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第6章:聖女の使命
第54話 シトラス十三歳
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夜会当日、私のドレス姿を見たアンリ兄様は口から魂が抜け出ていた。
私は涙目になってアンリ兄様を上目遣いに見つめて告げる。
「……せめて、なにか言ってくださらないかしら」
「これは……こんな姿で人前に出るのか?! だめだろう?!
――母上、これではあまりにもシトラスが可哀想すぎます!」
そうだそうだ! もっと言って!
お母様は勝ち誇った笑みでアンリ兄様に告げる。
「男女問わず、見る物を打ちのめす最高のドレスよ?
今夜の夜会に相応しいドレスだと思わない?
あなただって、見た瞬間に身動きが取れないほどの衝撃を受けたでしょう?」
アンリ兄様がたじろいで押し黙ってしまった。
……アンリ兄様?! そこで引かないでよ?!
お父様も唸りながら私のドレスを眺めていた。
「これは見事だ……お前の身長でそのドレスをそこまで着こなせるのは、お前くらいだろう。
ミケレットと言ったか。腕のいい仕立師なんだな」
腕が良くても、私への配慮を忘れる人だけどね?!
身長だってヒールでごまかしてるだけだし!
アンリ兄様が私に肘を差し出した。
私はしょんぼりしながら、その肘にしがみつく。
……せめて、このアンリ兄様の腕に隠れる!
「シトラスすまない、そんなに密着されると私がお前に魅了される。少し距離を取れないか」
「妹に魅了される兄が居てどうするのですか! 普段のスキンシップと大差ないですわよ?!」
「普段と違って……いや、もう言うまい。お前の好きにしていい。私が耐えてみせる」
アンリ兄様は気合を入れるように自分の頬を叩いていた。
いや、そこまでしなくても……
お父様が告げる。
「さぁ、ホールへ出よう。みんなが待っている。
――それと、これは言い忘れていたが、今夜はダヴィデ殿下もいらっしゃっている。
格上の聖女であるお前が気にする事ではないが、一応伝えておく」
「ダヴィデ殿下が?! 今回は領内の貴族を呼んだのではないのですか?!」
「殿下たっての頼みでな。彼ならお前も、拒絶せずにいられる相手だ。害はないと思って許可を出した」
そんなにしてまで私に会いたかったってこと?
うーん、前回の人生ではそこそこ仲良くしてもらったけど、執着された覚えはないしなぁ。
何があったんだろう?
****
ホールで待つエルメーテ公爵派閥の貴族たちが、一斉に入り口に目を向けた。
そこに現れたのは一人の妖精――可憐を凝縮したような清純な少女だ。
だが彼女が持つ女性的な魅力は、見ているものを打ちのめしていった。
誇張も飾りもない、彼女自身が持つポテンシャルを前面に押し出したそのドレスは、彼女以外に着こなす事などできないだろう。
赤い顔で恥ずかしそうにうつむき、アンリ公爵令息の陰に隠れる様子は実に可愛らしかった。
だがそのドレスは彼女のなまめかしさを包み隠さずさらけ出している。
雪のように白い肌が、ドレスのあちこちでささやかに顔を出している。十三歳の瑞々しい肌が、大きく開いた背中で美白を主張していた。
少女には似つかわしくないグラマラスな体型を、華奢で清純な少女が搭載している。
一歩間違えればグロテスクになりかねないそれは、絶妙なバランスで美を成立させていた。
その暴力的な魅力は、男性陣の脳髄に電撃を落としていった。
女性たちも、彼女の偽りのない身体が透けて見えてしまい、男性たちの様子を見て敗北感を感じつつも、感動すら覚えている。
生ける美術品とも称えられるアンリ公爵令息、その妹として相応しい造形美を、この少女は持っているのだ。
ホールのステージに上ったエルメーテ公爵が、大きな声で告げる。
「今夜は我が娘のために集まってくれて感謝する。
日頃の煩わしいことは忘れ、皆も今夜を大いに楽しんで欲しい。
そしてシトラスに少しでも良い思い出を作ってやってくれ」
エルメーテ公爵が合図し、楽団が演奏を再開する。
「シトラス、一曲踊ってきなさい。少しは気が紛れるだろう。
挨拶はその後で構わないよ」
「……はい、お父様」
アンリ公爵令息がエスコートし、シトラスがホールの中央に進んでいく。
そして二人は静かにワルツを踊り始めた。
妖精がくるくると踊る優美な様子は、見ている者たちの目を奪っていった。
まとっているショールやストールがたなびく様は、まるで妖精の羽のようだ。
そこには確かに、春の妖精が踊っていた。
その日の夜会は、シトラスという一人の妖精に完全に支配されていた。
****
静かにワルツを踊りながら、私はそっと周囲の様子を伺っていた。
「なんで誰も踊りに参加しないのかしら……」
アンリ兄様が微笑みながら応えてくれる。
「お前の姿に見惚れているのだろう。
ここまで全て計算ずくだとしたら、ミケレットという仕立師はとんでもない策士だ」
私はきょとんとして尋ね返す。
「どういう意味でして?」
「そうやってお前が恥ずかしがることも、ショールやストールで身を包むことも、全部読んだうえで最も見栄えがするように服をあつらえている。
シトラスが持つ魅力を最大限生かしたドレスだ、という意味だよ。
今頃母上は、心の中で大喝采だろう」
「意味は分かりませんが、親孝行になるのだとしたら耐えて見せますわ……」
「だがお前が苦手な悪意は、この会場にはないんじゃないか?
それだけでも、少しは気が楽にはならないか?」
私は周囲の空気を探っていった。
確かに、私を利用しようとする人の気配は感じられない。
「そうですわね。これなら気を失うことはないと思います。
この中から私は、婚約者候補を探していかねばならないのですね」
「無理をする必要はないさ。
友人になれれば御の字、その程度に考えればいいだろう」
私はアンリを見上げて尋ねる。
「ねぇアンリ、あなたは平気なの? 私の婚約者探しだよ?」
アンリは微笑みながら応えてくれる。
「平気なわけが無いさ。だが最も優先されるのはお前の幸福だ。
私よりもお前を幸福にできる男なら、私はそいつにお前を託すだけだ。
今までは私以外の男と触れ合う機会がほとんどなかった。それはフェアではないだろう」
私はまじまじとアンリの目を見つめる。
「本音を教えて?」
「今すぐお前を抱えて逃げて、宝箱に隠してしまいたい」
私はその表現にクスリと笑い、そっとアンリの頬を撫でた。
「そっか。でもお母様が望むことだから我慢してね」
「ああ、わかっているさ」
一曲が終わり、私たちはステージ前に居るお父様たちの元へ戻ってきた。
「良かったわよシトラス! とっても綺麗だったわ!」
アンリ兄様の言う通り、お母様は上機嫌だ。
これだけ喜んでくれるなら、今夜をやり通す気にもなれそうだ。
「さぁ、派閥の貴族たちが待ち侘びている。
挨拶を受け取りなさい」
「はい、お父様」
それからは、夜会恒例の挨拶捌きだ。
領内の貴族たちが、子供を連れて私に祝辞を送ってくれる。
彼らに悪意は感じなかったので、私は心からの微笑みでお礼を告げていった。
令嬢たちも上品に私と言葉を交わしてくれた。
だけど令息たちはちょっと空気が違った。
そこに悪意はないけれど、やはりどうしても男性としての視線が私の身体を射抜いて行く。
顔を見て赤くなり、身体を見て赤くなる――そんな男子たちばかりだ。
まぁこんなドレスだしね……身体を見るなという方が酷なのはわかるよ。
そういった事情は、里帰りの間にアンリ兄様から散々教えられたし。
「十三歳でこれほどの美貌とは、末恐ろしい令嬢ですな、シトラス様は」
そんな大人の言葉を、愛想笑いで受け流していく。
やっぱり露出が高い服で騙されてるよ……男性ってみんなそうなのかな?
お父様が厳選した貴族たちですら、そこは抗えないの?
法衣を着ていた前回の人生では、そんな言葉をかけてもらったことなんかない。
前回と今回で、私の身体に違いはないというのに。
中身は一緒なのに、服装一つでこうも反応が変わるの?
そのうち私は、挨拶に来る男の子たちの傾向がわかってきた。
顔に見惚れた後、次に胸で目が留まる。そこから先は、吸い付けられたように視線が外れない。
どうやら私のこの胸は、男子の視線を吸引してしまうらしい。
たまにお尻に吸い付けられる男子も居た。そこは好みの差なんだろう。
会話をしている私の背後からも、男性的な視線を強く感じる。
胸やお尻だけじゃなく、背中もよく見られてるみたいだ。
――そうか、世の男性ってこういうものなのか。
だんだんと達観してきて、このドレスにも慣れてきた。
もしこの中から婚約者候補を選ぶとしたら、この身体に惑わされない人がいいな。
でもアンリ兄様ですら困惑していたぐらいだから、初対面でこのドレスの洗礼を受けたら、それは無理に思えた。
つまり、今夜の夜会はお母様を喜ばせるだけで終わるのだろう。
うつむきながら、心の中でため息をついていると、次の貴族が前に出てきた。
「シトラス様、そのドレスはよくお似合いですね」
――この声は。
顔を上げると、赤くなって微笑んでいるダヴィデ殿下の顔があった。
私は涙目になってアンリ兄様を上目遣いに見つめて告げる。
「……せめて、なにか言ってくださらないかしら」
「これは……こんな姿で人前に出るのか?! だめだろう?!
――母上、これではあまりにもシトラスが可哀想すぎます!」
そうだそうだ! もっと言って!
お母様は勝ち誇った笑みでアンリ兄様に告げる。
「男女問わず、見る物を打ちのめす最高のドレスよ?
今夜の夜会に相応しいドレスだと思わない?
あなただって、見た瞬間に身動きが取れないほどの衝撃を受けたでしょう?」
アンリ兄様がたじろいで押し黙ってしまった。
……アンリ兄様?! そこで引かないでよ?!
お父様も唸りながら私のドレスを眺めていた。
「これは見事だ……お前の身長でそのドレスをそこまで着こなせるのは、お前くらいだろう。
ミケレットと言ったか。腕のいい仕立師なんだな」
腕が良くても、私への配慮を忘れる人だけどね?!
身長だってヒールでごまかしてるだけだし!
アンリ兄様が私に肘を差し出した。
私はしょんぼりしながら、その肘にしがみつく。
……せめて、このアンリ兄様の腕に隠れる!
「シトラスすまない、そんなに密着されると私がお前に魅了される。少し距離を取れないか」
「妹に魅了される兄が居てどうするのですか! 普段のスキンシップと大差ないですわよ?!」
「普段と違って……いや、もう言うまい。お前の好きにしていい。私が耐えてみせる」
アンリ兄様は気合を入れるように自分の頬を叩いていた。
いや、そこまでしなくても……
お父様が告げる。
「さぁ、ホールへ出よう。みんなが待っている。
――それと、これは言い忘れていたが、今夜はダヴィデ殿下もいらっしゃっている。
格上の聖女であるお前が気にする事ではないが、一応伝えておく」
「ダヴィデ殿下が?! 今回は領内の貴族を呼んだのではないのですか?!」
「殿下たっての頼みでな。彼ならお前も、拒絶せずにいられる相手だ。害はないと思って許可を出した」
そんなにしてまで私に会いたかったってこと?
うーん、前回の人生ではそこそこ仲良くしてもらったけど、執着された覚えはないしなぁ。
何があったんだろう?
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ホールで待つエルメーテ公爵派閥の貴族たちが、一斉に入り口に目を向けた。
そこに現れたのは一人の妖精――可憐を凝縮したような清純な少女だ。
だが彼女が持つ女性的な魅力は、見ているものを打ちのめしていった。
誇張も飾りもない、彼女自身が持つポテンシャルを前面に押し出したそのドレスは、彼女以外に着こなす事などできないだろう。
赤い顔で恥ずかしそうにうつむき、アンリ公爵令息の陰に隠れる様子は実に可愛らしかった。
だがそのドレスは彼女のなまめかしさを包み隠さずさらけ出している。
雪のように白い肌が、ドレスのあちこちでささやかに顔を出している。十三歳の瑞々しい肌が、大きく開いた背中で美白を主張していた。
少女には似つかわしくないグラマラスな体型を、華奢で清純な少女が搭載している。
一歩間違えればグロテスクになりかねないそれは、絶妙なバランスで美を成立させていた。
その暴力的な魅力は、男性陣の脳髄に電撃を落としていった。
女性たちも、彼女の偽りのない身体が透けて見えてしまい、男性たちの様子を見て敗北感を感じつつも、感動すら覚えている。
生ける美術品とも称えられるアンリ公爵令息、その妹として相応しい造形美を、この少女は持っているのだ。
ホールのステージに上ったエルメーテ公爵が、大きな声で告げる。
「今夜は我が娘のために集まってくれて感謝する。
日頃の煩わしいことは忘れ、皆も今夜を大いに楽しんで欲しい。
そしてシトラスに少しでも良い思い出を作ってやってくれ」
エルメーテ公爵が合図し、楽団が演奏を再開する。
「シトラス、一曲踊ってきなさい。少しは気が紛れるだろう。
挨拶はその後で構わないよ」
「……はい、お父様」
アンリ公爵令息がエスコートし、シトラスがホールの中央に進んでいく。
そして二人は静かにワルツを踊り始めた。
妖精がくるくると踊る優美な様子は、見ている者たちの目を奪っていった。
まとっているショールやストールがたなびく様は、まるで妖精の羽のようだ。
そこには確かに、春の妖精が踊っていた。
その日の夜会は、シトラスという一人の妖精に完全に支配されていた。
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静かにワルツを踊りながら、私はそっと周囲の様子を伺っていた。
「なんで誰も踊りに参加しないのかしら……」
アンリ兄様が微笑みながら応えてくれる。
「お前の姿に見惚れているのだろう。
ここまで全て計算ずくだとしたら、ミケレットという仕立師はとんでもない策士だ」
私はきょとんとして尋ね返す。
「どういう意味でして?」
「そうやってお前が恥ずかしがることも、ショールやストールで身を包むことも、全部読んだうえで最も見栄えがするように服をあつらえている。
シトラスが持つ魅力を最大限生かしたドレスだ、という意味だよ。
今頃母上は、心の中で大喝采だろう」
「意味は分かりませんが、親孝行になるのだとしたら耐えて見せますわ……」
「だがお前が苦手な悪意は、この会場にはないんじゃないか?
それだけでも、少しは気が楽にはならないか?」
私は周囲の空気を探っていった。
確かに、私を利用しようとする人の気配は感じられない。
「そうですわね。これなら気を失うことはないと思います。
この中から私は、婚約者候補を探していかねばならないのですね」
「無理をする必要はないさ。
友人になれれば御の字、その程度に考えればいいだろう」
私はアンリを見上げて尋ねる。
「ねぇアンリ、あなたは平気なの? 私の婚約者探しだよ?」
アンリは微笑みながら応えてくれる。
「平気なわけが無いさ。だが最も優先されるのはお前の幸福だ。
私よりもお前を幸福にできる男なら、私はそいつにお前を託すだけだ。
今までは私以外の男と触れ合う機会がほとんどなかった。それはフェアではないだろう」
私はまじまじとアンリの目を見つめる。
「本音を教えて?」
「今すぐお前を抱えて逃げて、宝箱に隠してしまいたい」
私はその表現にクスリと笑い、そっとアンリの頬を撫でた。
「そっか。でもお母様が望むことだから我慢してね」
「ああ、わかっているさ」
一曲が終わり、私たちはステージ前に居るお父様たちの元へ戻ってきた。
「良かったわよシトラス! とっても綺麗だったわ!」
アンリ兄様の言う通り、お母様は上機嫌だ。
これだけ喜んでくれるなら、今夜をやり通す気にもなれそうだ。
「さぁ、派閥の貴族たちが待ち侘びている。
挨拶を受け取りなさい」
「はい、お父様」
それからは、夜会恒例の挨拶捌きだ。
領内の貴族たちが、子供を連れて私に祝辞を送ってくれる。
彼らに悪意は感じなかったので、私は心からの微笑みでお礼を告げていった。
令嬢たちも上品に私と言葉を交わしてくれた。
だけど令息たちはちょっと空気が違った。
そこに悪意はないけれど、やはりどうしても男性としての視線が私の身体を射抜いて行く。
顔を見て赤くなり、身体を見て赤くなる――そんな男子たちばかりだ。
まぁこんなドレスだしね……身体を見るなという方が酷なのはわかるよ。
そういった事情は、里帰りの間にアンリ兄様から散々教えられたし。
「十三歳でこれほどの美貌とは、末恐ろしい令嬢ですな、シトラス様は」
そんな大人の言葉を、愛想笑いで受け流していく。
やっぱり露出が高い服で騙されてるよ……男性ってみんなそうなのかな?
お父様が厳選した貴族たちですら、そこは抗えないの?
法衣を着ていた前回の人生では、そんな言葉をかけてもらったことなんかない。
前回と今回で、私の身体に違いはないというのに。
中身は一緒なのに、服装一つでこうも反応が変わるの?
そのうち私は、挨拶に来る男の子たちの傾向がわかってきた。
顔に見惚れた後、次に胸で目が留まる。そこから先は、吸い付けられたように視線が外れない。
どうやら私のこの胸は、男子の視線を吸引してしまうらしい。
たまにお尻に吸い付けられる男子も居た。そこは好みの差なんだろう。
会話をしている私の背後からも、男性的な視線を強く感じる。
胸やお尻だけじゃなく、背中もよく見られてるみたいだ。
――そうか、世の男性ってこういうものなのか。
だんだんと達観してきて、このドレスにも慣れてきた。
もしこの中から婚約者候補を選ぶとしたら、この身体に惑わされない人がいいな。
でもアンリ兄様ですら困惑していたぐらいだから、初対面でこのドレスの洗礼を受けたら、それは無理に思えた。
つまり、今夜の夜会はお母様を喜ばせるだけで終わるのだろう。
うつむきながら、心の中でため息をついていると、次の貴族が前に出てきた。
「シトラス様、そのドレスはよくお似合いですね」
――この声は。
顔を上げると、赤くなって微笑んでいるダヴィデ殿下の顔があった。
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