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「全く、誰だよ。こんな研究課題を提案したのは。月では無理に決まってるじゃないかよ」
僕が家でいつものようにボヤくと、妻の恵美
えみ
がクスッと笑った。
「そんなこと言って、泰斗
たいと
。ボヤく時に限って、ちゃんと成果を出してるじゃない」
「うん……。今まではそうだったかも知れないけど、今回ばかりは本当に思いつかないよ」
僕が頭を抱えると、恵美はニッコリと笑った。
「まぁ、困った時には、原点に帰ってみたら? 月で牛さんを育てるのには、胃で出るガスがネックになっているんでしょ? そのガスって、何なの?」
「二酸化炭素とメタン……まぁ、大部分はメタンだな」
「そっか。じゃあさ、ガス……なんて大きく考えずに、メタンを牛の胃の中で何かに吸収させる方法……を考えたらいいんじゃないかな」
「いや、恵美。そんな簡単に言うけどな。メタンを吸収させるなんて……」
その時、僕の頭の中に閃光が走った。
「そうか……!」
「もしかしたら……できるかも知れない」
「えっ?」
「月で牛を育てること……」
すると、恵美はにっこりと微笑んだ。
「良かった。あなたの顔、いつもの顔になってる」
「いつもの顔?」
「そう。目がキラキラと輝いて。あなたがそういう顔をしてる時はいつも、大発明とか、大発見とかを成し遂げるのよね」
「いやぁ、そんなに大きな発明や発見をしたことはないけどな」
僕は、頭をポリポリ掻いた。
「でも……ありがとう。やるだけやってみるよ」
僕が家でいつものようにボヤくと、妻の恵美
えみ
がクスッと笑った。
「そんなこと言って、泰斗
たいと
。ボヤく時に限って、ちゃんと成果を出してるじゃない」
「うん……。今まではそうだったかも知れないけど、今回ばかりは本当に思いつかないよ」
僕が頭を抱えると、恵美はニッコリと笑った。
「まぁ、困った時には、原点に帰ってみたら? 月で牛さんを育てるのには、胃で出るガスがネックになっているんでしょ? そのガスって、何なの?」
「二酸化炭素とメタン……まぁ、大部分はメタンだな」
「そっか。じゃあさ、ガス……なんて大きく考えずに、メタンを牛の胃の中で何かに吸収させる方法……を考えたらいいんじゃないかな」
「いや、恵美。そんな簡単に言うけどな。メタンを吸収させるなんて……」
その時、僕の頭の中に閃光が走った。
「そうか……!」
「もしかしたら……できるかも知れない」
「えっ?」
「月で牛を育てること……」
すると、恵美はにっこりと微笑んだ。
「良かった。あなたの顔、いつもの顔になってる」
「いつもの顔?」
「そう。目がキラキラと輝いて。あなたがそういう顔をしてる時はいつも、大発明とか、大発見とかを成し遂げるのよね」
「いやぁ、そんなに大きな発明や発見をしたことはないけどな」
僕は、頭をポリポリ掻いた。
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