10番目の同級生

ジャメヴ

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窃盗依頼

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  俺はそこまで驚かなかった。最悪、殺人依頼まであると考えていたからだ。そもそも、金持ちから金品を取る事なんて、そこまでの罪悪感は無い。しかし……。川島は続ける。
「最近、ジュエリー西川が客寄せの為に2億円の宝石を店頭に置いているのは御存知ですよね?  それを奪ってきて頂きたいという依頼です」
「2億円の宝石強盗で報酬が100万円て、割に合わないな」
「強盗では無いです、窃盗です。強盗は人に危害を加えますが窃盗は危害を加えません。あなたにとっては色んな意味で違いがあると思います。それに、100万円は前渡しです。口止め料と考えてもらって良いです。報酬は別で2,000万円です」
「2,000万……。なるほどなるほど。最初、パチンコをしない感じなのに何故パチンコの話を聞いてくるのかと思っていましたが関係無かったんですね。引き受けやすい依頼をしていって最終的に大きな依頼をするセールスマンの手口……」
川島は少し笑みを浮かべて言う。
「心理学用語でフットインザドアって言うそうです」
「まあ、何だって良いですよ。でも、俺はドアに足を入れられても断れますから」
川島の顔が厳しくなった。
「問題は窃盗ですか?  金額ですか?」
「どっちもだな。まあ、窃盗の件は未成年だし罪も軽い。そこは置いといて、あんたは2億円で俺は2,000万円ってどうなんだ?  どう考えても俺のリスクの方が大きい」
「あなたに2億円の宝石を2,000万円以上に出来るルートがありますか?  無いでしょう?  何処に売ろうとしても、あんな有名な宝石、足がつきます」
「……」
俺の反論は川島にとって想定内の返しだったようで、直ぐに答えられ何も返せなくなってしまった。
「換金率10%ですね、換金率が低い店を得意とするあなたにピッタリじゃないですか」
「……」
ぐうの音も出ない。この男を出し抜きたい気持ちが溢れ出てきているが短時間で思いつく訳も無い。
「どうですか?」
「……分かりました。実行するかどうかは別として、当日の動きを教えて下さい。あなたの事なら、作戦は既に練られているんでしょう?」
「分かりました。では……」
その時、電話が鳴った。
「ちょっと待ってください。五木からです。もしもし……」
川島は残りの冷えているであろう焼き鳥を食べだした。
「どうしてる?  こっちは終わったぞ。飯食いに行かないか?」
「悪い、食べておいてくれ。用事が終われば連絡する」
「そうか、帰ってきたらビックリする事が待ってるぞ、じゃあ」
そう言って五木は電話を切った。
  ビックリする事だって?  こっちは、もっとビックリする事が起こっているんだよ!  そう思いながら俺は電話を切り、川島へ謝る。
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