上 下
11 / 26

ヘンゼルとグレーテル(前編)

しおりを挟む
「可哀想だけど、食べ盛りの子どもらを抱えていたらこのままでは冬には、破産して全員飢え死することでしょう。口べらしが必要です。森に置いていきましょう。」

巨乳のちょっと冷たい性格の後妻のカナメさんが深刻そうな口調で言った。

「でも、グレーテルはまだ5才だよ?そりゃ、ちょっとグレテいて母親の君になついてくれていなくても可哀想だよ?ヘンゼルも、もう少しだけ育てれば立派な働き手になるし…」

ヘンゼルの派手な美人顔と似ず地味顔だけど優しい黒ぶち眼鏡父親トモは宥めるようにいいました。

グレーテルは、隔世遺伝なのか燃えるような見事な赤毛の男の子で5才とは思えないほど大きくて強面ですが、天使のような可愛い顔の兄ヘンゼルのことがものすごく大好きでした。2人は、先妻との連れ子同士で血が繋がっていないのですが本当の兄弟よりも仲良しです。何気にバツイチならぬバツさんです。

「貴方の稼ぎが悪いのが原因でしょう?グレーテルは貴方に似ていないし、ヘンゼルも誰に似たのか変なことばかり私にしてくるし…」

ヘンゼルは、巨乳スキーで継母にちょっかいを出していたのです。グレーテルの逆に、実際年齢よりも幼い見た目の美少年なのに。貞操の危機感とこのままではろくな大人にならないのではないかと不安だったのです。そして、この子がものすごい大食いなのです。体の大きなグレーテルよりもよほど食べます。

「でも、まだ子どもなんだよ?温もりが欲しいだけなんだよ?それなのに森に置き去りにしたら死んじゃうよ。」

優しい父親は、ヘンゼルの好みで新しい母を選んでくれたので、実を言うとこの新しい奥さんのことは苦手でしたし、巨乳好きはこの父親については濡れ衣なのですが…。

「あの森には子どもが好きな親切な魔法使いが住んでるから大丈夫よ。魔法使いは裕福らしいし。貴方も、あの子達にお腹いっぱいご馳走を食べさせてあげたいでしょう?」

こうして、しぶしぶ、父親は彼らを捨てることを承諾しました。







注、これは、番外編なので本来面識のないキャラ同士が夫婦役と親子関係になっています。
最初、生徒会メンバーで揃えようとしたら…。角田くんが男なのでヘンゼル役の小山田くんが嫌だいというし…。父親役には、面識ないけどナズナ先生かな?と思ったら奥さんはザコタくん以外は嫌ですと脳内で言われたのでやめました。
ザコタ外伝なのに今回はザコタくんは登場しませんので悪しからず。
しおりを挟む

処理中です...