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58, ファーストダンス
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夕暮れ時、フィリスは式で着たドレスとは違う白のドレスに着替えた。肩から胸元は肌を透かせるレースで、デコルテは大きく開いている。剥き出しのそこにはダイヤモンドのジュエリーを着け、鎖骨の間で輝いている。
最近流行り出した、胸の下からスカートが広がるデザインで、薄いチュールを重ねた部分はとても軽やかでダンスをすればふわりと動きが美しく見えそうだった。ウエストにくっきりと括れが出ないそのドレスのデザインの分、コルセットは緩める事が出来てフィリスは少しホッとした。
部屋に迎えに来たジョエルは、黒のテールコートを着ている。白のいかにも婚礼の為の装いをもっと堪能したかったフィリスは、心中で少しだけガッカリしてしまった。
「そろそろ行ける?」
時計を確かめれば客人たちがそろそろやって来る時間だった。
「大丈夫、行けるわ」
訪問してくる客人たちをホールで出迎えていると、ルナの言っていた通り王太子 エリアルドが従姉妹のアンジェリン王女を連れてやって来た。エリアルドは淡い金髪に青い瞳、整った顔は冷淡な印象をうける。エリアルドとジョエルはそれほど外見的には似ている訳じゃないのに、体格であるとかどことなく漂う雰囲気が少しだけ似ていた。
「おめでとうジョエル」
「殿下こそ、間もなくお二人目のご誕生ですね」
「ああ、楽しみに待っている所だ」
「私ももちろん、楽しみにしております。―――殿下、妻のフィリスを紹介します」
フィリスは横に立ちお辞儀をした。
「お初にお目にかかります」
「こんばんはシルヴェストル侯爵夫人。結婚おめでとう」
「妃殿下のご懐妊おめでとうございます。健やかなお子様のご誕生を楽しみにしております」
「ありがとう。ジョエルの結婚は私もとても嬉しく思っている」
「おめでとうジョエル、レディ フィリス。お姉様の言う通り、やはり二人は怪しかったのね」
アンジェリンがにこにことそう言った。
「プリシラ殿下に言われたから結婚した訳じゃない」
「そうなの?でもお姉様にはちゃんと知らせておくわね」
「好きになさって下さい」
ジョエルは悠然したと笑みを浮かべた。
「アンジェリン、今日は何を言ってもからかえないよ」
少しくすっと笑ってエリアルドがアンジェリンを大広間へと促した。
客人たちがほぼ来訪して、フィリスたちは広間へと入った。
「フィリス、いつか……俺とのファーストダンスをずっと踊り続けたいと言ってくれたな?今日がその始まりだな」
ジョエルが軽くフィリスの方へと体を向け、そう言った。
「レディ フィリス・ウィンスレット、ではファーストダンスを」
手の甲にキスをして、キスをしながら色気の漂う視線を向けられた。そして、そのまますい、と前で手を重ねる。
二人揃ってダンスエスコートで中央へと行くと、申し合わせたかのようにタイミングよく曲が始まる。
ジョエルとの夫妻としてのファーストダンス。
それを望んだのはフィリスのはずだけれど、やはり緊張はしてしまう。だけど、ジョエルはそんなもの感じる事なんてないかの様で、見事なエスコートぶりを披露している。
やはり彼と踊ると物凄く上達した気がしてしまう、それはやはり巧みだからだとそう分かる。
そして、エリアルドとアンジェリンが踊りに加わると、次々と客人たちも踊り出す。ウィンスレット家の縁ある人たちだけだからそれほどの大人数でもないが、それでも祝いの夜会は皆衣装も華やかで、さながら夜のフラワーガーデンの様。
蝋燭で照らされたシャンデリアの光がキラキラと降り注いで、それにフィリスの着けているダイヤモンドもプリズムを振り撒いていた。
「こんなことを言ってはいけないが、早く終わって欲しい」
耳元で囁かれてフィリスは、ジョエルを見上げた。
いつものゆとりのあるような顔なのに、瞳にはどこか切ないような光があって、見え隠れする想いに心を鷲掴みにされた気がした。
それには答えずに、ただ重ねた手に力を込めてそっと目を伏せた。それから軽く額を肩にそっと当てる。
フィリスだって、似たような気持ちだった。
繋いだこの手のままに、他の人がいない所へ歩み去ってしまいたい。
そんな本音とは裏腹にジョエルは巧みに客人たちと会話をし、そしてそつなく過ごしていた。
ルナが張り切って準備をした晩餐は、見た目も味も素晴らしい……はずだった。晩餐の最中にも時々、ジョエルの視線を受けてフィリスはずっと、激しくなる動悸を感じながらで、あまり味が分からなくなってしまったからだ。そんな緊張のせいか、喉が渇いて水ばかり飲んでしまう。
長く感じた晩餐も終わり、そしてお開きの時がやって来た。
ラストダンスを踊り近くの客人たちは帰路へとつき、遠方の客人たちは遊戯室や居間へと移動した。そのタイミングでフィリスはメイドたちと部屋へと引き上げた。
「お疲れでしょう」
キカがドレスを脱がせて、髪をほどきコルセットを外した。
いつもながら、この瞬間は息が甦る気がする。
「バスルームは使える?」
緊張していたせいか汗をかいてしまった気がしてスッキリとしたくなった。
「はい、ご用意してあります」
赤い鮮やかな薔薇の花びらの浮いた湯船は、いい香りがしていていかにも初夜の支度らしい心配りに思えた。
当然だけど、新しいネグリジェはドレスを作ったドレスメーカーの物で、あちこちが色っぽい物だった。そのまま歩くなんてもっての他で、当たり前だけどその上から異国風の薄いピンクに花模様の美しいキモノガウンを羽織る。
白の華麗なドレッサーに座り、キカが髪を整えていく。
新婚初夜とはいえ、初婚でもジョエルとの夜が初めてだと言うわけでもないのに、まるでまっさらな乙女みたいにどきどきしてしまうのはどうしてだろう……。
「ご用の時はベルを鳴らして下さい、紐はあちらにあります」
キカはにこりと微笑んで下がっていった。
一人になると、広い室内はまだどこかよそよそしい。
フィリスの居室の壁で区切った先には寝室があって、さらにその奥には扉があり、そのまた隣はジョエルの寝室だと予想出来た。
フィリスはもしかして、待っているかも知れないと落ち着かない体を歩かせてその扉の前に立った。そして軽く2回ノックをする。
一拍置いて、ゆっくりと扉は開かれて今日から夫となったジョエルがそこにいた。
「ゆっくり出来た?」
軽く肩を抱いて招き入れられてフィリスは男性らしいシックな室内に入った。
目の前のキングサイズのベッドに腰を下ろすと、ジョエルらしい香りが鼻腔をくすぐった。その香りを感じるとなぜか彼の寝室にいるのだと不意にその事が脳にくっきりと浮かび、体が火照ってしまった。
「バスルームを使って、ゆっくり出来たけれどまだ部屋には馴染めなくて」
「それはそうだな。まだ初めて使うから」
「そうね」
「どうしてか、緊張してるみたいだ」
「なぜかそうみたい」
顔の向きが、お互いに向き合って自然と唇が重なる。
一度触れると、引き合う磁石みたいに少し離れては重なる。
「今夜からはいつだってこんな風な時間がある」
ジョエルが小さく呟いた。二人の熱い吐息が間で混ざり合う。
するりと肩から落とされたガウンが、シーツの上に波を作った。それを手に取ったジョエルは、それをベッドの側の椅子に置くと、少し離れた位置からフィリスを眺めた。
「どうかした?」
「今日の事は何もかも覚えていたいんだ。式の時も夜会の時も結局こうして脳にじっくりと焼き付けられなかったから。今度はこうして俺のベッドの上にいるフィリスを見てる」
真剣なような眼差しがふと和む。
「フィリスからすれば、長くは無かったかも知れないが俺には長かったよ」
フィリスはその言葉に、人の心という、目には見えないものであるが為に、ジョエルが待つことに対して、なんでもない様に見せていても、ずっと何処かでどうしようもない葛藤を抱えつつも、折り合いをつけながらフィリスを待っていてくれたことを思った。
どちらがより、この日を待っただろう?
フィリスはベッドから降りてジョエルの腕に飛び込んだ。
「待っていてくれてありがとう、ジョエル」
最近流行り出した、胸の下からスカートが広がるデザインで、薄いチュールを重ねた部分はとても軽やかでダンスをすればふわりと動きが美しく見えそうだった。ウエストにくっきりと括れが出ないそのドレスのデザインの分、コルセットは緩める事が出来てフィリスは少しホッとした。
部屋に迎えに来たジョエルは、黒のテールコートを着ている。白のいかにも婚礼の為の装いをもっと堪能したかったフィリスは、心中で少しだけガッカリしてしまった。
「そろそろ行ける?」
時計を確かめれば客人たちがそろそろやって来る時間だった。
「大丈夫、行けるわ」
訪問してくる客人たちをホールで出迎えていると、ルナの言っていた通り王太子 エリアルドが従姉妹のアンジェリン王女を連れてやって来た。エリアルドは淡い金髪に青い瞳、整った顔は冷淡な印象をうける。エリアルドとジョエルはそれほど外見的には似ている訳じゃないのに、体格であるとかどことなく漂う雰囲気が少しだけ似ていた。
「おめでとうジョエル」
「殿下こそ、間もなくお二人目のご誕生ですね」
「ああ、楽しみに待っている所だ」
「私ももちろん、楽しみにしております。―――殿下、妻のフィリスを紹介します」
フィリスは横に立ちお辞儀をした。
「お初にお目にかかります」
「こんばんはシルヴェストル侯爵夫人。結婚おめでとう」
「妃殿下のご懐妊おめでとうございます。健やかなお子様のご誕生を楽しみにしております」
「ありがとう。ジョエルの結婚は私もとても嬉しく思っている」
「おめでとうジョエル、レディ フィリス。お姉様の言う通り、やはり二人は怪しかったのね」
アンジェリンがにこにことそう言った。
「プリシラ殿下に言われたから結婚した訳じゃない」
「そうなの?でもお姉様にはちゃんと知らせておくわね」
「好きになさって下さい」
ジョエルは悠然したと笑みを浮かべた。
「アンジェリン、今日は何を言ってもからかえないよ」
少しくすっと笑ってエリアルドがアンジェリンを大広間へと促した。
客人たちがほぼ来訪して、フィリスたちは広間へと入った。
「フィリス、いつか……俺とのファーストダンスをずっと踊り続けたいと言ってくれたな?今日がその始まりだな」
ジョエルが軽くフィリスの方へと体を向け、そう言った。
「レディ フィリス・ウィンスレット、ではファーストダンスを」
手の甲にキスをして、キスをしながら色気の漂う視線を向けられた。そして、そのまますい、と前で手を重ねる。
二人揃ってダンスエスコートで中央へと行くと、申し合わせたかのようにタイミングよく曲が始まる。
ジョエルとの夫妻としてのファーストダンス。
それを望んだのはフィリスのはずだけれど、やはり緊張はしてしまう。だけど、ジョエルはそんなもの感じる事なんてないかの様で、見事なエスコートぶりを披露している。
やはり彼と踊ると物凄く上達した気がしてしまう、それはやはり巧みだからだとそう分かる。
そして、エリアルドとアンジェリンが踊りに加わると、次々と客人たちも踊り出す。ウィンスレット家の縁ある人たちだけだからそれほどの大人数でもないが、それでも祝いの夜会は皆衣装も華やかで、さながら夜のフラワーガーデンの様。
蝋燭で照らされたシャンデリアの光がキラキラと降り注いで、それにフィリスの着けているダイヤモンドもプリズムを振り撒いていた。
「こんなことを言ってはいけないが、早く終わって欲しい」
耳元で囁かれてフィリスは、ジョエルを見上げた。
いつものゆとりのあるような顔なのに、瞳にはどこか切ないような光があって、見え隠れする想いに心を鷲掴みにされた気がした。
それには答えずに、ただ重ねた手に力を込めてそっと目を伏せた。それから軽く額を肩にそっと当てる。
フィリスだって、似たような気持ちだった。
繋いだこの手のままに、他の人がいない所へ歩み去ってしまいたい。
そんな本音とは裏腹にジョエルは巧みに客人たちと会話をし、そしてそつなく過ごしていた。
ルナが張り切って準備をした晩餐は、見た目も味も素晴らしい……はずだった。晩餐の最中にも時々、ジョエルの視線を受けてフィリスはずっと、激しくなる動悸を感じながらで、あまり味が分からなくなってしまったからだ。そんな緊張のせいか、喉が渇いて水ばかり飲んでしまう。
長く感じた晩餐も終わり、そしてお開きの時がやって来た。
ラストダンスを踊り近くの客人たちは帰路へとつき、遠方の客人たちは遊戯室や居間へと移動した。そのタイミングでフィリスはメイドたちと部屋へと引き上げた。
「お疲れでしょう」
キカがドレスを脱がせて、髪をほどきコルセットを外した。
いつもながら、この瞬間は息が甦る気がする。
「バスルームは使える?」
緊張していたせいか汗をかいてしまった気がしてスッキリとしたくなった。
「はい、ご用意してあります」
赤い鮮やかな薔薇の花びらの浮いた湯船は、いい香りがしていていかにも初夜の支度らしい心配りに思えた。
当然だけど、新しいネグリジェはドレスを作ったドレスメーカーの物で、あちこちが色っぽい物だった。そのまま歩くなんてもっての他で、当たり前だけどその上から異国風の薄いピンクに花模様の美しいキモノガウンを羽織る。
白の華麗なドレッサーに座り、キカが髪を整えていく。
新婚初夜とはいえ、初婚でもジョエルとの夜が初めてだと言うわけでもないのに、まるでまっさらな乙女みたいにどきどきしてしまうのはどうしてだろう……。
「ご用の時はベルを鳴らして下さい、紐はあちらにあります」
キカはにこりと微笑んで下がっていった。
一人になると、広い室内はまだどこかよそよそしい。
フィリスの居室の壁で区切った先には寝室があって、さらにその奥には扉があり、そのまた隣はジョエルの寝室だと予想出来た。
フィリスはもしかして、待っているかも知れないと落ち着かない体を歩かせてその扉の前に立った。そして軽く2回ノックをする。
一拍置いて、ゆっくりと扉は開かれて今日から夫となったジョエルがそこにいた。
「ゆっくり出来た?」
軽く肩を抱いて招き入れられてフィリスは男性らしいシックな室内に入った。
目の前のキングサイズのベッドに腰を下ろすと、ジョエルらしい香りが鼻腔をくすぐった。その香りを感じるとなぜか彼の寝室にいるのだと不意にその事が脳にくっきりと浮かび、体が火照ってしまった。
「バスルームを使って、ゆっくり出来たけれどまだ部屋には馴染めなくて」
「それはそうだな。まだ初めて使うから」
「そうね」
「どうしてか、緊張してるみたいだ」
「なぜかそうみたい」
顔の向きが、お互いに向き合って自然と唇が重なる。
一度触れると、引き合う磁石みたいに少し離れては重なる。
「今夜からはいつだってこんな風な時間がある」
ジョエルが小さく呟いた。二人の熱い吐息が間で混ざり合う。
するりと肩から落とされたガウンが、シーツの上に波を作った。それを手に取ったジョエルは、それをベッドの側の椅子に置くと、少し離れた位置からフィリスを眺めた。
「どうかした?」
「今日の事は何もかも覚えていたいんだ。式の時も夜会の時も結局こうして脳にじっくりと焼き付けられなかったから。今度はこうして俺のベッドの上にいるフィリスを見てる」
真剣なような眼差しがふと和む。
「フィリスからすれば、長くは無かったかも知れないが俺には長かったよ」
フィリスはその言葉に、人の心という、目には見えないものであるが為に、ジョエルが待つことに対して、なんでもない様に見せていても、ずっと何処かでどうしようもない葛藤を抱えつつも、折り合いをつけながらフィリスを待っていてくれたことを思った。
どちらがより、この日を待っただろう?
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「待っていてくれてありがとう、ジョエル」
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