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プロローグ
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「庭師ミタマ、お前を処分する」
そう言われた白鬼は呆気に取られて、目の前の第一皇子、フォスキーアを見上げました。
「話をしていただけで、ですか? それだけで、ファイルヒェン様の威光がかすむことはないはずです」
「平民の君には分からないんだ、王族に生まれた者の使命が。私たちは国民の憧れであり続けなければならない。そこに少しの汚点もあってはいけないんだ」
「そんなの、そのために自分の好きなものですら口に出せないなんて、おかしいです」
「だったら、君が彼女を自由にするか? だがそれで彼女は幸せになれるか? 王女として蝶よ花よと愛でられ、大切にされてきた彼女が、君と同じ生活水準にまで下がって幸せになれると?」
強く唇を噛んだ白鬼は、フォスキーアが連れてきた兵士たちに捕縛されたまま、アナスン王国の西南端にある崖に連れてこられました。
崖の先端に、白鬼は立たされました。左足に重りのついた足枷がはめられた白鬼は、穏やかに波打つ海面を見下ろします。
「これもファイルヒェンのためだ。彼女には、君は突然失踪したと言っておく。君がいなくなれば、彼女は幸せになれるんだ」
「……そうかも知れねェな」
フォスキーアは片手を上げました。それを合図に、兵士たちが白鬼に近づきます。
白鬼は彼らを睨んでけん制しました。その眼光に、兵士たちは思わず足を竦ませました。その隙に、白鬼は自ら崖から飛び降りました。その顔には、笑みが浮かんでいました。彼の脳裏に浮かんでいるのは、第一皇子の婚約者になったファイルヒェンの笑顔と、「ミタマ」と呼ぶ美しい声でした。
「幸せになれよ、ファイルヒェン」
白鬼の呟きは、彼の体と共に海に飲み込まれました。
こうして彼は、深い深い海の底で暮らすことになったのです。
そう言われた白鬼は呆気に取られて、目の前の第一皇子、フォスキーアを見上げました。
「話をしていただけで、ですか? それだけで、ファイルヒェン様の威光がかすむことはないはずです」
「平民の君には分からないんだ、王族に生まれた者の使命が。私たちは国民の憧れであり続けなければならない。そこに少しの汚点もあってはいけないんだ」
「そんなの、そのために自分の好きなものですら口に出せないなんて、おかしいです」
「だったら、君が彼女を自由にするか? だがそれで彼女は幸せになれるか? 王女として蝶よ花よと愛でられ、大切にされてきた彼女が、君と同じ生活水準にまで下がって幸せになれると?」
強く唇を噛んだ白鬼は、フォスキーアが連れてきた兵士たちに捕縛されたまま、アナスン王国の西南端にある崖に連れてこられました。
崖の先端に、白鬼は立たされました。左足に重りのついた足枷がはめられた白鬼は、穏やかに波打つ海面を見下ろします。
「これもファイルヒェンのためだ。彼女には、君は突然失踪したと言っておく。君がいなくなれば、彼女は幸せになれるんだ」
「……そうかも知れねェな」
フォスキーアは片手を上げました。それを合図に、兵士たちが白鬼に近づきます。
白鬼は彼らを睨んでけん制しました。その眼光に、兵士たちは思わず足を竦ませました。その隙に、白鬼は自ら崖から飛び降りました。その顔には、笑みが浮かんでいました。彼の脳裏に浮かんでいるのは、第一皇子の婚約者になったファイルヒェンの笑顔と、「ミタマ」と呼ぶ美しい声でした。
「幸せになれよ、ファイルヒェン」
白鬼の呟きは、彼の体と共に海に飲み込まれました。
こうして彼は、深い深い海の底で暮らすことになったのです。
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