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第二話
しおりを挟む私は3人姉妹の長女で、次女は1つ下。末の妹は、今年三歳になったばかりだ。
その他に、母と婿に来た父。そして祖父の、6人で暮らしている。
よく喧嘩をするのは、母と祖父。
喧嘩、と言っていいのかよく分からないが。
祖父は、1度説教を始めると止まらない。
ずっと前のこと、前に1度説教したことでさえも持ち出して話す。
母が何を言っても、欲しいのはそんな答えじゃない。と言って説教を続ける。
母は、2、3時間も続く説教に耐え、その後ひっそりと泣いていた。
私は祖父のお気に入りだった。
私もまた祖父が好きだった。
おじいちゃんっ子と言うやつだ。
更に、根が真面目で、長女だったこともあり空気を読める人間だと自分でも思う。
そのためか、母は私に
「じいちゃんの相手をしてやって」
「どうにかして、」
「もうダメかも、倒れるかも、」
と、弱音を吐き、助けを求めた。
私はその度に、
「うん。いつかね。」
と、返事をしてきた。
これは本心だった。
本当に、いつか助けてあげられると思っていた。
でも、私は何も知らなかった。
何も、何も知らない子供だった。
祖父が説教しているのは、主に家のことで、マンションをどうするだとか、私にはさっぱりだ。
いつだったか、会議のように、話す内容を予め決めてから話せば、別の話に飛ぶことなく、説教臭くもならずに話せるのでは、と思い、会議のルールを考えていたことがある。
スマホで「「会議 スムーズに進む」」と検索した。
ノートを広げ、これで誰も傷つかなくなる。と意気揚々と、会議の進め方をメモしていく。
会議には、議長が必要らしい。
議長が、話の内容をまとめ、話を進めていくのだ。
でも、この場合の議長となるべき私がなにも知らないのだから、話し合いをスムーズに進められるわけがなかった。この案はダメだな。
私は肩を落とすしか無かった。
祖父と積極的に会話し、祖父が怒らないようにコミュニケーションをしっかりとってあげる、その橋渡し役になる。ということもきっとできただろう。
というか、それがきっと1番現実的に自分の力だけでできることだった。
でも、そう考える頃にはもうとっくに私は、祖父と話すのが嫌になっていた。
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