睡恋―sui ren―

桜 詩

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12,一線を越えたその先 ☽

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 男女の……いわゆる愛の営み、というものは相手が変われば自分の体も違う反応を呼ぶものらしい。
こんなに、呼吸が苦しくなるほど荒く乱れたのも、感じ過ぎて肌が汗で濡れたことも、翻弄されあられもない声を、手や枕で抑えなければならなかったのも……それから、きっとあれがイクという事、それら全て初めての経験だった。

立て続けの、そんな四度目の交わり。

赤く色づいた乳房の先端はエロティックなほどに熟れて、大きく開いた脚の間には、ジョエルの屹立がフィリスの愛液でぬらりと艶を放ちながら雄々しく突いていた。

彼の体の上で淫らにくねらせ、まるでこうするのだという事を、ずっと昔から知っていたかのように彼を受け入れて腰を上下に振っていた。

「……んっ……っあっあっあっ―――――!!」
もう数え切れない程、絶頂を迎えてる。抑えることを忘れた声は、部屋に響き、恥ずかしい姿を晒しているのに止める事が出来ない。

フィリスが体を震わせ、ピクピクと震える手を、筋肉の筋のある逞しい腹部に置いていた。その手を捕らえて下からジョエルは突き上げた。

波打つ金の髪が背を覆い、汗で張り付きそして長い毛先が彼の太股を撫でた。

「っ………ああっ!………も、ダメぇっっ――――!」

仰け反らせてくったりとしたフィリスを下にすると、腰を掴み、ジョエルは突き出させたヒップを抱えてゆっくりと貫いた。

「んっ………はぁ………んんっ」
ぐちゅり、と音をさせながら昂りを呑み込むフィリスの蜜壺はずっとだらだらと愛液を流し続けている。

「凄いな、フィリス。濡れてとろとろで……吸い付いて、咥えこんで……イヤらしい」
ぐり、とジョエルが抉るように動いてフィリスは声もなく喘いだ。結合した所からはぐちゅぐちゅとかき混ぜられる度に音を立ててシーツにシミを作っていく。

「……っああ!………そ、こ……っ………」

「ここが弱いんだ」
チカチカと目の前が光るようにさえ感じる。
「やっ…………ああああぁ――――っ!」

そこを擦られてフィリスは声を上げた。

絶頂に達しているフィリスに構わずジョエルは容赦なく腰を打ち付ける。達したまま新たな絶頂に次から次へと襲われ、やがては声もなく体を震わせ頭を振り、膣内を震わせジョエルの屹立を締め付けた。

「フィリス………イクよ……」
切ない掠れ声で囁いて、ジョエルは白濁を白いヒップに向けて放った。

はあはあと、息も荒く二人はキスを交わし続けた。

腕に抱き締められ、乱れた髪を指ですかれ、深くキスをされて愛情の籠ったような行為を受けて、彼は一体を抱いてるのかと、ふとそう思った。

「わたし……少しは彼女に似てる?」

似てるのは金髪くらいだろうか、彼女の背はもう少し高いしすっきりと整った顔は可憐で愛らしさがまだまだ残っていた。

「………目が、二つで」
ジョエルは人差し指と中指の指先でなぞり
「鼻が一つ」
軽く鼻を摘まんだ。
「そして、唇が一つ………」
そう言って、顎を掴んで少しあお向けにさせると、唇を重ねた。

「そこは似てると思う」

ふふふっと思わずフィリスは笑い声を上げた。

そんな風に誤魔化すなんて、この後に及んでなんて男なんだろう。

「わたし……こんな風なの……はじめてよ」
「こんな風?」

「つまり……上になったり、獣みたいに四つん這いで受け入れたり……」
恥ずかしく小声になりつつもフィリスは言った。
「そうか、普通の夫婦はもしかしたらしないのかも知れないな」
「ジョエルは、いつも……なの?」

「さぁ……。女性と最後まで・・・・したのはこれが初めてだから」
「嘘でしょ?」

「俺はこれでも公爵家の跡取りだから。あちこちに子種を残す訳にはいかない」

「だから?その本当に………わたしがはじめてなの?」

「信じる?」
クスリと笑われて、からかわれた気持ちになる。
「どうしよう、信じないかも」
フィリスがそう言うと可笑しそうに声をあげて軽く笑う。

「これから……どうする?」
これから。
先の事なんて、知らないし考えたいとも思わない。

「どうする、って?」

「つまり。関係が変わった、これまでと」

「何も……」
フィリスは、頬を両手で挟みキスをした。
「わたしたちの間には何もないわ」

「何も?じゃあ……こうされても何もない?」
ジョエルは、フィリスの乳房を包み込み薔薇色の先端を上向かせた。
「誰も触れずにこうなる?」
フィリスは高く笑い声を上げた。

「じゃあ……なんてつけるの?この関係に……わたしは愛人にはならないわ、恋人にもなれない。それから……もちろん妻にも。だから、何もない……ただ、こうして、泣かせて。それから……温めて………それって、どんな関係かはっきりさせないとダメ?」

ジョエルは低く唸った。
「……わかった」

白い喉に唇を寄せ、ジョエルはフィリスの喉元に口づけた。さらにまた昂りそうな雰囲気がして、二人の間に手を入れ体を軽く押した。

「ジョエル……そろそろ夜明けだわ」
「分かってる。俺を追い出す?」

「ええ、もちろん。……堂々と公表するつもりは無いの」
「分かってる、もちろん」
ジョエルはベッドから降りた。熱が途端に奪われていきフィリスは引き留めたくなる気持ちを抑え込んだ。

慣れた手つきで服を身に付けると、ジョエルは扉ではなく壁の飾り柱の間に軽く手をかけた。隠し扉を使い、彼はその奥に見える通路を顕にした。
「それはどこに繋がってるの?」

「あちこちに、慣れてないと迷うからフィリスは入ったらいけないよ。じゃあおやすみ」

「おやすみなさい、ジョエル」

正直言って、くたくただった。
彼が跡形もなく姿を消すのを見て、パタリとベッドに横たわった。冬の朝は遅いというのに……カーテンからの隙間からは朝日が感じられる。

間もなく使用人たちが仕事を始める時間になるだろう。

横たわった枕のその窪みに、ジョエルの香りが残されていた。

まさか、自分が………夫でもない相手にこんなことをしてしまえるなんて……。
なのに全くと言って良いほど罪悪感の欠片もなかった。
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