お返しはいらない‼

陽紫葵

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お返しはいらない‼

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2日の夜、占詠さんから電話がかかってきた。
「パンちゃん、お久しぶり」
「うん」
「何、俺の声聞きたくなかった?」
「別に」
別にじゃない。聞きたいに決まってる。
「明日帰るの?」
「うん」
「何時頃?」
「午後かな。明日中に着けばいい感じだけど」
「そっか。じゃあ、戸津のショッピングモールまで出てこれない?」
戸津は、ここと占詠さんの家の中間くらいにあって、ショッピングモールは駅からも近い。
「いいけど、占詠さん、体調大丈夫?」
「あぁ、身体鈍ってきたし、徐々に慣らさなきゃな。車もな」
「車で来るの?」
「あぁ。あまり遠出は無理だけど」
昼頃、会う約束をした。
翌日、帰る荷物を持って、家を出た。
ただ、出かけるわけじゃないので、怪しまれなかった。
私は、戸津駅に11時頃に着き、ショッピングモールに向かって歩いていたら、占詠さんの車が停まって、助手席の窓を開け、
「パンちゃん、乗って」
私は、助手席に乗り込んだ。
考えてみたら、占詠さんの車を見るのも初めてで、もちろん乗せてもらったこともない。
青のワゴンタイプの車だった。
「身体、大丈夫?」
「気にすることないよ。心配性だな、パンちゃんは」
「だってさ」
「でも、ありがとう」
「ううん」
ショッピングモールの立体駐車場に車を停め、
「これ、治さんから」
パンや総菜など色々入ってた。
「帰ったら食べて、って。実家帰りなのに色々貰ってくんじゃない?って言ったんだけどね」
「ううん、うちはそうゆうのないの。嬉しい」
「そっか、じゃ、よかったよ」
「治さんにお礼言っといてね」
「あぁ」
車を降り、店の中に入った。
店内のベンチに座り、
「この前より、顔色良くなったみたい」
「そう?」
「うん」
「お腹空いたな。何食べる?」
「食事制限はないの?」
「特には言われてないけど。まぁ、刺激物とかは避けてるけど」
「そっか」
レストラン街に行き、あれこれ見て、蕎麦屋さんに入った。
2人とも、暖かい蕎麦のランチセットを注文した。
「パンちゃんとさ、こうやって外食するの初めてだっけ?」
「うん、そうだよね」
そうだった。会社の忘年会くらいで、外で食事したことはない。
占詠家で、家族のような感覚を味わったから、もうすっかり忘れてた。
私たちの関係って、何?
まだ、付き合うとかも言われていない。
食事をして、少しだけ店内を歩いた。
駐車場に戻り、
「駅まで送ってくよ」
「うん、ありがとう」
もう帰らなくちゃいけない。
寂しいけど、しょうがない。
駅のロータリーに着け、
「じゃ、また連絡する」
「うん、ありがとう」
車を降りてから、占詠さんの車が見えなくなるまで見送ってから、駅に向かった。
家に着いてから、占詠さんにメールすると、電話がかかってきた。
「色々ありがとな」
「なんか、そればっか」
「だってさ」
「いいけど」
「仕事、頑張れよ」
「うん」
仕事は、5日からだった。
4日はゆっくり過ごした。
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