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第二章 王女襲来
王族の視察 4
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~~~ レンドール・フィグラム 視点 ~~~
「くそっ!何で僕が怒られなきゃならないんだ!!」
「「ひっ!」」
王族に対して虚偽の情報を流そうとしたということで、先程まで学院長室で散々お説教を言われ続け、ようやく開放された僕は部屋に入って早々、着ていたロングコートを床に叩きつけた。
その行動に驚いた2人のメイドが悲鳴をあげると、僕はそちらに視線を向け、大きく息を吐きだし、冷静さを取り戻そうとした。
「おい、着替えだ。さっさとしろ」
「「はいっ!!」」
僕の命令に2人は声を重ねて返事をすると、素早く僕の元に駆け寄り、膝をつきながら着ていた服を手際よく脱がしていく。名前すら覚えていないが、2人の様子を上から見下ろすと、目に映るのは柔らかそうな肌色の大きな谷間と、その対極に位置する平原だ。ただし平原の方はピンクの突起物がチラチラと見える分、僕の視線はそちらの方に多く引き付けられてしまう。
「お前らも着替えろよ」
「ご、ご主人様・・・さすがに学院の寮ではもう少し慎むべきかと・・・以前にも注意を受けておりますし・・・」
僕の命令に対して、あろうことか貧乳の方が反論してくる。
「おい、僕の命令に逆らうのか?お前らなんかいつでも解雇して、路頭に迷わすことも出来るんだぞ?」
「も、申し訳ありません!出すぎた事を言いました!」
僕の言葉に、貧乳の女は床に額を擦り付けるような勢いで土下座をする。その様子を見ていた巨乳の女の方は、いそいそと服を脱ぎ出したのだが。
『コン・コン!』
「・・・ちっ!これから良いところだってのに。誰だっ!?」
お楽しみに水を刺された俺は、憎々しげにノックされた扉に向かって声を荒げる。
『夜分に悪いね。グレイ・フォールンだ』
「せ、先生!?ちょ、ちょっとお待ちください!」
学年主任の教師という予想外の来訪者に、俺は焦りを浮かべながらもメイド達に的確に指示を出す。
「おい、お前ら!さっさと僕の服を着させて紅茶の用意をしろ!」
「「は、はいっ!」」
慌ただしくも服を着て、紅茶の用意も整ったところで、メイドが部屋の扉を開けて先生を出迎える。
「着替えていたところに悪いね。君に急ぎの用があってね」
「いえ、大丈夫です」
部屋に入ると、先生は開口一番にそんなことを言ってきた。時刻はもう21時近くになっており、早い者ならそろそろ就寝するような時間帯なのだが、わざわざそんな時間に話があるなんて、先程の学院長の説教だけでは足りなかったのかと身構える。
「そう固くならなくても良い。私の用は学院長の話の続きではないよ」
「そ、そうなのですか」
その言葉に安堵した僕は、部屋に備え付けられている小さなテーブルに先生を案内し、メイドに紅茶を出させた。
「ふぅ。さて、時間も時間だしさっそく本題なのだが、実は君の実力を見込んで頼みたいことがあるんだ」
「た、頼みですか?」
先生は紅茶を一口飲むと、笑みを浮かべながら話し始めた。先生の『実力を見込んで』という言葉に口許が緩みながらも、僕は気になるその内容を確認する。
「あぁ。実は2日後に行われる実地演習なのだが、王子殿下と王女殿下が視察として同行することは知っているね?」
「はい。担任の先生から聞かされています」
「うむ。それでだ。どの班に同行してもらおうか考えたのだが、はやり一番の成績を修めている君の班にしようということになってね。お願いできるかい?」
「ぼ、僕達の班に両殿下が同行するのですか!?」
先生の言葉に、僕は驚きから大きな声をあげてしまった。
「こらこら、声が大きいよ。まだ全体に周知をしたわけではないんだ。一応今はここだけの話しにして欲しいんだがね?」
「す、すみません。驚いてしまいまして・・・」
「まぁそうだろうな。両殿下の前で優秀な活躍をすれば、王家の覚えもめでたくなる。それは卒業後の君の進路にも影響を与えることだろう」
「し、進路・・・」
先生の言葉に、僕は未来の自分を想像する。両殿下達の前で完璧な立ち回りで魔物を討伐する自分の姿。そして、その活躍を褒め称える両殿下。卒業後にはあれよあれよという間に騎士団長の座に座り。そのまま伯爵家を継いで順風満帆な生活を送り、ともすれば功績が認められて、あの絵画の様に美しい王女殿下と婚姻なんてことも・・・
(家柄や外見を考えればマーガレット嬢も申し分ないが、王女殿下と婚姻が結べられれば、我がフログレンス家は安泰。もしかすると僕の代で侯爵へ昇爵なんてことも・・・)
未来の自分の姿がはっきりと想像できると、僕は余裕の笑みを浮かべながら胸を叩いて口を開いた。
「お任せください!僕の班が、いえ、僕が必ず両殿下が賛辞を送ること間違いない、騎士学院生の姿をお見せすると約束しましょう!」
「おぉ、それは頼もしいね。それでは君に、これを持って行ってもらいたい」
先生は懐から小さな黒い袋に入った物を取り出し、テーブルに置いた。僕はそれを手にとって中身を確認すると、手のひらサイズの漆黒の円盤の様なものに、見たこともない魔術文字が刻まれていた。
「・・・これは?」
「視察されるのは次期国王とも目されている第一王子殿下ですからね、万が一の事があっては困ります。これは学院特製の救難魔道具です。想定外の事態に直面した際には、それに魔力を流しなさい」
「さすが名門ヴェストニア騎士学院ですね。あらゆる事態を想定して準備する。勉強になります」
「あぁ、頼みましたよ」
そうして用が済むと、先生は部屋をあとにした。僕は渡された魔道具を隅々まで観察したが、記述されている魔術文字からどのような効果が発揮されるかまでは読み取れなかった。
そもそも万が一の事など早々起こることはないだろうと、興味を無くした僕は魔道具をテーブルに置くと、後回しになっていたメイドとの戯れを再開するのだった。
◇
「皆さん、今日はよろしくお願い致しますね!」
「よろしく頼む!」
両殿下が同行する実地演習の視察に、何の因果かうちの班が抜擢されてしまった。
時刻は朝の8時。俺達は魔導列車へ乗車するために整列しており、その場で両殿下が同行する班が発表された。急な発表だったため、俺を含めた班員達は驚きを隠せなかったが、レンドール少年だけは特に驚きもなく平然と受け止めていたようだった。
ちなみに2人の格好は学院を視察している時とは違い、防具として漆黒の革鎧を着込み、その上から純白のローブを羽織っている。剣士である王子は高級そうな黄金の鞘に収まった剣を、魔術師である王女は、魔術発動媒体である翡翠色の腕輪を装備している。
そうして乗車前の点呼が済むと、両殿下が俺達の班の方へ歩み寄り、お互いに挨拶を交わすこととなったのだ。
「お任せ下さい!両殿下に見られても恥ずかしくない、ヴェストニア騎士学院生としての姿をお見せいたしましょう!」
両殿下の挨拶に対して、レンドール少年が自信満々な表情で声高に返答していた。今回の実地演習については彼がこの班の指揮官ということもあるので、張り切っているからこその言動か、もしくは前回両殿下の前で晒してしまった失態を挽回するためなのかもしれない。
「あら、頼もしい言葉ですね」
「自信があるのは良いことだが、何が起こるかわからないのが魔物が潜む森の怖さだ。くれぐれも注意するのだぞ?」
「承知しております!あらゆる危険から、僕が両殿下をお守りすると約束しましょう!」
レンドール少年は鼻息荒く、胸を張っていた。そんな様子に、俺を含めた残りの班員は苦笑いを浮かべていた。
「なんか凄い張り切っているけど、点数稼ぎがバレバレだよね?」
「ボク・・・なんだか不安です」
俺の近くにいたロベリアは呆れた様子で、ライトは不安な様子で声を潜めて話しかけてきた。
「まぁ、今日の演習目的の魔物は難度4のサーベル・ウルフだ。剣のように鋭く長い牙が特徴で、体長は3メートル程、群れで襲ってくる性質のある厄介な魔物だが、しっかり連携がとれれば特に問題ない。それに、両殿下はその辺の騎士よりも実力は上だし、余程の想定外でもなければ何ともないよ」
2人を安心させるために軽い口調でそう返答する。今回の視察に当たって2人は護衛を付けていない。本来は実力のある騎士数人が帯同するべきなのだが、王女の思惑から、護衛を付けなかったらしい。とはいえ、2人の実力は本物なので、余程の魔物でもない限り自分の身は自分で守れるだろう。
しかし、教師陣が何かを仕掛けてくるならこの実地演習中だということは分かっている。ただ、相手の出方が分からない以上、ロベリアやライトをいたずらに不安にすることも出来ないので、安心させるような返答を心掛けた。
それに、不安材料はそれだけではないのだ。
(・・・マーガレット嬢のあの様子・・・不味いな・・・)
俺に話し掛けて来ることを躊躇い、チラチラとこちらを盗み見るような視線を投げ掛けてくるマーガレット嬢からは、師匠が連れ込んできた女性特有の雰囲気を醸し出しているのを感じる。幼少期から師匠と女性のいざこざは良く目にしてきた為か、俺は女性の表情や雰囲気から、相手の感情が何となく察せられる能力が身に付いていた。
(おそらく王女も、マーガレット嬢の様子に気づいている・・・はぁ、何事もなければ良いんだけどな・・・)
内心で盛大なため息を吐き、諦めの境地のような感情で魔導列車に乗り込むと、何も起こらないはずはないと分かっている実地演習へと向かうのだった。
「くそっ!何で僕が怒られなきゃならないんだ!!」
「「ひっ!」」
王族に対して虚偽の情報を流そうとしたということで、先程まで学院長室で散々お説教を言われ続け、ようやく開放された僕は部屋に入って早々、着ていたロングコートを床に叩きつけた。
その行動に驚いた2人のメイドが悲鳴をあげると、僕はそちらに視線を向け、大きく息を吐きだし、冷静さを取り戻そうとした。
「おい、着替えだ。さっさとしろ」
「「はいっ!!」」
僕の命令に2人は声を重ねて返事をすると、素早く僕の元に駆け寄り、膝をつきながら着ていた服を手際よく脱がしていく。名前すら覚えていないが、2人の様子を上から見下ろすと、目に映るのは柔らかそうな肌色の大きな谷間と、その対極に位置する平原だ。ただし平原の方はピンクの突起物がチラチラと見える分、僕の視線はそちらの方に多く引き付けられてしまう。
「お前らも着替えろよ」
「ご、ご主人様・・・さすがに学院の寮ではもう少し慎むべきかと・・・以前にも注意を受けておりますし・・・」
僕の命令に対して、あろうことか貧乳の方が反論してくる。
「おい、僕の命令に逆らうのか?お前らなんかいつでも解雇して、路頭に迷わすことも出来るんだぞ?」
「も、申し訳ありません!出すぎた事を言いました!」
僕の言葉に、貧乳の女は床に額を擦り付けるような勢いで土下座をする。その様子を見ていた巨乳の女の方は、いそいそと服を脱ぎ出したのだが。
『コン・コン!』
「・・・ちっ!これから良いところだってのに。誰だっ!?」
お楽しみに水を刺された俺は、憎々しげにノックされた扉に向かって声を荒げる。
『夜分に悪いね。グレイ・フォールンだ』
「せ、先生!?ちょ、ちょっとお待ちください!」
学年主任の教師という予想外の来訪者に、俺は焦りを浮かべながらもメイド達に的確に指示を出す。
「おい、お前ら!さっさと僕の服を着させて紅茶の用意をしろ!」
「「は、はいっ!」」
慌ただしくも服を着て、紅茶の用意も整ったところで、メイドが部屋の扉を開けて先生を出迎える。
「着替えていたところに悪いね。君に急ぎの用があってね」
「いえ、大丈夫です」
部屋に入ると、先生は開口一番にそんなことを言ってきた。時刻はもう21時近くになっており、早い者ならそろそろ就寝するような時間帯なのだが、わざわざそんな時間に話があるなんて、先程の学院長の説教だけでは足りなかったのかと身構える。
「そう固くならなくても良い。私の用は学院長の話の続きではないよ」
「そ、そうなのですか」
その言葉に安堵した僕は、部屋に備え付けられている小さなテーブルに先生を案内し、メイドに紅茶を出させた。
「ふぅ。さて、時間も時間だしさっそく本題なのだが、実は君の実力を見込んで頼みたいことがあるんだ」
「た、頼みですか?」
先生は紅茶を一口飲むと、笑みを浮かべながら話し始めた。先生の『実力を見込んで』という言葉に口許が緩みながらも、僕は気になるその内容を確認する。
「あぁ。実は2日後に行われる実地演習なのだが、王子殿下と王女殿下が視察として同行することは知っているね?」
「はい。担任の先生から聞かされています」
「うむ。それでだ。どの班に同行してもらおうか考えたのだが、はやり一番の成績を修めている君の班にしようということになってね。お願いできるかい?」
「ぼ、僕達の班に両殿下が同行するのですか!?」
先生の言葉に、僕は驚きから大きな声をあげてしまった。
「こらこら、声が大きいよ。まだ全体に周知をしたわけではないんだ。一応今はここだけの話しにして欲しいんだがね?」
「す、すみません。驚いてしまいまして・・・」
「まぁそうだろうな。両殿下の前で優秀な活躍をすれば、王家の覚えもめでたくなる。それは卒業後の君の進路にも影響を与えることだろう」
「し、進路・・・」
先生の言葉に、僕は未来の自分を想像する。両殿下達の前で完璧な立ち回りで魔物を討伐する自分の姿。そして、その活躍を褒め称える両殿下。卒業後にはあれよあれよという間に騎士団長の座に座り。そのまま伯爵家を継いで順風満帆な生活を送り、ともすれば功績が認められて、あの絵画の様に美しい王女殿下と婚姻なんてことも・・・
(家柄や外見を考えればマーガレット嬢も申し分ないが、王女殿下と婚姻が結べられれば、我がフログレンス家は安泰。もしかすると僕の代で侯爵へ昇爵なんてことも・・・)
未来の自分の姿がはっきりと想像できると、僕は余裕の笑みを浮かべながら胸を叩いて口を開いた。
「お任せください!僕の班が、いえ、僕が必ず両殿下が賛辞を送ること間違いない、騎士学院生の姿をお見せすると約束しましょう!」
「おぉ、それは頼もしいね。それでは君に、これを持って行ってもらいたい」
先生は懐から小さな黒い袋に入った物を取り出し、テーブルに置いた。僕はそれを手にとって中身を確認すると、手のひらサイズの漆黒の円盤の様なものに、見たこともない魔術文字が刻まれていた。
「・・・これは?」
「視察されるのは次期国王とも目されている第一王子殿下ですからね、万が一の事があっては困ります。これは学院特製の救難魔道具です。想定外の事態に直面した際には、それに魔力を流しなさい」
「さすが名門ヴェストニア騎士学院ですね。あらゆる事態を想定して準備する。勉強になります」
「あぁ、頼みましたよ」
そうして用が済むと、先生は部屋をあとにした。僕は渡された魔道具を隅々まで観察したが、記述されている魔術文字からどのような効果が発揮されるかまでは読み取れなかった。
そもそも万が一の事など早々起こることはないだろうと、興味を無くした僕は魔道具をテーブルに置くと、後回しになっていたメイドとの戯れを再開するのだった。
◇
「皆さん、今日はよろしくお願い致しますね!」
「よろしく頼む!」
両殿下が同行する実地演習の視察に、何の因果かうちの班が抜擢されてしまった。
時刻は朝の8時。俺達は魔導列車へ乗車するために整列しており、その場で両殿下が同行する班が発表された。急な発表だったため、俺を含めた班員達は驚きを隠せなかったが、レンドール少年だけは特に驚きもなく平然と受け止めていたようだった。
ちなみに2人の格好は学院を視察している時とは違い、防具として漆黒の革鎧を着込み、その上から純白のローブを羽織っている。剣士である王子は高級そうな黄金の鞘に収まった剣を、魔術師である王女は、魔術発動媒体である翡翠色の腕輪を装備している。
そうして乗車前の点呼が済むと、両殿下が俺達の班の方へ歩み寄り、お互いに挨拶を交わすこととなったのだ。
「お任せ下さい!両殿下に見られても恥ずかしくない、ヴェストニア騎士学院生としての姿をお見せいたしましょう!」
両殿下の挨拶に対して、レンドール少年が自信満々な表情で声高に返答していた。今回の実地演習については彼がこの班の指揮官ということもあるので、張り切っているからこその言動か、もしくは前回両殿下の前で晒してしまった失態を挽回するためなのかもしれない。
「あら、頼もしい言葉ですね」
「自信があるのは良いことだが、何が起こるかわからないのが魔物が潜む森の怖さだ。くれぐれも注意するのだぞ?」
「承知しております!あらゆる危険から、僕が両殿下をお守りすると約束しましょう!」
レンドール少年は鼻息荒く、胸を張っていた。そんな様子に、俺を含めた残りの班員は苦笑いを浮かべていた。
「なんか凄い張り切っているけど、点数稼ぎがバレバレだよね?」
「ボク・・・なんだか不安です」
俺の近くにいたロベリアは呆れた様子で、ライトは不安な様子で声を潜めて話しかけてきた。
「まぁ、今日の演習目的の魔物は難度4のサーベル・ウルフだ。剣のように鋭く長い牙が特徴で、体長は3メートル程、群れで襲ってくる性質のある厄介な魔物だが、しっかり連携がとれれば特に問題ない。それに、両殿下はその辺の騎士よりも実力は上だし、余程の想定外でもなければ何ともないよ」
2人を安心させるために軽い口調でそう返答する。今回の視察に当たって2人は護衛を付けていない。本来は実力のある騎士数人が帯同するべきなのだが、王女の思惑から、護衛を付けなかったらしい。とはいえ、2人の実力は本物なので、余程の魔物でもない限り自分の身は自分で守れるだろう。
しかし、教師陣が何かを仕掛けてくるならこの実地演習中だということは分かっている。ただ、相手の出方が分からない以上、ロベリアやライトをいたずらに不安にすることも出来ないので、安心させるような返答を心掛けた。
それに、不安材料はそれだけではないのだ。
(・・・マーガレット嬢のあの様子・・・不味いな・・・)
俺に話し掛けて来ることを躊躇い、チラチラとこちらを盗み見るような視線を投げ掛けてくるマーガレット嬢からは、師匠が連れ込んできた女性特有の雰囲気を醸し出しているのを感じる。幼少期から師匠と女性のいざこざは良く目にしてきた為か、俺は女性の表情や雰囲気から、相手の感情が何となく察せられる能力が身に付いていた。
(おそらく王女も、マーガレット嬢の様子に気づいている・・・はぁ、何事もなければ良いんだけどな・・・)
内心で盛大なため息を吐き、諦めの境地のような感情で魔導列車に乗り込むと、何も起こらないはずはないと分かっている実地演習へと向かうのだった。
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