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4巻
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しおりを挟む《百六十八日目》
三日間は出てくるなと言って迷宮に送り込んだメンバー全員が、無事帰還した。
中には戦闘で大怪我を負った者もいたが、事前に支給していた錬金術師さん作体力回復薬やドロップアイテムを使って治療済みなので、大した事はない。
三日もあったので、最下層まで到達できた組は予想以上に多い。その全てがボスモンスターを討伐できた訳ではないが、とりあえず十分な戦果だと言えるだろう。
訓練で培ってきた力を実感できたのか、多くの者が清々しい表情を浮かべている。
そしてオーロとアルジェントは、ボスモンスターを討伐せしめた。
流石俺の子だと思いつつ、頑張った褒美として異邦人の青年から奪った魔砲とタバルジンをプレゼント。オーロが魔砲を、アルジェントがタバルジンを受け取った。これは性格的にオーロが遠距離戦を、アルジェントが接近戦を好むからだ。
どちらも自分がもらった方で満足していたので、喧嘩はしないだろう。
そして皆が迷宮で得たマジックアイテムを回収・再分配した後、各自の好きなように行動させた。つまりお休みである。
お転婆姫の護衛役にはカナ美ちゃんをつけておき、俺はオーロとアルジェントと共に、再度【水妖の洞穴】に潜る事にした。
最下層までの道中は出くわすダンジョンモンスターの殺害方法と解体の仕方、構造的な弱点など、様々な話をしながら進んでいく。
俺が種族特性としてゴブリン時代から持っていたアビリティの一つ、【早熟】が遺伝している二人の肉体と精神の成長は非常に早いが、それでもやはりまだ子供である。本音と建前を使い分ける輩への対処法などは日々教えてはいるが、子供らしく純粋な部分もあるので、用心していても騙される事があるかもしれない。
イヤーカフスには俺の分体が宿っているのでいつでも居場所は分かるし、助言もできるが、やはり自力で対処できるだけの戦闘力や思考力は鍛えておいた方が無難だろう。
と考えながら進んで昼をやや過ぎた頃、最下層に到着した。最短距離で来たので、あまり時間はかかっていない。
背後に居るオーロが『私達だけの時はここより難易度が低くても、ゆっくりと警戒しながら潜っていたのに……やっぱりお父さんって凄いんだね』と呟くと、アルジェントは『だよね。赤い蟹……キングレッドクラブ、だっけ? の外皮、触ってみたら、かなり硬かったよ。なんでこれが普通の殴打で砕けるんだろ?』と小首を傾げている。
多少は立派な父の背中を見せられたかな? と思いつつ、複雑な視線を向けてくる子供達とボス部屋の神秘的な光景を堪能した。
そのついでにオクトルプ・ハイの討伐を行う。
オーロとアルジェントしか見ている者はいない。時間も勿体ないので、アビリティを重複発動して一気に殺しにかかる。
が、その前に、オーロとアルジェントの周りに真空の膜を作って音を遮断し、更に保険でベルベットの遺産の一つである、自壊と引き換えに即死攻撃を一度だけ無効化するマジックアイテム【残命の指輪】を渡した。
準備が整ったところで、一定確率で敵を殺す【死を招きし鬼声】と、音量を跳ね上げ状態異常を付与する【黒使鬼の咆撃】で先制攻撃。
すると自分でも驚くくらいの大声が響き、周囲の鍾乳石は木端微塵に砕けて砂となり、周囲の水は激しく波打って水泡を弾けさせる。岩壁に反響して更に増幅した大音量の声を聞いたオクトルプ・ハイは、ゆっくりと前向きに倒れた。
ドチャガチャ、水をはね飛ばしたまま、全く動かなくなる。
その様子に、え? と驚きつつ、アイテムボックスから取り出したハルバードの穂先でオクトルプ・ハイを突いてみる。穂先から雷が迸り、肉が焦げる匂いがするが、動く様子はない。
しばらく放置しても変化なし。どうやら即死してしまったらしい。
[辺境詩篇〔水妖オクトルプ〕のクリア条件【単独撃破】【制限時間】【一撃必殺】が達成されました]
[達成者である夜天童子には希少能力【水妖滅殺師】が付与されました]
[達成者である夜天童子には【遺物】級マジックアイテム【水妖怪盾:オクトルプ】が贈られました]
[達成者である夜天童子には【試練突破祝い品】が贈られました]
えーと、多分前回得た【水妖殺士】が攻撃命中確率などを上昇させたに違いない。
基本的にこの世界の法則で得た希少能力――【撃滅の三歩】【生者を喰らう者】【水妖殺士】【捕らえ喰らう者】など――は【吸喰能力】で得た数々のアビリティと違い、その殆どが常時発動している。
これらはオンオフを自由に替えられないので不便な時もあるが、こうして思わぬ結果を出す事もあるので驚かされる。
まあいいか。計三体目になるオクトルプ・ハイの死体を回収し、前回よりも量がやや少ないが再生していたボス部屋内の素材を採取。さて帰るかと振り返ると、硬直しているオーロとアルジェントと目が合った。
奇妙な沈黙が流れる。二人の視線が何故か痛い。あまりに理解できない物体を見ているような、そんな目だ。決して実父に向ける類のものではない。
無性に居心地が悪くなり、それを誤魔化す為、今度はオーロとアルジェントをオクトルプ・ハイの討伐に挑戦させてみた。言っておくが強制ではなく、どうだ? と聞いたら変に興奮し始めて、やってみたいと言ったのである。
ただ俺が加わっては訓練にならないし、かといって未熟な二人で倒せるほどオクトルプ・ハイは弱くない。魔砲とタバルジンという強力な武器を渡しているとはいえ、まだ総合的な能力で大きく劣っている。
恐らく数分と経たずに触手に刺されて行動不能になるか、あるいは蛸脚に捕まって喰われるだろう。
なので先日【下位アンデッド生成】で造れるようになったブラックアンデッド・ナイトを二体、二人のサポートに付けた。
オーロが慣れないながらも遠距離から多種多様な魔弾を撃ち込み、中距離からはアルジェントが自前の能力である白銀のパルチザンを射かけつつタバルジンで攻撃し、二体のブラックアンデッド・ナイトが近距離で常にオクトルプ・ハイの気を引くというパーティだ。
俺はボス部屋の端に腰かけ、エルフ酒を飲みながら観戦した。
オクトルプ・ハイの弱点や注意点は既に教えているし、いざとなれば割って入るので大丈夫だろう、と思っていたのだが。
僅かにあった心配は杞憂に終わった。
前線で攻撃を浴び続けた二体のブラックアンデッド・ナイトの内、一体は既に消滅し、残りの一体も半身が消滅してほぼ大破した状態であるとはいえ、子供達は大きな怪我を負う事なく討伐し終えた。
一時間以上かかっているし、圧倒的に自分達よりも強い前衛に守られながらで、辺境詩篇の条件も満たせなかったとはいえ、格上のボスモンスターに勝った意味は大きい。
吸収した経験値量も膨大だったのだろう。
息も絶え絶えの疲労困憊で、濡れた床で仰向けに寝転んでいる二人のレベルは大きく上がり、オーロは【魔砲使い】、アルジェントは【斧爆士】という新しい職業を得たようだ。
二人は既に【槍士】と【射手】を自力で獲得しており、更に俺から遺伝したのか【狂戦士】と【格闘士】なども生まれつき持っている。
それぞれのレベルはまだまだ低いのだが、【職業】の数が多い分、それだけ補正は強くなる。肉体面ではそもそも人間を軽く凌駕している上、補正による強化率もただの人間とは比べ物にならない。
人間と亜人両方の特性を持つ彼等ミックスブラッド系の成長力は、明らかに桁が違うようだ。もしかしたら、この二人なら将来俺を超えるかもしれない。
子供は親を超えるものだと思っているので、それは嬉しい可能性だ。
ただ当分負ける気は無い。親の威信がかかっているのだから。
と思いつつ、成長した二人を褒め、オクトルプ・ハイの死体を回収し、役目を終えたスケルトン達の骨を食みながら最短距離で地上に戻った。
その途中でも、二人に任せられる程度のダンジョンモンスターと遭遇すれば戦わせた。帰るのに時間はかかったが、夕食にはなんとか間に合った。
ダンジョンでの出来事を話のネタにしつつ、今日は魚料理を堪能した。
その際には今回の攻略でアクアスライムがドロップした、〝スライム酒:クーフォレア〟という銘酒を飲んでみた。
クーフォレアを得た時に【物品鑑定】で調べたところ、魚料理に合う、と記載されていたからだ。
実際に飲んでみるとサッパリしたのど越しで、甘みがありながらしっかりとキレのある辛さ。魚料理に合う酒という情報は本当だったようだ。
《百六十九日目》
太陽が出たばかりの頃、大森林にある拠点から呼び寄せた我が傭兵団の本隊が、迷宮都市の外にある森に到着した。
その数は四百に達している。
結構な数だが、しかしそのメンバーの殆どがゴブリンとホブゴブリンだった事で、本隊の到着を楽しみにしていたお転婆姫は落胆を隠せていなかった。
俺の肩に座った状態で『ええ? これ本気? いやいや、ゴブリンとか、冗談でしょ?』と言わんばかりの態度である。声には出さず、視線で訴えているだけだが、俺にはそう感じられた。
それは少年騎士や他の護衛達も同様で、ハッキリとは言わないが肩を落として項垂れていた。
一応デュラハンや竜人、オーガといった強力な種族も居るが、全体から見ればやはり少ない。世間一般では弱いと認知され、実際に弱い種族であるゴブリンとホブゴブリンで構成された軍勢では、頼りなく思えて当然だ。
これから迎える大孫達【貴族派】との戦いに向け、少しでも多くの戦力を欲しているお転婆姫達からすれば、戦力増強は急務だった。
今は亡き大臣の妨害工作によって予定よりも味方が少なくなり、しかも大孫達はそろそろ動きそうで、焦っている部分もある。
そして期待していた俺の戦力がこれでは、お転婆姫の反応も仕方ない。
背に腹は代えられないとはいえ、どうせなら良質で強いモノをと思うのが人間だ。期待していた分、その反動は大きくなったのだろう。
俺もお転婆姫の立場であればそうなったかもしれない。
普段とは違う真剣な顔で、戦力を下方修正し始めたお転婆姫に苦笑しつつ、傭兵団には既に習性にまで昇華されている午前訓練を開始させた。
今日は空から僅かながら白雪が降り、寒風が吹いている。傭兵団の統一装備品である各種エンチャント済み外套を着た団員達は、息を白く染めながら、準備体操から訓練を開始した。
多少の怪我ならイヤーカフスの効果によってすぐさま治癒する為、ゴブリン達の動きは激しく、実戦形式のそれは訓練というにはあまりにも過激である。
迫る剣尖を回避しきれずに首を斬られてツツツと赤い血を流し、死ぬ一歩手前だったにもかかわらず、怯む事なく手にした得物で反撃する者。
勢いの乗った戦槌によって片腕の骨を砕かれ、激痛にさいなまれながらも精神力で痛みを抑え込み、お返しとばかりに相手の骨肉を叩き砕く者。
同階梯の魔術を衝突させ合い、対消滅による破壊と轟音と閃光を撒き散らしている者。
あえて魔術をマジックアイテムの盾で受け止め、余波で手足が傷つきながらも、止まる事なく相手に向かって前進する者。
多対多のコンビネーションの訓練で、統率された動きで、咆哮を上げながら剣戟を交わす者達。
人間の構成員が放つ戦技を、鍛え抜いた技巧によって捌き、流し、弾き飛ばす者。
その様子は実戦さながらで、まるで死を恐れぬ彼等の勇姿に、お転婆姫達はしばらくの間目を丸くして放心していた。
普通の人間の精神構造ではとても真似できないだろう、血生臭い訓練風景だ。初めて見たならば、誰でも絶句するかもしれない。
そうなるように団員を訓練・改造した俺が言うのもなんだが。実際優れた回復手段がなければ、訓練中の怪我で死んでいた団員も結構いるし。普通、ここまではせんだろうな、と思う。
それでもお転婆姫の反応が面白くて、俺やカナ美ちゃん達がその様子を見て笑っていると、こっちに気がついたのか彼女は頬を赤らめ、恥ずかしそうに身を捩った。
普通のゴブリンとは違うのだよ、普通のゴブリンとは。
それにもちろん、他の団員もな。
そう自慢すると、お転婆姫は『アポ朗の癖に生意気なー』とでも言いたそうな表情を見せた。
頬を赤く染め、気恥ずかしそうではあるが、楽しげな表情だ。
とりあえず一時間ほどの訓練後、本隊はこの森の中で待機させて迷宮都市に帰還した。
斥候を放って周囲を警戒し、騒音や閃光などは迷宮都市に伝わらないようにして軍団を隠しているとはいえ、俺達はそろそろ王都に帰らないと、誰かの密偵(居ないとは思うが)が不審に思うかもしれない。
まあ、結果的にそれは杞憂だった訳だが。
明日には王都に戻る為、浅い階層までという条件付きで皆にも迷宮に潜る事を許可し、それぞれ訓練したり、買い物したりして迷宮都市での最後の日を過ごした。
その夜、そろそろ俺の詩篇が始まるのではないか、と思いつつ温かい布団に包まり――
[世界詩篇〔黒蝕鬼物語〕第四章【王国革命のススメ】の開始条件の全てが満たされました。
解放条件クリアにより第一節【雌伏の時】、第二節【予兆の陽】、第三節【狼煙の唄】、第四節【破喰の牙】、第五節【毒死の翁】、第六節【這終の城】、第七節【戦火の弾】、第八節【闘避の馬】、第九節【斧滅の蹄】、第十節【勇戦の儀】、第十一節【哭滅の鬼】、最終節【統率の姫】まで進みます。
詩篇は既に第一節【雌伏の時】から第五節【毒死の翁】まで進行していた為、成功報酬の全てを得る事はできません。
ただし、残りの各節に隠された条件をクリアする事で全てを得る事は可能です。
世界詩篇〔黒蝕鬼物語〕第四章【王国革命のススメ】は第六節【這終の城】から開始されました。
健闘を祈ります]
――今までのような《YES》《NO》の選択肢が無く、強制になるとは少し予想外だったが、まあ準備も大体終わっているので問題はあまりなかった。
それにしても、アナウンスがだんだんと変化しているような?
《百七十日目》
早朝、骸骨百足に乗って王都に帰還する。
その間に、本隊は王都の地下に潜伏させている。
この世界では比較的進んだ文明を築いている王都の地下には、【異界の賢者】主導の下、長い月日と大金が費やされ、上下水道が張り巡らされている。
だから王都ではわざわざ井戸や川から水を汲んでくる必要は無く、蛇口を捻れば新鮮な水が即座に出るし、トイレも水洗式だ。
本当ならもっとシンプルな構造にしたかったのだろうが、王都が広大だった為と、【異界の賢者】自身に専門的な知識があまりなかった為か、それ等はまるで迷宮のように入り組んだ道筋を形成している。
複雑過ぎて下手に潜れば道に迷い、何処に居るのか分からなくなるほどだ。
しかもいつの間にか様々なモンスター――
体毛と歯が鉄と同等の硬度で、小型犬ほどの大きさを誇る〝鉄鼠〟
何もしなければ害は無いが、一匹殺すと周辺の仲間が集まってきて連鎖的に小爆発するという厄介な特性を持つ〝バクサネズミ〟
高温のガスを放出するミイデラゴミムシや、強力な毒針を持つスズメバチといった様々な昆虫の特性を持つ〝バグズラット〟
汚水やゴミを取り込んで肥大化した〝トラッシュスライム〟
下水の中を泳ぎ汚物に塗れた〝トラッシュマンバ〟
――が棲み着いてしまい、かなり危険だ。
ただしこれらは暗闇を好む為、数が増えすぎない限りは地上に出てくる可能性は少ない。王都の住人が地上でこいつらに襲われたなどという事件は今まで一件も出ていないのがその証拠だろう。
だから一般人は地下に近寄らない。
地下に子供が入り込み、死体や肉片となって発見される事も珍しくないからだ。捨て子などが、あえて放置される事もあるらしいが。
地下に入る者など、せいぜい定期的に出されるモンスター駆除の依頼を受けた冒険者だけだろう。
だが後ろ暗い事をしている輩には、地下は大変ありがたい場所だった。
地区ごとに大小様々な組織のアジトがあり、普段はならず者同士の協定によって平和なものだが、数ヶ月に一度は縄張り争いが起こるらしい。
それが危険な地下をより危険な場所にしている原因なのだが、それはさて置き。
俺も以前から何かに利用できないかと分体を使って地下を探索していたし、密かに行っていた他国の密偵狩りの副産物として俺が自由にできる一区画も既に得ている。
そこは結構手が入れられていて綺麗だし、使わないままにするのは勿体ない、という事で俺がもらい受け、今回はそこに本隊を隠した。
とはいえ数が数だけに色々と増設する必要があったのだが、増設作業は森林の拠点の拡張経験で手慣れている団員達に任せた。今頃はせっせと地下で作業中だろう。
ちなみに王都の警備がザル、という訳ではない。
四百もの軍勢が発見される事なく王都内部に入れている時点でザルと感じるかもしれないが、城壁の下を掘削して直通ルートを造ってしまったので、流石に仕方がないと思う。
見つけられたら、それこそ驚きだ。
まあ、こんなどうでもいい話はここまでとして。とりあえず、釣りで餌に獲物が喰いつくのを待つように、その時が来るまでの僅かな一時をゆったりと堪能する事にした。
《百七十一日目》
今日は久しぶりに、お転婆姫から受けた本来の依頼である衛兵達の訓練を再開した。
迷宮都市に行っている間にも訓練をさせていたのだが、どうやらサボってはいなかったらしく、皆動きの無駄が多少減っているようだった。
ただ一つ気になったのは、護衛としてお転婆姫に付いていった組と、琥珀宮に残った組の間に、ハッキリとした差ができていた。
たった数日で、明らかに護衛組の方が強くなっているのだ。
レベルによる身体能力変動の差だけが理由ではないだろう。確かにレベルが上がっている者もいたが、せいぜい〝1〟か〝2〟レベル上がった程度で、誤差の範囲内だ。
だが、一撃の重さも、攻撃の速度も、戦技の力強さもハッキリと違っていた。
恐らくこれは、俺が周囲に与える補正の効果をハッキリと示しているのではないだろうか。
今までは生まれた時から補正対象の仲間ばかりで比較できず、本気で調べる気にならなかったが、いい機会だったので色々調べる。
本当に正確な内容なのかはさておき、色々と考えさせられる有意義な時間だった。
そうするうちに夜になり、晩飯はオクトルプ・ハイを食べる事にした。
調べた限りではまだ猶予はあるはずだが、放置し過ぎるとラーニングできる可能性が減るかもしれないので、今日が食べ頃だろう。
手元には四匹分の死体があるので、一匹目は俺専用の丸焼き、二匹目は刻んで刺身、三匹目は天ぷら、四匹目は様々な料理、という感じに調理してみた。
食べてみて分かったが、オクトルプ・ハイは部位によって味が大きく違っているようだ。
脚は蛸、右腕はウツボ、左手はウニ、背中の触手は甘いゼリー状の何か、頭は鮫肉、といった具合だ。
外皮は硬すぎるので俺しか喰えなかったが、流石ボスモンスター、身体全てが一級品の食材だった。
[能力名【触手生成】のラーニング完了]
[能力名【ロレンチーニ・オーガン】のラーニング完了]
[能力名【硬密キチンの外皮】のラーニング完了]
[能力名【削る鮫の肌】のラーニング完了]
[能力名【捕縛力強化】のラーニング完了]
[能力名【忌避すべき黒の蛸墨】のラーニング完了]
久しぶりに六つもアビリティをラーニングできた。
【触手生成】を使えばオクトルプ・ハイの背中にあった触手を作る事ができ、【ロレンチーニ・オーガン】では電流を感知する鮫の器官を再現できる。【硬密キチンの外皮】は【外骨格着装】で装備できる外骨格――【赤熊獣王の威光】と【翡翠鷲王の飛翼】――などの強化が可能、【削る鮫の肌】は皮膚を鮫肌のようにする能力であり、【捕縛力強化】はそのままの意味。【忌避すべき黒の蛸墨】は状態異常を付与する蛸墨が吐けるようだ。
強力なものが多く、これからはボスモンスターを狙って狩った方が効率がよさそうだと思った。
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本当に、ありがとうございます。
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