転生した精霊モドキは無自覚に愛される

suiko

文字の大きさ
2 / 84
第一章

~1~

しおりを挟む




「まぁ!全て正解ですわ!奥様、ミーシャ様は本当に天才ですわね!」

「そうでしょうそうでしょう!ミーシャちゃんはわたくしの自慢の娘ですわ!」


私を取り囲み、読んで字のごとくかしましい妙齢の女性達が手放しで私を褒め称える。


私、こと精霊モドキのバケモノは無事に転生を果たした。
転生した先は人間、それも女性体であり、どうやら貴族、という階級の家の元に産まれたのだった。
今のこの体の産みの親から授けられた名はミーシャ。
ミーシャ・フロイライト
サズワイト王国のフロイライト侯爵家の長女である。

さて、精霊であった頃はそもそも性別というものがなかった為気にはしなかったが、種の繁栄を義務付けられた生命へと転生した以上それは果たさなければならないだろう、それもやんごとない身の上となったのならば我が親の期待にはなるべく応えてやるのが子の勤め。
そう思い生まれてから三年もしたら自身の身の回りの事は自分で行うようにしたり、家の図書を次から次と読みふけり知識を得、父親の仕事である領地の視察や国内の経済状況の把握等に付いて回ってはそれとなくアドバイスなどもしていった。
幼い女児が歳不相応の事をしている自覚はある。恐れられ、気味悪がられる可能性は承知の上でこれらの行動をとってきたのだが


「ミーシャちゃんは神様からの授かりものね!こんなに素晴らしい娘が出来て幸せだわ!」

「幼いながらに博識でいらっしゃる。まさに神童ですわ」

「ええ、それにちまたではミーシャ様はそのお姿から聖女の再臨であると言われていますが、まさにそのとおりですわね!」


「聖女ですか、私には、身に余る称賛のお言葉ですわ」

どうやら運良く私は『聖女の再臨』として別の意味で畏怖の対象となったようだ。
どうやらサズワイト王国周辺には聖女伝説なる伝記が伝わっており、突如として現れた黒髪黒目の乙女が世界の危機を救ったのだとか、そして我がフロイライト家はその聖女を先祖に持つのだとかで私はどちらの親にも似ない黒髪黒目の容姿でありながらも親の不貞が疑われる事もなく、寧ろ先祖返りである。我が家に聖女の血が流れていることの証であると親族達一同に持て囃されたものである。
産まれながらにして多大なる期待を寄せられてしまうとは予想もしなかったが、これも何かの縁、私が私として生きる事においての試練であるのだと前向きに捉える事とした

中身は長年の間存在し続けたバケモノであるため、理解力や応用力、飲み込みの速さのアドバンテージを活かし、私は異例の速さで貴族としてのデビューを果たしたのである。


さて、貴族としてのデビューと言っても何事にも順序というものは存在する。
いくら私が早熟であれ、本来行われるべき事柄をすっ飛ばしてお披露目パーティーをする等出来はしない、その為私は親に自らの賢さアピールを積極的に行ってきた。その甲斐あってこの歳で家庭教師がつけられ、マナーは勿論歴史や経済などにおいても好成績を取り続けたのである。
両親は浮かれ喜ぶばかりであり、家庭教師の中には小娘に対する意図返しか成人でも解けないような難問を出してくる者がいたが全て完璧な解答を提出した上で逆に質問という体で更なる難問を吹っかけてみたりなどしてそれなりに楽しい時間を過ごしたものだ。

そして今の私の楽しみはというと、


「流石はミーシャ様ですわ、ロズベルト様もお幸せですね」

「羨ましいわぁ、ミーシャ様のような妹がうちのリッキーにも欲しいわぁ」

「っ、ええ、本当に、僕は幸福者です」


私の兄、ロズベルト・フロイライトだ

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

チョイス伯爵家のお嬢さま

cyaru
恋愛
チョイス伯爵家のご令嬢には迂闊に人に言えない加護があります。 ポンタ王国はその昔、精霊に愛されし加護の国と呼ばれておりましたがそれももう昔の話。 今では普通の王国ですが、伯爵家に生まれたご令嬢は数百年ぶりに加護持ちでした。 産まれた時は誰にも気が付かなかった【営んだ相手がタグとなって確認できる】トンデモナイ加護でした。 4歳で決まった侯爵令息との婚約は苦痛ばかり。 そんな時、令嬢の言葉が引き金になって令嬢の両親である伯爵夫妻は離婚。 婚約も解消となってしまいます。 元伯爵夫人は娘を連れて実家のある領地に引きこもりました。 5年後、王太子殿下の側近となった元婚約者の侯爵令息は視察に来た伯爵領でご令嬢とと再会します。 さて・・・どうなる? ※作者都合のご都合主義です。 ※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。 ※架空のお話です。現実世界の話ではありません。 ※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

転生調理令嬢は諦めることを知らない!

eggy
ファンタジー
リュシドール子爵の長女オリアーヌは七歳のとき事故で両親を失い、自分は片足が不自由になった。 それでも残された生まれたばかりの弟ランベールを、一人で立派に育てよう、と決心する。 子爵家跡継ぎのランベールが成人するまで、親戚から暫定爵位継承の夫婦を領地領主邸に迎えることになった。 最初愛想のよかった夫婦は、次第に家乗っ取りに向けた行動を始める。 八歳でオリアーヌは、『調理』の加護を得る。食材に限り刃物なしで切断ができる。細かい調味料などを離れたところに瞬間移動させられる。その他、調理の腕が向上する能力だ。 それを「貴族に相応しくない」と断じて、子爵はオリアーヌを厨房で働かせることにした。 また夫婦は、自分の息子をランベールと入れ替える画策を始めた。 オリアーヌが十三歳になったとき、子爵は隣領の伯爵に加護の実験台としてランベールを売り渡してしまう。 同時にオリアーヌを子爵家から追放する、と宣言した。 それを機に、オリアーヌは弟を取り戻す旅に出る。まず最初に、隣町まで少なくとも二日以上かかる危険な魔獣の出る街道を、杖つきの徒歩で、武器も護衛もなしに、不眠で、歩ききらなければならない。 弟を取り戻すまで絶対諦めない、ド根性令嬢の冒険が始まる。

大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!

古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。 その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。 『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』 昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。 領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。 一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――

龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜

クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。 生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。 母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。 そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。 それから〜18年後 約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。 アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。 いざ〜龍国へ出発した。 あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね?? 確か双子だったよね? もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜! 物語に登場する人物達の視点です。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

【完結】天下無敵の公爵令嬢は、おせっかいが大好きです

ノデミチ
ファンタジー
ある女医が、天寿を全うした。 女神に頼まれ、知識のみ持って転生。公爵令嬢として生を受ける。父は王国元帥、母は元宮廷魔術師。 前世の知識と父譲りの剣技体力、母譲りの魔法魔力。権力もあって、好き勝手生きられるのに、おせっかいが大好き。幼馴染の二人を巻き込んで、突っ走る! そんな変わった公爵令嬢の物語。 アルファポリスOnly 2019/4/21 完結しました。 沢山のお気に入り、本当に感謝します。 7月より連載中に戻し、拾異伝スタートします。 2021年9月。 ファンタジー小説大賞投票御礼として外伝スタート。主要キャラから見たリスティア達を描いてます。 10月、再び完結に戻します。 御声援御愛読ありがとうございました。

処理中です...