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学園にて
華麗に回避!
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さて、全面協力する約束はしたけれど、外部生クラスのウチの子たちは、音に聞く憧れの王都幼学院を観に行けるって事に浮き足立ってる。
建物が文化財レベルの名建築として有名だし、上級貴族の子供達と遊べるなんて楽しみでしようがない。
それを「王太子組に譲りませんか?」というわたしからの提案は、やっぱり「えーっ」という不平不満の嵐に曝された。
「あれは最初から内部生向けのイベントで、わたしら外部生が行っても結構いたたまれないと思うんだよね…」
と実情を説明してみたら、半分は「確かに」と了承してくれた。けど、やっぱり半分はしぶしぶ飲まないといけないのかって顔ながら、納得しかねてる。まぁそらそうなるだろうね…。
「少なくとも俺らの正当な権利なんだから、王太子殿下のクラスに譲るってんなら、向こうがそれなりの対価を支払うべきじゃないのか?」
と男子のひとりが正論を出してきた。
確かにその通りだわ。こうなったのも、向こうのテスト成績悪かったのが馬鹿だっただけだしね。ウチがズルしたのは別にして。
でも譲る補償を求めるとなると、わたしの手からは離れるよね。譲る譲らないって話はこっちが勝手に言ってるだけだから、王太子殿下のクラスとイチからちゃんと話し合う必要が出てくる。
それを、わざわざわたしがしてやらなきゃならない謂れは無い。
よし、無かったことにしようか。
と思ったわたしは、さっそく件の先輩方に会いに行くと「説得失敗しました~」とヘラヘラと報告した。
当然のように怒り狂う先輩達。「お前たちのような下賎な者が、伝統ある王都幼学院に行くなんて許されるわけないでしょ!!」と喚く。
「殿下が学園生として後進をご指導なされるべき機会を、お前たちなんかに邪魔されるなんて無礼千万だとは思わないの?!」
内部生のお貴族様なご令嬢たちが、あるまじきヒステリックさで唾を飛ばした。
(うるさいなぁ……)
「なら王太子様達のために、先輩方が枠を空けられてはいかがですか?」
殿下に行って欲しいならそっちが譲りなよ、と妥協策を提案したのに、「私達は学年が違うわ!大体、もしそうしたとしても、一年生が2クラスなんて行事をちゃんと出来るわけないでしょ!」と拒否られた。知らんがな。
正直わたしはどっちでもいいや、と話しを打ち切り、掴みかかって騒ぎ立ててくる先輩ご令嬢たちを無視して、職員室へ向かうことにする。
クラスはともかく、わたし自身は辞退しときたいのだ。それこそ切実に。
わがままは認められないかな?と懸念したけど、職員室で担任の先生を捕まえて事情を説明したら、流石にラフネス家とフェアネスの因縁を知ってる教職員たちだ。難しい顔で思案しながらも承認してくれた。ラッキー♪
「ふんっ、ひとりと言わずクラス全体で辞退すればいいものを」
と、吐き捨てるように言う声が耳に入った。
「あん?誰だコラッ」と一瞬思ったけど、あれだ、生徒指導のホスタイル先生だ。うわっ、とあからさまに眉をひそめてしまう。
「ホスタイル先生、聞き捨てなりませんね」
つぶやきはウチのクラス担任にも聞こえていたのか、喧嘩を売られたとみて立ち上がって反論しようとしてた。一気に、職員室内の空気がピリッと冷えた。
あ、わたし関係ないので…。
そそくさと逃げ出す。ラフネスとして侮られてるならともかく、あのホスタイル氏とは極力関わりを持ちたくないのだ。
じゃあわたしは校外学習の期間は自習という事でヨロシクお願いしますぅ。
建物が文化財レベルの名建築として有名だし、上級貴族の子供達と遊べるなんて楽しみでしようがない。
それを「王太子組に譲りませんか?」というわたしからの提案は、やっぱり「えーっ」という不平不満の嵐に曝された。
「あれは最初から内部生向けのイベントで、わたしら外部生が行っても結構いたたまれないと思うんだよね…」
と実情を説明してみたら、半分は「確かに」と了承してくれた。けど、やっぱり半分はしぶしぶ飲まないといけないのかって顔ながら、納得しかねてる。まぁそらそうなるだろうね…。
「少なくとも俺らの正当な権利なんだから、王太子殿下のクラスに譲るってんなら、向こうがそれなりの対価を支払うべきじゃないのか?」
と男子のひとりが正論を出してきた。
確かにその通りだわ。こうなったのも、向こうのテスト成績悪かったのが馬鹿だっただけだしね。ウチがズルしたのは別にして。
でも譲る補償を求めるとなると、わたしの手からは離れるよね。譲る譲らないって話はこっちが勝手に言ってるだけだから、王太子殿下のクラスとイチからちゃんと話し合う必要が出てくる。
それを、わざわざわたしがしてやらなきゃならない謂れは無い。
よし、無かったことにしようか。
と思ったわたしは、さっそく件の先輩方に会いに行くと「説得失敗しました~」とヘラヘラと報告した。
当然のように怒り狂う先輩達。「お前たちのような下賎な者が、伝統ある王都幼学院に行くなんて許されるわけないでしょ!!」と喚く。
「殿下が学園生として後進をご指導なされるべき機会を、お前たちなんかに邪魔されるなんて無礼千万だとは思わないの?!」
内部生のお貴族様なご令嬢たちが、あるまじきヒステリックさで唾を飛ばした。
(うるさいなぁ……)
「なら王太子様達のために、先輩方が枠を空けられてはいかがですか?」
殿下に行って欲しいならそっちが譲りなよ、と妥協策を提案したのに、「私達は学年が違うわ!大体、もしそうしたとしても、一年生が2クラスなんて行事をちゃんと出来るわけないでしょ!」と拒否られた。知らんがな。
正直わたしはどっちでもいいや、と話しを打ち切り、掴みかかって騒ぎ立ててくる先輩ご令嬢たちを無視して、職員室へ向かうことにする。
クラスはともかく、わたし自身は辞退しときたいのだ。それこそ切実に。
わがままは認められないかな?と懸念したけど、職員室で担任の先生を捕まえて事情を説明したら、流石にラフネス家とフェアネスの因縁を知ってる教職員たちだ。難しい顔で思案しながらも承認してくれた。ラッキー♪
「ふんっ、ひとりと言わずクラス全体で辞退すればいいものを」
と、吐き捨てるように言う声が耳に入った。
「あん?誰だコラッ」と一瞬思ったけど、あれだ、生徒指導のホスタイル先生だ。うわっ、とあからさまに眉をひそめてしまう。
「ホスタイル先生、聞き捨てなりませんね」
つぶやきはウチのクラス担任にも聞こえていたのか、喧嘩を売られたとみて立ち上がって反論しようとしてた。一気に、職員室内の空気がピリッと冷えた。
あ、わたし関係ないので…。
そそくさと逃げ出す。ラフネスとして侮られてるならともかく、あのホスタイル氏とは極力関わりを持ちたくないのだ。
じゃあわたしは校外学習の期間は自習という事でヨロシクお願いしますぅ。
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