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第一章
~46~
しおりを挟む♦ローズ
紺色の短髪、水色の瞳
初代隠れキャラとしてスタッフが拘ったのだろう整った顔立ち
彼、リオン・ハヴェスは乙女ゲーム『奇跡の雫~アナタだけの恋物語~』に出てくる攻略キャラの一人である。
そして私の恋人である。
いや、ちょっと待って、言い訳させて、
そんなつもり、ホント最初は無かったんだ。
ガチであの時、ミーシャが自分のしたい事をしたいように生きている云々言われて、
改めて私はこの世界で生きるって事を考えた。
元々、ゲームでは無いって意識はあった。
やり直しなんて出来ない、セーブした場所からもう一度、なんて出来ないってのはわかってた。
でも、自分の立ち位置に甘えていたのも確かだ。
主人公なんだから大丈夫だろう。
どうせゲームと同じ流れになるんだから、その時がきたらその時にでも考えればいいや。
まぁまず悪い方向に行く事は無いだろう。
そんな甘えた考えでなーんにも考えずに学院に入学するまでのうのうと過ごしていた訳だ。
その結果が同類からの厳しいお言葉だった。
ゲームに縛られ生きている。
否定出来なかった
学院の中を見る度に、攻略キャラの姿を見かける度に、頭の中にゲーム画面の中の出来事がチラつくのだ。
意識するなと言うのが無理な話だ。
意識しないようにと思えば思う程泥沼化するし、
ならもう開き直ってやろうと
正々堂々青春やり直してやろうと思えたのだ。
それで、まぁ、なんだ、
私としては同じ転生者仲間ってのもあって、それなりに仲良くなったんでは?って思ってたのに
何の連絡も無しに教師を辞めたってのを聞いて、少しばかりショックを受けた
なんでなにも言ってくれなかったのかと、あいつの兄であるロズベルトさんに詰め寄った。
「あっ!フロイライト先輩!
ミーシャ、妹さんの事で聞きたい事があるんですけど!」
「えっ、・・と、君は、どこの誰、かな?」
「あっ、そういえばはじめましてですね。
申し訳ありません。私、一年のローズ・ブロッサムと言います。ミーシャとはその、友達だと、思っていたんですけれど・・・」
「・・・・・・」
「その、ミーシャが教師を辞めたって聞いて、私なにもミーシャからそういう話を聞いてなかったから、一体何があったのか知らなくて、何か、知ってますか?」
「・・・あぁ、ミーシャなら、旅に出るって」
「・・・・・旅?」
「うん、なんでも自分探しの旅?みたいなものだって」
「・・・はあ??」
「・・あー、まぁ、そうなるよね。
その、君はミーシャの事どれくらい知ってるのかな?
その、前世、とか、聞いた事は?」
「あ、それは知ってます。
って、え、先輩も知って?」
「うん、そっか、ミーシャは元から隠すつもりは無かったみたいだけど、自分からあけすけに公表するような子じゃないから
君がミーシャの友達って聞いて、ちょっとびっくりしたんだ。
でも、うん
君みたいな、ミーシャを心配してくれる友達がいてくれるって知って、安心したよ」
「え、へ??」
「ミーシャは帰ってくるって言ったんだ。
あの子は嘘はつかないし、約束事は守るから
どうか、ミーシャの事、見放さないで欲しい。
待っていて、欲しいんだ。
お願いできるかな?」
「・・はい、もちろんです。
私は彼女の友達ですから」
模範的な兄
妹想いの、ちょっと過保護気味な
そんな印象を受けたものの、女の感は告げている。
このお兄さん、妹に恋愛感情持ってんな。と
しかもそれを諦め気味、いやもう諦めているのかもしれない
一体あのミーシャはどんだけ男を垂らしこんでいるのやら
しかも無自覚だっていうから腹が立つ
私よりずっと主人公に向いているのでは?
いやあの性格じゃあまりにも華が無さすぎる。無しだ。
それ以来、少しばかり寂しい気持ちを抱えながらも、学生らしく勉強に打ち込んでいた最中である。
季節は秋頃、この世界では風の節とよばれる頃のちょうど真ん中あたり
風の節の昼月。なんて、ちょっとキザったらしいようなカッコいいようなそんな響きだ
外の景色の良く見える廊下を歩いている時に″それ″は起きた。
トンッ
強くはないが軽くもない接触
大人の頃の私なら多々良を踏む程度で済んだかもしれないが、少女の身体の私は見事にすっ転んだ。
「っ・・・た」
別にそこまで痛くは無かったが、人前で転んだ恥ずかしさを誤魔化すように口にしていた、ら
「ああ、ごめん。その、大丈夫かい?」
あ、これ
「は、はい、その、平気、です」
その時の私の脳内映像
┏━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ あなたは・・・ ┃
┃ 余りの痛みに泣きそう┃
┃ 気丈にふるまう ┃
┃ → お礼を言う ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━┛
「ありがとう」
伸ばされた手を取り、自然とお礼を言ってから
はた、と気づく
や、やっちまったーーーーー!!!!
0
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