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43,父親と息子 (Joel)
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ジョエルはウィンスレットの領地から少し離れた、普段は誰も住んでいない小さな邸宅で、リヴィングストン子爵 スターリング・ザヴィアーと向かい合っていた。
「――――――――そうですか、上手く行って良かった」
ヴィヴァースの領地でのフィリスの様子を聞き、ジョエルは軽く安堵の息を吐いた。
「力を貸してくださったお陰で、全てが早く終わりました」
にこりとスターリングは微笑んだ。
フィリスからブライアンへの報復を、リヴィングストン子爵に頼んだと聞いたジョエルは、何か手伝える事は無いかと尋ねたのだ。
それで、ブライアンが付けで買い物していたので、全てを請求させ、支払いを迫らせた。そしてその役目を金貸し屋の少しばかり柄の悪い所に手を回してついでに利子分をも回収させた。
オールシーズンを王都のタウンハウスを借りるなど、今時高額になりすぎる。邸の賃料は言うまでもなく、体裁を整える為の使用人たちの給料に、彼らの食事、衣服、そして邸の維持費だ。
これまではフィリスが、ヴィヴァースの内情を理解して、一家揃って王都へは出てこなかったのだろうが、新妻は違ったらしい。
「久しぶりの晴れ晴れとした、娘の表情を見た気がしました」
「それは安心出来ましたね」
「こんなことを、聞くのはどうかと思いますが、どうして力を貸す気になったのですか?」
「多分……子爵の想像の通りです」
「成る程……。しかしこれは、厄介な」
スターリングは軽く眉を寄せた。
「はい、厄介な事がもちろんあります。それでも、私は無理だとは思わない……その証拠に、彼女は全てに対して前を向こうとしている」
「シルヴェストル侯爵、あれは自慢の娘です。どこに出しても恥ずかしくない……しかし、それでもあの子を取り巻く現状は、厳しいと言わざるを得ない。貴方はその理由がよくお分かりのはずだ」
スターリングは淡々と言った。
「そんな事は私にとっては問題ない。ただ、後は彼女の気持ちだけです」
「果たして、そう言い切れますか?こう言っては何だが……不釣り合いな関係ではないですか?」
笑みのない表情は冷ややかで、感情がまるで感じられなくなる。
「見くびらないで下さい、子爵。私の目に狂いはないはずだ、貴方のご令嬢は賢く美しい、そしてれっきとした淑女だ。……私には彼女が、誂えたかのようにしっくりと合うと」
「困ったな……。貴方のような手強い方が、どうして娘と出会ったか」
「だからこそ……。彼女は簡単ではない女性だ。だからこそ、私しか無理だと、そうは思われませんか?」
ジョエルは笑みを浮かべた。
そうすると、スターリングは冷ややかな表情を少しだけ緩めた。
「では、お手並み拝見といきましょうか……。応援はしませんが、邪魔もしません。娘に恨まれたくはありませんからね」
「貴方が選んだ操り易そうな男が……それゆえにか、あちこちが緩い男だった。それで大失敗されたのですから、ここは黙って見ていて下さい」
「……本当に厄介だ……」
スターリングは苦笑した。
ジョエルは涼しい顔で薄く笑みを向けた。
****
ジョエルは、ウィンスレットに帰るとスターリングとはまた違う、緊張させられる男と対面することになった。
「やぁ、ジョエル。出掛けていたんだな」
居間に入った瞬間に、ジョエルは背筋が伸びる気がした。
「父上、お久しぶりです」
一人掛けの椅子に座り、悠然と寛ぐ姿は貫禄があり部屋の空気を変えてしまっていた。彼の名はライアン・ウィンスレット、ジョエルの父親だった。老年に差し掛かったものの、まだまだ覇気のある体つきとそれから、渋味を増した顔立ちは大人の男の魅力がある。
そして、彼はジョエルと似ていた。いや、ジョエルが彼に似ているのだ。それ故にいつも緊張してしまうのだ……考えをいつも読まれている、というのは気分が良くない。
「母上は一緒では無いのですか?」
いつもなら一対のように側にいる母のエレナがいない。
「ああ、エレナは今アデラの姪に会いに行ってる」
アデラの姪……。と、一瞬考えて息を止めた。
そして、しまった、やられた。と思った。最初から先手を取られたジョエルは、もはやライアンのペースにのまれていた。
「まぁ、座れ」
ジョエルは諦めて、ライアンのすぐ近くのソファに座った。
「何か報告をすることは無いのか?」
「何も……、今言える事はありません。ですが、その様子だと聞くまでも無いのでは?」
「まぁ、そう言うな。親としては、息子の口から直接聞きたいものだ」
ジョエルは、ライアンがどこまでどう知っているのか、どうすれば良いか考えを巡らせた。
「あれか……カフス」
いつの間にかジョエルの元へと戻っていたカフスボタン。フィリスの部屋にあったそれは、ジョエルが夜そこに居たという証だった。
「ずいぶん長い耳か、千里眼をお持ちな様で」
「そうカリカリするんじゃない。皆お前たちを心配しているんだ……。あれほど足繁く通っていれば、お前が本気だということは分かる、彼女への気遣いの仕方もな」
少なくともスマイスは知っている、そしてウェンディ、それから他の誰かか……。しかし、ライアンに耳打ちしたのはきっと執事だろう。
「ジョエルはなかなか、女性を見る目がある」
言葉通りに受け取って良いのかそれとも、嫌みなのか、あまりにも自然な口調なので判りづらい。
「そうですか」
淡々とジョエルは返事をした。
「前の夫の邸を買い上げたそうじゃないか。なかなか気概があっていい……もちろん、このまま別れるつもりでは無いんだろうな?」
「やけに情報が早いですね」
「より多くの事を知るものの方が、勝つが道理。必要な事だ……そして、先を読むことも。ジョエル、お前はこの貴族社会がいつまで続くと思う?」
ジョエルはライアンの言葉に思うことを口にした。
「自分の代はともかく、私の子供の代までは……分かりません」
周りを見れば、没落の危機にある家はちらほらと見えている。
そして、新しく力を持つ家も出現している。
フィリスの実家のリヴィングストン家のように……。
「つまりは、お前が爵位を継ぐ頃には……この国の在り方はがらりと変わっているかも知れないということだ。その変化の先頭集団にいる一人が、リヴィングストン子爵だ……。そういう意味での、見る目がある、だ」
「つまりは、彼女と結婚しろと?」
ジョエルは意外な気持ちでライアンを見つめた。
「反対されると思っていたのか?」
クスリとライアンは笑った。
「むしろ、逆だ。彼女でもそうでなくても、ジョエルが好きな相手を選ぶといい。私がそうしたからだ」
ライアンは立ちあがり、紅茶を注ぐとそれを持って座った。
「少しくらい、変わった相手の方が人生が盛り上がる。お手本みたいなご令嬢と結婚するなら、お前はきっと物足りなくなるだろう」
一口飲んで、カップを置くと
「……うちの領地は広大だそして成すべき事も膨大だ。これからきっと大きく変化するだろう、生き物である時流を読み、うまく乗り切るには……きっとリヴィングストンの考えを受け継ぐ、そんな相手がいれば安心出来るのじゃないか?」
「跡継ぎの事は気にしなくても、いいんですね?」
「なぁ、ジョエル。継ぐ家が無くなれば、そこに跡継ぎが必要か?」
ライアンは微笑んでいる。
「どうにでもなる。いざとなれば、な」
その答えを聞いて、やはり似た者親子だと苦笑した。
「ただ、彼女の方にエレナを行かせたのは……マリアンナ・ウェルズからの助言があっての事だ」
「助言とはなんですか?」
なるほど、ベルナルドの礼とやらがライアンの方へと行ったわけだ。
「女性の事は、女性に任せた方がいい。それでエレナを向こうに、クリスマスにここへ招待するついでに」
「招待?」
「会っておきたい、是非にも」
ニヤリと笑った顔が、本当に悪い笑みだった。
「一筋縄ではいかなさそうだが、そこを上手くその気にさせるのが、男としてのプライドの見せ所だろう。いい結果を期待している」
「一筋縄でいかないと、なぜ?」
「なぜか?と。それはまだ、親には何の報告もない、そして彼女はここを去り、リヴィングストンへと帰った。しかし、どちらも暗い顔はしていない。つまるところは……別れてもいないが、まだこの先どうなるかは、二人次第」
ジョエルはため息をついて立ちあがり、同じように紅茶を淹れた。
「喰えない親父め」
ボソッとジョエルは呟いた。
「ああ、そうだ。フェリクスには何も言ってはいない。預かっていた大切な令嬢に、信頼してるはずの弟が手を出していたと知ったら、熱と蕁麻疹でも出してぶっ倒れるんじゃないか?潔癖だから」
「わかってます」
「父親がこれで、弟がこうだからあいつも苦労するな」
ライアンは、最後の紅茶を飲み干した。
「全くです……」
ジョエルもまた、飲み干した。
そのちょっとした仕草が、そっくりでジョエルは顔をしかめた。
「――――――――そうですか、上手く行って良かった」
ヴィヴァースの領地でのフィリスの様子を聞き、ジョエルは軽く安堵の息を吐いた。
「力を貸してくださったお陰で、全てが早く終わりました」
にこりとスターリングは微笑んだ。
フィリスからブライアンへの報復を、リヴィングストン子爵に頼んだと聞いたジョエルは、何か手伝える事は無いかと尋ねたのだ。
それで、ブライアンが付けで買い物していたので、全てを請求させ、支払いを迫らせた。そしてその役目を金貸し屋の少しばかり柄の悪い所に手を回してついでに利子分をも回収させた。
オールシーズンを王都のタウンハウスを借りるなど、今時高額になりすぎる。邸の賃料は言うまでもなく、体裁を整える為の使用人たちの給料に、彼らの食事、衣服、そして邸の維持費だ。
これまではフィリスが、ヴィヴァースの内情を理解して、一家揃って王都へは出てこなかったのだろうが、新妻は違ったらしい。
「久しぶりの晴れ晴れとした、娘の表情を見た気がしました」
「それは安心出来ましたね」
「こんなことを、聞くのはどうかと思いますが、どうして力を貸す気になったのですか?」
「多分……子爵の想像の通りです」
「成る程……。しかしこれは、厄介な」
スターリングは軽く眉を寄せた。
「はい、厄介な事がもちろんあります。それでも、私は無理だとは思わない……その証拠に、彼女は全てに対して前を向こうとしている」
「シルヴェストル侯爵、あれは自慢の娘です。どこに出しても恥ずかしくない……しかし、それでもあの子を取り巻く現状は、厳しいと言わざるを得ない。貴方はその理由がよくお分かりのはずだ」
スターリングは淡々と言った。
「そんな事は私にとっては問題ない。ただ、後は彼女の気持ちだけです」
「果たして、そう言い切れますか?こう言っては何だが……不釣り合いな関係ではないですか?」
笑みのない表情は冷ややかで、感情がまるで感じられなくなる。
「見くびらないで下さい、子爵。私の目に狂いはないはずだ、貴方のご令嬢は賢く美しい、そしてれっきとした淑女だ。……私には彼女が、誂えたかのようにしっくりと合うと」
「困ったな……。貴方のような手強い方が、どうして娘と出会ったか」
「だからこそ……。彼女は簡単ではない女性だ。だからこそ、私しか無理だと、そうは思われませんか?」
ジョエルは笑みを浮かべた。
そうすると、スターリングは冷ややかな表情を少しだけ緩めた。
「では、お手並み拝見といきましょうか……。応援はしませんが、邪魔もしません。娘に恨まれたくはありませんからね」
「貴方が選んだ操り易そうな男が……それゆえにか、あちこちが緩い男だった。それで大失敗されたのですから、ここは黙って見ていて下さい」
「……本当に厄介だ……」
スターリングは苦笑した。
ジョエルは涼しい顔で薄く笑みを向けた。
****
ジョエルは、ウィンスレットに帰るとスターリングとはまた違う、緊張させられる男と対面することになった。
「やぁ、ジョエル。出掛けていたんだな」
居間に入った瞬間に、ジョエルは背筋が伸びる気がした。
「父上、お久しぶりです」
一人掛けの椅子に座り、悠然と寛ぐ姿は貫禄があり部屋の空気を変えてしまっていた。彼の名はライアン・ウィンスレット、ジョエルの父親だった。老年に差し掛かったものの、まだまだ覇気のある体つきとそれから、渋味を増した顔立ちは大人の男の魅力がある。
そして、彼はジョエルと似ていた。いや、ジョエルが彼に似ているのだ。それ故にいつも緊張してしまうのだ……考えをいつも読まれている、というのは気分が良くない。
「母上は一緒では無いのですか?」
いつもなら一対のように側にいる母のエレナがいない。
「ああ、エレナは今アデラの姪に会いに行ってる」
アデラの姪……。と、一瞬考えて息を止めた。
そして、しまった、やられた。と思った。最初から先手を取られたジョエルは、もはやライアンのペースにのまれていた。
「まぁ、座れ」
ジョエルは諦めて、ライアンのすぐ近くのソファに座った。
「何か報告をすることは無いのか?」
「何も……、今言える事はありません。ですが、その様子だと聞くまでも無いのでは?」
「まぁ、そう言うな。親としては、息子の口から直接聞きたいものだ」
ジョエルは、ライアンがどこまでどう知っているのか、どうすれば良いか考えを巡らせた。
「あれか……カフス」
いつの間にかジョエルの元へと戻っていたカフスボタン。フィリスの部屋にあったそれは、ジョエルが夜そこに居たという証だった。
「ずいぶん長い耳か、千里眼をお持ちな様で」
「そうカリカリするんじゃない。皆お前たちを心配しているんだ……。あれほど足繁く通っていれば、お前が本気だということは分かる、彼女への気遣いの仕方もな」
少なくともスマイスは知っている、そしてウェンディ、それから他の誰かか……。しかし、ライアンに耳打ちしたのはきっと執事だろう。
「ジョエルはなかなか、女性を見る目がある」
言葉通りに受け取って良いのかそれとも、嫌みなのか、あまりにも自然な口調なので判りづらい。
「そうですか」
淡々とジョエルは返事をした。
「前の夫の邸を買い上げたそうじゃないか。なかなか気概があっていい……もちろん、このまま別れるつもりでは無いんだろうな?」
「やけに情報が早いですね」
「より多くの事を知るものの方が、勝つが道理。必要な事だ……そして、先を読むことも。ジョエル、お前はこの貴族社会がいつまで続くと思う?」
ジョエルはライアンの言葉に思うことを口にした。
「自分の代はともかく、私の子供の代までは……分かりません」
周りを見れば、没落の危機にある家はちらほらと見えている。
そして、新しく力を持つ家も出現している。
フィリスの実家のリヴィングストン家のように……。
「つまりは、お前が爵位を継ぐ頃には……この国の在り方はがらりと変わっているかも知れないということだ。その変化の先頭集団にいる一人が、リヴィングストン子爵だ……。そういう意味での、見る目がある、だ」
「つまりは、彼女と結婚しろと?」
ジョエルは意外な気持ちでライアンを見つめた。
「反対されると思っていたのか?」
クスリとライアンは笑った。
「むしろ、逆だ。彼女でもそうでなくても、ジョエルが好きな相手を選ぶといい。私がそうしたからだ」
ライアンは立ちあがり、紅茶を注ぐとそれを持って座った。
「少しくらい、変わった相手の方が人生が盛り上がる。お手本みたいなご令嬢と結婚するなら、お前はきっと物足りなくなるだろう」
一口飲んで、カップを置くと
「……うちの領地は広大だそして成すべき事も膨大だ。これからきっと大きく変化するだろう、生き物である時流を読み、うまく乗り切るには……きっとリヴィングストンの考えを受け継ぐ、そんな相手がいれば安心出来るのじゃないか?」
「跡継ぎの事は気にしなくても、いいんですね?」
「なぁ、ジョエル。継ぐ家が無くなれば、そこに跡継ぎが必要か?」
ライアンは微笑んでいる。
「どうにでもなる。いざとなれば、な」
その答えを聞いて、やはり似た者親子だと苦笑した。
「ただ、彼女の方にエレナを行かせたのは……マリアンナ・ウェルズからの助言があっての事だ」
「助言とはなんですか?」
なるほど、ベルナルドの礼とやらがライアンの方へと行ったわけだ。
「女性の事は、女性に任せた方がいい。それでエレナを向こうに、クリスマスにここへ招待するついでに」
「招待?」
「会っておきたい、是非にも」
ニヤリと笑った顔が、本当に悪い笑みだった。
「一筋縄ではいかなさそうだが、そこを上手くその気にさせるのが、男としてのプライドの見せ所だろう。いい結果を期待している」
「一筋縄でいかないと、なぜ?」
「なぜか?と。それはまだ、親には何の報告もない、そして彼女はここを去り、リヴィングストンへと帰った。しかし、どちらも暗い顔はしていない。つまるところは……別れてもいないが、まだこの先どうなるかは、二人次第」
ジョエルはため息をついて立ちあがり、同じように紅茶を淹れた。
「喰えない親父め」
ボソッとジョエルは呟いた。
「ああ、そうだ。フェリクスには何も言ってはいない。預かっていた大切な令嬢に、信頼してるはずの弟が手を出していたと知ったら、熱と蕁麻疹でも出してぶっ倒れるんじゃないか?潔癖だから」
「わかってます」
「父親がこれで、弟がこうだからあいつも苦労するな」
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