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13,禁断
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社交シーズンはまだはじまったばかりで、トリクシーはとても楽しんでいる。貴族の筆頭であるウィンスレット公爵家の親族だけあり、トリクシーはなかなかの注目を集めている。
あちらこちらの夜会に誘われたりお茶会に誘われたり……。
それに付き添うフィリスもまた、忙しい日々を送っていて、次第に付き添い夫人たちとも顔馴染みが増えていく。
彼女らは噂話もそれから社交シーズンで起こっている本当の話もよくよく知っていて、付き添う令嬢の相手をあれこれと値踏みしている。
フィリスもまた、トリクシーのダンスの相手や散歩の相手、それにまだまだ早いけれど、例えばテラスに誘う相手なんかを、やはり値踏みする。
ダンスホールを見れば、ジョエルはやはり花形の独身男性で、まだまだ結婚を現実的に考えるならば若いものの、それでも成年に達した彼は若い女性たちの目を集めている。それに、彼の友人たちもやはり花形の青年たちだ。
例えば、フィリスと踊ったセスの様に。
あれから………。
何事も無かったように朝を迎え、そしてエスコート役と付き添い役として、当たり障りなく顔を合わせている。
この夜は、会場は若い未婚の男女を中心とした招待客で、それでもほぼ毎夜のように社交の場に出ている彼らは、すでにその場を過ごすことに、最初の頃のような緊張は薄れてきていて、フィリスの目で見ていても若い令嬢をダンス以外……つまり、テラスだとか、ガーデンだとか、そういうもっと親密になれる場所に誘う男性を見ることが出来る。
「あら、あの男性、また若い令嬢をテラスに」
フィリスが眉をひそめて、ミセス リゼラインに言うと
「どの男性?……ああ、彼はエドガー・シンプソンね、ちょっとばかり色男だけど……」
「シンプソンと言うと、アリンガム子爵の」
アリンガム子爵は、ほどほどに羽振りの良い家だ。
エドガーの父はアリンガム子爵家の没落の危機を、遠い異国 アスカナート国の富豪の娘と結婚することで家を救った。
彼はジョエルと比べれば何もかも劣るが、若い娘がうっとりとなるほどには、見た目が良い。
トリクシーは今は、ダルトン男爵の長男、ジェイコブ・コーエンと踊っていて、彼はまぁフィリスから見ても、どこか垢抜けない冴えない風貌の男性だ。
せめて、もう少し襟の高さを低くすれば良いのに、首が短く見えてお世辞にも素敵ではない。トリクシーはそれでも笑顔を絶やさず踊っていて、好ましい態度だった。
ほとんど付き添いの役目なんて必要ないほどトリクシーはきちんとしている。と、フィリスは肩の力を抜いた。
――――しかし……、しばらく経ってフィリスはトリクシーが、エドガーと話していて、それからまんざらでもない顔つきでテラスの方へと歩むのを見て、行動を起こす事にした。
そっと椅子をたちホールを進み、令嬢とダンスを踊っているジョエルを見つけた。
こちらを見たジョエルに扇を二度動かし、合図をした。
踊っている途中の令嬢に、丁寧に何かを話し、ジョエルはこちらに向かってきた。
「何かあった?」
「トリクシーが、テラスに。左から二つ目よ、さりげなく会場に戻して」
「テラス?」
「ええ、そう。助けてきて」
「わかった」
ジョエルは、まるで人波の間をするりと滑るように歩くと、トリクシーの消えたテラスへと向かった。それを見守りフィリスは目立たないようにまた夫人たちの席へと向かった。
少しして、トリクシーはジョエルと共に広間へと戻ってきた。
上手く言ってくれたらしく、彼女は不機嫌そうには見えずフィリスはほっとした。
ジョエルはそのまま、アボット伯爵の次男のカイル・アボットにトリクシーを会わせ、トリクシーは彼と踊り始めた。
ジョエルは少しだけフィリスの方へと視線を向けてそして唇の端を僅かに上げて問題ない事を合図した。
大事なトリクシーに何かあってからでは遅いのだ。
そしてまた、トリクシーが楽しげに声を上げて笑い、ダンスパートナーであるノエル・アーチボルトの肩を軽く触れるそぶりを見た。ノエルは外国人で、アスカナート国の裕福な家の子息。爵位などは無いものの、すらりと高い背と、闊達そうな明るい顔立ちが好ましい。
連れだってどうやら軽食を摘まみに行くらしく、フィリスは今度はそれを見送った。
「あら、良いの?彼は外国人じゃない」
「トリクシーだって分かってるはずだわ。それに、悪い人ではなさそう」
最も、自分の見る目なんて信用度が低すぎるのだけれど……。
思う存分堪能したらしいトリクシーは、帰りの馬車の中でも頬を上気させて、目がキラキラと輝いていた。
「ねぇ、そう言えば……やっぱりテラスに出るのはまだいけないって事?」
トリクシーがジョエルに尋ねた。
「フィリスの判断だ」
ジョエルがそう言うと、トリクシーはフィリスに目を向けた。
「彼は、トリクシーだけじゃなくて、その前にも何人かテラスに誘っていたの。そういう相手とテラスに出るのはあまり好ましくないと思えたわ」
「じゃあ、もし今夜他の誰かとテラスに出ていたら、止めに入らなかったかもって事?」
「その誰かによります」
誰かそういう相手がいるのだろうか?
「まだよく分からないけど、そういうのはやっぱり嫌だわ。ありがとうフィリス」
にこりとトリクシーは微笑んだ。
「それに、まだまだ結婚なんて意識していないし。やっぱりテラスはまだ早いわ」
トリクシーは一人納得して頷いた。
ウィンスレット邸に着き、トリクシーが上階に上がるとフィリスはまたジョエルと二人、家族用の居間に入った。
「トリクシーの事は、もういいとして。次は君だ」
「何?」
ジョエルは、銀の蓋を開けて葡萄を一つ摘まむとフィリスの口に当て
「食べるんだ」
逆らわせない、そんな目の力があってフィリスは唇を開きそれを食べた。
「あんな言い訳……通用すると思う?」
「言い訳?」
ジョエルはソファに座り、そして自らの膝にフィリスを座らせた。
「ここに住んでいるんだから、晩餐の度に君の分の量が少ないこともそれが残されてる事も気付かないと思ってた?」
「わざと食べないのじゃないわ」
「分かってる。それでもこの数ヵ月で見た目で分かるほど痩せてる」
ジョエルはそう言って、手を伸ばして次の粒をまた口に運ぶ。
綺麗な形の指に葡萄の露が球状に光り、フィリスの舌先は粒とそれを舐めとる。
「これ以上痩せると、抱き心地が悪くなる」
フィリスはクスクス笑って、
「またわたしを抱く予定でもあるの?」
あれきりで、終わるはずだと、そうでなくてはならない。
そう言い聞かせつつ、それを淋しく思う気持ちもあった。
例え『愛』なんてややこしく美しい心がお互いの仲を結びつけていなくても、肌の温もりも、彼のものがぴったりと体に収まる感覚とか……、熱い、怒りみたいな生々しい感触だとか。
一言で言うならば、生きている。
誰かが、フィリスを見て、そして感じてる。
それがどれだけ傷ついた心を感じさせもし、そしてたとえほんの一時でも凍えた心を熱くさせたか。
「あると言ったら?」
「どうして?」
「何もない、からだ。俺は狡い男だから、自分にとって必要な事は利用する。この前の、君とのセックスは最高だった。地位も財産も求めてこない。君は俺に、何も求めない。ただ体を繋げるだけ、そうだろ?」
彼は自分が狡いと言う。
だけど、フィリスだってそれを拒否はしない。
ジョエルに側に居て欲しい、そして翻弄されて"生"を感じさせて欲しいと、そう願う自分こそが狡いのだ。
「そんなの………」
「まだ凍えてるんだろ」
「そう、見えるの?」
社交界を楽しむ少女たち。
彼女らを見ているとそれを許されない自分が……、そんな時を失った自分が、表面上は微笑んでいるのをどこかで冷静に見ている自分が居た。それを自覚した時、より一層凍えて冷たい泥に沈み行くのを感じていた。
「……さぁ、もっと食べるんだ」
ジョエルは、泣きそうなくらい優しい手つきで背中を宥めながら、葡萄を口に運んでいく。
食べさせられる、と言うのは、何となくエロティックだとフィリスはぼんやりと、まるで媚薬でも飲んでしまったような心地で、彼の葡萄の露で濡れた指とそれから葡萄を舌で捉えそして前の歯で軽く噛み、時々吸った。
ゆっくり時間を掛けて彼の手が止まるまでフィリスは口を動かし続けた。
「それでいい」
こんな、普段は食べる事のない時間に、無理をして食べたから、潤む視界にジョエルの綺麗な顔が滲む。まるで小さな少女になったみたいに、フィリスは腕の中に収まり、暖かさに呼吸が楽になった気がした。
額に触れた唇が、柔らかくて、フィリスは彼の首に指を伸ばしそして綺麗に切り揃えた襟足の柔らかな髪の感触を愉しんだ。
代わりに、ジョエルはフィリスの耳朶の、すぐ下の首に唇を這わせて、軽く歯を当てた。
それから唇を離し、ジョエルを撫でていた手を捉えると、
「こっちだ」
と、膝から下ろしたフィリスを、ジョエルはついてくるのが当たり前みたいに、暖炉の横のにある隠し扉を開けるとその奥の通路へと導いた。
暗いその道は、ぞくぞくするほどどこか恐ろしく、ひんやりとして寒々しかった。
それはどこかは二人の関係にも似ていた。
―――そこにはぽっかりと何もない。
そして、少し先でさえ暗闇なのが。
あちらこちらの夜会に誘われたりお茶会に誘われたり……。
それに付き添うフィリスもまた、忙しい日々を送っていて、次第に付き添い夫人たちとも顔馴染みが増えていく。
彼女らは噂話もそれから社交シーズンで起こっている本当の話もよくよく知っていて、付き添う令嬢の相手をあれこれと値踏みしている。
フィリスもまた、トリクシーのダンスの相手や散歩の相手、それにまだまだ早いけれど、例えばテラスに誘う相手なんかを、やはり値踏みする。
ダンスホールを見れば、ジョエルはやはり花形の独身男性で、まだまだ結婚を現実的に考えるならば若いものの、それでも成年に達した彼は若い女性たちの目を集めている。それに、彼の友人たちもやはり花形の青年たちだ。
例えば、フィリスと踊ったセスの様に。
あれから………。
何事も無かったように朝を迎え、そしてエスコート役と付き添い役として、当たり障りなく顔を合わせている。
この夜は、会場は若い未婚の男女を中心とした招待客で、それでもほぼ毎夜のように社交の場に出ている彼らは、すでにその場を過ごすことに、最初の頃のような緊張は薄れてきていて、フィリスの目で見ていても若い令嬢をダンス以外……つまり、テラスだとか、ガーデンだとか、そういうもっと親密になれる場所に誘う男性を見ることが出来る。
「あら、あの男性、また若い令嬢をテラスに」
フィリスが眉をひそめて、ミセス リゼラインに言うと
「どの男性?……ああ、彼はエドガー・シンプソンね、ちょっとばかり色男だけど……」
「シンプソンと言うと、アリンガム子爵の」
アリンガム子爵は、ほどほどに羽振りの良い家だ。
エドガーの父はアリンガム子爵家の没落の危機を、遠い異国 アスカナート国の富豪の娘と結婚することで家を救った。
彼はジョエルと比べれば何もかも劣るが、若い娘がうっとりとなるほどには、見た目が良い。
トリクシーは今は、ダルトン男爵の長男、ジェイコブ・コーエンと踊っていて、彼はまぁフィリスから見ても、どこか垢抜けない冴えない風貌の男性だ。
せめて、もう少し襟の高さを低くすれば良いのに、首が短く見えてお世辞にも素敵ではない。トリクシーはそれでも笑顔を絶やさず踊っていて、好ましい態度だった。
ほとんど付き添いの役目なんて必要ないほどトリクシーはきちんとしている。と、フィリスは肩の力を抜いた。
――――しかし……、しばらく経ってフィリスはトリクシーが、エドガーと話していて、それからまんざらでもない顔つきでテラスの方へと歩むのを見て、行動を起こす事にした。
そっと椅子をたちホールを進み、令嬢とダンスを踊っているジョエルを見つけた。
こちらを見たジョエルに扇を二度動かし、合図をした。
踊っている途中の令嬢に、丁寧に何かを話し、ジョエルはこちらに向かってきた。
「何かあった?」
「トリクシーが、テラスに。左から二つ目よ、さりげなく会場に戻して」
「テラス?」
「ええ、そう。助けてきて」
「わかった」
ジョエルは、まるで人波の間をするりと滑るように歩くと、トリクシーの消えたテラスへと向かった。それを見守りフィリスは目立たないようにまた夫人たちの席へと向かった。
少しして、トリクシーはジョエルと共に広間へと戻ってきた。
上手く言ってくれたらしく、彼女は不機嫌そうには見えずフィリスはほっとした。
ジョエルはそのまま、アボット伯爵の次男のカイル・アボットにトリクシーを会わせ、トリクシーは彼と踊り始めた。
ジョエルは少しだけフィリスの方へと視線を向けてそして唇の端を僅かに上げて問題ない事を合図した。
大事なトリクシーに何かあってからでは遅いのだ。
そしてまた、トリクシーが楽しげに声を上げて笑い、ダンスパートナーであるノエル・アーチボルトの肩を軽く触れるそぶりを見た。ノエルは外国人で、アスカナート国の裕福な家の子息。爵位などは無いものの、すらりと高い背と、闊達そうな明るい顔立ちが好ましい。
連れだってどうやら軽食を摘まみに行くらしく、フィリスは今度はそれを見送った。
「あら、良いの?彼は外国人じゃない」
「トリクシーだって分かってるはずだわ。それに、悪い人ではなさそう」
最も、自分の見る目なんて信用度が低すぎるのだけれど……。
思う存分堪能したらしいトリクシーは、帰りの馬車の中でも頬を上気させて、目がキラキラと輝いていた。
「ねぇ、そう言えば……やっぱりテラスに出るのはまだいけないって事?」
トリクシーがジョエルに尋ねた。
「フィリスの判断だ」
ジョエルがそう言うと、トリクシーはフィリスに目を向けた。
「彼は、トリクシーだけじゃなくて、その前にも何人かテラスに誘っていたの。そういう相手とテラスに出るのはあまり好ましくないと思えたわ」
「じゃあ、もし今夜他の誰かとテラスに出ていたら、止めに入らなかったかもって事?」
「その誰かによります」
誰かそういう相手がいるのだろうか?
「まだよく分からないけど、そういうのはやっぱり嫌だわ。ありがとうフィリス」
にこりとトリクシーは微笑んだ。
「それに、まだまだ結婚なんて意識していないし。やっぱりテラスはまだ早いわ」
トリクシーは一人納得して頷いた。
ウィンスレット邸に着き、トリクシーが上階に上がるとフィリスはまたジョエルと二人、家族用の居間に入った。
「トリクシーの事は、もういいとして。次は君だ」
「何?」
ジョエルは、銀の蓋を開けて葡萄を一つ摘まむとフィリスの口に当て
「食べるんだ」
逆らわせない、そんな目の力があってフィリスは唇を開きそれを食べた。
「あんな言い訳……通用すると思う?」
「言い訳?」
ジョエルはソファに座り、そして自らの膝にフィリスを座らせた。
「ここに住んでいるんだから、晩餐の度に君の分の量が少ないこともそれが残されてる事も気付かないと思ってた?」
「わざと食べないのじゃないわ」
「分かってる。それでもこの数ヵ月で見た目で分かるほど痩せてる」
ジョエルはそう言って、手を伸ばして次の粒をまた口に運ぶ。
綺麗な形の指に葡萄の露が球状に光り、フィリスの舌先は粒とそれを舐めとる。
「これ以上痩せると、抱き心地が悪くなる」
フィリスはクスクス笑って、
「またわたしを抱く予定でもあるの?」
あれきりで、終わるはずだと、そうでなくてはならない。
そう言い聞かせつつ、それを淋しく思う気持ちもあった。
例え『愛』なんてややこしく美しい心がお互いの仲を結びつけていなくても、肌の温もりも、彼のものがぴったりと体に収まる感覚とか……、熱い、怒りみたいな生々しい感触だとか。
一言で言うならば、生きている。
誰かが、フィリスを見て、そして感じてる。
それがどれだけ傷ついた心を感じさせもし、そしてたとえほんの一時でも凍えた心を熱くさせたか。
「あると言ったら?」
「どうして?」
「何もない、からだ。俺は狡い男だから、自分にとって必要な事は利用する。この前の、君とのセックスは最高だった。地位も財産も求めてこない。君は俺に、何も求めない。ただ体を繋げるだけ、そうだろ?」
彼は自分が狡いと言う。
だけど、フィリスだってそれを拒否はしない。
ジョエルに側に居て欲しい、そして翻弄されて"生"を感じさせて欲しいと、そう願う自分こそが狡いのだ。
「そんなの………」
「まだ凍えてるんだろ」
「そう、見えるの?」
社交界を楽しむ少女たち。
彼女らを見ているとそれを許されない自分が……、そんな時を失った自分が、表面上は微笑んでいるのをどこかで冷静に見ている自分が居た。それを自覚した時、より一層凍えて冷たい泥に沈み行くのを感じていた。
「……さぁ、もっと食べるんだ」
ジョエルは、泣きそうなくらい優しい手つきで背中を宥めながら、葡萄を口に運んでいく。
食べさせられる、と言うのは、何となくエロティックだとフィリスはぼんやりと、まるで媚薬でも飲んでしまったような心地で、彼の葡萄の露で濡れた指とそれから葡萄を舌で捉えそして前の歯で軽く噛み、時々吸った。
ゆっくり時間を掛けて彼の手が止まるまでフィリスは口を動かし続けた。
「それでいい」
こんな、普段は食べる事のない時間に、無理をして食べたから、潤む視界にジョエルの綺麗な顔が滲む。まるで小さな少女になったみたいに、フィリスは腕の中に収まり、暖かさに呼吸が楽になった気がした。
額に触れた唇が、柔らかくて、フィリスは彼の首に指を伸ばしそして綺麗に切り揃えた襟足の柔らかな髪の感触を愉しんだ。
代わりに、ジョエルはフィリスの耳朶の、すぐ下の首に唇を這わせて、軽く歯を当てた。
それから唇を離し、ジョエルを撫でていた手を捉えると、
「こっちだ」
と、膝から下ろしたフィリスを、ジョエルはついてくるのが当たり前みたいに、暖炉の横のにある隠し扉を開けるとその奥の通路へと導いた。
暗いその道は、ぞくぞくするほどどこか恐ろしく、ひんやりとして寒々しかった。
それはどこかは二人の関係にも似ていた。
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