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レプリカのキスじゃ、呪いは解けない。
03
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「先輩。大きな音が聞こえましたが、怪我はありませんか?」
「あ、あぁ!だ、大丈夫、め、めっちゃ、元気。」
後ろから、隙間がないくらいピッタリと抱きしめられる。
美森が喋るのに合わせて、耳に唇が当たるから、その事しか考えられなくなって、もう自分が何を言っているのかも全く分からなかった。
もちろん創人が「ひぃぃ、美森貴宗が現れた。」と真っ青になって、叫んでいる事にも気付けなかった。
「本当に?」
そう言いながら、ペタペタと俺の体中を触っていく。
太ももを撫でるように触りながら「ここも、平気?」と耳元で囁くから、俺は顔を真っ赤にしてブンブンと音が鳴りそうなくらい、頭を上下に振った。
ごめん、創人。
俺は普通にフィギュアを触っていたと思っていたんだけど、こんな風に、いやらしく感じる触り方をしていたのかも知れない……!
目をギュッと閉じて、唇をキュッと結んで、美森の触診に耐えている俺はもちろん、「ひぃぃ、めっちゃ睨んでくる。」と創人が叫んでいる事も気付けなかった。
「どうやら、怪我はなさそうですね。
先輩、日頃から言ってますよね?お人よしはやめて下さいって。
コイツ、先輩以外と話しているところ見た事ありませんよ?
勘違いされたらどうするんですか?」
「勘違い……?勘違いなんかじゃないぞ。」
「はあ?」
今まで聞いた事がないくらい、低い声で美森が言う。
何で怒ってんだ?
創人が青ざめて震えているのなんて、もちろん見えてなかった。
「俺がちゃんと周りを見てなくて、ぶつかっちゃったんだよ。
仲の良い友達だからって、謝って終わりで良いなんて思ってないからな。
よし、今日はお詫びに俺が奢るから、一緒に飲みに行こうぜ!」
親指をグッと立てて創人に言ったけれど、あれ、これって答えになってる?
「飲みぃ?いやです。ボクの貴重な時間を割くことがお礼になるとでも?お断りします。」
「なんでだよ~。」
駄々をこねるように、その場で足踏みを繰り返すと、抱きしめられる力が強くなった。
「美森?」
「ひぃぃ、なんかボクの方を見ながら、ぶつぶつ何か唱えている。えっ、なにあれ、呪い?呪いの呪文じゃない?いや、もう無理ぃぃい。」
創人は逃げるように、台車を勢いよく押して走り去って行った。
ふぅ、と溜息を吐くのが後ろから聞こえて、ビクリと体が跳ね上がる。
息が、み、耳に、か、かかった。
「まあ良いです。アンタがその調子なら、ずっと傍にいて護れば良い話なんで。」
訳が分からず首を傾げたら、そんな俺を見て呆れたように、また美森が溜息を吐く。
「ちょっ、だぁー!そこで溜息吐くなって!」
さっきから変な声が出そうになるのを、こっちは必死に耐えているっていうのに、人の気も知らないで……。
無理矢理、体を捩じって抜け出すと、なぜか少し不服に俺を見てきた。
なんでだよ。
「そうだ先輩。今日の飲みどこに行きますか?」
スマホを取り出して、気になっている店を見せようとした所で慌てて止める。
そうだ、美森には恋人がいるんだ。
「きょ、今日は行かない。用事があるから。」
「用事?……アイツを飲みに誘っておいて、用事……?
用事って何ですか?
バイトのシフトは今日入ってないですよね?
どこで、誰と、何の用事ですか?」
「な、内緒!」
俺はまた逃げるように、その場から走り去って行った。
「あ、あぁ!だ、大丈夫、め、めっちゃ、元気。」
後ろから、隙間がないくらいピッタリと抱きしめられる。
美森が喋るのに合わせて、耳に唇が当たるから、その事しか考えられなくなって、もう自分が何を言っているのかも全く分からなかった。
もちろん創人が「ひぃぃ、美森貴宗が現れた。」と真っ青になって、叫んでいる事にも気付けなかった。
「本当に?」
そう言いながら、ペタペタと俺の体中を触っていく。
太ももを撫でるように触りながら「ここも、平気?」と耳元で囁くから、俺は顔を真っ赤にしてブンブンと音が鳴りそうなくらい、頭を上下に振った。
ごめん、創人。
俺は普通にフィギュアを触っていたと思っていたんだけど、こんな風に、いやらしく感じる触り方をしていたのかも知れない……!
目をギュッと閉じて、唇をキュッと結んで、美森の触診に耐えている俺はもちろん、「ひぃぃ、めっちゃ睨んでくる。」と創人が叫んでいる事も気付けなかった。
「どうやら、怪我はなさそうですね。
先輩、日頃から言ってますよね?お人よしはやめて下さいって。
コイツ、先輩以外と話しているところ見た事ありませんよ?
勘違いされたらどうするんですか?」
「勘違い……?勘違いなんかじゃないぞ。」
「はあ?」
今まで聞いた事がないくらい、低い声で美森が言う。
何で怒ってんだ?
創人が青ざめて震えているのなんて、もちろん見えてなかった。
「俺がちゃんと周りを見てなくて、ぶつかっちゃったんだよ。
仲の良い友達だからって、謝って終わりで良いなんて思ってないからな。
よし、今日はお詫びに俺が奢るから、一緒に飲みに行こうぜ!」
親指をグッと立てて創人に言ったけれど、あれ、これって答えになってる?
「飲みぃ?いやです。ボクの貴重な時間を割くことがお礼になるとでも?お断りします。」
「なんでだよ~。」
駄々をこねるように、その場で足踏みを繰り返すと、抱きしめられる力が強くなった。
「美森?」
「ひぃぃ、なんかボクの方を見ながら、ぶつぶつ何か唱えている。えっ、なにあれ、呪い?呪いの呪文じゃない?いや、もう無理ぃぃい。」
創人は逃げるように、台車を勢いよく押して走り去って行った。
ふぅ、と溜息を吐くのが後ろから聞こえて、ビクリと体が跳ね上がる。
息が、み、耳に、か、かかった。
「まあ良いです。アンタがその調子なら、ずっと傍にいて護れば良い話なんで。」
訳が分からず首を傾げたら、そんな俺を見て呆れたように、また美森が溜息を吐く。
「ちょっ、だぁー!そこで溜息吐くなって!」
さっきから変な声が出そうになるのを、こっちは必死に耐えているっていうのに、人の気も知らないで……。
無理矢理、体を捩じって抜け出すと、なぜか少し不服に俺を見てきた。
なんでだよ。
「そうだ先輩。今日の飲みどこに行きますか?」
スマホを取り出して、気になっている店を見せようとした所で慌てて止める。
そうだ、美森には恋人がいるんだ。
「きょ、今日は行かない。用事があるから。」
「用事?……アイツを飲みに誘っておいて、用事……?
用事って何ですか?
バイトのシフトは今日入ってないですよね?
どこで、誰と、何の用事ですか?」
「な、内緒!」
俺はまた逃げるように、その場から走り去って行った。
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