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見習い性感マッサージ師
「ふぅぅ……神幹さん……今日もありがとうございました」
「またのご来店、お待ちしていますね」
満足そうな笑顔で店を出ていく女性客と、笑顔で見送るマッサージ師。
「本当はすぐにでも来たいんですけど、予約が詰まっているんでしょう?」
「それは……申し訳ないです」
「それだけ人気ってことだから気長に待つけどね」
◆◆◆◆
ここは街のメインストリートからは少し外れた場所にあるマッサージ店 <プレジャータイム>
施されるマッサージはリラックスするためや治療のためのマッサージではない。女性が"性的"に気持ち良くなることを主眼としたマッサージ店だ。
開店してまだ1年ほど。しかし店長であり施術者である神幹 修義の腕が良く口コミで広まり繁盛している。
神幹は30代後半でがっしりした体型。元々は柔道をしていて整体師を目指していたそうだが、女性の体を触ると無意識に性感帯ばかりをピンポイントで探り当ててしまう。これでは施術にならないと一時は悩んだが、天から与えられた才能だと割り切ってからは性感マッサージ師として大活躍だ。
「神幹さん、施術室の片づけ入ります」
「あぁ、よろしく」
施術室__お客様が出した様々な液体により湿気と熱気がまだ籠る__に入っていくのは、英史だ。
<プレジャータイム>にスタッフとして雇われた本島 英吏。
昼間は一般企業の事務職として働くが、副業として夜に<プレジャータイム>で受付や、事務作業などをしている。
しかし最近は、受付や事務作業よりも、「練習台」として文字通り体を張っている。新しく雇われたアルバイトマッサージ師の研修のため、性感マッサージの「練習台」として、今夜も……。
◆◆◆◆
「お疲れ様です!本日も宜しくお願いします!」
店の色っぽい雰囲気にそぐわない、元気あふれる挨拶で入ってきたのは、最近正式に雇われた飛虎だ。
つい先日、「英史を"イかせる"ことができれば正式採用」という条件のもと、無事に仮採用から正式採用になった飛虎 健
昼間はマッサージ師養成の専門学校に通っている20代前半の青年。飛虎だなんていかつい苗字だが、見た目は可愛らしい感じの顔。年上のお姉さま方に好かれそうな顔だ。愛くるしい顔だが高身長。神幹に比べれば筋肉は無いが、スタイリッシュで清潔感のある男だ。
飛虎がまだ仮採用のときに、英吏の体を使った基本的な研修が行われた。神幹の教え方の上手さや、英史の反応の良さもあいまって条件__英史をイかせる__を突破した。
本日は、正式採用されて初めての出勤。
飛虎のいつもより元気の良い挨拶に、正式採用された喜びがあふれている。
英吏が落ち着いた優しい笑顔で飛虎に挨拶を返す。
「健くん、お疲れさま」
「あっ英吏さん!今日も宜しくお願いします!」
つい先日の採用試験のときに裸を見せ合ったとは思えない爽やかさでお互い挨拶をする。それはずっと恐縮する年下の飛虎を英吏が気遣って、「私も恥ずかしかったけど、これからは正式に同僚なんだから自然体でね!」と言ったからだ。
「改めて、正式採用おめでとう!」
「英吏さんのおかげです。ありがとうございます!今日からお客様に実際に施術すると思うと緊張しています」
はにかむ飛虎に英吏は微笑ましく思う。
しかし(あれ……?今日ってお客様の予約はもう……)と英吏が思っていると……
「ハハハッ、そんなすぐにお客様の前に君を出せないな」
神幹が心底可笑しいという風に笑いながら奥の部屋から現れた。
「正式に君を採用したけど、まだ見習いとしてだ」
飛虎は自分が甘い考えだったと分かり、慌てたように謝る。
神幹はそんな飛虎を横目に、英史の方をしっかりと見据えた。
「さぁ今日も研修を始めよう。練習台さん、宜しくね」
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