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子供達

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相変わらず、ずっとタブレットで動画を見ている子供達。

「面白い?」

甥に聞いてみるも無視。

もう一度聞いてみる。

「面白い?」

完全無視。

一言くらいあっても良さそうなのに。

「ふぅ~」

俺は溜め息をついた。

そして、こっそり後ろからどんな動画を見てるか見てみた。

おもちゃの車の動画だった。

ひたすら道を走っていく車。

車輪がぐるぐると回っている。

何故こんなものを見て楽しいのか分からない。

次は姪のを見てみた。

姪はスライムで遊ぶ動画を見ていた。

いわゆるASMR動画というものを見ていた。

そう言えば、実咲は子供達が不幸と言っていた。

なぜそんな事を言っていたのかは分からない。

角山貴理子に少しでも話ができたら良いのだが。

それも、今のところ難しそうだ。

なぜ角山貴理子は電話を着信拒否してるのか。

そう言えば、実咲は高校時代の悪行と言っていた。

実咲は角山貴理子に何かをしたのかもしれない。

思い付く限りでは、

イジメ
好きな人を奪った

これくらいしか思い付かない。

実咲は角山貴理子の呪いだと言っていた。

どんな呪いを受けたのか。

果たして実咲は呪いから逃れられるのか。

残された子供達はどうなってしまうのか。


ーーー
次の日。

日曜日になってしまった。今日中に俺は帰らなければならない。

実咲は新来光明に居るままだ。

何としても実咲を奪還せねば。

すると1本の電話が実咲のスマホにかかってきた。

着信名はーー角山貴理子。

俺は慌てて着信を受け取った。

その先に残酷な事実があるとも知らずに。
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