにきて、若干の躊躇はあった。この禁断の魔法を実行してしまったら、自分の家族……リラお母さんにもお父さんにも、会えなくなってしまうかも知れない。
だけれども、彼女はもう、後戻りはできなかった。
(絶対に、自分はマキちゃんに会うんだ。たとえ、この身がなくなったとしても……!)
魔術の装備をした彼女は意を決して、森の中の広場に魔法陣を描いて。その中心で、集めた物をゴトゴトと煮立てて呪文を唱え始めた。
(時間よ、戻れ! あの日……ドラゴンレースの、その日まで!)
サラが強く念を込めて呪文を唱えると……真っ黒な空がパックリと割れて。その裂け目から、眩いばかりの光が差し込んで。
「キャアァー!」
サラはまるで天と地がひっくり返ったかのような感覚に捉われ……身体に凄まじいほどの衝撃が走った。
*
「あれ……? 私、どうしたの?」
顔に穏やかな陽射しがそっと射し込んで、サラは目を覚ました。
空は透き通るほどに晴れ渡っていて、まるであの日……ドラゴンレースのあった日のような晴空だった。
だけれども、サラは何だか、体中が軋むように痛くて、自分の体全体がまるで自分のものではないように重く感じて。
自分の力では起き上がることができなかった。
「誰か……誰かぁ!」
サラは力の限り声を振り絞った。だけれども、どういう訳かそれは、しわがれた声にしかならなくて。
(あれ……私、喉、どうしちゃったんだろう)
不思議に思うも、サラは声を出し続けるしかなかった。
そんなサラの横……森の広場の芝生の上に、フワッと軽やかに何者かが着地した。
そして……
「大丈夫ですか、おばあさん?」
サラの体を優しく腕で包んで抱き上げて、ゆっくりと起こしてくれた。
(おばあさん……?)
サラはその言葉に若干の違和感を覚えたけれど……自分を起こしてくれた彼女を見た途端。その目からは大粒の涙が溢れ出した。
「マキちゃん……」
そう。自分を優しく抱き上げてくれたのはマキだった。
サラは信じられない……という想いよりも先に、胸の奥からどうしようもなく熱いものが込み上げて。
「マキちゃん……マキちゃん」
呆気に取られるマキをギュッと抱きしめて、熱い涙を流し続けたのだった。
「おばあさん、大丈夫?」
マキはサラが落ち着くのを待って、心配そうに尋ねた。
すると、ひとしきりの涙を流してやっと泣き止んだサラは、マキの言葉に違和感を持って……彼女の胸に押し付けていた顔を上げた。
「おばあさん? マキちゃん、何言ってるの。私よ、私」
「え……」
するとマキは訝しげに眉間に皺を寄せてサラの顔を覗き込んで。途端に目を見開いた。
「サラ!? サラなの? あんた、一体、どうしたの!?」
「えっ、どうしたって?」
「だってあんた、どっからどう見てもおばあさんじゃん!」
「おばあさん……!?」
そして、サラはやっと気がついた。
自分の手は皺くちゃになっていて。声もしわがれたガラガラ声しか出ない。顔を手で触っても、以前のような素肌ではなく、皺だらけで固くなっていて……。
「うそ! 私、もしかして……」
サラは青ざめた。
自分は本当に歳を取って、おばあさんになっている。
何故……その理由は、一つしか考えられない。きっと、時間を巻き戻す魔法。自分はその反動で……。
「あんた、本当にどうしたの? 何があった?」
眉をひそめて尋ねるマキの顔を見つめて、サラは涙目になった。
「マキちゃん、どうしよう? 私……」
サラはまたも泣きベソをかきながら、マキに経緯を説明し始めた。
「時間を巻き戻す魔法!? このバカ! 何てムチャするの!」
事情を聞いたマキはおばあさんになったサラに呆れるやら、怒るやら……傍目に見ると、かなり異様な光景だった。
「でも……もうこうするしか、マキちゃんに会う方法は……」
「だからって、あんた……」
マキは溜息を吐いておばあさんになったサラを見つめた。
老婆になった親友は、それでもやはり、サラには違いなくて。マキは彼女がどうしても、愛おしくて堪らなくなった。
だから、マキはサラをギュッと抱きしめた。
「マキちゃん?」
「このバカ! 私、あんたに何かあるのが一番ツラいんだからね。でも……」
マキは顔を上げて、涙で滲ませた瞳でサラを見つめた。
「ありがとう、サラ。あんた……私のために、無茶をしたんだよね。こんな姿になってまで……」
そしてマキは、皺だらけになったサラの顔に手をそっと重ねた。
「だから……これから二人で考えよう。あんたが元通りになって……また、私達、楽しく暮らしていけるように」
「えっ、でも……そんなこと、できるかな?」
老婆になっても頼りなさげな顔をするサラに、マキはニッと片目を瞑った。
「当たり前じゃん! 私を誰だと思ってんの!」
「マキちゃん……」
サラも瞳を涙で滲ませて頼もしい親友を見つめた。
「嬉しい……やっぱり私、マキちゃんがいないと全然ダメなんだ」
「これ、もう泣くな! まずはどういう経緯でこんなことになったか、もう一回、私に詳しく教えな!」
マキは老いた顔を皺くちゃにしてまた泣き出したサラに呆れながらも、今までよりも一層愛しさを感じたのだった。
「へぇ……それで、シルバーが暴走して私が振り落とされたって?」
学校の始業時刻になりそうなのも気にせずに、サラから『時間を巻き戻す前』のことを聞いたマキは首を傾げた。
「有り得ないなぁ。こいつ、シルバーが私を振り落とすほどに暴走するなんて」
「でも、本当にドラゴン・レースの日、帰り道でシルバーが暴走して……」
「ドラゴン・レースといったら、今日か」
マキは腕を組んで、暫く考えた。
「だったら、きっと……私が帰路につく前に、誰かが細工をしたのね」
「細工?」
「そう」
マキは頷いた。
「だって、シルバーが私を振り落とすくらいに暴走するなんて考えられない。余程のことがない限り、この子は人には……特に私には絶対に危害を加えたりしないんだもの」
マキは険しい顔をして考え込んだ。
そんなマキを見て、サラは皺だらけになった顔をそっと緩めた。
「何? どうしたの?」
「いや、マキちゃんは本当にシルバーを可愛がっていて。深い信頼関係で結ばれているんだなって思って」
すると、マキは少し顔を赤らめた。
「まぁね。こいつとは、幼い時からずっといたし、お互いに全てを知り尽くしているわよ。まぁ……あんたの次くらいには大切に思ってる」
「え、本当に……?」
その「本当に……?」は恐らく、サラがマキに、シルバーよりも大切に思われていることへの感嘆符で。だからマキは、照れ隠しにぶっきらぼうに、これからのことを話した。
「サラ、いいこと? 私はいっつも通り、ドラゴンレースに出るから。あんたは何か変わったことが起きないか、私達の周りをチェックすること」
「変わったこと?」
「そう」
マキは頷いた。
「私の直感では、『今日』、突然シルバーが暴走するのと、あんたのもとに時間を巻き戻す魔法の方法が送られてきたのは全くの無関係ではない。きっと、何らかの繋がりがあると思うの」
「繋がり……」
「ええ。私の考えでは今日、私が帰るより前に何らかの怪しい動きをする奴が出てくる。あんたは無茶をしない程度に、そういう奴がいないか、見ていなさい」
サラはこくりと頷いて、マキを見た。
彼女はやはりしっかりしていて、サラの憧れで……だからこそ、自らの命に替えてでも彼女を守りたい。
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