ワンダフルマンと小さな川

植戸優太

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エピローグ-小さな川と私

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私の人生はこの川みたいなものだった。

水が増え、減って乾き、また増える。

水が増えるというのは、潤い満たされたように聞こえるかもしれない。

だが違う。乾き切った心に、追い討ちで濁った水が叩きつけてくるのだ。

この川は、いつも冬の枯れた川のようだった。たまに雨で水が濁り、また冬の枯れた川に戻る。

だがその川が枯れている間、完璧なまでに透き通っていた。
私、澄吉麗也(すみよし れいや)
もこの川のような人生だった。


「引退作品がこれなの?」
そう聞くのは私の15歳の孫娘である。
私は78歳の画家だ。
今日は私の人生に寄り添ってきた川を描き、この作品をもって引退しようとしているところだ。

「この川がおじいちゃんの人生を示してるって言ってたけど、こんな悲しげな人生を送ったようには思えないよ。」
そう孫の口から出るほど、本当に一本線のような川なのだ。

「いいや、私はこのくらいへんてこな男だったのさ。けど誰もが欲しがる完璧な水を持っていたんだ。」

孫はわからなそうだ。
だから私は、自分の人生を細かく語ってみることにした。


私は高校卒業後、プロ野球選手になった。
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