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第三章 王都への旅
42.自白
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アリスとエイシェルが引き上げられた時には空がうっすらと明るくなっていた。
「アリス!エイシェル!ごめん……ごめんね……!」
「なんでフラムが謝るのよ?ただの事故じゃない」
「そうだよ。おれたちを助けてくれたじゃないか」
フラムは2人が白蛇に襲われそうになっているにも関わらず何も出来なかった事が悔しくて思わず謝罪の言葉が口から溢れた。
「ほら、言った通りだろう?だから君たちも2人の無事を素直に喜べばいいんだよ」
メルカはフラムとフルームに話しかける。2人とも責任感が強く、仲間が危険に晒されたために責任を感じている程度と考えていた。
「違う!違うの!……私は……2人を見殺しにしてしまうところだった……。ううん、本来なら見殺しにしてた!……あんなに大きな蛇に襲われてたのに……私こわくて……なにも……なにもできなかった……!!」
フラムは大声を上げて自白した。最後の方は感情が昂ぶり涙を流しながら叫んだ。
黙ってなどいられなかったのだ。
「……お姉ちゃん……どういうこと……?」
フルームがフラムの自白を聞いて困惑する。自白の内容も内容だが、いつも冷静な姉が取り乱しているのだ。
「え!え!?見られてたの!!?」
「えーと、どこまでみてた……?」
エイシェルとアリスは顔を赤くする。しばらくアリスがエイシェルを抱きしめたままだったので、そこを見られたのではないかと思ったのだ。
「私は……蛇が出てきたのを見たら……怖くて……にげちゃった……ずっとあそこで震えてた……」
フラムは気の根元を指さす。それを聞いたエイシェルとアリスは肝心なところは見られていないと分かり安心する。
「そうか……まぁ、あの蛇見たらそうなるわな。おれ達も走ってにげることしかできなかったし、上からだとなおさら何も出来ないよ」
エイシェルがフラムをなだめるがフラムは納得しなかった。
「そんなことない!上からものを投げて気を引くとか、やりようはあったもの……」
フラムは何を言ってもダメな状態にまで陥ってしまっていた。それほどまでにショックを受けてしまったのだ。
(これは……なだめようとしてもダメね……どうしようかしら……)
アリスは考える。どうしたらこの場を収められるかを。
しかし、いい考えが浮かばずにいると突然音が聞こえた。
バチンッ
「え……」
フラムはキョトンとする。
それはそうである。突然フルームがビンタしてきたのだから。
「あぁすればよかったとか、くよくよするのお姉ちゃんらしくないよ!お姉ちゃん、私に言ったよね?2人の無事を信じて私達ができることをやろうって。……お姉ちゃんのそれは"できること"じゃないと思う。気を引くことはできるよ?でもそのあとどうするの?蛇が地上に出て襲ってきたら私やメルカさんも危険になったんだよ?……お姉ちゃんは私達を守ってくれたんだよ」
「で、でも!それで2人が死んじゃったら!」
「今回の依頼は何?メルカさんの護衛だよ?2人だってそんなの望んでないと思う。私はどんな事があっても、エイシェルとアリスなら大丈夫だって信じてる。だから私は私ができることを考えたの。……お姉ちゃんに教えてもらったんだよ……?」
フルームはフラムに思いをぶつけた。感情的になり、アリスを追いかけようとした自分を止めてくれたのはフラムだ。今度は私がフラムを止める番なんだと。お互いに支え合うのが姉妹なんだと言わんばかりの説得であった。
「……そう……だったわね……。みんな、ごめんなさい。取り乱したみたい……。でもこれだけは言わせて。もう2度と仲間を見捨てるなんてしない。みんな助かる道を考えたいの」
フラムも前を向き落ち着きを見せた。やはり相手のことをよく知る妹の言葉は大きかったようだ
「そうね!みんなで協力しましょう!……できることとできないことがあるのは、みんなそうよ?自分にできる範囲でやればいいと思うわ」
話がまとまりそうなところで、アリスはここぞとばかりに便乗する。
変に飛び火しないうちにはやくこの話題を終わらせようと思ったのだ。
しかし、目論見がはずれた。
「ねぇ、アリスに聞きたいんだけど」
「な、何かしら?」
フルームがアリスに声をかける。以前フルームからの猛攻?(質問)によりアリスは少なからずエイシェルのことを気にしてしまっている。先ほどもあんな事があったばかりなため、このタイミングでのフルームの質問は何か嫌な予感がしていた。
「エイシェルが穴に落ちた時に、なんでそんなに自然に飛び込めたの?」
フルームはずっと考えていた。どうすればあのようにさも当たり前かのように助けに行けるのか。どうすればアリスのようになれるのかと。考えても分からなかったため直接聞くことにしたのだ。
「え?」
アリスは拍子抜けする。フルームの事だからてっきりまた恋愛脳的な質問をするのかと思ってしまい身構えていたのだ。
そんなことは知らないフルームは言葉を続ける。
「ずっと考えてた。普通、大切な仲間が危ない状況でも、必ず自分の命が天秤にかけられると思うの。それを、まるで自分の命なんて関係ないとばかりに穴へ飛び込んだ。……正直異常だと思った。……でも、私はその異常な行動が……すごくかっこいいと思ったの!だから教えて欲しいの!どうすればそんな事ができるの?!」
フルームは最初は悩ましそうな顔つきをしていたが、話しているうちに興奮してきたのか最後には目を輝かせてアリスに質問する。
ただ、アリスはその質問に対して回答に困っていた。
(なんでって……なんでだろ?生命力を共有してるから?ううん、いくら生命力を共有してるからって恐怖心は消えないわね。普通躊躇するはず……。最近ドタバタに慣れちゃったから?たしかに、すぐにでもどうにかしないと死んじゃうような場面があったけど……だからと言ってすぐに動けるわけじゃないわよね?あとは……相手がエイシェルだか……ら……?……あれ?)
アリスは答えを出そうと考えたが、いまいち自信が納得できるような理由が思いつかなかった。最後に思い付いた理由がしっくりくるが、まだ理由としては弱かった。
(なんでエイシェル相手だとすぐ助けに行けたのかしら……?前に命を助けてもらったから?今度は私の番だって動けた?……近い気がするけどしっくりこない……。そういえば泣いてた時のエイシェルちょっと可愛かったわね……)
なぜエイシェル相手だとすぐ助けられたのか。理由を考えてもしっくりこなかった。エイシェルのことを考えていたら先程の記憶がフラッシュバックしてドキドキしてしまった。
(……なんでこんな時に思い出すかな!?え?そういうことなの?いやいやいやいや……)
このまま考えると後戻りできなくなる気がしたので考えることを辞めた。
ちょっと違うが回答には及第点だろうと、ドキドキしすぎて回らなくなっている頭で考えをまとめてフルームに回答した。
「……………そうね……、エイシェルがわたしの命の恩人だから、かな?前にイノシシの魔物にやられそうになった時に助けてもらったでしょ?その時悔しかったの。それで、今度はわたしが人の役に立つんだ、困ってる人を助けるんだって思ったの。そう思ってたから動けたんじゃないかなーって?」
アリスはだいぶ脚色してしまった。悔しかったのと、役に立ちたいっていうのは確かだが、それで常日頃、困っている人を助けたいと考えているわけではない気がする。
(あー……ちょっとよく分からないこと言っちゃったなー……反省反省……)
自分の発言を後悔するアリスであったが、フルームには効果抜群であった。
「……悔しい思いをして、決意した。ずっと思い続けて行動に移した……!!……最初は……わたしと一緒!わたしもがんばる!!」
フルームは自分も同じ事ができるようになるんじゃないかと思いよろこんだ。
やはりフルームは純粋で素直な娘なのだ!
アリスは素直なフルームの姿を見て少しだけ胸が痛んだのであった。
「アリス!エイシェル!ごめん……ごめんね……!」
「なんでフラムが謝るのよ?ただの事故じゃない」
「そうだよ。おれたちを助けてくれたじゃないか」
フラムは2人が白蛇に襲われそうになっているにも関わらず何も出来なかった事が悔しくて思わず謝罪の言葉が口から溢れた。
「ほら、言った通りだろう?だから君たちも2人の無事を素直に喜べばいいんだよ」
メルカはフラムとフルームに話しかける。2人とも責任感が強く、仲間が危険に晒されたために責任を感じている程度と考えていた。
「違う!違うの!……私は……2人を見殺しにしてしまうところだった……。ううん、本来なら見殺しにしてた!……あんなに大きな蛇に襲われてたのに……私こわくて……なにも……なにもできなかった……!!」
フラムは大声を上げて自白した。最後の方は感情が昂ぶり涙を流しながら叫んだ。
黙ってなどいられなかったのだ。
「……お姉ちゃん……どういうこと……?」
フルームがフラムの自白を聞いて困惑する。自白の内容も内容だが、いつも冷静な姉が取り乱しているのだ。
「え!え!?見られてたの!!?」
「えーと、どこまでみてた……?」
エイシェルとアリスは顔を赤くする。しばらくアリスがエイシェルを抱きしめたままだったので、そこを見られたのではないかと思ったのだ。
「私は……蛇が出てきたのを見たら……怖くて……にげちゃった……ずっとあそこで震えてた……」
フラムは気の根元を指さす。それを聞いたエイシェルとアリスは肝心なところは見られていないと分かり安心する。
「そうか……まぁ、あの蛇見たらそうなるわな。おれ達も走ってにげることしかできなかったし、上からだとなおさら何も出来ないよ」
エイシェルがフラムをなだめるがフラムは納得しなかった。
「そんなことない!上からものを投げて気を引くとか、やりようはあったもの……」
フラムは何を言ってもダメな状態にまで陥ってしまっていた。それほどまでにショックを受けてしまったのだ。
(これは……なだめようとしてもダメね……どうしようかしら……)
アリスは考える。どうしたらこの場を収められるかを。
しかし、いい考えが浮かばずにいると突然音が聞こえた。
バチンッ
「え……」
フラムはキョトンとする。
それはそうである。突然フルームがビンタしてきたのだから。
「あぁすればよかったとか、くよくよするのお姉ちゃんらしくないよ!お姉ちゃん、私に言ったよね?2人の無事を信じて私達ができることをやろうって。……お姉ちゃんのそれは"できること"じゃないと思う。気を引くことはできるよ?でもそのあとどうするの?蛇が地上に出て襲ってきたら私やメルカさんも危険になったんだよ?……お姉ちゃんは私達を守ってくれたんだよ」
「で、でも!それで2人が死んじゃったら!」
「今回の依頼は何?メルカさんの護衛だよ?2人だってそんなの望んでないと思う。私はどんな事があっても、エイシェルとアリスなら大丈夫だって信じてる。だから私は私ができることを考えたの。……お姉ちゃんに教えてもらったんだよ……?」
フルームはフラムに思いをぶつけた。感情的になり、アリスを追いかけようとした自分を止めてくれたのはフラムだ。今度は私がフラムを止める番なんだと。お互いに支え合うのが姉妹なんだと言わんばかりの説得であった。
「……そう……だったわね……。みんな、ごめんなさい。取り乱したみたい……。でもこれだけは言わせて。もう2度と仲間を見捨てるなんてしない。みんな助かる道を考えたいの」
フラムも前を向き落ち着きを見せた。やはり相手のことをよく知る妹の言葉は大きかったようだ
「そうね!みんなで協力しましょう!……できることとできないことがあるのは、みんなそうよ?自分にできる範囲でやればいいと思うわ」
話がまとまりそうなところで、アリスはここぞとばかりに便乗する。
変に飛び火しないうちにはやくこの話題を終わらせようと思ったのだ。
しかし、目論見がはずれた。
「ねぇ、アリスに聞きたいんだけど」
「な、何かしら?」
フルームがアリスに声をかける。以前フルームからの猛攻?(質問)によりアリスは少なからずエイシェルのことを気にしてしまっている。先ほどもあんな事があったばかりなため、このタイミングでのフルームの質問は何か嫌な予感がしていた。
「エイシェルが穴に落ちた時に、なんでそんなに自然に飛び込めたの?」
フルームはずっと考えていた。どうすればあのようにさも当たり前かのように助けに行けるのか。どうすればアリスのようになれるのかと。考えても分からなかったため直接聞くことにしたのだ。
「え?」
アリスは拍子抜けする。フルームの事だからてっきりまた恋愛脳的な質問をするのかと思ってしまい身構えていたのだ。
そんなことは知らないフルームは言葉を続ける。
「ずっと考えてた。普通、大切な仲間が危ない状況でも、必ず自分の命が天秤にかけられると思うの。それを、まるで自分の命なんて関係ないとばかりに穴へ飛び込んだ。……正直異常だと思った。……でも、私はその異常な行動が……すごくかっこいいと思ったの!だから教えて欲しいの!どうすればそんな事ができるの?!」
フルームは最初は悩ましそうな顔つきをしていたが、話しているうちに興奮してきたのか最後には目を輝かせてアリスに質問する。
ただ、アリスはその質問に対して回答に困っていた。
(なんでって……なんでだろ?生命力を共有してるから?ううん、いくら生命力を共有してるからって恐怖心は消えないわね。普通躊躇するはず……。最近ドタバタに慣れちゃったから?たしかに、すぐにでもどうにかしないと死んじゃうような場面があったけど……だからと言ってすぐに動けるわけじゃないわよね?あとは……相手がエイシェルだか……ら……?……あれ?)
アリスは答えを出そうと考えたが、いまいち自信が納得できるような理由が思いつかなかった。最後に思い付いた理由がしっくりくるが、まだ理由としては弱かった。
(なんでエイシェル相手だとすぐ助けに行けたのかしら……?前に命を助けてもらったから?今度は私の番だって動けた?……近い気がするけどしっくりこない……。そういえば泣いてた時のエイシェルちょっと可愛かったわね……)
なぜエイシェル相手だとすぐ助けられたのか。理由を考えてもしっくりこなかった。エイシェルのことを考えていたら先程の記憶がフラッシュバックしてドキドキしてしまった。
(……なんでこんな時に思い出すかな!?え?そういうことなの?いやいやいやいや……)
このまま考えると後戻りできなくなる気がしたので考えることを辞めた。
ちょっと違うが回答には及第点だろうと、ドキドキしすぎて回らなくなっている頭で考えをまとめてフルームに回答した。
「……………そうね……、エイシェルがわたしの命の恩人だから、かな?前にイノシシの魔物にやられそうになった時に助けてもらったでしょ?その時悔しかったの。それで、今度はわたしが人の役に立つんだ、困ってる人を助けるんだって思ったの。そう思ってたから動けたんじゃないかなーって?」
アリスはだいぶ脚色してしまった。悔しかったのと、役に立ちたいっていうのは確かだが、それで常日頃、困っている人を助けたいと考えているわけではない気がする。
(あー……ちょっとよく分からないこと言っちゃったなー……反省反省……)
自分の発言を後悔するアリスであったが、フルームには効果抜群であった。
「……悔しい思いをして、決意した。ずっと思い続けて行動に移した……!!……最初は……わたしと一緒!わたしもがんばる!!」
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