睡恋―sui ren―

桜 詩

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59, 初夜 ☽

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 胸に頬をつけてフィリスは、はじめて彼の胸で泣いた夜を思い出した。あの夜の事を―――。

思えば、あの時から惹かれ始めていたのかも知れない。

「わたしを泣かせてくれる?」

「……今日は優しくしようと決めていたのに」
ジョエルはフィリスを抱き上げると、ベッドの上に座らせた。

「でも可愛い新妻のおねだりに応えない訳にはいかない」
「お願い」
微笑を浮かべて伸ばした腕に、応えるようにしてジョエルはその間に体を進めた。
褐色の少し長めの前髪がフィリスの長い髪と触れ合い、そして唇が重なる。
何度も重なるキスを濡れた音を立てながら、数えきれないほど交わしていく。

甘く感じるそれは、濃厚に舌を絡ませ、そして指には髪を絡ませながら互いに愛撫する。ジョエルのキスが唇から首へと移るにつれて、フィリスの息は荒くなっていく。胸元までおりた唇は、肌に触れるのを邪魔をするネグリジェに触れて、ジョエルは蠱惑的な笑みを浮かべる。そしてその邪魔な布を軽く噛んでずらした。
薄い布は簡単にずれて、白い乳房とツンと勃ちあがったピンク色の先端を露にした。

舌先で軽く弾かれてフィリスは甘い声を上げた。
「……あっ……ん」
今夜はなぜかひどく敏感で、フィリスはそれだけで軽く腰をくねらせた。
羽が触れるかのように愛撫されたかと思えば、時々混ぜられる甘く噛む愛撫にフィリスは喘ぎが堪えられない。

「ん……っ、あっ……あ……っ」
まだ覆われたままの右が今度は切なくて、体が官能を求めて独りでに揺れ、刺激を求めようとしてしまう。

「こっちも、触ってほしい?」
ネグリジェ越しに、ぷっくりとその形を主張してるそこにジョエルは唇を近づけた。
「ん……、……さ、わって」
布越しに感じる舌の愛撫が、剥き出しの先端を指で弄ぶ愛撫とでフィリスは背を軽く仰け反らせた。

「………っ、あ……あぁっ……!」

「胸だけなのに………イくくらい気持ち良かった?」
髪を撫でられながら、フィリスは軽く頷いた。

ネグリジェの裾がジョエルの手で捲り上げられて、太股に手がかかる。
「やだ……見ないで……」
「まだ見てない」

膝裏に入れられた手が内腿をさらして、膝から太股へとチュッと音を立てながら唇が肌を熱くさせていく。そのまま唇が濡れた感触のする花弁へと近づいて、フィリスは膝を閉じようとした。

「お願いしたのはフィリスだろ?」
太股を開いて、ジョエルの唇が花弁にキスをする。
「すごいよ、今日のフィリス……」
言われなくても、敏感になりすぎてしまってるのは分かる。

花芯を舌で転がされそして吸われて、シーツを思わず握り
「………っや…………ん……あ、あ、あっ…………っあ――――」
体がひくひくと震えて、啜り泣くような声を上げる。

達したばかりなのに、ジョエルの指が蜜壺にぬるりと挿入はいってゆるゆると小刻みに愛撫すると、とめどなく溢れてくる愛液がくちゅくちゅと派手な水音をたてて、それは次第に大きく増していく。

「や………それ、だ……め………………っ!」
全身を戦慄かせて、花弁からはぐっしょりと愛液が溢れてジョエルの手を濡らした。艶を放つ蜜で滴る綺麗な手を、潤む視界で見てしまって、フィリスは羞恥で肌を染めた。

前を寛げたジョエルは、フィリスの片足を肩にかけてゆっくりと蜜壺へと屹立の先端を当てた。
そのままゆるゆると入り口を浅く刺激すると、達したばかりの蜜壺はうねり、ジョエルに絡みついて誘い込む。

「………っ、……」
軽く寄せられた眉が、艶のある表情を作る。
「フィリス………今日はほんとに……すごい」

少し息を荒くしたジョエルがフィリスに、体を寄せてキスをすると二人の結合は深くなる。ゆっくりと奥まで貫かれフィリスの体は全身で彼を感じて爪先までがきゅっと丸まる。

自然と刻むリズムが、艶かしい体の動きとなって二人を官能の世界へと連れていく。揺れる乳房をジョエルの手がやんわりと掴みそして先端が唇にふくまれると、フィリスは嬌声を上げた。何度目かの絶頂の後、フィリスはジョエルの上になり唇を重ねながら腰を動かした。とろとろの蜜壺にジョエルの屹立が貫く度に、ぐちゅぐちゅとエロティックな音を奏でていた。

 上にいたフィリスを、あっさりベッドへと寝かせ体勢を変えたジョエルは、フィリスをまた貫く。そんな風に体位が変えられる度に、新たな官能が駆けめぐり啼くような声を上げさせられた。

お尻を高く上げさせられ腰を抱えたジョエルは、後ろから一気に貫き、フィリスの声を奪った。

「…………っ…!」

挿入はいった瞬間、きゅうときつく締め付けそしてそれから、少し緩んだ瞬間、ジョエルは激しく腰を打ち付ける。肌がぶつかる音が水音と合わさり部屋に拡がっていく。後ろから腕を持たれ、固定されたままの激しい動きにフィリスの脳裏は真っ白に染まる。

「………あ、あ、あ、あ、あっっ―――――っ………!」

崩れ落ちるフィリスの蜜壺なかにジョエルもまた情熱を放った。
崩れて重なったまま、荒い息をしながらジョエルは力尽きた様にくったりとするフィリスを抱き締めた。

 官能の余韻で震える体は、まだ熱く、肌を火照らせている。フィリスは振り向いて背中側のジョエルにキスをした。繋がったままの蜜壺の中で、ジョエルは力を取り戻していく。そして緩く中をかき混ぜると、たちまち硬く大きくなる。

「太ったって言うより、胸が大きくなったんじゃないか?」
「胸………?」
後ろから伸びた手が、乳房を包み込んで敏感に尖端をきゅっと摘まんだ。

形を変えて愛撫しながら、反対の手は花芯をぬるぬると転がす。中を貫かれながらそれらを一度にされてしまうと、下がらない熱が再び上昇してしまう。

「んっ…………は………ぁ………っあ………」

何度も達した蜜壺は熱いバターみたいに蕩けそうなほどで、ジョエルの屹立は次第に奥まで責め立てる。ぐちゅぐちゅとその度に聞こえる音がより昂らせて、さらに感度を上げていく。

一度蜜壺から抜かれると、白濁した液が零れて白い肌を汚す。
座ったジョエルの上に座り、凶器みたいに滾ったそれを自ら蜜壺へと埋めた。

ウエストに当てられた手が、腰を上下に促され、フィリスはそれに合わせて淫らなダンスを踊る。舌を絡ませ合い全身を駆け巡る感覚に思考を奪われて、ただジョエルの背に手を回して、滑らかで心地よい肌に、同じくらい熱い肌をぴったりと重ねた。

ジョエルの香りのする首に唇をつけて、絶頂の瞬間にそこで声を堪えた。体を震わせながらふと見れば、そこにフィリスの唇の紅い跡が見えて、なぜか鼓動がさらに跳ねる。
鍛えた体の胸に手を這わせて唇で首の筋から肩へと辿った。

後ろに体を倒したジョエルの胸に手を起きながら、フィリスは腰を淫らに動かした。下から最奥を貫かれてフィリスは声を上げて胸の上に崩れ落ちた。ぎゅっと締め付けた瞬間熱い迸りを胎内に受けてきつく肩にすがりついた。


余韻の残る二人は、互いに唇を求めて重ね息が落ち着くのを待った。フィリスの汗ばむ額から髪を撫でてジョエルは

「バスルームに行こうか」
「そうするわ……」

続き部屋にあるらしく、ガウンだけを羽織りフィリスも同じようにガウンを羽織った。

寝室、居室、それに支度部屋を抜けると広々としたバスルームがあった。ちなみに今のくぐり戸の向こうには小さな書斎があった。

「広い……」
「一応、これでも侯爵だから」

「そうよね……」
「ここから離れた所にはもうひとつ本格的な書斎というか、図書室がある」
さすがウィンスレット家と言うべきか、規模の大きさにくらくらとする。

最新式のシャワーがあり、さっと流してから二人して湯船に浸かった。こちらには薔薇はないけれど、さっぱりとするシトラス系の香りがした。それから、軽くシャワーを使い二人して寝室へと戻る。

グラスに二つに水を注ぎ、一つをフィリスに手渡してからジョエルは枕を背にしてベッドで寛いだ。

「ここで寝る?」
尋ねられて、フィリスは戸惑った。
「一緒にいたら寝られない?」
そう尋ね返した。

そもそも寝室は二つあるわけだから、貴族の夫婦は別に寝る事が多いと言える。
思い出したい訳じゃないけれど、ブライアンとの結婚生活もそうだった。

「どうかな、フィリスとしか一緒に寝たことがないから」
軽く濡れた髪をタオルで拭くジョエルは、色気が零れ落ちているみたいに、目に毒だった。

「一緒に居たいの、追い出さないで」
フィリスはベッドの上を、猫みたいに移動してジョエルに近づいた。

「………もっとする?」
「だめ?」

「駄目じゃないが……初夜から飛ばし過ぎるなと、あちこちから余計なアドバイスが舞い込んで。でも、花嫁の望みなら受けてたたないとな……?」

フィリスは、ジョエルの太股をまたいで、上からキスをした。髪が滑り落ちてジョエルの肩にかかる。

「愛してるの、ジョエル」
「俺もだよ、フィリス」

肩に手を置いてフィリスはキスを繰り返して、唇の跡のついた首をゆっくりと舐めた。
鎖骨をたどり、女の物とは違う胸に唇を這わせて指で小さな突起を撫でた。
「くすぐったい?」
「少し」
ジョエルは軽くくすぐったそうに、身動ぎをするけれど、宥めるように髪を撫でられフィリスはそのまま続けた。

割れた腹筋の筋に舌を動かして、へその窪みを感じて、それから、再び天を突くようなジョエルの男の証に舌先が触れた。
滑らかな先端を丁寧に舌を這わせて、それからゆっくりと唇で挟んだ。括れた感触を唇と舌で感じながら、少し恍惚の表情を見せるジョエルを見て、フィリスはさらに大胆になった。

屹立に唇を滑らせて、手で軽くしごくとジョエルの息が荒くなる。口腔に含み、そのまま愛撫を続けた。

「フィリス、そのままお尻をこっちに向けて」
熱い吐息混じりの声に、フィリスはヒップを促されるままにジョエルの手の方へと向けた。
肩を跨がせたジョエルは、フィリスの花弁に指を触れる。

「舐めながら感じた?……濡れて光ってる」

「っや……」
そう言った瞬間、ジョエルの唇での愛撫が始まってフィリスは喘ぎながら、目の前の猛った剛直を手と唇で愛撫をする。

それでも、ジョエルの指が蜜で滴る蜜壺に差し込まれ、弱い箇所を責められると続けられずに喘ぐだけになってしまう。そのままフィリスだけ先に達せられて、ひくひくと戦慄いていると四つん這いの体勢のままに後ろから貫かれる。

「ごめん……フィリスが淫らに事をしてくれるから……我慢が利かなくなった」
ジョエルは腰の上に座らせたまま、下から奥にごつんと当たるくらいに貫き続ける。
「っ………!あ、またっ………」

「でも……フィリス。俺はちゃんと、今夜は我慢するつもりだったよ?これからは堂々と寝室を共に過ごせる訳だから……。なのに、煽るから……。だから………もうしばらくつき合って………」
「………あっあ、あ」
揺さぶられながら、フィリスはそんな言葉を聞いた。

「聞こえてる?」
「んっ………」

「愛する人には嫌われたくないから……、我慢してた分……色っぽく誘われたら……やっぱり、堪えられそうに無い……」

――――忘れていた訳じゃない………。
だけど、しばらく紳士的な彼しか見ていなかったから。

 気持ちは違っても、始まりの時と似ている。あの夜を思い出す………。
結婚して初めての夜も……泣かされ翻弄されて……めちゃくちゃにされて、……そしてそんな風に、愛される。
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