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第五章 アンダーグラウンド
170.真実2
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淡い期待を込めてアリスが質問するとステラは何やら考えながら話し始める。
「魔法が無くなったら……魔物は魔力を蓄えにくくなる……かな。あとは魔法を使わないと生きていけないような魔物が全て星に還……る?」
「「それだ!!」」
エイシェルとアリスが同時に叫ぶ。それこそ求めていた答え。それこそ先代魔王と勇者が成し遂げようとしていたこと。
「……なるほどね」
「…………」
「えっと、どういうことかしら?」
「何が分かったの??」
ステラは納得したようだがフラムとフルームがついていけてなかった。ディアはただ目を瞑って話を聞いている。
「勇者と魔王の目的は星の寿命を延ばすことだったんだ」
「その為にこの世界から魔法を無くそうとした」
「この前のドラゴンも空を飛ぶ為に何かしら魔法を使ってたはずだ。でないとあんな大きな身体で空を飛べるはずがない」
「それに、海にいるクラーケンならまだしも、陸にいるドラゴンがあの大きさで魔法も使わずに身体を維持出来るとも思えないし」
「「祖龍が大きな要因なはず!」」
エイシェルとアリスは息を揃えてフラム達の質問に回答する。辿り着けなかった答えに辿り着いたとばかりに喜びを全身で表していた。
ただ、そこでアリスがふと矛盾に気付いた。
「あ、でも……確かディアは……」
「いいえ。とでも言っておこうかしら」
アリスがとても言いにくそうにしており歯切れが悪い。それもそのはず。アリスはディアに質問ができないのだから。それを汲んで答えるディアは流石である。どこまでが許容されるかか分からないための『否定』のみの回答。アリスが言い切らなかった為どちらとも取れるが為に出来る回答。だがどちらで質問したいかはなんとなく伝わった為曖昧な言葉でも意思疎通は出来ていた。
そして、その曖昧な言葉をエイシェルが引き継ぐ。
「……確かにディアは祖龍を知らなかった。つまり、他にも要因がある……ということか」
「他っていっても……どう考えても祖龍が大きな問題だよね」
「そこから先はボクが補足するよ」
エイシェル達が他の要因について考えているとステラが割り込んできた。どうやら何か当てがあるようだ。
「まず、祖龍だけど……あれは諦めてた。この星の生き物がどうこうできる相手じゃない。これ以上生命力を蓄えさせない為に放置が最善だったんだ。下手に討伐でもしようものなら返り討ちにあって星に還元されるはずだった生命力も吸収されちゃう。だから触れちゃいけなかったんだ」
ステラは悔しそうに話す。本当は分かっているのだ。ただのその場しのぎであることは。有効打が打てない為、最も大きい相手に挑むことすら出来ずにいたのだ。しかし思いがけないところで打ち手が生まれる。そのまま方法を考えたいところだったが今は質問に答えるのが先と思い話を戻すのだった。
「……話を戻すね。多分だけど、魔法を無くそうとしてたのは当時生まれた魔法が関係してるんだと思う」
「…………」
ステラの推測にディアは無言で話を聞く。以前にアリスが質問した内容に関連する為反応ができないのだ。それを知ってかステラは話を続ける。
「1000年前……魔王と勇者が共に立ちあがろうとした少し前に不審な魔力の流れが生まれた。そして、その魔力の流れはこの1000年間ずっと続いてるんだ」
「…………そう……なのね」
無言を貫いていたディアがただそれだけ呟く。どこか悔しそうに。まるで犯人が分かっていたのに止められなかったとでも言いたげである。
「この不審な魔力の流れは魔法が原因なんだけど……この魔法はアリスも知ってると思う」
「えっ?」
「星の生命力を使って自分の生命力を回復する魔法」
「……まさか?!」
「そのまさかだよ。ルミナドレインの魔法。あれは星の命を吸い取ってるんだ」
「「!!?」」
衝撃の事実に驚きを隠せないエイシェル達。主にアリスが無尽蔵の魔力を活かす為にはなくてはならない魔法である。
それを聞いたアリスは居ても立っても居られないとばかりに質問をする。
「そんな!?だって、わたしルミナドレインの魔法結構……というかかなり使ってたよ!?」
「うん、だからアリスの魂には普通の人よりかなり多くの生命力が蓄えられてると思う」
「そんな……どうにか出来ないのか?」
エイシェルの素朴な疑問にステラは「ふむ……」と考える仕草をして答えた。
「どうにかって……星に生命力を還元するってこと?それなら死ぬしかないよ。でも……」
「「そんな!!?」」
ステラが答えるとエイシェル達が叫び出す。急に叫ばれたステラは驚き言葉が止まってしまった。
(そんな……死ぬしかないなんて……わたし死にたくないよ……わたしが死んだらエイシェルまで死んじゃう!!そんなのはいや!エイシェルが死んじゃうのはいや!)
「……いや……死んじゃいや……!」
アリスは思わず思っていたことが言葉として漏れた。その様子を見ていたエイシェルも似たことを考えていた。
(アリスが死ぬ……そんなのはダメだ。何か手はないのか……。せめておれが肩代わりできれば……ん?肩代わり?……そうだ!)
「なぁステラ、ジェミニの魔法でおれの魂がアリスの魂と繋がってるんだよな。それならその蓄えた生命力ってやつをおれの方に移せないかな?それで、どうにかジェミニの魔法を解除出来ればおれだけ死ねば星に生命力を還せるとおもうんだ」
「な、何言ってる……の……?そんなのダメ!ジェミニの魔法を解除出来るならわたしだけでいい!エイシェルには死んでほしくない!」
「それはダメだ!おれはアリスに死んでほしくない!……好きな人には生きててもらいたいだろ……」
「なっ!!?……そ、そんなこと言ったらわたしだって同じよ!!す、好きな人には生きていてほしいし……」
エイシェルとアリスの話を心配そうにフラムとフルームが見ていた。ディアはエイシェル達をジト目で見ている。なんだこの茶番はと言いたげで、視線をステラへ移した。ステラもそれに気付いたのか、言いにくそうに手を挙げて話し始めた。
「あのー……。お熱いところ申し訳ないんだけど、普通の人と比べて多いだけだからね?星の寿命に関わるほど使ってないから大丈夫だよ?」
「「……そ」」
「そ?」
「「それを早く言えぇぇぇ!!」」
顔を真っ赤にして叫ぶ2人。そもそもステラの話を遮って話し始めたのが原因だがそんな事はお構いなしである。
エイシェルとアリスは顔が真っ赤のまままともに話せるような状況にない為フラムが話を拾って続けた。
「それで、アリスくらい使ってても問題がないルミナドレインがなんで問題なのかしら?」
「それは、星の生命力を常に吸い上げているような動きがあるからなんだ」
「……それも1000年間ずっと。というわけね」
「そう。そして、今も使い続けてる。魔法をなくしたいって事はそれをなんとかしたい。ということかなと。どこの誰が使ってるのか探すの大変だからね」
「魔法をなくすって簡単に出来るの?」
「簡単には出来ないかな……そもそもどうやって魔法を無くすのかってところからだね。生命力を魔力に変えられないようにするのか、魔力から魔法を使えないようにするのかで全然違うから。現時点でどこに手を加えるのが現実的なのか分からないよ」
ステラの話を聞き納得するフラムとフルーム。一方でエイシェル達はまだ顔が赤いままである。
まだこの2人がまともに会話できないと思ったフルームは追加の確認を続ける。
「そういえば、さっきエイシェル達が言ってたジェミニの魔法なんだけど、あれって解くこと出来るの?」
「ジェミニの魔法……確か勇者の魔法だよね。ごめん。わからないや」
「そっか……じゃあ、ドラゴンの血を飲んだ人を元に戻す方法は?」
ステラなら何か知っていると踏んだフルームだったが当てが外れたようだ。ダメ元で自分達に起こっている方も確認する。
「いや、ドラゴンの血を飲んで不老長寿になりたいっていうのは聞くけど……元に戻す方法なんて聞いた事ないや……というか誰がドラゴンの血飲んだの……?」
「飲んだ」
「飲んだわね」
ステラの疑問に手を挙げるフルームとフラム。それを見て呆れたような顔をするステラがいた。
それもそうである。連れてきたパーティのうち2人は魂が2つあり……話を聞く限り勇者と魔王の関係者である。その仲間である2人も不老長寿ときた。どう考えても珍人物の集まりである。よくぞここまで集まったと言いたげであった。
「あー、聞いたことがある程度の話だけど、まずドラゴンの血は魔力が濃縮されて溶け込んでいる感じみたい。それで、その血を飲むと飲んだ人の身体に吸収されてその人の血も変質するんだ。魔物ほどじゃないけど、倒した生き物の生命力も吸収するらしく、もしかしたらその吸収した生命力を使って不老になってるって説がある。……実際に飲んだ人は見た事なかったけど。だから魔物を倒さなければ老化し始めるんじゃないかな」
「えっと……私、この前のドラゴン倒しちゃったんだけど……」
「たぶんしばらく老化しないと思うよ。あ、近くにいたら吸収するからフルームもね」
「あ、やっぱり?……という事はクラーケン分もあるのかな……」
「そういえばそうだね。いや、でも……まぁそうか、そうだね」
歯切れの悪いステラであったがフルームとフラムは十分長生き出来そうである。そこでフルームがふと気づく。
「もしかして……ある程度蓄えた生命力を使わないとこの容姿のまま……?成長しないとか?」
「まだ分からないけど、それもあり得ると思う」
「逆に蓄えた生命力を消費したら成長するって事?」
「どの程度かは分からないけどそうじゃないかな」
「なるほどなるほど」
「何がなるほどなの?」
フラムはフルームの意図するところがわからずに質問するのだった。
「おねえちゃん。叔父さん前に比べて老けたよね?」
「老けたって言うのか分からないけど、少しは変わったかしら……あれ」
「そう、昔の叔父さんって全然変わらなかったんだよ。冒険者引退してしばらく経つから吸収した生命力無くなってきたんじゃないかな」
「……確かになるほどって感じね」
「……えーっと。もしかしてもう1人いる?」
「うん」
「うちの叔父さん。見た目20代だけどもう40歳近いわね」
「……キミたちの周りはどうなってるのさ?」
ステラはもう諦めたような表情をしつつ思わず言葉が漏れた。今日はもう考えたくないとばかりに席を立つ。
「さて、他に質問はある?というか、いろいろあったから少しは休みなよ。ここなら安心だからさ」
ステラはそう言うと5人に鍵を配る。各鍵には板がついており数字が書かれている。どうやら部屋の番号のようだった。
「夕飯の時間は決まってるから遅れないようにね」
ステラがそう言うと部屋から出るように促す。依然顔の赤いエイシェルとアリスをフルームとフラムが連れて行く。ディアも後に続いて出口へと歩いて行った。
「魔法が無くなったら……魔物は魔力を蓄えにくくなる……かな。あとは魔法を使わないと生きていけないような魔物が全て星に還……る?」
「「それだ!!」」
エイシェルとアリスが同時に叫ぶ。それこそ求めていた答え。それこそ先代魔王と勇者が成し遂げようとしていたこと。
「……なるほどね」
「…………」
「えっと、どういうことかしら?」
「何が分かったの??」
ステラは納得したようだがフラムとフルームがついていけてなかった。ディアはただ目を瞑って話を聞いている。
「勇者と魔王の目的は星の寿命を延ばすことだったんだ」
「その為にこの世界から魔法を無くそうとした」
「この前のドラゴンも空を飛ぶ為に何かしら魔法を使ってたはずだ。でないとあんな大きな身体で空を飛べるはずがない」
「それに、海にいるクラーケンならまだしも、陸にいるドラゴンがあの大きさで魔法も使わずに身体を維持出来るとも思えないし」
「「祖龍が大きな要因なはず!」」
エイシェルとアリスは息を揃えてフラム達の質問に回答する。辿り着けなかった答えに辿り着いたとばかりに喜びを全身で表していた。
ただ、そこでアリスがふと矛盾に気付いた。
「あ、でも……確かディアは……」
「いいえ。とでも言っておこうかしら」
アリスがとても言いにくそうにしており歯切れが悪い。それもそのはず。アリスはディアに質問ができないのだから。それを汲んで答えるディアは流石である。どこまでが許容されるかか分からないための『否定』のみの回答。アリスが言い切らなかった為どちらとも取れるが為に出来る回答。だがどちらで質問したいかはなんとなく伝わった為曖昧な言葉でも意思疎通は出来ていた。
そして、その曖昧な言葉をエイシェルが引き継ぐ。
「……確かにディアは祖龍を知らなかった。つまり、他にも要因がある……ということか」
「他っていっても……どう考えても祖龍が大きな問題だよね」
「そこから先はボクが補足するよ」
エイシェル達が他の要因について考えているとステラが割り込んできた。どうやら何か当てがあるようだ。
「まず、祖龍だけど……あれは諦めてた。この星の生き物がどうこうできる相手じゃない。これ以上生命力を蓄えさせない為に放置が最善だったんだ。下手に討伐でもしようものなら返り討ちにあって星に還元されるはずだった生命力も吸収されちゃう。だから触れちゃいけなかったんだ」
ステラは悔しそうに話す。本当は分かっているのだ。ただのその場しのぎであることは。有効打が打てない為、最も大きい相手に挑むことすら出来ずにいたのだ。しかし思いがけないところで打ち手が生まれる。そのまま方法を考えたいところだったが今は質問に答えるのが先と思い話を戻すのだった。
「……話を戻すね。多分だけど、魔法を無くそうとしてたのは当時生まれた魔法が関係してるんだと思う」
「…………」
ステラの推測にディアは無言で話を聞く。以前にアリスが質問した内容に関連する為反応ができないのだ。それを知ってかステラは話を続ける。
「1000年前……魔王と勇者が共に立ちあがろうとした少し前に不審な魔力の流れが生まれた。そして、その魔力の流れはこの1000年間ずっと続いてるんだ」
「…………そう……なのね」
無言を貫いていたディアがただそれだけ呟く。どこか悔しそうに。まるで犯人が分かっていたのに止められなかったとでも言いたげである。
「この不審な魔力の流れは魔法が原因なんだけど……この魔法はアリスも知ってると思う」
「えっ?」
「星の生命力を使って自分の生命力を回復する魔法」
「……まさか?!」
「そのまさかだよ。ルミナドレインの魔法。あれは星の命を吸い取ってるんだ」
「「!!?」」
衝撃の事実に驚きを隠せないエイシェル達。主にアリスが無尽蔵の魔力を活かす為にはなくてはならない魔法である。
それを聞いたアリスは居ても立っても居られないとばかりに質問をする。
「そんな!?だって、わたしルミナドレインの魔法結構……というかかなり使ってたよ!?」
「うん、だからアリスの魂には普通の人よりかなり多くの生命力が蓄えられてると思う」
「そんな……どうにか出来ないのか?」
エイシェルの素朴な疑問にステラは「ふむ……」と考える仕草をして答えた。
「どうにかって……星に生命力を還元するってこと?それなら死ぬしかないよ。でも……」
「「そんな!!?」」
ステラが答えるとエイシェル達が叫び出す。急に叫ばれたステラは驚き言葉が止まってしまった。
(そんな……死ぬしかないなんて……わたし死にたくないよ……わたしが死んだらエイシェルまで死んじゃう!!そんなのはいや!エイシェルが死んじゃうのはいや!)
「……いや……死んじゃいや……!」
アリスは思わず思っていたことが言葉として漏れた。その様子を見ていたエイシェルも似たことを考えていた。
(アリスが死ぬ……そんなのはダメだ。何か手はないのか……。せめておれが肩代わりできれば……ん?肩代わり?……そうだ!)
「なぁステラ、ジェミニの魔法でおれの魂がアリスの魂と繋がってるんだよな。それならその蓄えた生命力ってやつをおれの方に移せないかな?それで、どうにかジェミニの魔法を解除出来ればおれだけ死ねば星に生命力を還せるとおもうんだ」
「な、何言ってる……の……?そんなのダメ!ジェミニの魔法を解除出来るならわたしだけでいい!エイシェルには死んでほしくない!」
「それはダメだ!おれはアリスに死んでほしくない!……好きな人には生きててもらいたいだろ……」
「なっ!!?……そ、そんなこと言ったらわたしだって同じよ!!す、好きな人には生きていてほしいし……」
エイシェルとアリスの話を心配そうにフラムとフルームが見ていた。ディアはエイシェル達をジト目で見ている。なんだこの茶番はと言いたげで、視線をステラへ移した。ステラもそれに気付いたのか、言いにくそうに手を挙げて話し始めた。
「あのー……。お熱いところ申し訳ないんだけど、普通の人と比べて多いだけだからね?星の寿命に関わるほど使ってないから大丈夫だよ?」
「「……そ」」
「そ?」
「「それを早く言えぇぇぇ!!」」
顔を真っ赤にして叫ぶ2人。そもそもステラの話を遮って話し始めたのが原因だがそんな事はお構いなしである。
エイシェルとアリスは顔が真っ赤のまままともに話せるような状況にない為フラムが話を拾って続けた。
「それで、アリスくらい使ってても問題がないルミナドレインがなんで問題なのかしら?」
「それは、星の生命力を常に吸い上げているような動きがあるからなんだ」
「……それも1000年間ずっと。というわけね」
「そう。そして、今も使い続けてる。魔法をなくしたいって事はそれをなんとかしたい。ということかなと。どこの誰が使ってるのか探すの大変だからね」
「魔法をなくすって簡単に出来るの?」
「簡単には出来ないかな……そもそもどうやって魔法を無くすのかってところからだね。生命力を魔力に変えられないようにするのか、魔力から魔法を使えないようにするのかで全然違うから。現時点でどこに手を加えるのが現実的なのか分からないよ」
ステラの話を聞き納得するフラムとフルーム。一方でエイシェル達はまだ顔が赤いままである。
まだこの2人がまともに会話できないと思ったフルームは追加の確認を続ける。
「そういえば、さっきエイシェル達が言ってたジェミニの魔法なんだけど、あれって解くこと出来るの?」
「ジェミニの魔法……確か勇者の魔法だよね。ごめん。わからないや」
「そっか……じゃあ、ドラゴンの血を飲んだ人を元に戻す方法は?」
ステラなら何か知っていると踏んだフルームだったが当てが外れたようだ。ダメ元で自分達に起こっている方も確認する。
「いや、ドラゴンの血を飲んで不老長寿になりたいっていうのは聞くけど……元に戻す方法なんて聞いた事ないや……というか誰がドラゴンの血飲んだの……?」
「飲んだ」
「飲んだわね」
ステラの疑問に手を挙げるフルームとフラム。それを見て呆れたような顔をするステラがいた。
それもそうである。連れてきたパーティのうち2人は魂が2つあり……話を聞く限り勇者と魔王の関係者である。その仲間である2人も不老長寿ときた。どう考えても珍人物の集まりである。よくぞここまで集まったと言いたげであった。
「あー、聞いたことがある程度の話だけど、まずドラゴンの血は魔力が濃縮されて溶け込んでいる感じみたい。それで、その血を飲むと飲んだ人の身体に吸収されてその人の血も変質するんだ。魔物ほどじゃないけど、倒した生き物の生命力も吸収するらしく、もしかしたらその吸収した生命力を使って不老になってるって説がある。……実際に飲んだ人は見た事なかったけど。だから魔物を倒さなければ老化し始めるんじゃないかな」
「えっと……私、この前のドラゴン倒しちゃったんだけど……」
「たぶんしばらく老化しないと思うよ。あ、近くにいたら吸収するからフルームもね」
「あ、やっぱり?……という事はクラーケン分もあるのかな……」
「そういえばそうだね。いや、でも……まぁそうか、そうだね」
歯切れの悪いステラであったがフルームとフラムは十分長生き出来そうである。そこでフルームがふと気づく。
「もしかして……ある程度蓄えた生命力を使わないとこの容姿のまま……?成長しないとか?」
「まだ分からないけど、それもあり得ると思う」
「逆に蓄えた生命力を消費したら成長するって事?」
「どの程度かは分からないけどそうじゃないかな」
「なるほどなるほど」
「何がなるほどなの?」
フラムはフルームの意図するところがわからずに質問するのだった。
「おねえちゃん。叔父さん前に比べて老けたよね?」
「老けたって言うのか分からないけど、少しは変わったかしら……あれ」
「そう、昔の叔父さんって全然変わらなかったんだよ。冒険者引退してしばらく経つから吸収した生命力無くなってきたんじゃないかな」
「……確かになるほどって感じね」
「……えーっと。もしかしてもう1人いる?」
「うん」
「うちの叔父さん。見た目20代だけどもう40歳近いわね」
「……キミたちの周りはどうなってるのさ?」
ステラはもう諦めたような表情をしつつ思わず言葉が漏れた。今日はもう考えたくないとばかりに席を立つ。
「さて、他に質問はある?というか、いろいろあったから少しは休みなよ。ここなら安心だからさ」
ステラはそう言うと5人に鍵を配る。各鍵には板がついており数字が書かれている。どうやら部屋の番号のようだった。
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ステラがそう言うと部屋から出るように促す。依然顔の赤いエイシェルとアリスをフルームとフラムが連れて行く。ディアも後に続いて出口へと歩いて行った。
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