異世界に無一文投下!?鑑定士ナギの至福拠点作り

花垣 雷

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霧のかかる崖の上の古城

構築:等価交換・中和プロセス

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あなたは、右手の紋章をあえて直接触れさせず、数センチ浮かせてかざしました。

1. 対価(エネルギーの排出先): 周囲に転がっている大量の石材や瓦礫を「対価」として認識させます。

2. 変換イメージ: 金属内に飽和している「暴走寸前の魔力」を、強制的に「物理的な重み(質量)」へと変換し、瓦礫の山へと流し込みます。

3. 現代知識の応用: 電位差を逃がす「アース(接地)」の概念をイメージし、魔力の暴発を防ぐバイパスを作ります。

「……くっ、重い……!」

【システムログ:等価交換、実行】

プロセス: 過剰魔力 ➔ 物質化(瓦礫への付与)
負荷: 強。MPを急速に消費中。

バチバチッ!という激しい放電現象と共に、周囲の瓦礫がミシミシと音を立てて硬質化し、重くなって沈み込んでいきます。それと引き換えに、銀色の金属から不気味な黒い模様が消え、静かな、ただの「美しい白銀のインゴット」へと姿を変えていきました。

成果:『安定化した虚空銀』

「ふぅ……。……終わったよ。もう触っても大丈夫だ」

あなたがふらつきながらも告げると、エリスが慌てて駆け寄って支えてくれました。

「ナギ! 大丈夫!? 今、一瞬あんたの腕が透けて見えるくらい凄い光が……」

目の前には、拳ほどの大きさになった『安定化した虚空銀(ヴォイド・シルバー)』が転がっています。

鑑定結果

あらゆる属性魔法を無効化、あるいは吸収・貯蔵できる極めて希少な金属。

さて、どう処理しようか。エリスは黙ってそれを見ていた。

1. 正直に全部提出する: ギルドへの信頼を稼ぎ、正式な「特級鑑定士」としての足がかりにする。(ただし、国から目をつけられるリスク増)

2. 一部を「手数料」として抜き取る: 報告には「中和の過程で大半が霧散した」と嘘をつき、小指の先ほどの破片を自分の研究用に確保する。

3. エリスと折半して隠し持つ: ギルドには「ただの珍しい石だった」と偽り、中身を自分たちで独占する。(報酬は減るが、将来的な戦力は爆増)

エリスは「これ、金貨何百枚分になるのかしら……」とゴクリと唾を飲み込んでいます。(ナルホド…タイキンニメヲ、カガヤカセテイタノカ。)

「……いや、これは隠さず、正直にギルドへ報告しよう。その代わり、この金属そのものを『戦利品(報酬)』として正式に要求するんだ」

あなたの言葉に、エリスは一瞬驚いた顔をしましたが、すぐに不敵な笑みを浮かべました。

「なるほどね……! 隠し持って後でバレるより、命がけで解決した功績として堂々と手に入れるってわけね。ギルドとしても、扱いに困る危険物を引き取ってくれるなら、願ったり叶ったりかもしれないし!」

二人は街に戻ると、その足でギルドの奥にある「特別応接室」へと通されるのであった。
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