100%のオメガ

みこと

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番外編 1

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「じゃあ、僕先にお風呂に入ってくるね。」

「あ、うん。」

昼間は思いっきりテーマパークで遊び、律と俊哉と別れてホテルに帰って来た。
いよいよ今日は楓にマーキングする日だ。
マーキングにはいろいろな効果がある。
心と身体が満たされ、フェロモンが安定する。そしてアルファ除けの効果もある。
所謂運命と言われるアルファとオメガは近くにいると安心するが、フェロモンの相性が良すぎて常に興奮状態にある。自分では意識しないかもしれないが、その興奮状態は身体を疲れさせてしまうのだ。
基本的にアルファは皆、体力がある者が多い。しかしオメガは身体が弱かったり、体力のない者がほとんどだ。運命と一緒にいることで知らず知らずのうちに身体が疲れやすくなってしまっている。
通常は相手の体液を身体に取り込めばそういったことはなくなる。キスをしたり精液を飲んだりすることでお互いに元気になるのだ。おそらく他のカップルはそうやって過ごし、オメガが卒業するのを待つ。
しかし運命と言われるカップルはそれだけでは足りない。オメガはアルファの精液を体の奥で取り込み心身の安定を得られると言われている。
実際に楓も潤と会うようになってから疲れやすくなっていた。イチャイチャして唾液や精液を身体に取り込むと良くなるが長く保たない。
そしてアルファもマーキングをすることでオメガを他のアルファから守るという本能を満たすことが出来る。
なのでマーキングという行為は運命には欠くことの出来ない行為だ。
…という理由が95%以上のカップルに許されているマーキング。
相性95%以上は稀でマーキング許可は都市伝説と言われていた。
しかし100%の潤には実際にその通知がきた。
それを見た潤は信じられない気持ちでいっぱいだった。
普段はイチャイチャして終わる。楓の可愛さとフェロモンで暴走してしまいそうになるのを何とか抑えて我慢していた。
卒業するまで長いなといつも悶々としていたのに…。
早速楓と話し合い、楓も同意してくれた。
マーキングは潤だけでなく楓の同意も必要で送られてきた書類に二人のサインをして送り返すと、はれてマーキング行為を行うことができる。

「潤くん、出たよ。」

「…。」

真っ白なバスローブに身を包んだ楓が風呂から出てきた。まるで天使が降臨してきたみたいだ。

「潤くん?」

何も言わずにぼーっと自分を見つめる潤に楓が声をかける。

「え?は、あ、いや、」

パッとソファーから立ち上がりあわあわとする。
可愛い…。そしてフェロモンが濃い。
このまま押し倒してしまいたい気持ちをぐっと飲み込んだ。汗をかいたので臭ったら嫌だ。

「俺もシャワー浴びてくる。」

「うん。」

潤は動揺を隠すように急いでバスルームに飛び込んだ。

「ふう。落ち着け…。」

シャワーを浴びながら潤は自分に言い聞かせた。
いつもよりも丹念に身体を洗い、パウダールームで最終チェックをする。

「よし!」

何がよしなのか良く分からないが気合いを入れてバスルームを出る。
部屋の中は楓の甘いフェロモンの匂いで充満していた。
楓はベッドに入っているようだ。

「楓…。」

近づいてそっと布団をまくる。

「…え?楓?」

なんと楓はすやすやと眠っていた。
しばらく唖然としていた潤だがその可愛い顔を見ていると何だか幸せな気持ちになった。
もちろん楓にマーキングしたい。でもそれよりも一緒にいられることが幸せなのだ。
それにこれからいつだって楓にマーキング出来る。

「楓、おやすみ。」

潤は楓の横に滑り込みそっと抱きしめて頭に顔を埋める。
その匂いにくらくらする。

「また明日な。」

可愛い寝息を立てる楓の頬にキスをして手足を絡ませ眠りについた。





「ん…。」

楓はぼんやりと目を覚ました。暖かくて良い匂いだ。寝返りをうとうと身体を動かすががっちり固定されている。カーテンの外はまだ薄暗いのが分かる。

「あ、」

潤だ。
潤が楓を抱きしめて眠っている。
そうだ。昨日は四人でテーマパークに出かけてその中のホテルに泊まった。
そしてお風呂に入ってそのまま眠ってしまったようだ。
初めてのお泊まりだったのに。
潤をがっかりさせてしまったのではないか。
不安になり目の前の潤をそっと見つめる。
スッと通った高い鼻に閉じられていても分かる切れ長の大きな目。形の良い唇から寝息がこぼれていた。
どうして良いのか分からず身じろぐとさらにキツく抱きしめられた。

「ん…楓?どうした?」

起こしてしまったようだ。目を閉じたまま潤が話しかける。

「潤くん、ごめん。ぼく眠っちゃったみたいで。」

潤が目を開ける。そして楓の鼻先にちゅっとキスをした。

「何で謝るんだ?」

「だって…。」

潤は楽しみにしていたはずだ。もちろん楓だって。

「一日中遊んだからな。疲れたんだろ?」

「…。」

「一緒に寝られて幸せだ。」

「本当?だって…。」

しょんぼりする楓の鼻先にもう一度キスをする。そして楓を自分の身体の上に抱き上げた。

「めちゃくちゃ幸せ。ずっとこうやって楓と朝を迎えたかったんだ。」

「潤くん…。僕も。ふふ、幸せってこういうことを言うんだね。」

「楓、大好きだ。楓~!」

楓をぎゅーっと抱きしめる。

「うー、苦しい。」

「あはは、ごめん。」

ベッドの中で笑い合う。そして見つめ合った。

「好きだ。」

「僕も大好き。」

潤はぐるりと身体入れ替え、楓にキスをする。
そのキスは段々と深くなり舌を絡ませくちゅくちゅと音が部屋に響いた。

「はぁはぁ、楓。」

潤の手が楓のバスローブの紐をするりと解き忍び込んでくる。

「あ、潤君…。」

「綺麗だ。ここも可愛い。」

潤のせいで少し膨らんだ乳首をスリスリと撫でた。

「あぁん、」

「楓はここが好きだな。」

うっとり楓を見ながら乳首を撫で続ける。すっかり固くなった乳首をキュッと摘んだ。

「あ、ん、あぁ!」

「あー、可愛い。可愛いよ、楓。」

「んん、ん、」

両手で乳首をクリクリと摘みながらまたキスをする。潤の股間もすっかり立ち上がり、楓に押し付けてくる。

「はぁはぁ、楓!」

ピピピピピピ…

大きな音に二人の動きがピタリと止まる。
アラームだ。
二人は思わず顔を見合わせた。

「くそーっ、せっかく…。」

「ふふふ。潤くん、支度しよっか。律たちを待たせちゃ悪いし。」

「楓~。」

泣きそうな潤を宥めて楓が起き上がった。

「今日の夜は、その、潤くんと一つになりたいな。」

「え?楓!うん!もちろんだ!」

潤もガバッと起き上がり恥ずかしそうな楓に抱きついた。
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