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二年生になりました
第四話 またですね
しおりを挟む私の一日はシオン様とのお散歩デートから始まります。
デートといっても、時間は然程とれませんけどね。一時間とれたらラッキーですわ。
毎日、職場である砦にシオン様を送るのですが、それだけじゃなんか寂しいので、いつしか二人で散歩するようになりました。勿論、ちゃんと護衛がついてますけどね。あくまで念のためですけど。私たちの方が強いですからね。
旧グリフィード王国の残党が、まだ残ってますの。結構炙り出したので、かなり数は減っていると思いますが。でも、完全にいなくなった訳ではありませんからね。私たちを見て、出てきてくれたら嬉しいんですが、まずそれは期待出来ないでしょうね。
そうそう。時には、旧王都の屋台で朝ご飯をすませることもあります。行儀悪いですが、立って食べるのもなかなかいいものですよ。コンフォ領にいた時は、結構利用してましたけどね。今度、リーファと一緒に屋台巡りをしたいものですわ。リーファにも、屋台の良さを知って欲しいもの。
ほんとに、楽しい時間はすぐ終わってしまいますね。今日の朝のデートはここまでです。
「シオン様。今日一日、お仕事頑張って下さいね」
「セリアもな。くれぐれも無理し過ぎないようにな」
「はい」
名残り惜しいですが、手を振って別れます。
そのまま、学園の寮に。生活の拠点は旧王城に移しましたがが、寮を借りたままにしています。制服に着替えなければいけませんもの。時には、仮眠の場所に使ってますわ。
いつもと同じように、制服に着替えていると、ふと……さっきのシオン様の行動が頭を過ります。
……またですね。
この前から、シオン様がやけに私の首筋に顔を寄せてくるようになりました。以前からもあったのですが、この頃、やけにその回数が増えました。そしてきまって、匂いを嗅いでいるようなのです。
主に嗅がれるのは、シオン様から離れる時と離れた後です。
まるで、何かを確認するかのように思えて仕方ありません。昨夜のこともありますし、確認する必要がありますね。
久し振りに会いにいきましょうか。
そうと決まれば、朝のホームルームが終わり次第向かいましょう。
「その服はそのままに。ホームルームの後少し出掛けますわ」
「畏まりました。スミス様に伝えておきます」
「頼むわね」
ギリギリに教室に滑り込み、朝のホームルームに顔を出します。ケルヴァン殿下をサラリと躱し、そのまま教室を出て寮に戻って来ました。早速、いつもの普段着に着替えて寮を出ます。
勿論行き先は決まってますわ。
下手にウジウジと考えるよりも、竜のことは竜に直接聞けばいいのです。
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