一途くんの、失恋物語。

イヌノカニ

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改訂版

【改訂版】お兄さん20歳 一途くん14歳①

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暑さが和らぎ、冷たい風が吹くようになった今日は、念願のお兄さんと会う日。

二年前に初めて会ってから、五回目のオフ会だった。

約束の五分前。
ファミレスで胸を躍らせながら、お兄さんを待つ。

僕が中学生になったとき、お兄さんがお祝いとして、ここでゴハンを奢ってくれた。

「おめでとう、今日は好きな物食べて良いぞ。」

「ステーキが食べたいです!」

あの日の夜。
夜ご飯が食べられなくて、お母さんに怒られた事は、お兄さんには内緒だ。

この日をきっかけに、
ファミレスで会ってから、カードショップに行くのが、僕らの定番となった。

今日もいつものように僕が先に来て、背筋をピンと伸ばして待つ。

それから約束の時間ぴったりになると、
いつもの黒いトップスに黒いスカートの格好をした、お兄さんが来た。

二年前から変わらないこと。
僕は何度でも、この変わらない時間を過ごしたい。

今日もきっと変わらないだろう。

でも一つだけ、お兄さんは、いつもと違う、苦い、苦い、香りをまとっていた。
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