睡恋―sui ren―

桜 詩

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17, 危険な情事 (☽)

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 ソールズベリ侯爵が迎えに来ると連絡があって、フィリスは部屋でデイドレスに着替えそして、髪をメイドに整えてもらっていた。

用意されたのはまるで、心から楽しみにしているかのように見える、最新のファッション。
瞳と同じ、薄いラベンダー色のドレスに、ゆるめに結った髪。落ち着いた繊細なデザインは、フィリスを清楚な貴婦人に見せていた。

 あとは帽子と手袋という所でノックがして、どうぞと声をかけると現れたのは執事や従僕ではなくてジョエルだった事に驚く。
「ソールズベリが迎えに来た。………あとは帽子と手袋か、下がっていい」
「はい、ジョエルさま」
メイドはにっこりと笑うと、帽子と手袋をドレッサーに整えて置いて一礼すると出ていった。

「今日は、新しいドレスなんだな。瞳の色と合わせたんだな。よく似合ってるし、それにとても清楚な夫人に見える」
フィリスは椅子から立ちあがり、帽子を手にした。姿見の鏡を見ようと向いた所で、ジョエルにその鏡に押し付けられる。
扉は閉じられ、二人きりだった。

「めかし込むほど、ソールズベリと出掛けるのが、楽しみなのか?」
低い、小さな声だがしっかりと耳に届く。
「そんな訳ないわ」

「脚を開いて、フィリス」
一瞬何を言われているのか分からなかった。
「え?なに、言ってるの?」

「開け」
低く響く声は、命令に慣れた口調で、それと共に、後ろから靴の間を爪先で開くように促され、鏡に手をついてヒップを突き出すようにして太股を大きく開いた。
何が起こるかわからず、フィリスは鼓動が跳ね回り、息が苦しくなった。

「……質問があるのは俺の方だ。今朝まで、誰の物を蜜壺なかに受け入れていた? 何回身体を犯され、声が掠れるほど喘いで、数えきれないくらいイって、白濁で汚された?……その余韻も消えないうちに、別の男と浮かれて出掛ける気分を是非とも教えてもらいたいものだな」
ドレスの裾が捲られ、ジョエルの手が布越しにフィリスの花弁に触れた。
「や………めて」

「やめて?」
クスリとジョエルが笑う。
「俺は君のここがどんな風か知ってる。……分かってるんだろ?もう、濡れているって」
布越しに蜜口を弄られ、くちっと音が鳴る。
「やっ………」

「イヤ?鏡を見てみろ。これが嫌がってる顔か?今にも腰を振って俺のぺニスを咥えたいってそんな顔だ」
目の前には目を潤ませ恍惚となる自分の顔だった。
そして捲られたドレスから伸びる脚がふるふると震えている。

「今が夜だったら、このお気に入りの体勢で挿入いれてほしいと懇願してるだろうな」

「…っ………ほんとに………だめっぇ………」

下着の隙間から滑り込んだ指がくちゅくちゅと水音をさせて次第に早く蜜壺の中を擦る。それに合わせて腰が揺れる。

「少し安心した。―――夜の君は朝日と共に消えているのかと思った………清純に見せていても、昼のフィリスもやっぱり淫らなんだな」

「っあ………っはぁ…………ん、………っや、  ――あぁ………」

「もうこんなに早くイキそうになってる」

昨夜の、名残の残るフィリスの体は、弱い所を知り尽くしてる彼の指で、絶頂の一歩手前まで導かれた。そして、その手前で、ちゅぽっと蜜壺が物欲しげな音を立て、彼の指は抜かれてしまった。
「……っ………やっ……あ…」

もっと、と言いそうになり、そして鏡越しに彼の目と目が合う。
指を引き抜いたジョエルは濡れた指を唇からちろりと出した舌で、赤いそれを滑らせながら舐めとる。その姿が酷くエロティックで、それだけで、今にも膝が崩れ落ち、続きを懇願してしまいそうだった。

向かい合わせに立たせたフィリスに帽子を被らせ、そして顎の下でリボンを結ぶ。

「下着が、溢れたものでぐっしょりだ」
ジョエルの小さな掠れた囁きに、フィリスは思わず息を大きくして、コルセットで持ち上げられたふっくらとした胸が呼応して上下した。

「ソールズベリと一緒にいる間中、今日の夜を。さっきの続きを………俺にイかされる事を考えていればいい」
「何を言うの………」

「ソールズベリは二人乗りの馬車で来ている。座れば、フィリスの蜜壺なかから溢れた物で、座席を濡らしてしまうかもしれない。隣に座るソールズベリはもしかしたら、気づくかな?」

そう言われた瞬間子宮がきゅんっと反応し、とろりと溢れる感触がした。それを紛らわすのに太股をきつく閉じた。彼の言うように下着がぬるぬると花弁に貼りつき、まとわりつく。

「そんな顔をしてると、ソールズベリは君が自分に惚れていると勘違いするかも知れない。いつものように心がけるべきだ」

ジョエルに手袋を手渡され、それをフィリスは息を整えながら着ける。
「今のその装いをみると、数時間前までその手袋みたいに俺をぴったり中に迎え入れて喘いでたとはとても思えないが。ただその、薔薇色の頬と潤んだ瞳は違う」

「ジョエル、一体どういうつもりなの?」
「俺は…………そうだな、狡いだけじゃなく、どうやら悪い男でもあるようだ。君が浮き浮きと着飾って男と会うのに、何もせずに送り出せるほど高潔じゃないらしい」

フィリスは彼もまた、手袋をするのを見た。
確かに、ぴったりと手を包む様は………。そんな風に一度でも言われると、想像してしまう物なのだ。
彼のその綺麗な形の指………。
それをフィリスは口腔へ、そして中へ、受け入れた。

「あ………しかし、これから出掛けるも女に触れてきたと気づかれそうだ。………君の匂いに。少し触っただけで、この手をぐっしょり濡らしてしまったから。大抵の男は………この匂いに敏感だから」

口調を高位の貴族らしく改めたジョエルは、フィリスをエスコートして歩き出した。匂い、と言われてかっと頬が熱くなる。

「あなたって……残酷だわ……。愛してもいないくせに、まるで嫉妬してるかのように振る舞うなんて」
「でも……君はそれが、嫌じゃない。めちゃくちゃにされたいんだろ?―――私に――」

冷たいような完璧な微笑みが、またフィリスの体を反応させた。
「だから、今も反応してる」
「…………っ!」

「何もない関係だとしても………君は私のものだ。他の男に身も心も許すな、いいね?」

高慢に囁くジョエルは、畏れを感じてしまうほどで、それは侯爵の名に相応しかった。
「返事をするんだ」

「分かったわ、侯爵閣下」

妻でも愛人でもない相手にも、彼は所有欲があるらしい。
何せ、裕福な人ほど我が儘でそれが許され、そして手に入らない物など殆ど無いのだから。

だから、この国でも最も裕福といっていい家柄の彼はそれが許され、そしてとてつもなく似合う。例えボロを着ていたって、余人を従えさせてしまうかも知れない。

「ソールズベリは、あくまでも紳士だと思うが、……それでも気をつけるんだ。何せ今日は、……反応するかも知れないから」

階段を降り、玄関ホールへ行くとルナとソールズベリが待っていた。

「フィリス、とても素敵だわ」
ルナがにっこりと微笑むと、ソールズベリも頷いた。
「ええ、そうですね。今日はご一緒出来るのが本当に楽しみです。――――では行きましょうか」
ソールズベリが、手を差し出した。

「いくら彼女が魅力的でも、紳士らしく頼むよ、ソールズベリ」
腕にかけたフィリスの手を取り、ソールズベリ侯爵の手に預けながらジョエルはそう告げた。

「もちろん、君の従姉妹に無礼な振る舞いはしないと誓うよ、シルヴェストル」
「期待してる」

「では、行ってきます」

フィリスは彼と並んで歩き出した。

外にある馬車が、座席の高い軽量馬車で彼の手を間近で借りないといけない事に体が緊張してしまう。

―――座れば………フィリスの蜜壺なかから溢れた物で………

それが思い出された瞬間、まるで壊れたみたいに愛液が溢れ下着を濡らした。

(…………本当に………座席が………)

ソールズベリが馬車を御して、出発する。

馬車の揺れが………濡れたそこを布擦れで刺激して、忘れさせてくれない………。

(なんてひとなの)

「………へは、行ったことがありますか?」
問われてはっとした。
きっと、これから向かう美術館の事だろう。と憶測をたてる。
「いえ………。王都へ来たのは今シーズンが初めてですから」

「では、じっくりと楽しまなくてはなりませんね」
穏やかな口調の彼は、どこかブライアンと似ている。

それでも………、気取られまいとしているフィリスは、その事に思い巡らす事なんてとても出来なかった。
ジョエルの言うとおり………。

彼の術中に嵌まり、そして囚われ、人知れずもがく。

馬車が着き、彼が先に降りた事にホッとする………立ち上がった座席を、確かめたくて仕方ない。それでも、見ることを我慢して彼の手を借りて降りる。

立ち上がった瞬間、イかせてもらえなかった疼きの名残がまた下着を濡らした。

切ない息が出てしまいそうで、息を止めて堪える。

「どうかしましたか?………ああ、降りるには確かに高いですから、でも、ちゃんと支えています」
身体を固くしながらも手とウエストを彼に預け、フィリスは馬車を降りた。
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