宝石の融解 ――「心」の温度を教えて――

「宝石の恵み」という意味の名前を持つ街、〈エーデルゼーゲン〉。すべてが宝石でできた森があるそこは、他国から多くの観光客が訪れ賑わっていた。
しかしそれは昼の顔。夜は野良猫すら歩いていない、しんと静まり返った不気味な地に変化してしまう。「真夜中に出歩いていると、魔法使いが現れ身体を宝石に変えられてしまう」という噂を人々が恐れているからだ。
だがその街に住む少女ヘルツだけは、毎夜闇と同化するような黒いローブを羽織って出かけていた。噂など恐れる必要もない。何故なら彼女こそ、街を騒がせている魔法使いなのだから。
実は彼女は素手、素足で触れたものを宝石にしてしまうという能力を持っていた。それがたとえ草木だろうが水だろうが、人間を含む生き物だろうが関係なく。
果たして彼女が人を宝石に変えてしまう目的とは。
そして、その過程の中で出会った人々と紡ぐ物語とは……。
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