91 / 100
第3部 〝ペットテイマー〟、〝オークの砦〟を攻める 第4章 砦内部侵入
91. 潜入準備
しおりを挟む
防衛戦の次の日、夜明け前に目を覚ますと無理矢理軽い食事を取り、栄養を補給する。
次に食事ができるタイミングが来るかどうかもわからないからね。
ペットたちにもそれぞれのご飯を与えて、私の準備は完了。
既に起き出し、裏門を見張っているサンドロックさんとデイビッド教官のところに行く。
「おはようございます。サンドロックさん、デイビッド教官」
「おう、シズク」
「よく眠れたか?」
「おかげさまで。よかったんですか、私、また夜の見張り番をしなかったんですけれど」
「お前の体調は万全に整えておきたいからな。いざというときの隠し球、しっかり頼むぞ」
「シズクの出番がないに越したことはない。ただ、相手は〝オークの砦〟だ。中になにが待っているのか想像もできない。準備は怠るな」
「はい」
私たちが会話をしている間にも、ひとりまたひとりと先輩冒険者の方々は集まって来て、やがて全員が揃った。
そこで、サンドロックさんから最後のあいさつが始まる。
「お前ら、ここが最後の戦場だ。ここでやつらの戦力をそぎ落とせないと、アイリーンの街を守れなくなっちまう。作戦内容は変わらず、俺とデイビッドが主導して主力のオークどもを撃破、その間に隠密行動部隊がオークブラックスミスやオークアルケミストを抹殺だ。隠密行動部隊は現存する金属類も持ち帰ってもらえると嬉しい。シズクがいれば《ストレージ》も使えるからな」
うん、私とキントキがいれば《ストレージ》で根こそぎ相手の資源を奪い取れるものね。
使えそうなものは全部いただいて帰ろう!
「俺とデイビッドの班はとにかく上位のオーク狙いだ。オークジェネラルは全員倒す覚悟で挑むぞ。ザコのオークやハイオークが多少逃げ出しても、仕方がないと諦めろ。いまの俺たちじゃ完全殲滅は不可能だ。できれば首魁も倒したいがそこまでたどり着けるかもわからん。いいな。できれば今日中。遅くとも明日にはケリをつける。以上だ」
サンドロックさんの言葉に小声ながらもそれぞれの言葉で応じる先輩冒険者たち。
やっぱり頼もしいなぁ。
「さて、シズク。お前の上司、隠密行動部隊のリーダーを紹介する。スネイル、ちょっときてくれ」
「はい」
やってきたのは小柄な女性の人間。
この人が隠密行動部隊のリーダーなのかな?
「シズク、こいつがスネイル。隠密行動部隊のリーダーだ。お前はこいつの直下に入り指示を聞け。相手にもお前が俺やデイビッドに並ぶ特級戦力だってばれている以上、お前の役目は暗殺よりも囮だ」
「あはは……暴れ過ぎちゃいましたからね」
「暴れすぎたおかげで助かりましたけどね。あらためて、私がスネイル。よろしく、シズクさん」
「よろしくお願いします、スネイルさん」
「よし、あとのことはスネイルに任せる。隠密行動部隊は第1部隊と第2部隊の間に入って侵入開始だ」
いいたいことだけ言い残すと、サンドロックさんは立ち去って行ってしまった。
さて、私が準備するべきものは……。
「シズクさん。あなたの手札、話せるものだけでいいから話してもらえる?」
「構いませんが……急にどうして?」
「私たちの中にも死者や戦線離脱者が数名出ているの。作戦の練り直しが必要なのよ」
なるほど。
最初予定していた方法では制圧が難しくなってしまったわけか。
「構いません。主な魔法は《大地魔法》《嵐魔法》《灼砂魔法》です」
「《大地魔法》砦正面の通用口を塞いだ魔法?」
「はい。そうですよ」
「……ふむ、なるほど。それならいけるかも」
「スネイルさん?」
どうやらスネイルさんの中では、もう戦術が決まっているみたい。
どう戦うんだろう?
「シズクさん。あなた、暗視系のスキルって持っている?」
「はい。ありますが、なにか?」
「じゃあ、私たちの目標がいる部屋の中に入ったら、《大地魔法》で扉も窓もすべてを厚い石の壁で塞いでしまって」
「え、いいんですか? それって逃げ場も……」
「私たちも背水の陣よ。逃げ場など既にないわ」
スネイルさんも覚悟は決まっているんだ。
なら、私にはできることをやろう。
「わかりました。ただ、室内にオークジェネラルやオークバーサーカーがいた場合、私は出入り口を閉ざしたあとそちらの対処に回りますね」
「お願い。私たちの武器も相当性能のいい武器なんだけれど、さすがにオリハルコンの装甲を貫く自信はないもの」
「では、大物狩りは任せてください」
「アサシンやレンジャーがいたら私たちの方で始末するから、気兼ねなく大物狩りに集中して」
「はい!」
このあと、隠密行動部隊全員が呼び集められていまの方針を全員で確認。
反対意見を出す人間はひとりもいなかったよ。
うん、責任重大だね。
「各班、準備はできたか? 砦内に侵入する!」
いよいよ砦攻めが始まるんだ。
大丈夫、だよね?
『なにを心配している、シズク?』
「ミネル」
『シズクなら心配いらないよ』
『むしろ、わちらのことを心配してほしいわさ』
『あたちたちの方が守りが弱いの。この激戦でまたスキルは強くなったけど』
「はは。みんなもまたスキルが強くなってたんだ。強くなったスキルの詳細はまた今度教えてね」
頼もしいなぁ、うちの仲間たち。
私も負けていられないね!
次に食事ができるタイミングが来るかどうかもわからないからね。
ペットたちにもそれぞれのご飯を与えて、私の準備は完了。
既に起き出し、裏門を見張っているサンドロックさんとデイビッド教官のところに行く。
「おはようございます。サンドロックさん、デイビッド教官」
「おう、シズク」
「よく眠れたか?」
「おかげさまで。よかったんですか、私、また夜の見張り番をしなかったんですけれど」
「お前の体調は万全に整えておきたいからな。いざというときの隠し球、しっかり頼むぞ」
「シズクの出番がないに越したことはない。ただ、相手は〝オークの砦〟だ。中になにが待っているのか想像もできない。準備は怠るな」
「はい」
私たちが会話をしている間にも、ひとりまたひとりと先輩冒険者の方々は集まって来て、やがて全員が揃った。
そこで、サンドロックさんから最後のあいさつが始まる。
「お前ら、ここが最後の戦場だ。ここでやつらの戦力をそぎ落とせないと、アイリーンの街を守れなくなっちまう。作戦内容は変わらず、俺とデイビッドが主導して主力のオークどもを撃破、その間に隠密行動部隊がオークブラックスミスやオークアルケミストを抹殺だ。隠密行動部隊は現存する金属類も持ち帰ってもらえると嬉しい。シズクがいれば《ストレージ》も使えるからな」
うん、私とキントキがいれば《ストレージ》で根こそぎ相手の資源を奪い取れるものね。
使えそうなものは全部いただいて帰ろう!
「俺とデイビッドの班はとにかく上位のオーク狙いだ。オークジェネラルは全員倒す覚悟で挑むぞ。ザコのオークやハイオークが多少逃げ出しても、仕方がないと諦めろ。いまの俺たちじゃ完全殲滅は不可能だ。できれば首魁も倒したいがそこまでたどり着けるかもわからん。いいな。できれば今日中。遅くとも明日にはケリをつける。以上だ」
サンドロックさんの言葉に小声ながらもそれぞれの言葉で応じる先輩冒険者たち。
やっぱり頼もしいなぁ。
「さて、シズク。お前の上司、隠密行動部隊のリーダーを紹介する。スネイル、ちょっときてくれ」
「はい」
やってきたのは小柄な女性の人間。
この人が隠密行動部隊のリーダーなのかな?
「シズク、こいつがスネイル。隠密行動部隊のリーダーだ。お前はこいつの直下に入り指示を聞け。相手にもお前が俺やデイビッドに並ぶ特級戦力だってばれている以上、お前の役目は暗殺よりも囮だ」
「あはは……暴れ過ぎちゃいましたからね」
「暴れすぎたおかげで助かりましたけどね。あらためて、私がスネイル。よろしく、シズクさん」
「よろしくお願いします、スネイルさん」
「よし、あとのことはスネイルに任せる。隠密行動部隊は第1部隊と第2部隊の間に入って侵入開始だ」
いいたいことだけ言い残すと、サンドロックさんは立ち去って行ってしまった。
さて、私が準備するべきものは……。
「シズクさん。あなたの手札、話せるものだけでいいから話してもらえる?」
「構いませんが……急にどうして?」
「私たちの中にも死者や戦線離脱者が数名出ているの。作戦の練り直しが必要なのよ」
なるほど。
最初予定していた方法では制圧が難しくなってしまったわけか。
「構いません。主な魔法は《大地魔法》《嵐魔法》《灼砂魔法》です」
「《大地魔法》砦正面の通用口を塞いだ魔法?」
「はい。そうですよ」
「……ふむ、なるほど。それならいけるかも」
「スネイルさん?」
どうやらスネイルさんの中では、もう戦術が決まっているみたい。
どう戦うんだろう?
「シズクさん。あなた、暗視系のスキルって持っている?」
「はい。ありますが、なにか?」
「じゃあ、私たちの目標がいる部屋の中に入ったら、《大地魔法》で扉も窓もすべてを厚い石の壁で塞いでしまって」
「え、いいんですか? それって逃げ場も……」
「私たちも背水の陣よ。逃げ場など既にないわ」
スネイルさんも覚悟は決まっているんだ。
なら、私にはできることをやろう。
「わかりました。ただ、室内にオークジェネラルやオークバーサーカーがいた場合、私は出入り口を閉ざしたあとそちらの対処に回りますね」
「お願い。私たちの武器も相当性能のいい武器なんだけれど、さすがにオリハルコンの装甲を貫く自信はないもの」
「では、大物狩りは任せてください」
「アサシンやレンジャーがいたら私たちの方で始末するから、気兼ねなく大物狩りに集中して」
「はい!」
このあと、隠密行動部隊全員が呼び集められていまの方針を全員で確認。
反対意見を出す人間はひとりもいなかったよ。
うん、責任重大だね。
「各班、準備はできたか? 砦内に侵入する!」
いよいよ砦攻めが始まるんだ。
大丈夫、だよね?
『なにを心配している、シズク?』
「ミネル」
『シズクなら心配いらないよ』
『むしろ、わちらのことを心配してほしいわさ』
『あたちたちの方が守りが弱いの。この激戦でまたスキルは強くなったけど』
「はは。みんなもまたスキルが強くなってたんだ。強くなったスキルの詳細はまた今度教えてね」
頼もしいなぁ、うちの仲間たち。
私も負けていられないね!
11
あなたにおすすめの小説
私と母のサバイバル
だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。
しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。
希望を諦めず森を進もう。
そう決意するシェリーに異変が起きた。
「私、別世界の前世があるみたい」
前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~
みつまめ つぼみ
ファンタジー
17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。
記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。
そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。
「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」
恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
処刑された王女、時間を巻き戻して復讐を誓う
yukataka
ファンタジー
断頭台で首を刎ねられた王女セリーヌは、女神の加護により処刑の一年前へと時間を巻き戻された。信じていた者たちに裏切られ、民衆に石を投げられた記憶を胸に、彼女は証拠を集め、法を武器に、陰謀の網を逆手に取る。復讐か、赦しか——その選択が、リオネール王国の未来を決める。
これは、王弟の陰謀で処刑された王女が、一年前へと時間を巻き戻され、証拠と同盟と知略で玉座と尊厳を奪還する復讐と再生の物語です。彼女は二度と誰も失わないために、正義を手続きとして示し、赦すか裁くかの決断を自らの手で下します。舞台は剣と魔法の王国リオネール。法と証拠、裁判と契約が逆転の核となり、感情と理性の葛藤を経て、王女は新たな国の夜明けへと歩を進めます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる