15 / 100
第1部 〝ペットテイマー〟ここに誕生 第4章 秋の訪れ、少しずつ強く成り行く私とペットたち
15. 本格的なゴブリン戦
しおりを挟む
「ふむ、本当にスノーウルフが寝ていやがるな」
「ああ。それも、ここから見えるだけでも数十匹、奥までいったら百匹以上だな」
「でかい発見だぞ、シズク。ウルフの生態に大きな功績を残せたんだからな」
私はリンネさんの望み通り、ギルドの調査員の方々を連れてスノーウルフの寝床まで案内した。
そんなに大きな功績なのかな?
「これでウルフとスノーウルフが同一個体だって証明に一歩近づける。あとは、シズクが見ていたっていうスノーウルフに変わる瞬間の証拠さえあればよかったんだが」
「ごめんなさい。私、そういうのの取り方がわからなくて」
「気にするな。目撃情報なんて曖昧になるもんだ。それを見ていた冒険者がいるってだけでも十分に根拠となるさ」
「だったらいいのですが……」
「さて、気付かれる前にこの場から退散だ。さすがに数十のウルフなんて相手にできない」
「はい。こっそり帰りましょう」
私たちはこっそりとアイリーンの街まで戻り、私だけ別れて林の方までやってきた。
《気配察知》は常に使っているから周りには誰もいないことがわかっているし、念のためミネルも周囲を見張ってくれるからね。
周りに誰もいないことの確認が終わったら沢の上にある薬草を集め、そこから周囲を見渡してみた。
この林から街道を挟んだところにあるのが森、通称〝ゴブリンの森〟なんだよね。
こっちの林は〝ウルフの林〟って呼ばれているらしいけれど、私以外、狩りをしている人は滅多に見ない。
私が占有しているわけじゃなくて、〝ゴブリンの森〟の方が実入りがいいんだ。
浅いところでゴブリンに出くわすことなんて滅多にないし、ウルフだって森の方がたくさん生息している。
だから、新人冒険者も何人かでパーティを組んで〝ゴブリンの森〟でウルフ狩りをするのが常識。
〝ウルフの林〟で細々とウルフ狩りを専門にしていた、私の方が非常識なんだ。
いまは頼れる仲間がいるから大丈夫、だと思うけれど。
やっぱり、ゴブリンとは戦いたくないなぁ。
ともかく、林じゃウルフを見かけなくなってきたし、森の方に行かないと。
私は沢から降りたあと、キントキに乗って〝ゴブリンの森〟へとやってきた。
うー、藪も多いし、動きにくい。
サンドロックさんの厚意で森の歩き方も習っているけど大変だよ。
でも、都合よくウルフのグループも発見できたし、先手必勝でグシャって潰しちゃえ。
そんな感じでウルフを40匹ちょっと倒せて今日の狩りも終わり、帰ろうとしていたらなんだか戦闘音が聞こえてきた。
一体なに!?
気配を消しながら様子を見に行くと、ステップワンダーたちがゴブリンと戦っていた!
それも森のこんな浅い場所で!?
加勢、に入るには私の能力がばれると厄介だし……って、痛い!?
気がついたら頬をかすめて矢が飛んできていた。
これ、目とかに突き刺さってたら即死……ってあれ?
体が動かなくなって?
『《キュア》!』
あ、シラタマに解毒してもらったら、体がまた動くようになった!
そして、ミネルとキントキがそれぞれ木の上にいたゴブリンを倒してくれて、モナカは地上にいたゴブリンを倒してくれていた。
……本当に危なかったよ。
この子たちがいなかったら殺されていたかも。
『大事ないか、シズク?』
「う、うん。矢がかすめたあと、急に体が痺れて動かなくなってきただけで」
『ゴブリンの毒矢の一種じゃな。痺れ毒の矢を使われたのじゃろう』
「ゴブリンってそんなものまで使ってくるんだ」
『ああ。そして、木の上に2匹の弓兵が、地上に2匹の歩兵がいた。これではこの者たちでは敵うはずもない』
「あ……」
気がついたら、戦っていたステップワンダーたちはみんな死んでいた。
ゴブリンの粗末な剣で何度も切られて見るも無惨な肉塊へとなりはてて。
『その子たち、毒の気配もする。多分、最初に毒矢を受けたと思うの』
『わちもそう思う。聞こえたのは戦闘音じゃなくて死体をボコボコにしている音だわ』
『僕もそんな気がするよ。それよりも、シズク。この子たち、どうするの?』
「えっと、どうしようか……」
もう既に死んじゃっているから《ストレージ》にしまえる。
でも、死体を持ち帰っても困らないかな……?
『迷っているなら、とりあえず死体ごと持ち帰れ。あとは冒険者ギルドとやらがなんとかしてくれるだろう』
「う、うん。わかった」
『ゴブリンの解体はしておいたよ。……魔石しか残らなかったけど』
『役に立たないわさ』
『ウルフの方がお肉や毛皮があっていいの』
「あはは……キントキ、《ストレージ》を借りるね」
『うん』
私は死んだ3人の遺体を《ストレージ》の中にしまい……しまい?
『どうした、シズク?』
「おかしいな? 遺体は3人分しかないのに武器は5人分転がってる」
『それは変だね』
『わちもそう思う。でも、いまは増援が来る前に逃げるわさ』
『うんうん。怖い』
「そうだよね。ゴブリンの武器も回収して早く逃げよう」
私たちは必要なものをすべて回収したら一目散に森から逃走、そのまま冒険者ギルドに直行し、サンドロックさんがいないかシズクさんに確認してみることに。
「サンドロックさんですか? 急にどうして?」
「サンドロックさんがいないならデイビッド教官でもいいです。ともかく……」
「どうしたんだ、シズク?」
「あ、サンドロックさん!」
冒険者ギルドの上の階に通じる階段からサンドロックさんが降りてきた。
資料室にでも行っていたのかな?
「……ひょっとして、訳ありか?」
「はい。訳ありです」
「わかった。リンネ、お前も冒険者の秘密は守れるよな?」
「当然です。受付嬢が冒険者の秘密を言いふらす真似はしません」
「というわけだ。お前の秘密はリンネにも打ち明けていい。それで、なにがあった?」
「森の浅い部分でステップワンダーたちがゴブリンと戦って殺されていました」
「……浅い部分でか。面倒な状況だな」
「そうですね。一度、集落を襲って数を減らさないと」
「他に情報は?」
「ええと、この場では……」
「……わかった。どこならいい?」
「死体安置所とかってありますか?」
「あるぞ。まあ、すぐさま死体を火葬にして骨を共同墓地に埋めちまうんだが」
「じゃあ、そこで」
「行くぞ、リンネ」
「はい。シズクちゃん、こっちよ」
冒険者ギルドの奥の奥、そこに死体安置所はあった。
すぐとなりに外への扉があるのは、共同墓地につながっているんだろうな。
「シズク、《ストレージ》から持ち帰ったものを全部出せ」
「えっ!? シズクちゃんって《ストレージ》を使えるんですか?」
「正確にはそっちの犬が使えるそうだ。シズクのスキルでペットにした小動物が持っているスキルを借りることができるらしい」
「それは……口外できませんね」
「そういうわけだ。絶対にばらすなよ、リンネ」
「もちろんです。シズクちゃん、持ち帰ったっていうものを出して?」
「はい……これで全部です」
私はステップワンダー3人分の死体と5人分の武器、それにゴブリンたちが使っていた武器を床に並べた。
それを見て、サンドロックさんもリンネさんも渋い顔をしていたよ……。
やっぱり、まずい状況なのかな?
「リンネ、こいつらの冒険者タグを持っていってパーティ申請の状況を調べろ。おそらく、女がふたりいたはずだ」
「でしょうね。念のため調べてきます」
「女がふたり?」
リンネさんは走って出ていってしまったし、サンドロックさんは相変わらず渋い顔をしていたし、どういう意味なんだろう?
「女のシズクにはあまり言いたくないんだがな、ゴブリンってヒト族の女を動けなくしてさらう習性があるんだよ」
「女をさらうんですか? なんのために?」
「……孕み袋としてだ」
「孕み袋……赤ちゃんを産ませるため!?」
「ああ。動けない状態にしてから強制的に何度も交わって女を孕ませる。その子供も20日程度で生まれてくるから、生まれたらまた交わって孕ませる。女はそれを死ぬまで強要されるんだよ」
「うぅ……」
「おまえ、〝ゴブリンの森〟でウルフ狩りをするとき、浅いところでゴブリンを見かけたら逃げ帰ってもいいって言われなかったか?」
「言われました……」
「つまり、お前がそういう目にあうのを防ぐのが目的だよ。普通のギルド職員からすれば、お前は小動物を連れ歩く変わったソロ冒険者でしかないんだからな」
「はい。肝に銘じます」
「そういうわけだから、浅い場所でゴブリンと戦っている連中を見かけても助けようとせず、気付かれないうちに逃げ出せ、いいな。お前がいなくなると、この街の食糧事情が悪化するんだ」
「わかりました。無理はしません。今回も矢が頬をかすめただけで、痺れて動けなくなりそうでしたから」
「やつらの常套手段だ。今後は本当に気をつけろ」
「……はい。仲間を助けられないのは悔しいですが逃げ出します」
「冒険者の命は自己責任だ。助けるのは悪いことじゃない。だが、無理をしてお前まで死んだら意味がないぞ。よく覚えておけ」
ここでリンネさんも戻ってきてやっぱり女性ふたりも一緒のパーティだったことが判明した。
その2日後には大規模なゴブリン狩りが行われたけど、私は参加禁止という命令が冒険者ギルドからみんなの前で下されてしまう。
今回の一件で冷静さを欠いて暴走しないようにって。
本音は、私が怪我をしたり死んだりしないための温情措置なんだろうけど、先輩方も笑って見逃してくれた。
……そして、今回連れ去られていたらしいステップワンダーも含めて何人かの女性が助けられたらしいけれど、その先がどうなるかはわからないらしい。
特にステップワンダーは百年間、里に帰れないしきたりだからどこにも行く場所がないし。
私にもして上げられることなんてない。
どうか、早まった真似だけはしないでほしいな。
「ああ。それも、ここから見えるだけでも数十匹、奥までいったら百匹以上だな」
「でかい発見だぞ、シズク。ウルフの生態に大きな功績を残せたんだからな」
私はリンネさんの望み通り、ギルドの調査員の方々を連れてスノーウルフの寝床まで案内した。
そんなに大きな功績なのかな?
「これでウルフとスノーウルフが同一個体だって証明に一歩近づける。あとは、シズクが見ていたっていうスノーウルフに変わる瞬間の証拠さえあればよかったんだが」
「ごめんなさい。私、そういうのの取り方がわからなくて」
「気にするな。目撃情報なんて曖昧になるもんだ。それを見ていた冒険者がいるってだけでも十分に根拠となるさ」
「だったらいいのですが……」
「さて、気付かれる前にこの場から退散だ。さすがに数十のウルフなんて相手にできない」
「はい。こっそり帰りましょう」
私たちはこっそりとアイリーンの街まで戻り、私だけ別れて林の方までやってきた。
《気配察知》は常に使っているから周りには誰もいないことがわかっているし、念のためミネルも周囲を見張ってくれるからね。
周りに誰もいないことの確認が終わったら沢の上にある薬草を集め、そこから周囲を見渡してみた。
この林から街道を挟んだところにあるのが森、通称〝ゴブリンの森〟なんだよね。
こっちの林は〝ウルフの林〟って呼ばれているらしいけれど、私以外、狩りをしている人は滅多に見ない。
私が占有しているわけじゃなくて、〝ゴブリンの森〟の方が実入りがいいんだ。
浅いところでゴブリンに出くわすことなんて滅多にないし、ウルフだって森の方がたくさん生息している。
だから、新人冒険者も何人かでパーティを組んで〝ゴブリンの森〟でウルフ狩りをするのが常識。
〝ウルフの林〟で細々とウルフ狩りを専門にしていた、私の方が非常識なんだ。
いまは頼れる仲間がいるから大丈夫、だと思うけれど。
やっぱり、ゴブリンとは戦いたくないなぁ。
ともかく、林じゃウルフを見かけなくなってきたし、森の方に行かないと。
私は沢から降りたあと、キントキに乗って〝ゴブリンの森〟へとやってきた。
うー、藪も多いし、動きにくい。
サンドロックさんの厚意で森の歩き方も習っているけど大変だよ。
でも、都合よくウルフのグループも発見できたし、先手必勝でグシャって潰しちゃえ。
そんな感じでウルフを40匹ちょっと倒せて今日の狩りも終わり、帰ろうとしていたらなんだか戦闘音が聞こえてきた。
一体なに!?
気配を消しながら様子を見に行くと、ステップワンダーたちがゴブリンと戦っていた!
それも森のこんな浅い場所で!?
加勢、に入るには私の能力がばれると厄介だし……って、痛い!?
気がついたら頬をかすめて矢が飛んできていた。
これ、目とかに突き刺さってたら即死……ってあれ?
体が動かなくなって?
『《キュア》!』
あ、シラタマに解毒してもらったら、体がまた動くようになった!
そして、ミネルとキントキがそれぞれ木の上にいたゴブリンを倒してくれて、モナカは地上にいたゴブリンを倒してくれていた。
……本当に危なかったよ。
この子たちがいなかったら殺されていたかも。
『大事ないか、シズク?』
「う、うん。矢がかすめたあと、急に体が痺れて動かなくなってきただけで」
『ゴブリンの毒矢の一種じゃな。痺れ毒の矢を使われたのじゃろう』
「ゴブリンってそんなものまで使ってくるんだ」
『ああ。そして、木の上に2匹の弓兵が、地上に2匹の歩兵がいた。これではこの者たちでは敵うはずもない』
「あ……」
気がついたら、戦っていたステップワンダーたちはみんな死んでいた。
ゴブリンの粗末な剣で何度も切られて見るも無惨な肉塊へとなりはてて。
『その子たち、毒の気配もする。多分、最初に毒矢を受けたと思うの』
『わちもそう思う。聞こえたのは戦闘音じゃなくて死体をボコボコにしている音だわ』
『僕もそんな気がするよ。それよりも、シズク。この子たち、どうするの?』
「えっと、どうしようか……」
もう既に死んじゃっているから《ストレージ》にしまえる。
でも、死体を持ち帰っても困らないかな……?
『迷っているなら、とりあえず死体ごと持ち帰れ。あとは冒険者ギルドとやらがなんとかしてくれるだろう』
「う、うん。わかった」
『ゴブリンの解体はしておいたよ。……魔石しか残らなかったけど』
『役に立たないわさ』
『ウルフの方がお肉や毛皮があっていいの』
「あはは……キントキ、《ストレージ》を借りるね」
『うん』
私は死んだ3人の遺体を《ストレージ》の中にしまい……しまい?
『どうした、シズク?』
「おかしいな? 遺体は3人分しかないのに武器は5人分転がってる」
『それは変だね』
『わちもそう思う。でも、いまは増援が来る前に逃げるわさ』
『うんうん。怖い』
「そうだよね。ゴブリンの武器も回収して早く逃げよう」
私たちは必要なものをすべて回収したら一目散に森から逃走、そのまま冒険者ギルドに直行し、サンドロックさんがいないかシズクさんに確認してみることに。
「サンドロックさんですか? 急にどうして?」
「サンドロックさんがいないならデイビッド教官でもいいです。ともかく……」
「どうしたんだ、シズク?」
「あ、サンドロックさん!」
冒険者ギルドの上の階に通じる階段からサンドロックさんが降りてきた。
資料室にでも行っていたのかな?
「……ひょっとして、訳ありか?」
「はい。訳ありです」
「わかった。リンネ、お前も冒険者の秘密は守れるよな?」
「当然です。受付嬢が冒険者の秘密を言いふらす真似はしません」
「というわけだ。お前の秘密はリンネにも打ち明けていい。それで、なにがあった?」
「森の浅い部分でステップワンダーたちがゴブリンと戦って殺されていました」
「……浅い部分でか。面倒な状況だな」
「そうですね。一度、集落を襲って数を減らさないと」
「他に情報は?」
「ええと、この場では……」
「……わかった。どこならいい?」
「死体安置所とかってありますか?」
「あるぞ。まあ、すぐさま死体を火葬にして骨を共同墓地に埋めちまうんだが」
「じゃあ、そこで」
「行くぞ、リンネ」
「はい。シズクちゃん、こっちよ」
冒険者ギルドの奥の奥、そこに死体安置所はあった。
すぐとなりに外への扉があるのは、共同墓地につながっているんだろうな。
「シズク、《ストレージ》から持ち帰ったものを全部出せ」
「えっ!? シズクちゃんって《ストレージ》を使えるんですか?」
「正確にはそっちの犬が使えるそうだ。シズクのスキルでペットにした小動物が持っているスキルを借りることができるらしい」
「それは……口外できませんね」
「そういうわけだ。絶対にばらすなよ、リンネ」
「もちろんです。シズクちゃん、持ち帰ったっていうものを出して?」
「はい……これで全部です」
私はステップワンダー3人分の死体と5人分の武器、それにゴブリンたちが使っていた武器を床に並べた。
それを見て、サンドロックさんもリンネさんも渋い顔をしていたよ……。
やっぱり、まずい状況なのかな?
「リンネ、こいつらの冒険者タグを持っていってパーティ申請の状況を調べろ。おそらく、女がふたりいたはずだ」
「でしょうね。念のため調べてきます」
「女がふたり?」
リンネさんは走って出ていってしまったし、サンドロックさんは相変わらず渋い顔をしていたし、どういう意味なんだろう?
「女のシズクにはあまり言いたくないんだがな、ゴブリンってヒト族の女を動けなくしてさらう習性があるんだよ」
「女をさらうんですか? なんのために?」
「……孕み袋としてだ」
「孕み袋……赤ちゃんを産ませるため!?」
「ああ。動けない状態にしてから強制的に何度も交わって女を孕ませる。その子供も20日程度で生まれてくるから、生まれたらまた交わって孕ませる。女はそれを死ぬまで強要されるんだよ」
「うぅ……」
「おまえ、〝ゴブリンの森〟でウルフ狩りをするとき、浅いところでゴブリンを見かけたら逃げ帰ってもいいって言われなかったか?」
「言われました……」
「つまり、お前がそういう目にあうのを防ぐのが目的だよ。普通のギルド職員からすれば、お前は小動物を連れ歩く変わったソロ冒険者でしかないんだからな」
「はい。肝に銘じます」
「そういうわけだから、浅い場所でゴブリンと戦っている連中を見かけても助けようとせず、気付かれないうちに逃げ出せ、いいな。お前がいなくなると、この街の食糧事情が悪化するんだ」
「わかりました。無理はしません。今回も矢が頬をかすめただけで、痺れて動けなくなりそうでしたから」
「やつらの常套手段だ。今後は本当に気をつけろ」
「……はい。仲間を助けられないのは悔しいですが逃げ出します」
「冒険者の命は自己責任だ。助けるのは悪いことじゃない。だが、無理をしてお前まで死んだら意味がないぞ。よく覚えておけ」
ここでリンネさんも戻ってきてやっぱり女性ふたりも一緒のパーティだったことが判明した。
その2日後には大規模なゴブリン狩りが行われたけど、私は参加禁止という命令が冒険者ギルドからみんなの前で下されてしまう。
今回の一件で冷静さを欠いて暴走しないようにって。
本音は、私が怪我をしたり死んだりしないための温情措置なんだろうけど、先輩方も笑って見逃してくれた。
……そして、今回連れ去られていたらしいステップワンダーも含めて何人かの女性が助けられたらしいけれど、その先がどうなるかはわからないらしい。
特にステップワンダーは百年間、里に帰れないしきたりだからどこにも行く場所がないし。
私にもして上げられることなんてない。
どうか、早まった真似だけはしないでほしいな。
12
あなたにおすすめの小説
私と母のサバイバル
だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。
しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。
希望を諦めず森を進もう。
そう決意するシェリーに異変が起きた。
「私、別世界の前世があるみたい」
前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?
お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~
みつまめ つぼみ
ファンタジー
17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。
記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。
そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。
「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」
恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
処刑された王女、時間を巻き戻して復讐を誓う
yukataka
ファンタジー
断頭台で首を刎ねられた王女セリーヌは、女神の加護により処刑の一年前へと時間を巻き戻された。信じていた者たちに裏切られ、民衆に石を投げられた記憶を胸に、彼女は証拠を集め、法を武器に、陰謀の網を逆手に取る。復讐か、赦しか——その選択が、リオネール王国の未来を決める。
これは、王弟の陰謀で処刑された王女が、一年前へと時間を巻き戻され、証拠と同盟と知略で玉座と尊厳を奪還する復讐と再生の物語です。彼女は二度と誰も失わないために、正義を手続きとして示し、赦すか裁くかの決断を自らの手で下します。舞台は剣と魔法の王国リオネール。法と証拠、裁判と契約が逆転の核となり、感情と理性の葛藤を経て、王女は新たな国の夜明けへと歩を進めます。
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる