3 / 4
3
しおりを挟む
真っ暗なライブハウスの天井や壁には、まるで宇宙空間にいるかのように、蛍光塗料を塗った星が瞬いている。
「すごい……今回のライブ、何かいつもと違う感じ」
「名前も。『四次元ロッカー』って、一体どんなんなんだろう?」
聴衆……千佳の友達の、ひそひそ話が聞こえる。
ライブハウスでの、緊迫した時間。
次の瞬間!
ステージ上の空間……無重力の俺にスポットライトが照らされる。
「え、うそ!」
「浮いてる……どうやって?」
聴衆は、ざわついた。
そして、鳴り始めるロックンロール。
俺は、力の限り歌う。
熱く、強く……。
ステージ上で無重力の俺は、宙にダイブする。
「すっごーい!」
聴衆の瞳は、まるで宇宙空間に瞬く星のようにキラキラと輝いた。
ステージ上の空間でのジャンプ、宙返り、バク宙……。
その空間で、無重力を利用したパフォーマンスの数々を演じて歌い続けた。
パフォーマンスの度に、歓声がドッと沸き起こる。
『四次元ロッカー』のライブは、大成功だった。
「お疲れ様。白熱したライブだったわね」
ライブ終了後、千佳がいつものようにスポーツ飲料を持って来た。
「おぅ。パフォーマンスが効いてたからな」
俺はニッと笑った。
「『四次元ロッカー』が、こんなに成功するなんてね。本当に、すごいわ。これで、祐飛も大人気ロッカーね」
そう言う千佳は、少し寂しそうに見えた。
「凄かった、『四次元ロッカー』のライブ! ねぇ、祐飛さん。どうやって浮いてたの?」
「ホント! まるで無重力空間にいるみたいだった。一体、どうやってたの?」
ライブハウスを出た俺は、黄色い声に包み込まれた。
どうやら、今日のライブで一気にファンができたみたいだ。
しかし、ここで一つのことに気付いた。
そういえば、千佳の奴、無重力パフォーマンスについては、何も不思議がっていなかったな。
ということは、やっぱり……。
俺は、ある確信を持った。
「すごい……今回のライブ、何かいつもと違う感じ」
「名前も。『四次元ロッカー』って、一体どんなんなんだろう?」
聴衆……千佳の友達の、ひそひそ話が聞こえる。
ライブハウスでの、緊迫した時間。
次の瞬間!
ステージ上の空間……無重力の俺にスポットライトが照らされる。
「え、うそ!」
「浮いてる……どうやって?」
聴衆は、ざわついた。
そして、鳴り始めるロックンロール。
俺は、力の限り歌う。
熱く、強く……。
ステージ上で無重力の俺は、宙にダイブする。
「すっごーい!」
聴衆の瞳は、まるで宇宙空間に瞬く星のようにキラキラと輝いた。
ステージ上の空間でのジャンプ、宙返り、バク宙……。
その空間で、無重力を利用したパフォーマンスの数々を演じて歌い続けた。
パフォーマンスの度に、歓声がドッと沸き起こる。
『四次元ロッカー』のライブは、大成功だった。
「お疲れ様。白熱したライブだったわね」
ライブ終了後、千佳がいつものようにスポーツ飲料を持って来た。
「おぅ。パフォーマンスが効いてたからな」
俺はニッと笑った。
「『四次元ロッカー』が、こんなに成功するなんてね。本当に、すごいわ。これで、祐飛も大人気ロッカーね」
そう言う千佳は、少し寂しそうに見えた。
「凄かった、『四次元ロッカー』のライブ! ねぇ、祐飛さん。どうやって浮いてたの?」
「ホント! まるで無重力空間にいるみたいだった。一体、どうやってたの?」
ライブハウスを出た俺は、黄色い声に包み込まれた。
どうやら、今日のライブで一気にファンができたみたいだ。
しかし、ここで一つのことに気付いた。
そういえば、千佳の奴、無重力パフォーマンスについては、何も不思議がっていなかったな。
ということは、やっぱり……。
俺は、ある確信を持った。
0
あなたにおすすめの小説
私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。
石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。
自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。
そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。
好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
【完結】離婚を切り出したら私に不干渉だったはずの夫が激甘に豹変しました
雨宮羽那
恋愛
結婚して5年。リディアは悩んでいた。
夫のレナードが仕事で忙しく、夫婦らしいことが何一つないことに。
ある日「私、離婚しようと思うの」と義妹に相談すると、とある薬を渡される。
どうやらそれは、『ちょーっとだけ本音がでちゃう薬』のよう。
そうしてやってきた離婚の話を告げる場で、リディアはつい好奇心に負けて、夫へ薬を飲ませてしまう。
すると、あら不思議。
いつもは浮ついた言葉なんて口にしない夫が、とんでもなく甘い言葉を口にしはじめたのだ。
「どうか離婚だなんて言わないでください。私のスイートハニーは君だけなんです」
(誰ですかあなた)
◇◇◇◇
※全3話。
※コメディ重視のお話です。深く考えちゃダメです!少しでも笑っていただけますと幸いです(*_ _))*゜
冷徹公爵の誤解された花嫁
柴田はつみ
恋愛
片思いしていた冷徹公爵から求婚された令嬢。幸せの絶頂にあった彼女を打ち砕いたのは、舞踏会で耳にした「地味女…」という言葉だった。望まれぬ花嫁としての結婚に、彼女は一年だけ妻を務めた後、離縁する決意を固める。
冷たくも美しい公爵。誤解とすれ違いを繰り返す日々の中、令嬢は揺れる心を抑え込もうとするが――。
一年後、彼女が選ぶのは別れか、それとも永遠の契約か。
君は番じゃ無かったと言われた王宮からの帰り道、本物の番に拾われました
ゆきりん(安室 雪)
恋愛
ココはフラワーテイル王国と言います。確率は少ないけど、番に出会うと匂いで分かると言います。かく言う、私の両親は番だったみたいで、未だに甘い匂いがするって言って、ラブラブです。私もそんな両親みたいになりたいっ!と思っていたのに、私に番宣言した人からは、甘い匂いがしません。しかも、番じゃなかったなんて言い出しました。番婚約破棄?そんなの聞いた事無いわっ!!
打ちひしがれたライムは王宮からの帰り道、本物の番に出会えちゃいます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる