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54, 澄みわたる朝の空
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翌朝自分のベッドにはもちろんフィリス自身と、ジョエルの姿があり目覚めたフィリスを驚かせた。
「ジョエル!朝……………!!」
軽く欠伸をしながら起きたジョエルは、薄く開いたカーテンから零れる光を浴びて、まるで罪深いアドニスみたいな姿をさらしていた。
ジョエルは光のせいで、肌が輝いていて見える見事な裸体のままベッドに身体を起こすと、フィリスにキスをした。
「おはよう、いい朝だな」
「もうすぐ、執事とメイドがここへ来るわ」
「そうか、じゃあ朝食の後に馬車を呼んでもらう事にしよう」
あっさりと言うと、シワになったシャツとそれからズボンを履くとベッドから離れて水差しから水をグラスに注ぎゆっくりと飲み干した。
「わたしたちでも、まだ何も……」
各家に報告もまだだし、告知も何もした訳じゃない。
「大丈夫だよ。気にしないって……言ってもするよな」
ジョエルはベッドのフィリスに近づくと、
「帰る時はみんなが使うような貸し馬車を使う。ここはアパートメントだし、住んでいるのは君だけじゃない。万が一噂になる頃には、めでたく夫婦になっているだろう?」
何だか上手く丸め込まれた気分だった。
「フィリスは俺を暗闇に追い出して、歩いて帰れと言うつもりだった?」
「そんな事は言えないわ」
「だったら、こうするしか無かっただろ?」
フィリスは、ネグリジェとガウンを羽織り落としたままだったドレスやコルセットを拾い上げて椅子の上に無造作に置いた。
例えば、家の大切な物を壊してしまって、両親になんて説明をしたら良いのかと考えている時の様な落ち着かない心境に似てる。
そうこうしていると、物音がしてローマンとキカが来たと分かった。
「お目覚めでしたか………」
と、キカの目がジョエルに止まりさっと室内を巡ったのが分かった。
「キカ、今朝はシルヴェストル侯爵もご一緒に朝食よ。ローマンをこちらの部屋の方へ」
フィリスはドレッサーの前に座り、乱れた髪にブラシを通した。
「はい、フィリス様。すぐに伝えて参ります」
ローマンにはジョエルの世話を頼むつもりだった。今朝の着替えを用意してもらわないといけない。
キカが出ていって、少しするとローマンがジョエルの着替えを持って入ってきた。
「失礼します、フィリス様、侯爵様。お着替えをお持ちしました」
何故かローマンの手にはきちんと着替えがあり、フィリスを驚かせた。
何だろう、フィリスが知らない内にみんな魔法でも使えてしまってるのだろうか?
隣の部屋へローマンと共に身支度に行ったジョエルを見送り、フィリスはキカに話しかけた。隣の部屋には支度部屋があり、男性が好みそうな部屋があったのだ。
「驚かせたわよね」
「少しは。ですが、こういう事は………あまり、珍しくもありませんから」
キカは小さく微笑んだ。
「そうなの………確かに、家の秘密をあなた達はよく知ってるものね」
「こんな事を言うと、失礼に当たるかも知れませんが……互いに独身でいらっしゃいますし、気にされる事はございませんよ。近頃は婚前に、というご夫婦も珍しくはありませんし」
「婚前って……」
「立派な指輪が、テーブルにございましたので」
キカはにこりと微笑んだ。振り向いたテーブルには確かに昨夜外したものがちょこんと乗っていた。ちょこんとしている割には、きっと恐ろしい値段だとは思うけれど……。
デイドレスは淡いピンクと落ち着いたスモーキーグリーンのデザインで、可愛らしさの中にも大人っぽさもあるものだった。
「………そうよね、わたしも未婚のまっさらな令嬢ではないのだし」
手際よく髪を整えていくキカは、流行りのスタイルに仕上げるのが上手く、フィリスは読んだ雑誌をキカに渡すとそこからすぐに取り入れてしまうのだ。
「出来ました、いかがですか?」
「ありがとう、とてもいいわ」
ふんわりとした緩い纏め髪は、フィリスの雰囲気によく似合っていた。
ミセス ウォルターが、料理の仕上がりを告げに来た。
この家では、男手はローマンだけなので、ミセス ウォルターとキカも給仕を手伝ったりする。
小さな広間に用意された朝食は、急であるのに様々な料理が並び、フィリスをまたしても驚かせた。
「急なのにありがとう、ミセス ウォルター」
「急なお客様にいかに対応出来るかが、良いコックの証です」
にこにことミセス ウォルターはそう言って、湯気の立つスープのボウルをテーブルに置いた。
身支度をしたジョエルが、同席するとローマンが給仕をする。
「そうだ、ついでに言うと二週間後にはここから引っ越しだ。当然ながら」
「ウィンスレット邸へ?」
「兄に気兼ねするなら、郊外にはなるがブルーウィングホールでも良い。そこで俺は産まれたし、今は空き家みたいなものだから」
「じゃあ、そこはローマンとキカと、ミセス ウォルターも通えるかしら?」
「少し遠いかな、近くに住まいを用意するか、邸内に住んでもらうのは難しいのか?」
アパートメントは、大通りに近いが、郊外となると毎日通うのは大変だろう。
フィリスはちらりとローマンたちを見た。
「私たちは、このまま夫婦共に雇って下さるならどこでも参ります」
ローマンが言うと、キカも頷いた。
「私は、邸に部屋を用意して下さるならそれでも大丈夫ですし、もちろん通いでも」
ミセス ウォルターも同じように頷いた。
「なら、決まりだ。近くに夫婦に相応しい家をいくつか探しておこう。フィリス、それで良いかな?物件が見つかれば、案内するようにしよう」
「ありがとうございます」
ローマンが一礼をする。
たくさんあったはずの料理は、さして急いでいる風でもないのに、綺麗になくなっていっていた。
「ローマン、馬車は?」
「間もなく玄関前にご用意出来ます」
「そうか、ありがとう」
「今日はこれからしないといけない事があるから、お茶を飲んだら出掛ける。昼過ぎに迎えに来るから、そのつもりで」
「もしかして、公爵閣下と?」
「そうだ。もちろんそれは必要だろ?」
にこやかに頬笑むジョエルは、とてもご機嫌なように見えた。
そして、馬車が到着したと報せが入ると、ジョエルはすでにここの主人のような足取りで、出かけて行った。
「引っ越し……」
軽く呆然としながら、フィリスが呟くと
「物事は進むときには進むものですわ」
キカがおかわりの紅茶を注ぎながら、そう言った。
****
春の日差しは柔らかくて、心なしか澄んでいるように思える。
そんな温かみのある空気の中、迎えに来たジョエルと、彼に伴われたフィリスはウィンスレット邸の家族用の居間に公爵夫妻と向かい合って座っていた。
「え?結婚なの?二人が?」
近頃、妊娠のために社交は控えていたルナは、ジョエルとフィリスの事を知らなかったようだ。
「そうです」
「まぁ、そう言われてみればお似合いの二人だったわ!」
ねぇ、とフェリクスを見て微笑みかける。
「まぁそうだな、それでジョエルは二週間後に特別結婚許可証をもらってきているから、式を挙げるそうだ」
「確かにそれはありがたいわ。お腹にいるときの方が、なにかと動けるもの、式はこちらでしてお披露目のパーティーは領地でしましょう。そうすればゆっくりと準備が出来るわ」
さすがに、社交を心得ているルナはてきぱきとそんな風に応えた。
「ドレスは急がせれば一週間で出来るはずよ、でもせっかくだからうんと綺麗なのにして、うちの花嫁を見せつけないと」
ルナは鈴を鳴らすと、執事にすぐにドレスメーカーを呼ぶように指示を出した。
「ジョエルの事だから、フィリスのお父様にはもちろん許しを得ているわよね?」
「もちろんです、ですが正式にもう一度お会いしに行ってきます」
「うん、それが良いな。一緒に行こうか?」
「いえ、これくらい出来なくては……」
忙しいと、生き生きとする性質なのか、ルナの瞳は爛々と輝いている。
「二週間後だから、式の夜は本当に親しい人たちだけを招いてこちらでは夜会をしましょう。貴方の結婚なのだから、王太子殿下もいらっしゃるでしょうし、弾けるのは領地での方に。あと料理は何が良いかしら……こうしてはいられないわ。私はキッチンに行きますから、フィリスは仕立屋が来たら、ドレス作っておいてね。遠慮なんかしてけちったら駄目よ」
「こんな時に、ごめん。兄上」
「いや、暇で死にそうな顔をしていたから丁度良かったよ」
軽く苦笑い混じりの笑顔だった。
「二人ともおめでとう。ジョエルは何て言うか……難しい男だから、結婚もなかなか難しいと思っていたのに。お相手は、実はこんなにも身近にいたのだな」
フィリスはフェリクスの眼差しを受けた。
「ウィンスレットへ歓迎する。ようこそフィリス」
こうして、翌々日の新聞にはジョエルとフィリスの婚約が新聞に載っていたのだった。
「ジョエル!朝……………!!」
軽く欠伸をしながら起きたジョエルは、薄く開いたカーテンから零れる光を浴びて、まるで罪深いアドニスみたいな姿をさらしていた。
ジョエルは光のせいで、肌が輝いていて見える見事な裸体のままベッドに身体を起こすと、フィリスにキスをした。
「おはよう、いい朝だな」
「もうすぐ、執事とメイドがここへ来るわ」
「そうか、じゃあ朝食の後に馬車を呼んでもらう事にしよう」
あっさりと言うと、シワになったシャツとそれからズボンを履くとベッドから離れて水差しから水をグラスに注ぎゆっくりと飲み干した。
「わたしたちでも、まだ何も……」
各家に報告もまだだし、告知も何もした訳じゃない。
「大丈夫だよ。気にしないって……言ってもするよな」
ジョエルはベッドのフィリスに近づくと、
「帰る時はみんなが使うような貸し馬車を使う。ここはアパートメントだし、住んでいるのは君だけじゃない。万が一噂になる頃には、めでたく夫婦になっているだろう?」
何だか上手く丸め込まれた気分だった。
「フィリスは俺を暗闇に追い出して、歩いて帰れと言うつもりだった?」
「そんな事は言えないわ」
「だったら、こうするしか無かっただろ?」
フィリスは、ネグリジェとガウンを羽織り落としたままだったドレスやコルセットを拾い上げて椅子の上に無造作に置いた。
例えば、家の大切な物を壊してしまって、両親になんて説明をしたら良いのかと考えている時の様な落ち着かない心境に似てる。
そうこうしていると、物音がしてローマンとキカが来たと分かった。
「お目覚めでしたか………」
と、キカの目がジョエルに止まりさっと室内を巡ったのが分かった。
「キカ、今朝はシルヴェストル侯爵もご一緒に朝食よ。ローマンをこちらの部屋の方へ」
フィリスはドレッサーの前に座り、乱れた髪にブラシを通した。
「はい、フィリス様。すぐに伝えて参ります」
ローマンにはジョエルの世話を頼むつもりだった。今朝の着替えを用意してもらわないといけない。
キカが出ていって、少しするとローマンがジョエルの着替えを持って入ってきた。
「失礼します、フィリス様、侯爵様。お着替えをお持ちしました」
何故かローマンの手にはきちんと着替えがあり、フィリスを驚かせた。
何だろう、フィリスが知らない内にみんな魔法でも使えてしまってるのだろうか?
隣の部屋へローマンと共に身支度に行ったジョエルを見送り、フィリスはキカに話しかけた。隣の部屋には支度部屋があり、男性が好みそうな部屋があったのだ。
「驚かせたわよね」
「少しは。ですが、こういう事は………あまり、珍しくもありませんから」
キカは小さく微笑んだ。
「そうなの………確かに、家の秘密をあなた達はよく知ってるものね」
「こんな事を言うと、失礼に当たるかも知れませんが……互いに独身でいらっしゃいますし、気にされる事はございませんよ。近頃は婚前に、というご夫婦も珍しくはありませんし」
「婚前って……」
「立派な指輪が、テーブルにございましたので」
キカはにこりと微笑んだ。振り向いたテーブルには確かに昨夜外したものがちょこんと乗っていた。ちょこんとしている割には、きっと恐ろしい値段だとは思うけれど……。
デイドレスは淡いピンクと落ち着いたスモーキーグリーンのデザインで、可愛らしさの中にも大人っぽさもあるものだった。
「………そうよね、わたしも未婚のまっさらな令嬢ではないのだし」
手際よく髪を整えていくキカは、流行りのスタイルに仕上げるのが上手く、フィリスは読んだ雑誌をキカに渡すとそこからすぐに取り入れてしまうのだ。
「出来ました、いかがですか?」
「ありがとう、とてもいいわ」
ふんわりとした緩い纏め髪は、フィリスの雰囲気によく似合っていた。
ミセス ウォルターが、料理の仕上がりを告げに来た。
この家では、男手はローマンだけなので、ミセス ウォルターとキカも給仕を手伝ったりする。
小さな広間に用意された朝食は、急であるのに様々な料理が並び、フィリスをまたしても驚かせた。
「急なのにありがとう、ミセス ウォルター」
「急なお客様にいかに対応出来るかが、良いコックの証です」
にこにことミセス ウォルターはそう言って、湯気の立つスープのボウルをテーブルに置いた。
身支度をしたジョエルが、同席するとローマンが給仕をする。
「そうだ、ついでに言うと二週間後にはここから引っ越しだ。当然ながら」
「ウィンスレット邸へ?」
「兄に気兼ねするなら、郊外にはなるがブルーウィングホールでも良い。そこで俺は産まれたし、今は空き家みたいなものだから」
「じゃあ、そこはローマンとキカと、ミセス ウォルターも通えるかしら?」
「少し遠いかな、近くに住まいを用意するか、邸内に住んでもらうのは難しいのか?」
アパートメントは、大通りに近いが、郊外となると毎日通うのは大変だろう。
フィリスはちらりとローマンたちを見た。
「私たちは、このまま夫婦共に雇って下さるならどこでも参ります」
ローマンが言うと、キカも頷いた。
「私は、邸に部屋を用意して下さるならそれでも大丈夫ですし、もちろん通いでも」
ミセス ウォルターも同じように頷いた。
「なら、決まりだ。近くに夫婦に相応しい家をいくつか探しておこう。フィリス、それで良いかな?物件が見つかれば、案内するようにしよう」
「ありがとうございます」
ローマンが一礼をする。
たくさんあったはずの料理は、さして急いでいる風でもないのに、綺麗になくなっていっていた。
「ローマン、馬車は?」
「間もなく玄関前にご用意出来ます」
「そうか、ありがとう」
「今日はこれからしないといけない事があるから、お茶を飲んだら出掛ける。昼過ぎに迎えに来るから、そのつもりで」
「もしかして、公爵閣下と?」
「そうだ。もちろんそれは必要だろ?」
にこやかに頬笑むジョエルは、とてもご機嫌なように見えた。
そして、馬車が到着したと報せが入ると、ジョエルはすでにここの主人のような足取りで、出かけて行った。
「引っ越し……」
軽く呆然としながら、フィリスが呟くと
「物事は進むときには進むものですわ」
キカがおかわりの紅茶を注ぎながら、そう言った。
****
春の日差しは柔らかくて、心なしか澄んでいるように思える。
そんな温かみのある空気の中、迎えに来たジョエルと、彼に伴われたフィリスはウィンスレット邸の家族用の居間に公爵夫妻と向かい合って座っていた。
「え?結婚なの?二人が?」
近頃、妊娠のために社交は控えていたルナは、ジョエルとフィリスの事を知らなかったようだ。
「そうです」
「まぁ、そう言われてみればお似合いの二人だったわ!」
ねぇ、とフェリクスを見て微笑みかける。
「まぁそうだな、それでジョエルは二週間後に特別結婚許可証をもらってきているから、式を挙げるそうだ」
「確かにそれはありがたいわ。お腹にいるときの方が、なにかと動けるもの、式はこちらでしてお披露目のパーティーは領地でしましょう。そうすればゆっくりと準備が出来るわ」
さすがに、社交を心得ているルナはてきぱきとそんな風に応えた。
「ドレスは急がせれば一週間で出来るはずよ、でもせっかくだからうんと綺麗なのにして、うちの花嫁を見せつけないと」
ルナは鈴を鳴らすと、執事にすぐにドレスメーカーを呼ぶように指示を出した。
「ジョエルの事だから、フィリスのお父様にはもちろん許しを得ているわよね?」
「もちろんです、ですが正式にもう一度お会いしに行ってきます」
「うん、それが良いな。一緒に行こうか?」
「いえ、これくらい出来なくては……」
忙しいと、生き生きとする性質なのか、ルナの瞳は爛々と輝いている。
「二週間後だから、式の夜は本当に親しい人たちだけを招いてこちらでは夜会をしましょう。貴方の結婚なのだから、王太子殿下もいらっしゃるでしょうし、弾けるのは領地での方に。あと料理は何が良いかしら……こうしてはいられないわ。私はキッチンに行きますから、フィリスは仕立屋が来たら、ドレス作っておいてね。遠慮なんかしてけちったら駄目よ」
「こんな時に、ごめん。兄上」
「いや、暇で死にそうな顔をしていたから丁度良かったよ」
軽く苦笑い混じりの笑顔だった。
「二人ともおめでとう。ジョエルは何て言うか……難しい男だから、結婚もなかなか難しいと思っていたのに。お相手は、実はこんなにも身近にいたのだな」
フィリスはフェリクスの眼差しを受けた。
「ウィンスレットへ歓迎する。ようこそフィリス」
こうして、翌々日の新聞にはジョエルとフィリスの婚約が新聞に載っていたのだった。
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