10番目の同級生

ジャメヴ

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人となり

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  川島は財布からもう1万円取り出し俺に見せた。
「!」
俺は目が一瞬飛び出た気がした。動揺を隠しながら話す。
「もう、パチンコの情報も無いですよ?」
「では、一ノ瀬さんの人となりをお話できますか?」
「えっ?!  人となりって?」
「家族だったり、友達だったり、何でも良いです」
「俺は、あなたの人となりが知りたくなってきましたよ」
「ははは」
川島が乾いた笑いをした時、店員が料理を持ってきたので俺は慌ててお金を受け取った。店員が料理を置き、去るのを見て俺は話し出す。
「まあ、お金も貰ってるんで話します」
「お願いします」
「でも、その前にステーキだけ食べますね」
「どうぞどうぞ」
川島も焼き鳥を食べ出した。俺はサイコロステーキを食べながら話す。
「俺、名前球児っていうんですよ。野球の球に園児の児。一ノ瀬球児」
「珍しいですね、親御さんが野球好きだったんですか?」
「母親は俺を産んですぐ亡くなったんですよ。だから、親父が球児ってつけたんです。親父は野球をやっていなかったんですけど好きだったみたいです。でも、そんなスパルタじゃなかったですね。普通のリトルリーグに入って普通の強さで。で、中3になった時、親父が筋トレをしろって言ってきて……。まあ、成長期から充実期に変わる頃に筋肉つけるのが良いみたいなんで理に敵っていますよね。でまあ、話は遡るんですが、俺が中学に入る頃だったと思いますが、親父が再婚してしばらくすると弟も出来たんです。その頃から母親と俺との仲が悪くなってきましたね。で、中学卒業少し後ぐらいに親父のタンスの金かき集めて家出したんです。30万ぐらいありました……ってこの話興味あります?」
「それから、どうなりました?」
川島は興味があるようにも見えるし無いようにも見える。俺はモヤモヤしながらも、お金を受け取っているので続ける。
「取り敢えず、電車に乗り出来るだけ遠くへ行こうと思いました。で、仕事とかどうしようかなって考えながら移動してたんですけど、中学の時に友達の五木ってのとパチンコの話をしてた事を思い出したんです。で、連絡をとったら中学卒業と同時に青山に住んでいるって言うんで泊めてもらう事になりました。それでこの地に来て……今に至ります」
俺は、こんな話絶対意味が無いと思い、その後の経緯を全て省いた。
「という事は当時15歳?」
「そうです。そもそも、パチンコって18歳からなんですけど、俺、こんな見た目なんで当時から未成年には見えなかったと思います」
「そうなんですね。それから、興味があったのは、あなたの交遊関係なんです。お話頂けますか?」
「なるほど。では、質問してもらって良いですか?」  
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