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暗黒大陸編 5巻
暗黒大陸編 5-1
しおりを挟む《百五十一日目》/《二■五■一■目》
ここ【神秘豊潤なる暗黒大陸】に七体存在する【エリアレイドボス】の一体であり、その中でも最も強い古代極幻造泥命帝王〝ティアルマティアス〟。その縄張りである、【暗黒大陸】中央に広がる《大泥濘幻想領域・クレイタリア》を目指し、俺――伴杭彼方はチャボマルと泥人形をお供に、黒焔狼に乗って《自由商都セクトリアード》を発った。
そして、その為に造ったばかりの新街道を実際に使ったみたところ、良い点と悪い点が幾つか見つかった。
まず良い点としては、新街道を進むのはとても快適という事だ。
新街道そのものが周囲の樹木の天辺と同じくらいの高さなので、通常なら起こり得る多種多様なモンスターによる襲撃頻度が極端に減っている。
群れを成して積極的かつ計画的に襲い掛かってくる厄介なモンスター達――代表的なのは狼系モンスターや知能の高い亜人種系――の襲撃をシャットアウトできている事が、要因としてかなり大きいだろうか。
新街道が通る経路の近くには、そういったモンスターが多数生息している難所が幾つかあるのだが、それを気にせず安全に進んでいけるのは手間がなくて良い。
また、多機能な整備ゴーレムや新街道自体が、生命力の強い植物の侵食などに対応している為、路面は凹凸の少ない綺麗な状態に保たれている。
これによって歩きやすいし、大荷物を載せた荷車の車輪も滑らかに動くだろう。
新街道の下にある、廃れて獣道と大差ないほどに荒れている旧街道と比べれば、その利便性には雲泥の差があった。
現在、新街道は主に俺達がひっそりと使用しているのだが、いつかは存在がバレる。
耳が早い者なら、アレコレ集めた情報から既に何かあると推測しているかもしれない。
いつまでも秘匿はできないのでいつかは公表するつもりではあるが、これなら将来的に通行料などで稼ぐ事も十分できそうだ。
新街道を使えば、従来なら最短でも数日必要な行程が一日から二日で踏破できるので、手広く商売をする商会には切っても切り離せない時間短縮や費用削減などの問題を大きく改善できる。
それに、大都市と大都市を繋ぐ場所を通っているだけに、その発展性は想像を超えるかもしれない。
継続的な改善と、利用規模の拡大が今後の目標になるだろうか。
次に、悪い点について。
これは何と言っても、新街道は高い位置にあるので枝葉などに遮られなくなり、空からは逆に発見しやすくなった点だろう。
なので、地面を進むモンスターはほとんど気にしなくて良くなった代わりに、飛行できるせいで対応が面倒な魔蟲系や魔鳥系が襲撃してくるようになってしまった。通常よりも短時間で抜けられるとはいえ、危険地帯を通っている事には変わりないのだ。
これについてはどうにかする必要がある。
実際、俺が走行中も空からの視線を何度も感じた。
周囲の整備ゴーレム達も稼働して警戒しつつ空を見上げれば、大型の魔鳥が太陽を背にしてグルグルと回っている。
建築中は作業員を狙って幾度も襲い掛かってきたが、整備ゴーレムによって幾度も撃退・討伐した結果、現在では魔鳥系モンスターの襲撃頻度は低下した。
しかしその分上空を旋回しつつ、他のモンスターと整備ゴーレムの戦闘を観察しているような動きを見せている。
大型の魔鳥系モンスターは戦闘能力だけでなく生存能力や知能も高い。
つまり、今も学習している訳だ――新街道という縄張りを侵す新参者について。
小型の魔鳥ならともかく、遠目で見ても分かる大型種だ。天敵は数えるほどしかおらず、新街道周辺の生態系でも上位にあると想像できる。
天性の捕食者として、情報を集めて隙を探し、油断している獲物がいれば狙ってくるかもしれない。大きな被害が出る事も十分すぎるほどあり得る話だ。
また魔鳥系だけでなく、蜂系や蝶系などを筆頭とした魔蟲系も地上や周囲の樹木から飛んでくる。
こいつらはそもそもの母数が多いし、基本的に本能で動くからか、整備ゴーレム達が何度撃退・討伐してもその姿が確認できる。
最善は新街道上で見かけなくなる事だが、種類が多すぎて対応が遅れる事もそこそこあるようだ。
柔らかく動きが遅い場合は簡単だが、単純に硬かったり動きが素早い場合だと排除には時間が必要になる。
どんな魔蟲系モンスターでも早く的確に排除できるようにしておかないと、気軽に使いにくいし、なにより邪魔だ。
◆◆◆
という事で、新街道上に一定間隔で設置されている、箱型の中型簡易休憩所にて一夜を過ごした今日。
モンスター対策に特化した新規の戦鬼ゴーレムを、二種類配置する事とした。
一種類目は、鬼蜘蛛型ゴーレムの【鬼哭城王グモ】。
【鬼哭城王グモ】は三メートルほどの大きさで、憤怒の表情を浮かべた鬼の顔がついている。
複数の魔法金属を混ぜ合わせた魔法合金製で、黒・黄・赤の三色で構成された禍々しい見た目をしている。
危険性を全身で訴えかけるような外見ではあるが、機動性は低く、装甲も見た目に反して分厚くはなく、直接戦闘能力はほぼない。
近づけさえすれば剛剣の一振りで、あるいはある程度の強さの魔法であれば一撃で破壊する事もできるだろう。
単体では使い捨ての壁程度の使い道しかないが、それは最大の能力である子鬼蜘蛛――【鬼哭城グモ】の製造に特化しているからだ。
【鬼哭城王グモ】は自身が造った蜘蛛の巣にいて普段は動かず、ふっくらとした腹部から三十センチ程度の大きさの【鬼哭城グモ】を無数に製造。この【鬼哭城グモ】が手足となってせっせと働く事になる。
【鬼哭城グモ】は周囲の樹木からセルロースなどの植物系素材を採取したり、整備ゴーレムから受け取った新街道で討伐されたモンスターからタンパク質などの動物系素材を採取。それ等を自身の内部で混ぜ合わせて、特殊な蜘蛛の糸を生産する。
蜘蛛の糸は燃え難く、とてもしなやかで、指一本分の太さもあれば、数十メートル級の巨大モンスターですら引き千切る事は困難を極めるだろう。
下手に藻掻けばより絡まって身動きすらできなくなるこの蜘蛛の糸が新街道の周辺に張り巡らされ、やがて新街道の周囲には白い雲海のような蜘蛛の巣が形成される。
これで魔蟲系モンスターの大半は、新街道に登ってくる前に蜘蛛の巣で捕らえられ、新しい蜘蛛の巣の材料になる。不用意に下りてきた魔鳥系モンスターも餌食にできるはずだ。
二種類目は、鬼顔鳥獣の【鬼哭怨霊シャモ】だ。
コイツは一メートルほどの大きさがある黒い軍鶏の胴体に、血涙を流す禍々しい赤鬼顔がついた形状をしている。
鋭い鉤爪のついた強靭な二脚に加え、短時間の飛行も可能なので機動性もかなり高い。だが最大の特徴は、赤鬼顔の口から指向性を持つ強力な閃光と電磁波と怪音波を放つ事だ。
まるで【竜の息吹】のようなこの攻撃方法は、強力な閃光と電磁波を放つ魔法金属【フォトラシルバル】と、身体的不調を引き起こす怪音波を放つ魔法金属【サウンディアン】、それから俺の【宝王の祭壇】によって製造した宝石パーツを混ぜた魔法合金によって実現した。
この機動性と攻撃能力により、【鬼哭怨霊シャモ】は敵を即座に撃退する事ができる。
試しに俺自身が少し離れた場所から攻撃を浴びてみたが、これが中々にキツい。
強烈な閃光に目は眩み、電磁波を浴びた場所はまるで燃えるように熱くなり、怪音波に脳だけでなく全身まで揺さぶられて立っているのもキツい。
物理的なダメージこそあまりないが、少なくとも、できるだけ浴びたくないくらいには不愉快だ。
流石にこれだけでモンスターを仕留めるまではいかないだろうが、一時的にでも失神か感覚の麻痺でもすれば、墜落死を狙う事は十分可能である。
それに討伐はできずとも、継続的に撃退していけば、不調を嫌って新街道自体に寄り付かなくなる効果が見込めるだろう。
それでもどうしようもなかったらその時に考えるとして、新街道の防衛強化はこんなところだろうか。
アレコレ寄り道しながらの行程ではあるが、やる事はやった。
整備ゴーレムが収集していたモンスターの肉を齧りつつ、俺達は先に進んだ。
《百五十二日目》/《二■五■二■目》
本日、俺と黒焔狼、それからチャボマルと泥人形という風変わりな一行は、今回の目的地の一つである《宝晶城塞都市ファンタグラム・エッグトリオン》に到着した。
ここは標高約三千メートルの円錐形の立派な山一つを、地表だけでなく地下まで長い月日をかけて改良し、発展を続けている最古の城塞都市だ。
《宝晶城塞都市ファンタグラム・エッグトリオン》の歴史は非常に古い。過去の大火で文献が焼失しているが、各地に降りかかった【神災】などによる幾度かの文明崩壊すら乗り越えて、【暗黒大陸】が生まれた最初期から存在しているらしい。
そんな歴史の長さから、都市のそこかしこで歴史的な遺構や遺物が日常の一部に自然と混ざっているらしいが、長くなるのでその辺りの話はまた今度にするとして。
そんな歴史ある《宝晶城塞都市ファンタグラム・エッグトリオン》は、今回の目的である古代極幻造泥命帝王〝ティアルマティアス〟の縄張り――《大泥濘幻想領域・クレイタリア》に最も近い大都市という事と、そもそもその攻略の為に築かれた前線基地という成り立ちから、玉石混淆の命知らず達が数多く集まってくる。
そういった、それぞれの思いや欲望を胸に秘めて《大泥濘幻想領域・クレイタリア》に挑む者達は、ひと纏めに【泥掘師】と呼ばれている。
【泥掘師】が無数の屍の山を築きながら命がけで持ち帰った潤沢な迷宮物資の数々は、経済成長に大きく貢献し、長い歴史の中で独自の文化が育まれ、現在の繁栄があるという。
なるほどなぁと、俺は迷宮酒の一杯でベラベラと何でも喋ってくれるお喋り好きなとある泥掘師に相槌を打つ。
現在は、《宝晶城塞都市ファンタグラム・エッグトリオン》内に四十二ある『泥掘酒場』の中の一つ、《ベリルリンのスコップ》にて情報収集中だ。
青白いツンツンとした短髪に、身の丈二メートル近い筋骨隆々な肉体のこの泥掘師は、両腕両足が青い宝石で形成された〝宝肢人〟――宝石で構築された四肢を持つ種族。宝石部分には特殊能力が宿る――の男性である。
話によるとこの宝肢泥掘師はどうやらベテラン【泥掘師】らしく、長年《大泥濘幻想領域・クレイタリア》にソロで挑み続けてなお生き残っている猛者のようだ。
その実力は自然な所作や使い込まれた装備品などから窺えるので、幾らか大げさに言っているところもあるかもしれないが、丸っきり嘘という事はないだろう。
そうした経歴だけでなく、種族的背景や、誰とでもすぐに仲良くなる陽気な性格とそれに由来する交友関係の広さから、《ベリルリンのスコップ》の顔役の一人のようだ。人望もあるらしく、だからある程度は言う事を信用できた。
現に話している間も周囲から何度も声をかけられ、それに対して酒を片手に陽気に返答している。
そんな宝肢泥掘師が、俺がフラリと酒場に入ってすぐ話しかけてきたのがファーストコンタクトだったわけだが。
黒焔狼は都市内では大き過ぎて邪魔になるので子犬程度の大きさとなって足元を走り回り、チャボマルは俺の頭部の王冠に堂々と座り、泥人形は肩車されている。
そんな同行者だけでも色んな意味で目立つが、それに加えて俺自身も余りに目立つ黒く燃える炎――黒焔光背を背負っている。
見るからに普通ではない、中鬼に見えない中鬼だ。地雷を踏む可能性を考えれば、関わらないとか、遠巻きにするとか、一般的には慎重になるのが自然である。
しかしこの宝肢泥掘師は積極的に近づいてきた。
それが彼の情報収集方法らしく、人好きのする笑顔と共に酒を持って近づき、取り留めもなく自分が知る事を語り、今に至る。
ある程度は豪快で馴れ馴れしく、しかも饒舌に回る舌が聞く者の興味を引く話し上手。喜怒哀楽のハッキリとした表情やちょっとした心遣いなどからは人柄の良さが感じられ、初対面でも一緒に居て楽しめる雰囲気を自然と生み出している。
だがそれでいて、宝肢泥掘師の瞳の奥には冷静にコチラを窺う光が宿っている。
人が好いだけではなく、幾度も修羅場を潜り抜けた猛者だけあって、最後の警戒は解いていない。不意打ちをしかけても、ギリギリで致命傷は回避されそうだ。
また、宝肢泥掘師以外にもこちらを窺う者はそこかしこにいるようだ。
仲間と一緒に騒ぎつつ、あるいは静かに酒を飲みながら、悟られないように新参者の情報を集めている【泥掘師】達。
一癖も二癖もある住人に面白さを感じつつ、とりあえず飲み比べをして美味い飯と酒を楽しんだ。
何だかんだ酒場に来るのはやはり酒好きが多い。
俺が他の土地の珍しい迷宮酒を景品として出せば、酒豪の輩がダース単位で参加してくる。
関係構築の第一歩としては手軽であり、酒が入れば警戒心も自然と薄れ、情報を引き出しやすくなる。
良い事づくしの飲み比べで、気が付けば一日中【泥掘酒場】に居座り、酒飲み勝負で何十人も打ち負かしたりしたが、たまにはこんな日もあるだろうさ。
《百五十三日目》/《二■五■三■目》
昨日の宴会ですっかり仲良くなった宝肢泥掘師が都市内を案内してやる、と言い出したので、素直に頷いた。
あちらとしても色々と思惑があるだろうが、宝肢泥掘師は生まれも育ちも《宝晶城塞都市ファンタグラム・エッグトリオン》。地元民ならではの情報は正直助かる。
しかもここの支配階級と血縁関係がある家柄らしいので、普通では知らない事も知っているそうだ。
そうしてザッと都市を回りながら紹介されていく。
そもそも《宝晶城塞都市ファンタグラム・エッグトリオン》を自力だけで回るのは簡単ではない。
まず、標高約三千メートルの立派な山丸ごと一つが都市なので、とにかく領土が広すぎる。
一応城塞都市なので、麓と、標高約千メートル地点、標高約二千メートル地点に三つの堅牢な城壁が存在し、それに地下空間も合わせて生活区画が大きく四つに分断されている。
二千メートルから山頂までは支配層や富裕層が住む【宝上層】。
二千メートルから千メートルの中腹は小金持ちや技術層や知識層が多い【富中層】。
千メートル以下は【泥掘師】や【商人】などをはじめとした一般層が暮らす【泥下層】。
その更に下で、訳あり労働層や落伍者達が行き着く地下農場や地下工場があり、そして勝手に増築されて蟻の巣のように道が張り巡らされている【地下層】だ。
そして現在俺達が居るのは【泥下層】である。
【泥下層】は最外縁の城壁の門で金銭を払えば、誰でも入る事ができる。
基本的に、余所者が入れるのはここまでだ。
これより上層に移動するには、一定以上の納付金を払うか、上層とのコネを構築するか、何かしらの実績をクリアして許可を貰う必要がある。
また基本的に【地下層】はいわゆるスラムみたいなモノなので、今回は【泥下層】しか回る予定はない。
しかし【泥下層】は、ハッキリとした地図が無い【地下層】を除いた三区画の中では最も面積が広い上、道の大半が坂道だ。
棚田のように開拓して平地にしてある部分もあるが、徒歩なら全部回るのに余裕で数十日はかかるだろう。何かしらの移動手段が無ければ生活に苦労する場所だ。
とはいえ、これまで発展し続けている場所であるからには、ちゃんとそれを解消する公共機関が用意されている。
それこそが都市内部でよく見かける、虹で出来た卵のような魔法結晶体【宝晶卵・ファンタグラム】であり、そこからレンタルできる魔法結晶体【宝晶卵獣・エッグトリオン】である。
宝肢泥掘師によると、《宝晶城塞都市ファンタグラム・エッグトリオン》の建設当初から民衆を率いた偉大な【帝王】が居た。
それが【幻甲宝晶帝】ジェラニエル゠アイデアル・エッグマン。
〝宝肢人〟が【存在進化】した遥か先にある〝虹宝晶人〟の女性であり、原初の頃に【神々】が直接創造したとされる伝説的な種族の末裔だそうだ。
実際のところは古すぎて詳しい情報が無いので不明だが、とりあえずそう言われるだけの力がある種族――その中でも突出した人物だった【幻甲宝晶帝】は、都市建設に際して自身の能力である【宝晶】を大いに活用した。
それによって生み出されたのが魔法結晶体【宝晶卵・ファンタグラム】だ。
その最たる役割は、周囲の生物などから漏れる魔力を徴収し、それを使って都市内の上下水道やゴミ処理施設、道路などのインフラ機能を構築・整備して管理・維持する事。
徴収される魔力は生きていれば必ず排出される程度の微細な量でしかない為、住民も普段は意識する事すら無いそうだ。
それでも都市住民の母数が多くなれば総量は増えるし、何より【泥掘師】達など個の質が高い住民が多く居るので、意図的に魔力を過剰使用しなければ破綻なく回る量を確保できるという。
つまり魔力の徴収は、ある種の税金みたいなものだろうか。
しかも実質無料なのだから、かなり優れた仕組みだと思う。
部外者としては、実は【宝晶卵・ファンタグラム】が意図すれば住民の魔力どころか命まで吸い尽くす事ができるのでは、なんて邪推してしまうのだが……少なくとも現在まで魔力を吸われ過ぎて命に関わった事例は確認されていないそうだ。
さて、そんな【宝晶卵・ファンタグラム】だが、市民からすれば魔力を徴収してインフラを整えるマジックアイテムというよりも、日常的に使う移動手段を借りる窓口、という印象が強いらしい。
というのも、【宝晶卵・ファンタグラム】に触れて一定以上の魔力を供給し、表面に映し出される映像をタッチすると、映像と同じ形状の物体――魔法結晶体【宝晶卵獣・エッグトリオン】が出現するのだ。
この【宝晶卵獣・エッグトリオン】はいわばゴーレムだと思えばいいだろう。
込めた魔力量や選択した機体によって差異はあるが、時間経過で自動返却されるまで、呼び出した者が自由に使う事ができる。
つまり住民は《宝晶城塞都市ファンタグラム・エッグトリオン》内限定の移動手段であるこれ等を使って、険しい坂道を行き来したり、遠くの目的地にも快適に移動している訳だ。
【宝晶卵獣・エッグトリオン】には特定のルートを一定時間ごとに行き来するトレイン型やロープウェイ型などの大型種もあるが、それ等は【幻甲宝晶帝】の手足となって働く都市管理機構が運用する公共機関扱いとのこと。
それ等も日常で徴収された魔力を使うので、運賃無料で幾らでも乗る事ができるが、本数は少なく速度も遅いなど不便なところもある。
だから個人使用で一般的なのは、多脚箱型や騎獣型らしい。
今回俺達が乗ったのも騎獣型で、ダチョウのような姿形をしていた。
冷たくも暖かく、硬いけど柔らかいという不思議な感触だが、乗り心地はかなりよかった。
移動速度も速く、疲労という概念が存在しない為、行きたい所にすぐ行けると人気種らしい。
土地特有のモノに触れるのはやはり楽しいモノだが、それはそれとして【宝晶】とは一体何なのか。とても気になった。
機会があれば喰ってみたいモノである。
ちなみに観光だが、逸話の残る名所も多くて普通に楽しめた。
宝肢泥掘師はそうした方面にも造詣が深いようで、どうも種族も家柄も、本人が言っていたよりも良いのではないだろうか。
何か隠しているようだが、まあ、そんなものだろう。
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【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
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