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終章
いやいやいや、
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あれから、王家を謀ったフェアネス侯爵家をどうするか、の話になったらしい。
フェアネス家長女アンネセサリーは領地にて病気療養していると、ずっと王太子たちは聞かされていたそうだ。しかし、一応の見舞いの品は受け取っても王太子が見舞いに訪れる栄誉は固辞され、役に耐えられぬからと婚約者候補の辞退も申し入れられ続けていた。しかも旧交のある王弟に急接近をしはじめたという。
王太子派の子女たちは、アンネセサリーを自分たちから遠ざけようとするフェアネス侯とずっと交渉し続けていた。一抹の、最悪な予感をも頭によぎらせながら……。
それだけに、フェアネス家には思うところが色々とあったらしい。どうしてくれようか、と鼻息荒くしてた。
王太子派、要は王権強化を目指す王統派としては、王弟には上手く逃げられてしまったが、公共銀行の不振で弱っているこの機にフェアネス家の権勢を削ぎ落としたい。
けど、出奔したのはあくまでわたしの勝手だ。そのわたしを、形式的であっても娘として籍に残していた侯爵家の非を糾弾するのは無理筋だよね。
なによりわたしは、自分の存在を世間一般に知られたくない。フェアネスに、今の自分の存在を知られたくない。
なんとか穏便に済ましてもらえるよう、お願いした。
ならばむしろ逆に、これをネタに侯爵家へ貸しを押し売りしてやりましょうか、とクソ宰相は悪い顔で唇を歪める。
……好きにしたらいいけど、わたしらには迷惑かけないでね。あと、わたしをフェアネスと呼ぶな。
王太子殿下に、改めてフィーユ・シャルマン男爵令嬢を薦めてみた。けど、どうしたものか、当のフィーユ自身がすっかりとその気を失くしてしまっていた。
「だってサリーが王妃さまになるんでしょ?なら私はサリー派だから、ウチの目的それで達成じゃん♪」
後日、夜会前に集まった女子会お茶パーティーで、あっけらかんと笑ってみせた。
な、何言っちゃってんの、この子はっ??!これまでの努力は?!子供の時からの憧れは!!?と必死にその真意を正して説得を試みたら、
「実は……」
と、モジモジしつつ、ヴィル・トゥオーゾ侯爵令息から貰ったという薬指の指輪をキラリと見せてくれた。
「はいぃぃっ?????」
「殿下に相応しくなれるようにって頑張ってる時にいっぱい応援してもらってて、そのうちお互いに殿下の良い所やサリーの良い所を言い合ってたら、なんだか意気投合しちゃって……」
言いつつ、テヘッと可愛く照れ笑い。内部組は既に知ってたのか、お茶会仲間のケイティとニッキーがキャッキャと手を取りはしゃいでる。
その上で、
「なんかね、前々から何となく感じてたんだ。
殿下って、もうすっっっっごい憧れには違いないんだけど、素敵にキラキラ輝いてるのをお見かけして嬉しくて幸せな気持ちにはなっても、殿下と結婚してどうこうっていうのは……」
ちょっと違うかな~?とか、言い出す始末。
「むしろ私の大好きなサリーと憧れの殿下が一緒に並んでるのって、こう、凄く……」
絵画みたいで美しくない?それを家臣として支える私たちトゥオーゾ侯爵令息夫妻……。良い……。
と、うっとり頬を赤らめたりしちゃってる。
今やフィーユと親友みたくなってるドリー嬢も、一緒になってうんうんと頷く。
いやいやいやいや、フィーユ自身が言ってたじゃん!嫌がるわたしに無理強いなんてするべきじゃないって!わたし、王妃どころかフェアネスの代役にもならないからねっ!?
「無理強いなんてしないよ?でもサリーなら、立派な王妃さまになってくれそうだなぁ、って思ったの」
「ええ、アンネ様以外に、この国を統べるに相応しい女性はおりませんわ」
フィーユの妄想にドリーも同意し、誰一人として暴走を止めようとしない。
「いつかその気になってくれたら良いなって思ってるだけだから、サリーの気持ちが一番だよ?でもそうなったとこを想像しただけでも、素敵だよね⭐︎」と目をキラキラさせるのだ。期待感の圧が凄い。
いやいやいやいや、王太子の伴侶は侯爵家とか公爵家とか、それこそ他国の王女様とか、もっと太い実家の、後ろ盾に相応しい派閥から選ぶべきものだからね?!
「むしろどこの派閥からも影響を受けないアンネセサリー嬢こそが、新しい王国の一員となるべき御方だと思いますよ」
今やフィーユを射止めた憎いあんちくしょうことトゥオーゾ侯爵令息がスススッと現れ、愛しきフィーユに「時間になったから迎えに来たよ」と微笑ましく頬を摺り寄せながら無茶苦茶なことをのたまっていった。
この後のパーティーでわたし達をエスコートするため、男子組が連れ立って時間通りに迎えに来たのだ。
「いやいやいやいや、わたしは伯爵領に後継者連れて帰らなきゃいけないから!」
「まぁそこは、これからの私の頑張り次第だろうね。8年間分の埋め合わせを、誠心誠意の真心で満たしてみせよう」
トゥオーゾ侯爵令息らを率いてた王太子殿下が、コホンッと咳払いし、少し照れ臭そうにこちらへと視線を流してくる。
がんばれー!応援してるわよー!とキャッキャする令嬢組。
いやいやいやいや、聞けぇーい!話しをーっ!
フェアネス家長女アンネセサリーは領地にて病気療養していると、ずっと王太子たちは聞かされていたそうだ。しかし、一応の見舞いの品は受け取っても王太子が見舞いに訪れる栄誉は固辞され、役に耐えられぬからと婚約者候補の辞退も申し入れられ続けていた。しかも旧交のある王弟に急接近をしはじめたという。
王太子派の子女たちは、アンネセサリーを自分たちから遠ざけようとするフェアネス侯とずっと交渉し続けていた。一抹の、最悪な予感をも頭によぎらせながら……。
それだけに、フェアネス家には思うところが色々とあったらしい。どうしてくれようか、と鼻息荒くしてた。
王太子派、要は王権強化を目指す王統派としては、王弟には上手く逃げられてしまったが、公共銀行の不振で弱っているこの機にフェアネス家の権勢を削ぎ落としたい。
けど、出奔したのはあくまでわたしの勝手だ。そのわたしを、形式的であっても娘として籍に残していた侯爵家の非を糾弾するのは無理筋だよね。
なによりわたしは、自分の存在を世間一般に知られたくない。フェアネスに、今の自分の存在を知られたくない。
なんとか穏便に済ましてもらえるよう、お願いした。
ならばむしろ逆に、これをネタに侯爵家へ貸しを押し売りしてやりましょうか、とクソ宰相は悪い顔で唇を歪める。
……好きにしたらいいけど、わたしらには迷惑かけないでね。あと、わたしをフェアネスと呼ぶな。
王太子殿下に、改めてフィーユ・シャルマン男爵令嬢を薦めてみた。けど、どうしたものか、当のフィーユ自身がすっかりとその気を失くしてしまっていた。
「だってサリーが王妃さまになるんでしょ?なら私はサリー派だから、ウチの目的それで達成じゃん♪」
後日、夜会前に集まった女子会お茶パーティーで、あっけらかんと笑ってみせた。
な、何言っちゃってんの、この子はっ??!これまでの努力は?!子供の時からの憧れは!!?と必死にその真意を正して説得を試みたら、
「実は……」
と、モジモジしつつ、ヴィル・トゥオーゾ侯爵令息から貰ったという薬指の指輪をキラリと見せてくれた。
「はいぃぃっ?????」
「殿下に相応しくなれるようにって頑張ってる時にいっぱい応援してもらってて、そのうちお互いに殿下の良い所やサリーの良い所を言い合ってたら、なんだか意気投合しちゃって……」
言いつつ、テヘッと可愛く照れ笑い。内部組は既に知ってたのか、お茶会仲間のケイティとニッキーがキャッキャと手を取りはしゃいでる。
その上で、
「なんかね、前々から何となく感じてたんだ。
殿下って、もうすっっっっごい憧れには違いないんだけど、素敵にキラキラ輝いてるのをお見かけして嬉しくて幸せな気持ちにはなっても、殿下と結婚してどうこうっていうのは……」
ちょっと違うかな~?とか、言い出す始末。
「むしろ私の大好きなサリーと憧れの殿下が一緒に並んでるのって、こう、凄く……」
絵画みたいで美しくない?それを家臣として支える私たちトゥオーゾ侯爵令息夫妻……。良い……。
と、うっとり頬を赤らめたりしちゃってる。
今やフィーユと親友みたくなってるドリー嬢も、一緒になってうんうんと頷く。
いやいやいやいや、フィーユ自身が言ってたじゃん!嫌がるわたしに無理強いなんてするべきじゃないって!わたし、王妃どころかフェアネスの代役にもならないからねっ!?
「無理強いなんてしないよ?でもサリーなら、立派な王妃さまになってくれそうだなぁ、って思ったの」
「ええ、アンネ様以外に、この国を統べるに相応しい女性はおりませんわ」
フィーユの妄想にドリーも同意し、誰一人として暴走を止めようとしない。
「いつかその気になってくれたら良いなって思ってるだけだから、サリーの気持ちが一番だよ?でもそうなったとこを想像しただけでも、素敵だよね⭐︎」と目をキラキラさせるのだ。期待感の圧が凄い。
いやいやいやいや、王太子の伴侶は侯爵家とか公爵家とか、それこそ他国の王女様とか、もっと太い実家の、後ろ盾に相応しい派閥から選ぶべきものだからね?!
「むしろどこの派閥からも影響を受けないアンネセサリー嬢こそが、新しい王国の一員となるべき御方だと思いますよ」
今やフィーユを射止めた憎いあんちくしょうことトゥオーゾ侯爵令息がスススッと現れ、愛しきフィーユに「時間になったから迎えに来たよ」と微笑ましく頬を摺り寄せながら無茶苦茶なことをのたまっていった。
この後のパーティーでわたし達をエスコートするため、男子組が連れ立って時間通りに迎えに来たのだ。
「いやいやいやいや、わたしは伯爵領に後継者連れて帰らなきゃいけないから!」
「まぁそこは、これからの私の頑張り次第だろうね。8年間分の埋め合わせを、誠心誠意の真心で満たしてみせよう」
トゥオーゾ侯爵令息らを率いてた王太子殿下が、コホンッと咳払いし、少し照れ臭そうにこちらへと視線を流してくる。
がんばれー!応援してるわよー!とキャッキャする令嬢組。
いやいやいやいや、聞けぇーい!話しをーっ!
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